2018.05.31

人工授精後に腹痛はなぜ起こる?原因とベストな対処法は?

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最近では人工授精などの不妊治療を受ける人も増えてきています。

ですが、人工授精は高額な治療費と長い道のりとともに、治療後に思わぬトラブルが起こることがあります。

そのため、事前に知識を得ておくことであわてることなく対処することができます。

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人工授精後に起こりやすい下腹部の痛み

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最近では、女性の晩婚化が進んでいるため、結婚や出産の年齢が上がってきています。

そのため、不妊に悩む女性も増えており、人工授精をはじめとする不妊治療を行う夫婦が増えてきています。

そのなかで、人工授精を行ったあとに下腹部に痛みを感じる人がいます。

痛みの原因はさまざまですが、大きく分けて4つの原因が考えられます。

痛みの原因をいち早く見つけることで、不安をやわらげ、痛みを軽減することができます。

人工授精後に腹痛が起こる理由とは?

排卵後の子宮収縮

普段の生理痛とはまた違う、下腹部にチクチクした鈍痛のような痛みを感じる場合は、排卵後に起こる子宮収縮が原因になっていることが考えられます。

子宮は筋肉でできており、不定期に収縮を行っています。

しかし、性交渉などの子宮が動くような刺激を与えた場合に、起こりやすくなります。

排卵によって起こる下腹部痛の場合は、人によって痛みの感じ方はさまざまで、左右どちらかのみ痛みが出る場合や、下腹部全体に痛みを感じるなどさまざまなケースがあります。

また、下腹部痛以外にも腰痛や頭痛などの症状が出ることもあります。

排卵後のホルモン変化

下腹部痛のほかに、吐き気や腰痛などの症状がある場合は、排卵後のホルモン分泌が原因になっている可能性があります。

排卵後には、黄体ホルモンの分泌が急激に増加します。

黄体ホルモンが増加することで、骨盤のなかの血液の流れが豊富になります。

これらが原因となって、下腹部に痛みなどの不快な症状が、生理がくるまで続くことがあります。

排卵が起こるとエストロゲンの分泌量が減り、黄体ホルモンとも呼ばれるプロゲステロンの分泌量が増えます。

この2つの女性ホルモンは、必要不可欠なホルモンですが、ホルモンの分泌の切り替えが上手にできないことで、身体的にも精神的にも多くの不調が出ることがあります。

人工授精の処置による痛み

人工授精を行ったあとに、稀に痛みを感じる人がいます。

人工授精を行うときに、採取した精子を子宮に入れるためにカテーテルなどのさまざまな種類の器具が使われます。

これらの器具を使用した際に、傷がつくなどして、下腹部に痛みを感じることがあります。

また、カテーテルをいれる際に子宮口が狭かったり、カテーテルがいれにくい場合は器具を使用して子宮の入り口を広げる場合があるため、痛みを感じることがあります。

精子を採取した際に、精子洗浄液を使用して精液を洗浄し濃縮することで、質のよい精子だけを集めることができます。

しかし、この精子洗浄液成分が刺激となり、ツンとするような痛みを感じることがあります。

受精卵の着床痛

生理開始予定日の1週間前から生理日当日あたりにチクチクするような痛みを感じる場合は、精子と卵子が受精卵となり、受精卵が子宮内膜に着床したことで起こる着床痛の可能性があります。

