不妊治療を長く続けているのに、なかなか子宝に恵まれない…
そうなると、歯がゆくてストレスが溜まってしまいますよね。
そのストレスなどが原因で夫婦仲が悪化し、離婚してしまったというケースも多いようです。
不妊治療が夫婦にもたらす影響について考えてみましょう。
不妊で夫婦仲が悪化していませんか?
なかなか子宝に恵まれないことが原因で離婚してしまうというのもよくある話です。
では、不妊治療をしながらも、夫婦仲を円満に保つためにはどうしたらいいのでしょうか?
その答えを見つけるためにも、不妊治療との向き合い方について考えてみましょう。
不妊治療が夫婦にもたらす影響の1つに、治療費が家計を圧迫するということがあります。
治療方法については人それぞれで、徐々にステップを踏んでいくことになるケースが多いです。
タイミング法、排卵誘発法、人工受精、体外受精などとありますが、タイミング法や排卵誘発法であっても何度も通院するので通院費はかかりますし、人工授精も1回あたり約1万5,000円くらい、体外受精になると1回あたり約20~50万円くらいはかかります。
保険適用外になる治療も多く、1回で通院や治療が済むということはほとんどないので、何度も通院費や治療費を払う必要があるのです。
なかなか妊娠できず治療期間が長引くほど家計はどんどん圧迫されていきます。
不妊治療には痛みを伴う場合があります。
例えば、不妊の原因を調べるために検査の1つである「子宮卵管造影検査」をするときには、卵管が詰まっているか調べるために子宮内に管を挿入して卵管に約液を注入するのですが、この検査が痛いと感じる女性が多いようです。
あとは、体外受精をするときに、採卵から胚移植までの過程が痛いと感じる女性もいます。
行う検査や治療のやり方は症状や病院によって異なりますが、夫婦で不妊治療を行っていたとしても、痛みを伴う可能性があるのは女性だけでしょう。
そのことがストレスになり、体も心も病んでしまうということもあります。
治療をするにあたり、夫婦間の温度差を感じるという意見はとても多いです。
夫婦で協力して不妊治療に取り組んでいたとしても、妻から見たら、夫が治療に消極的に映ってしまうことがあります。
温度差を感じることでイライラが募ってしまい、夫婦喧嘩が増えてしまうのはよくあることです。
不妊治療をするなら、夫婦のモチベーションが同じであることがベスト。
そして、妻のほうが治療に対する負担が圧倒的に大きく、精神バランスを崩しやすいので、夫は妻の気持ちを理解する努力が必要だといえます。
まずはタイミング法をしばらく試すという治療から始めることが多いのですが、妊娠できるチャンスである排卵日は限られており、その時期に性行為をしないと妊娠できません。
「何日後にしましょう」と日にちを指定して行うので、性生活が義務化されているような気持ちになってしまうのです。
そんな日々が続いてしまうと、性行為は夫婦の愛情を確かめるスキンシップではなくなってしまいます。
そしてそのことがストレスに感じてしまい、次第に回数が減ってしまうこともあるのです。
パートナーはどこまで不妊治療を求めているのか話し合っていますか?
どうして子供が欲しいのか、いつ頃までに欲しいのかなど、子供に対する価値観が同じかどうかを確かめてみましょう。
大切なパートナーとの証として子供を残したいと思って不妊治療を始めたものの、価値観が食い違っていることが原因で、次第に夫婦関係が崩れてしまい、最悪の場合は離婚してしまうことがあります。
不妊治療を夫婦で協力して行っていくためには、子どもに対する価値観が同じであることが重要。
治療を始める前に、子供のことについて夫婦でよく話し合ってみましょう。
不妊治療の負担はいろいろあります。
精神的な負担や肉体的な負担もそうですが、現実的な面でいえば、経済的な負担はとても大きいです。
保険適用外になる治療が多いので、金銭面に余裕がなく不妊治療を諦める夫婦もいます。
逆に、諦めきれずに治療を続けたことで生活が苦しくなり、夫婦生活までも破綻してしまうということもあるようです。
不妊治療は妊娠するまで続ける必要があるので、長引くほどに経済的な負担は大きくなります。
治療を始める前に予算を決め、予算オーバーになったら治療を諦めるという決断を下すことも大切です。
不妊治療に終わりはありません。
35歳以上で不妊治療を続けているという女性に多い悩みが、「いつ治療を終わらせたらいいのかわからない」ということです。
終わりが見えない不妊治療によりストレスを感じ、イライラして夫婦喧嘩になってしまうこともあります。
ストレスやイライラによる夫婦喧嘩を避けるためにも、不妊治療を続ける期間を始めに決めておくということも大切。
例えば、「治療は40歳までにして、それまでに子供が出来なくてもきっぱりやめる」など、治療の期間もしくは治療を終わらせる年齢を決めておくといいでしょう。
治療のことで頭がいっぱいになってしまい、大切なパートナーに対する愛情を見失っていませんか?一度肩の力を抜いて、原点に戻って夫婦の愛情を確認してみましょう。
治療によって夫婦仲が悪化してしまうと、大切なパートナーを失ってしまうかもしれません。
結婚したときは愛情を確かめ合って夫婦になったはずです。
治療に行き詰まり夫婦関係が悪くなりそうになったら、治療のことは一旦忘れて、夫婦の愛情を確認する時間を取りましょう。
残念ながら離婚に至ってしまったのであれば、手続きを進めなければいけません。
離婚には種類があります。
日本で最も多いのが、話し合いで進めていく協議離婚です。
協議離婚は家庭裁判所などの手続きの必要はありません。
