2017.08.31

【男性不妊】精子無力症ってどんな病気?原因や治療法は?

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男性不妊の原因には、精子の運動率が低い「精子無力症」や、精子の数そのものが少ない「乏精子症」などがあります。

精子の運動量が低いというのは、一体、どういう状態なのでしょうか?
WHOの基準値では、精子の運動率は総運動率40%以上、前進運動精子32%以上とされていて、基準値を下回ると精子無力症と診断されます。

精子無力症の診断が下されると、絶望的になり、妊活を諦めなければならない気持ちに追い込まれてしまいそうです。
そこで、原因は何か、治療法はないのか、妊娠の可能性などについてまとめました。

◆ 精子無力症ってなに?

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性行為によって膣内に射精された精子は、子宮、卵管を通って卵管膨大部へとたどり着くことで受精が成立します。

精子の運動率が低下すると、卵管膨大部まで到達することができませんし、辿り着いたとしても運動能力が低いと、卵子に侵入することが難しくなります。
精子の運動率は、受精にはとても大切な要素で、低下すると男性不妊の原因になります。

また、精子無力症と乏精子症が合併しているケースもあり、こうなるとますます妊娠の成立が難しくなります。

◆ 精子無力症となる原因は?

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精子無力症のほとんどのケースが、先天的に精子をつくる機能が低下していることが原因です。

なかには、思春期以降にかかったおたふくかぜの影響を受けている場合もあり、そのほかにも細菌によって精巣や前立腺が炎症を起こしたため、その後遺症として無力症となる場合があります。
また最近、国際共同研究などで報告されているのが、環境ホルモンやその他の有害物質の影響、さらに環境やライフスタイルの変化なども、精子無力症や乏精子症と関わりがあるのではないかということです。

この点は、まだまだ調査研究の段階ですが、草食系男子の増加や、セックスレスのカップルが増えていることなどを考えれば、環境やライフスタイルも、精子の活動を抑制する要因があるのかもしれません。

◆ 精子無力症の治療法は、どんな事をするの?

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軽度の場合は、漢方薬やビタミン剤などを用いた非ホルモン療法を試みながら、定期的に精液検査を行い、改善しているかどうかを経過観察します。
最近注目されているのが、抗酸化療法-コエンザイムQ10とトコフェロール(ビタミンE)です。

コエンザイムQ10とビタミンEはともに抗酸化酵素で、活性酸素が多くなると、精子の運動率が低下します。
それを改善してくれるのが抗酸化酵素のコエンザイムQ10とビタミンEです。

一定期間、投与を続けても精子の運動率に変化が見られない中程度、重症のケースでは、人工授精や体外受精、顕微授精を勧められます。

◆ 治療を受けるなら一日も早く!

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妊活中の方が、一番求めているのは、やはり自然妊娠でしょう。
しかし、周りを見渡してみると、晩婚化、女性の社会進出など、自然妊娠に不向きな社会環境に覆われています。

そしてなんといっても、晩婚化に伴う出産年齢の高齢化が、より妊娠へのリスクを高めています。
女性の妊娠できる確率は、年齢が高くなるほど難しくなり、35歳を過ぎると急激に低下します。
男性も、40歳を過ぎると精子の質が低下や、DNAの障害が増加するといわれています。

つまり、自然妊娠にこだわりすぎたために、妊娠できるチャンスを失ってしまうことも考えられます。

まとめ

妊活でもっとも大切なことは、不妊の原因が何かを、早く解明することです。
そのうえで、もっとも適した治療法を選択することにほかなりません。

不妊の原因がとくに見当たらない場合は、恥ずかしがらずに妊娠の鍵を握る元気な精子を確認してみましょう。

ただ、精液の状態は一定ではありません。
さまざまな要因によって大きく変動しますから、1度の検査で正常の数値を示していても、ストレスや体調不良で、基準値以下の数値になることもあります。

1回の検査で判断するのではなく、2回、3回と検査を受けた方が、より正確な数値が得られます。
たとえ基準値以下の数値だったとしても、年齢が若ければ若いほど改善の余地が残されているわけですから、積極的に妊活に取り組みましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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