下腹部に痛みを感じる場合や足の付け根に痛みを感じる、お腹全体に痛みを感じるなど、下腹部以外にも痛みを感じることがあります。

着床痛は、受精卵が子宮内膜にもぐりこんで根を張ろうとすることで痛みを感じると考えられています。

下腹部痛以外にも、少し傷がつくため微量の出血が起こることがあります。

下腹部痛と一緒に、微量の出血があった場合は、着所痛の可能性が高いです。

人工授精後に腹痛があった場合の対処法

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無理をしないでゆっくり休む

人工授精後に下腹部痛などの症状が出た場合は、身体をしっかりと休めましょう。

体調が悪い状態で無理をして、ストレスがたまってしまうと、ホルモンの分泌が正常に行われなくなってしまいます。

受精や、受精卵が子宮内膜に着床するのを妨げる原因になってしまうことも考えられます。

人工授精を行ったあとは、リラックスすることを意識して、身体を休める必要があります。

睡眠時間をしっかりとることで、体力をつけることができ、受精障害や着床障害を防ぐことができます。

質のよい睡眠をとることで、ストレスを軽減することもできます。

下半身を温める

人工授精を行った後は、精子と卵子が受精卵となり、子宮内膜に着床し妊娠が成立する可能性があります。

この時期に身体を冷やしてしまうと、血液の流れが悪くなったり、冷え性になる可能性が高くなります。

身体が冷えてしまうと、妊娠に必要なホルモンの分泌が正常に行われなくなってしまい、受精や着床の妨げになる恐れがあります。

身体の冷えを防ぐためには、腹巻きで子宮を温めたり、靴下を履いて、末端から身体を温めるなどの方法があります。

このほかにも、根菜など身体を温めるといわれている食材を摂ったり、温かい飲み物を飲む、ぬるめのお湯に浸かるなどで、身体を温めることができます。

異常がある場合は医師に相談

人工授精を行う際、精子を子宮内に入れるときにさまざまな器具を使うため、痛みを感じる人がいます。

このとき、少し傷がつくことがあり、微量の出血をすることがあります。

この場合の下腹部痛は、心配がいらないケースが多いです。

また、これらの症状は、自然治癒することがほとんどです。

しかし、出血が多い場合は医師に相談する必要があります。

下腹部痛においても痛みが強い場合は細菌感染を起こしている可能性があるため、早めに受診するようにしましょう。

出血や下腹部痛が、長く続く場合は自己判断せずに、医師に相談する必要があります。

人工授精後に腹痛が続く時の注意点

激しい運動や性交渉を控える

基本的には、人工授精の後に激しい運動や性行為を行っても問題はないといわれています。

しかし、性行為を行っても妊娠する確率が上がることはないため、無理をしないようにしましょう。

性行為によって起こる子宮への刺激や精液が、子宮収縮を促す場合があります。

そのため、人工授精を行ったあとは控える方が安心です。

子宮への刺激について心配がある人は、医師に相談するようにしましょう。

冷たい食べ物や飲み物を控える

人工授精を行ったあとは、精子と卵子によって受精卵ができ、子宮内膜に着床することで妊娠が成立する可能性があります。

この時期に、冷たい食べ物や飲み物を飲むと、身体の中を冷やしてしまう場合があります。

受精、着床する時期に身体を冷やすと、身体全体の血液の流れが悪くなってしまいます。

血液の流れが悪くなると、妊娠をするために必要なホルモンが全身に行き渡らなくなってしまい、受精や着床の妨げになることで、妊娠する可能性を下げてしまいます。

夜更かしをしない

受精、着床する可能性がある時期に夜更かしをして寝不足になることで、ストレスの原因を作ってしまいます。

睡眠不足になることで、体力が減ってしまったり、受精や着床の妨げになってしまうことがあります。

そのため、できるだけ規則正しい生活を心がけ、睡眠時間をしっかりと確保する必要があります。

質のよい睡眠を得るためにも、早めに入浴したり、早めに夕食を食べる、部屋は暗くして寝ることなどを心がけましょう。

ウォーキングやストレッチなど、適度な運動を取り入れると、より効果的です。

また、太陽の光を浴びることで、セロトニンと呼ばれる物質が分泌されます。

セロトニンには、メラトニンを作りだす働きがあり、質のよい睡眠をするためには必要不可欠な物質です。

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妊娠に向けて規則正しい生活を

最近では、女性の妊娠や出産をする年齢が上がっていることから不妊治療を受ける人たちも増えてきています。

そのため、不妊治療を受けること自体は珍しいことではありません。

また、人工授精はタイミング法の次の段階として行われることが多い治療方法です。

しかし、人工授精だけでは妊娠の成功率は低いのが現状です。

そのため、自分で妊娠しやすい身体を意識して作っていく必要があります。

人工授精などの不妊治療は、長い時間がかかります。

また、保険が適応されないため、費用が高額になることも考えられます。

人工授精を行う人にとっては、大きな不安とストレスを感じるかもしれません。

人工授精を成功させて赤ちゃんを授かるためにも、少しでも規則正しい生活を送り、妊娠しやすい体づくりをしていきましょう。

赤ちゃんがやってきてくれる日を楽しみに進んでいきましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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