話し合いでは、財産分与や慰謝料など、決めることがいろいろあります。
スムーズに離婚の話し合いをするために、弁護士に間に入ってもらって交渉を進めていくというケースが多いです。
話し合いによりお互いが納得できたら離婚成立となります。
協議離婚による話し合いで離婚条件に合意できなかった場合は、家庭裁判所で離婚の調停を申し立てます。
ただし、いきなり離婚訴訟にはできません。
まずは離婚調停で話し合いをするという調停前置のステップを踏むことが決まりです。
調停では、調停委員が夫婦を別々に個室に呼び出し、1人ずつ話を聞いて、調査や証拠調べをします。
この方法だと、お互いが顔を合わせずに離婚の話し合いをするので、冷静に話をすることができるということが特徴。
そして調停の結果、夫婦間で合意ができたら、家庭裁判所が調停調書を作成し、調停離婚成立となります。
離婚調停で成立に至らなかったけれど、それでも離婚したいというのであれば、家庭裁判所に訴状を提出して裁判離婚を求めることになります。
ただし、訴訟することが認められるためには、民法で定められた法的離婚事由が必要です。
法的離婚事由には、例えば「相手に不貞行為があった、悪意があって遺棄された」などがあります。
裁判になった場合、訴えを起こすほうは「原告」、相手は「被告」となり、お互いが裁判所で戦うことになるのです。
原告は離婚原因があることを主張して、立証する必要があります。
不妊治療が原因でケンカが絶えなくなると、愛情が冷めてしまい離婚してしまうというケースがあります。
夫婦間の話し合いで離婚に合意できればいいのですが、どちらかが離婚したくないというのであれば、不妊が離婚の理由として認められるかどうかがポイントです。
例えば、不妊治療が原因でケンカになった際に、暴力を振るわれたというのであれば、それは十分に離婚の理由として認められるでしょう。
直接の暴力でなくても、暴言を吐かれたなど、言葉の暴力であっても離婚の理由として認められる可能性があります。
不妊に悩んでうつになってしまう方も多いです。
うつ病になったというだけでは、婚姻を継続できないとまではいいきれないので、離婚が認められないこともあります。
しかし、うつ病になったときにパートナーの思いやりが欠けていたことが原因で長い別居になった場合は別です。
性格の不一致や言葉の暴力などで婚姻関係が継続できないということになり、離婚が認められる可能性は高くなります。
セックスレスになり不妊になった場合も、離婚の理由になります。
一方が子供を望んでいるのに、もう一方が拒んでいる場合、性の不一致が原因ということで法的な離婚理由として認められるのです。
それはなぜかというと、結婚を目的にして子供をつくるという考え方があるから。
一番いいのは、お互いに尊重して、最大限にできることをしたうえで、話し合いをするということです。
しかしそれがうまくいかず、拒んでいる相手に明確な理由(セックスが暴力的だからなど)がないのであれば、セックスレスでの離婚が認められるでしょう。
2人目の不妊の場合、2人目の子供が欲しいかどうかで意見が一致しないこともあります。
その場合は性格の不一致といえるでしょう。
また、子供が欲しいかどうかで夫婦間で温度差が出るのは、大きな価値観の違いです。
性格の不一致や価値観の違いが離婚の原因として認められる可能性はあります。
すでに子供が1人いるとなると、その子の福祉が重要だとみなされて離婚が認められないケースもあるので、2人目不妊が原因の離婚で悩んでいるなら弁護士に相談してみましょう。
2人目の不妊による離婚の場合は、子供の養育費が発生するという問題が出てきます。
離婚の話し合いの際には、養育費をどうするかについての話し合いが重要になるでしょう。
養育費とは、子供が両親に対して生活に必要なお金を請求するというもの。
親権がない親は、一般的に家庭裁判所の算定表という基準に基づいたお金を、親権を持っている親に支払います。
離婚の話し合いをする際には、離婚時の養育費の相場について調べておきましょう。
離婚したら、夫婦のどちらかに親権を決定しなければいけません。
親権の決定は、離婚届けを出すときに決めておく必要があります。
また、親権を取っていない親は、子供との面会を設けるための「面会交流権」を求めるための話し合いを進めていきましょう。
子供にとっては、離婚したとしても両親は変わらないので、離婚後も両親からの愛情を受けて教育される権利があるのです。
そのため、月に1回面会するなど、面会についての条件を決めておきましょう。
離婚が子供に及ぼす影響はとても大きいものになります。
特に幼児期に母親がいなかったり、反抗期に父親がいないとなると、子供の人格に影響を及ぼすことになり、それが生涯影響していくことになるのです。
実際、非行に走る少年を調査すると、多くが両親の離婚を経験しているというデータがあります。
また、離婚してシングルマザーになった家庭は、生活が苦しくなって、子供に十分な教育を受けさせられないということになる可能性もあるのです。
このように、子供に与える影響もよく考えてから、離婚することが正しいのかをよく検討しましょう。
不妊治療を続けることは、心や体の負担、そして金銭面な面での負担が大きいです。
それらの負担がストレスになり、そのことが原因で夫婦仲が悪くなることもあります。
最悪の場合は、不妊が原因で離婚してしまうケースもあるので注意しましょう。
子供に対する価値観が合わなかったり治療の計画が不十分な場合に、夫婦仲が悪化することが多いです。
そうならないためには、不妊治療を始める際に、夫婦でじっくり話し合いましょう。