2018.09.04

つらい生理の症状は、ホルモンバランスの崩れが原因?症状を改善する方法は?

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生理前の不快な症状や、お腹のつらい痛みに悩まされている女性はたくさんいます。

しかし個人差が大きくあるため、理解されにくいこともありますよね。

今回はそのような生理症状を少しでも改善できるように、女性ホルモンとの関わりや改善策などについて解説していきます。

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ホルモンバランスを整えて、生理を快適に乗り切ろう

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女性ホルモンは、心身の健康や美容に深く関わっています。

女性らしい体づくり、生理、妊娠などにも欠かせません。

バランスを崩すことで、さまざまな不調を引き起こすこともあります。

生理前のイライラや憂うつな気分、つらい生理痛などで悩んでいる方はたくさんいます。

もしかしたら、その悩みの原因は「ホルモンバランス」にあるのかも知れません。

生理期間を少しでも快適にするために、ホルモンバランスについて詳しくみていきましょう。

ホルモンバランスが崩れる原因とは

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ホルモンバランスは、意識してコントロールできるものではありません。

では一体、どのようなことが原因でバランスを崩してしまうのでしょうか。

2つのホルモンバランスが崩れて症状が現れる

女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つがあります。

エストロゲンには「女性らしい体のラインをつくる」「新陳代謝を促進して肌や髪のハリとツヤを保つ」「自律神経を整えて気持ちを安定させる」などの役割があります。

骨や血管の健康維持にも欠かせない物質で、女性の美容と健康を大きく支えているのです。

プロゲステロンは分泌量が増加すると、気持ちを不安定にしたり、骨盤内に血液を集めて血流を悪くしたりします。

肌荒れや便秘の原因になるなど、女性にとって不快な症状を引き起こす作用があるホルモンです。

脳は視床下部から下垂体を通して卵巣に指令を送り、エストロゲンとプロゲステロンを分泌しています。

そのため、ホルモンバランスを崩してしまうと、視床下部が混乱して正常な指令を出せなくなり、同じ場所でコントロールされている自律神経にも影響を及ぼします。

すると、頭痛、肩こり、冷え、むくみ、めまい、イライラ、不眠、便秘、倦怠感など、さまざまな不快な症状が体に現れます。

特に、生理前はホルモンバランスが崩れやすく、エストロゲンが減少してプロゲステロンが増加するため、不快な症状が現れやすいのです。

不規則な生活が主な原因

ホルモンバランスが崩れる多くの原因は、不規則な生活。

栄養の偏った食事や睡眠不足、慢性的な運動不足などがあげられます。

また、過度なストレスもホルモンバランスに影響を与えます。

栄養の偏った食事

理想の体型を目指して、ダイエットをしている女性はたくさんいますよね。

適度なダイエットなら健康によいこともありますが、過度なダイエットはホルモンバランスを崩す原因になります。

太るからといって、野菜やフルーツしか食べなかったり食事を抜いたりすると、必要な栄養が摂ることが出来ず体に負担をかけてしまいます。

甘いものやお菓子、インスタント食品、ファーストフードなど、好きなものばかり食べている方も注意が必要です。

カフェインは、交感神経に刺激を与える作用があるため、コーヒーの飲み過ぎにも注意しましょう。

また、喫煙はエストロゲンの分泌を低下させてしまいます。

不規則な食生活を続けると、視床下部がストレスを感じてしまい、ホルモンバランスだけでなく、自律神経の乱れや免疫力の低下を引き起こすのです。

睡眠不足・質の悪い睡眠

仕事や勉強、家事などで忙しくしていると、睡眠不足になりがちです。

すると、脳と体をきちんと休められないため、眠気やだるさ、疲労感などが出て、翌日の活動に影響を及ぼすことがあります。

また、生理前になると寝つきが悪いのに、日中は眠くてたまらないといったことも。

これは、睡眠不足になると視床下部がうまく働かなくなり、混乱してホルモンバランスを崩してしまうからです。

生理前もホルモンバランスが崩れやすいので、似たような不調が現れることがあります。

熟睡できないなど、睡眠の質の悪さも不調を招きます。

慢性的な運動不足

慢性的な運動不足になると血流が悪くなり、体を冷やす原因になります。

これは、自律神経が乱れてホルモンバランスに影響を与えてしまうからです。

血管を柔らかくして血流を促す作用をもつ、エストロゲンの分泌が減少すると、血管が硬くなり血行不良を引き起こしてしまいます。

