2018.05.12

不妊治療を助成金で国が応援!手厚くなった内容や申請方法は?

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不妊治療を応援する国の制度も、年々改正されています。

その助成金の内容と申請までのポイントをピックアップ。

さまざまに試みてきたあなた方の不妊治療。

次のステップは、このページに目を通すことから始まります。

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不妊治療に使える「国の制度」がある?

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少子高齢化が続き人口減少の日本、国も本腰で不妊治療を応援し始めました。

平成16年度には助成件数は17,657人でしたが、平成25年度には148,659件と8.4倍の伸びになっています。

その治療応援の制度とは「特定不妊治療費助成制度」です。

では、それはどのような制度で、どのように申請するのでしょうか。

不妊治療に対して国から助成金はあるのか

不妊に悩む方への特定治療支援事業

なかなか子供ができないご夫婦で、体外受精や顕微授精も考え始めたが高額な治療費を前になかなか思いきれない。

そんな方へ、厚生労働省が「不妊に悩む方への特定治療支援事業」を行っています。

これは、治療費の一部を助成する制度で、平成26年4月に改正されて、より現実に則した制度となっています。

給付内容について

1回目の特定不妊治療にかかった費用には、最大30万円を助成してもらえます。

これは平成28年度内に改正されて、15万円から倍増となったものです。

初めて治療される方には正に朗報、国・国民があなたの背中を押してくれているのです。

2回目以降は改正前と同様に15万円までの助成となります。

ただし、凍結胚移植(採卵をしないもの)等は初回から7.5万円までとなります。

対象となる治療とは

検査や治療にはさまざまなもの、精液検査や子宮卵管造影検査、排卵誘発注射があり、これらには保険が適応されます。

保険適応外の治療には人口受精・体外受精・顕微授精があり、このうち人口受精は、治療費が1万円から3万円と比較的安く、助成対象外です。

残りの二つ、体外受精は治療費が20万円以上、顕微授精だと25万円以上かかり、この二つの治療が助成対象となります。

特定不妊治療費は指定医療機関の立地や設備などによりさまざまですので、通院のしやすさも含めて検討しましょう。

男性側の不妊治療も対象となっている

男性が不妊原因の場合も実は多く、不妊の原因はほぼ男女半々です。

男性の場合もさまざまな要因が有り、精子が少ない場合は男性の精巣から精子を取り出すなどの治療となりますが、これも保険がきかず、数十万円の費用がかかってきます。

しかし、平成28年度内の制度改正により男性不妊も助成してもらえることになりました。

女性への助成に上乗せするかたちで、上限額15万円が受けられます。

男性の場合は年齢制限はありません。

ただし給付制限があるため注意が必要

助成回数も決められています。

治療期間の初日に妻の年齢が40歳未満である場合は6回まで、40歳以上である場合は3回までとなります。

ただし、治療の初日が43歳以上の場合は助成は受けられません、残念ながら治療は全て自費となります。

さらに、合算で所得が730万円未満である夫婦が対象とされ、「妻の年齢」と「夫婦所得」の二つが給付制限となっています。

申請はどのようにすればいいの?

申請の流れについて

申請については都道府県や政令市・特例市等のホームページに記載されています。

まずご夫婦が申請の該当者であるかどうかお確かめください。

住所・婚姻関係・医師の診断・指定医療機関の利用・ご夫妻の所得額が730万円未満・妻の年齢が43歳未満等が条件となります。

申請する場所は主に保健所もしくは類似の出先となります。

書類持参の他に郵送も受け付けてくれるため、ホームページで確認しましょう。

申請の後に、承認・不承認の結果が郵送され、承認となった場合は申請書に書かれた口座に振り込まれます。

必要書類とは

申請をする際には、以下の書類が必要です。

1. 不妊に悩む方への特定治療支援事業申請書:書類は申請窓口等の他に都道府県などのホームページからダウンロードできるようになっているところが多いです。

2. 不妊に悩む方への特定治療支援事業受診等証明書:医療機関より証明してもらいます。この書類も申請窓口やホームページからダウンロードとなります。

3. 不妊治療の領収書や診療明細書:入院費や食事代などは助成対象外です。治療費のみが対象になります。

4. 夫婦の住民票:3か月以内に発行のもの、夫婦住所が異なる等、場合によっては戸籍謄本も必要になります。

5. 夫婦の所得・課税証明書:市町村役場からもらえます。

都道府県・政令市などにより多少の違いがあるため、申込窓口などで確認をしましょう。

提出期限がある

1回目の治療が終了した日(受診等証明書に書かれた治療期間の最終日)の年度(4月1日から翌年3月31日)の最終日(3月31日)までに申請する必要があります。

助成金以外にも活用できる制度はあるの?

医療控除が受けられる

不妊治療には多額の費用がかかり負担になりますが、助成金の他に医療費控除も受けることができます。

医療費控除は不妊治療だけでなく生計を共にする家族のために支払った医療費も該当し、5年間さかのぼって申請することも可能です。

不妊治療で医療控除に該当するものは検査代、治療費、薬代、不妊治療鍼治療、不妊治療マッサージ代などになります。

また、電車やバスなどの交通費も対象となりますので、領収書が出ない場合でも金額や日時のメモをしておきましょう。

それを基に控除申請することができます。

基本は年額医療費が10万円以上となりますが、所得によって便宜も図られています。

医療費は年度ではなく1月1日から12月31日までの期間となり、税務署が申告の窓口になります。

不明な点は税務署に確認してみましょう。

自治体によっては助成金が出るところがある

国とは別に、住んでいる市町村が不妊治療助成金を出している場合があります。

人口減少対策として合意されており、国や県の助成金額に数万円から10万円くらい上乗せするかたちの助成が多いです。

ただし、市町村によって助成の有無、内容、助成金額ともに大きく異なります。

居住市町村のホームページや、直接市町村に電話をするなどして、確認するようにしましょう。

制度を上手く活用して「不妊治療」を行いましょう

少子化は、人口減少につながり、国の大きな問題となっています。

それには、国民の合意もあり不妊治療に関する国の助成はしっかり行われるようになりました。

初回の助成金が15万円から30万円と2倍に増額されたように力の入れ具合や制度も変化しています。

なるべく厚生労働省や地元自治体の動静をホームページなどでチェックすることをおすすめします。

最新の情報をつかみ、上手に活用していきましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。