すると、生理周期の乱れだけでなく、動脈硬化や心疾患など、重篤な病気をまねくこともあるので注意が必要です。

ホルモンバランスと生理に及ぼす影響

生理は女性ホルモンの働きによって起こるもので、とても密接な関係にあります。

ホルモンバランスが崩れると、どのような影響を及ぼすのかを見ていきましょう。

生理がこない等の生理不順が起きる

通常、生理の周期は25~38日、期間は3~7日といわれています。

しかしホルモンバランスを崩してしまうと、以下のように生理の周期や期間にも乱れが生じます。

・24日以内でくる頻発月経
・39日以上でくる稀発月経
・1~2日で終わってしまう過短月経
・8日以上だらだら続く過長月経
・経血量が多い過多月経(目安:ナプキンが1時間もたない)
・経血量が少ない過少月経(目安:2日目でもナプキンが1日もつ)

生理期間は個人差があり、一般的には、年齢とともに短くなるともいわれています。

また、妊娠していないのに3カ月以上経っても生理がこない「続発性無月経」になることもあります。

生理不順や無月経は不妊につながることもあるので、気になる方は早めに受診しておきましょう。

また、経血量に異常を感じる方も、婦人科系などの病気が隠れている可能性もあるので、受診することをおすすめします。

生理痛の悪化

生理直前になると、プロスタグランジンが急激に増えます。

ホルモンに似た物質で、経血を体の外に排出する役割がありますが、子宮収縮や子宮への血流を減らしたり、痛みに過敏になったりなどの作用もあるのです。

また、睡眠や免疫アレルギーにも影響することがあります。

ホルモンバランスを崩し、プロスタグランジンが増えすぎると、子宮や血管を収縮させる作用が強くなり、生理痛の悪化、腰痛、だるさ、冷えなども引き起こします。

胃腸にも影響を与えるため、吐き気をもよおしたりお腹がゆるくなったりすることも。

また、仕事に行けずに寝込んでしまうなど、生活に支障をきたすほどのつらい生理痛の方は、月経困難症か病気が隠れている場合があるので、一度病院でみてもらうことをおすすめします。

月経前症候群の悪化

ちょっとしたことでイライラしてしまったり、まだ生理が始まっていないのに下腹部が痛くなったり、そのような経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

月経前症候群(PMS)は、生理が始まる1~2週間前くらいから心身に現れる不快な症状です。

これは、ホルモンバランスの崩れによるプロゲステロンの増加や、視床下部の混乱によるセロトニンの分泌不足が原因といわれています。

セロトニンは精神の安定に欠かせない物質で、分泌量が低下すると不安やイライラを引き起こしてしまうのです。

また、プロゲステロンには睡眠を誘発する効果もあるので、生理前に眠気を強く感じることがあります。

女性ホルモンを日ごろから整えるには?

心身を健康に保ち日常生活を快適にするために、日ごろから意識してホルモンバランスを整えることが大切です。

規則正しい生活が何よりの改善策

ホルモンバランスを整えるためには、日ごろから運動、食事、睡眠を規則正しくとることが大切です。

激しすぎる運動は体に負担を与え、かえってホルモンバランスを崩す原因になるので、適度な運動を心がけましょう。

手軽に始められるストレッチから取り入れてみたり、エスカレーターは使わずに階段を利用したりなど、ほんの少し意識するだけでも違います。

きれいな体づくりを目指すなら、食事を減らしたり抜いたりするのではなく、栄養が偏らないバランスのよい食事をとることが大切です。

ホルモンバランスを整えることで、きれいな体づくりへの近道になるかもしれません。

たっぷり睡眠をとることも大切ですが、睡眠は質にもこだわるようにしましょう。

入眠から3時間で熟睡できると、良質な睡眠が得られ、ホルモンバランスや自律神経を整えられます。

難しいかもしれませんが、なるべく同じ時間に起きるようにして、体のリズムを作ってあげるとよいです。

また、ホルモンバランスは感情の影響をとても受けやすいので、ストレスをためないようリラックスすることが大切です。

お風呂や睡眠前に、アロマで好きな香りを楽しむこともおすすめです。

イソフラボンやビタミンEを意識した食事を摂取

イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをし、ビタミンEは女性ホルモンに有効です。

積極的に取り入れることで、ホルモンバランスを整えていきましょう。

これらの成分はサプリメントで補う方法もあります。

また、女性ホルモンをバランスよく保つためには、適度に摂取することが大切です。

特にイソフラボンの過剰摂取は、かえって症状を悪化させてしまう場合があるので、サプリメントで補う際には注意が必要です。

イソフラボン

納豆、豆腐、豆乳などの大豆製品全般に含まれています。
エストロゲンが減少している場合は、似た働きをして補ってくれますが、過剰な場合は分泌を抑える働きがあります。
1日の摂取量上限は70~75mlですが、40~50mlの摂取量が理想です。

ビタミンE

植物油、アーモンド、落花生、カボチャ、モロヘイヤなど、多くの食品に含まれています。
女性ホルモンの分泌を促進し、ホルモンバランスを調整する効果があります。
抗酸化作用もあるので、老化を防止する働きも期待できます。

ビタミンB6

ピスタチオ、生ニンニク、牛レバー、マグロ、カツオ、バナナなどに含まれており、ホルモンバランスを整える効果があります。
皮ふや髪、歯を健康に保つ効果があり、精神の安定にも作用があるといわれています。
筋肉や血液をつくるときにも、欠かせないビタミンです。

レソルシル酸ラクトン類

ゴマ、エンドウ豆、小麦に含まれており、イソフラボンと同じくエストロゲンと似た作用があります。
更年期障害や生理不順に効果があるといわれています。

ボロン

キャベツ、海藻類、ナッツ類、ハチミツ、リンゴなど多くの食品に含まれています。
女性ホルモンの分泌を促進します。
骨密度を上げ、骨粗しょう症予防にも効果が期待できます。

病院で原因を検査する

生理周期や期間の乱れ、経血量の増減、月経困難症など、生理不順のすべてがホルモンバランスの崩れによるものだとは限りません。

したがって、自己判断で終わらせずに、病院で検査をして原因を突き止めることも大切です。

中には、重い病気が潜んでいることもあるので、不安を感じたら早めに病院へ行きましょう。

定期的に検診を受けることもおすすめします。

子宮筋腫

子宮にできる良性の腫瘍で、粘膜下筋腫(子宮の内側)、筋層内筋腫(子宮の筋肉の中)、漿膜下筋腫(子宮の外側)に分けられています。
主な症状は経血量の多い過多月経、強い生理痛を訴える方もいます。
漿膜下筋腫は目立った症状がなく、大きくなりお腹が張り出すまで気づかれないことが多いです。

子宮内膜症

子宮内膜は、通常は子宮の内側にあるものですが、何らかの原因で、卵巣やダグラス窩など子宮以外の場所で発生します。
主な症状は強い生理痛と不妊です。
排便痛や性交痛、下腹部痛など訴える方もいます。20~40代の女性10人に1人が悩まされています。

無排卵月経

生理はくるけれど卵巣から卵子が出てこない、
無排卵の状態です。排卵していないため受精できず、妊娠できません。
主な症状は生理が月2回以上くる、生理が遅れる、数カ月に1回しか生理がこない、2日程度で生理が終わるなど、生理が正常なサイクルできません。
不妊の原因になるため、早めの治療が必要です。

子宮内膜ポリープ

子宮の内腔で、内膜がキノコのように突出したものです。
小さいうちは自覚症状がありませんが、大きくなると経血量が増えたり、生理痛が強くなったり、不正出血を引き起こしたりします。
不妊の原因になることもあるので、妊娠を望む方は早めに治療をするとよいでしょう。

子宮頸がん

子宮頸部のがんです。
早期の段階ではほとんど自覚症状はなく、進行にともない、おりものの異常や不正出血、生理周期の異常、性行為による出血、下腹部痛などが現れます。
現在では、20~30代女性にも増えてきているため、2年1回、子宮頸がん検診を受けるとよいでしょう。

子宮体がん

子宮体部のがんです。
もっとも多くみられる症状は、不正出血です。
排尿痛や性交痛を、骨盤周りに痛みを感じるなどの症状もあります。
高齢に多いがんですが、出産経験のない方や生理不順、乳がんを経験している方は、注意しておきましょう。

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規則正しい生活でホルモンバランスを整えよう

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つらい生理の症状に悩む方の中には、ホルモンバランスを崩す原因に、心当たりのある方もいるのではないでしょうか。

体の不調に不安を感じたら病院で検査し、早い解決で心の負担を取り除くことも大切です。

規則正しい生活を送ることは簡単ではありませんが、心と体の健康、美容のために、ホルモンバランスを整えていきましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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