妊活の基本は、自分の生活を見直すことから始め、生活習慣を改善することや体作りをすること。
妊活中にやった方がよい事と、やってはいけない事がもちろんあります。
意識を高くして、赤ちゃんができるように努力し、毎日継続して行えるように心がけましょう。
妊活をするのであれば、男女そろってたばこ・喫煙はすぐに止めることをおすすめします。たばこの煙に含まれるタールなど有害物質が体内に入ると、体は外敵とみなして活性酸素を発生させます。
この活性酸素は、女性にとって妊娠しづらい体にしてしまうだけでなく、卵子の発育不全や排卵の妨げの原因になり、男性にとっては精子の質の低下につながることも。
妊娠した際、たばこの成分が胎児に与える影響はとても大きく、喫煙による胎児への健康リスクは、非喫煙者の3倍といわれています。パートナーのたばこの煙(受動喫煙)でも起きるため、妊活中は2人で喫煙しましょう。
妊活中のアルコールは、雰囲気を楽しむ程度であれば大きな影響はありませんが、飲みすぎは禁物。大量のアルコールを摂取すると、活性酸素が多く発生することになり、妊娠の妨げの原因になります。また、妊娠が分かったら女性はアルコールはNGです。
「胎児性アルコール症候群」という病名まである通り、妊娠中の飲酒は低体重、発達障害のリスクが高まります。しかし、妊娠のしやすさとお酒の関係性はまだ解明されていない部分が多いようです。妊娠後のリスクを考えると、妊活中に節酒、禁酒に取り組むのもよいとされています。
適度な運動は、体の働きを活発にしてくれるだけでなく、リラックス効果もあるため、妊活中は積極的に取り入れていくのがよいでしょう。息が乱れない程度の運動は、活性酸素を抑える効果も期待できます。
しかし、連日スポーツを行ったり、息が切れるような激しい運動や無理なダイエットは、活性酸素の発生を促し、卵子や精子の老化に影響してしまいます。また、男性は特に注意する必要があるのが「サイクリング」です。
日常の自転車移動程度ではあまり心配いりませんが、長時間のサイクリングや、前斜姿勢での自転車は局部を圧迫し、精子の劣化を引き起こすため注意しましょう。
体の冷えはお腹回り、つまり子宮や卵巣など妊娠に直結する臓器の冷えに大きく影響します。冷たい食べ物や飲み物は注意が必要。特に、年中問わずおいしいアイスクリームが好きという方も多いようです。
しかし、妊活中や妊娠中はアイスクリームやカキ氷など、冷たいものはできるだけ控えなければなりません。反対にショウガや温かい飲み物など、体を温めるものをとると効果的です。
性行為により女性から分泌されるホルモン「オキシトシン」や精液中に含まれる「プリスタグランジン」には子宮収縮作用があるため、着床時期はできるだけ性行為を控えた方がよいとされています。
しかし、排卵日だけ気合を入れるとセックスレスにつながる可能性が高くなることも。夫婦できちんと話し合うことはもちろん、コンドームをつけてソフトな性行為を心がけるなどしましょう。
また、男性の精子は実際に女性の体内でそれほど長く持たないため、3日周期で新しいものに入れ替えるのが理想だといわれています。卵子の生殖活動時間はたったの24時間です。そのため、排卵日を狙って性行為をしても、卵子が寿命を迎えてしまうので、受精ができない状態に。
そういう意味では、適度に性行為をした方が妊活につながるので、寛容な姿勢でいることも必要であることを知っておきましょう。
妊活中は、パートナーにプレッシャーを掛けすぎないのも大きな心得です。ストレスは体の不調を引き起こし、妊娠に差し障ることにつながります。特に男性は、生殖機能はメンタル面による影響が出やすく、あまり過度に期待をかけると精子の質が悪くなることや、病気にかかることも。
妊活中というのはどうしても焦りやすく、また妊娠できなかったとストレスを女性は溜めてしまいがちです。しかし、パートナーを責めるのではなく、楽観的に考え、ストレスを溜めないようにしましょう。
太ったほうがよいということではなく、妊活中は過度なダイエットは控えましょう。極端な体重低下や、痩せすぎの体型では、ホルモンバランスが崩れ、生理周期の不順や排卵障害を起こす可能性があります。また、食事制限による栄養不足になると、卵子や精子の質が低下し、妊娠しづらくなります。
また、過度な肥満も妊娠の妨げに。肥満体型は排卵抑制、精子障害などのリスクが高まり、妊娠後の高血圧も心配されます。その場合は妊活からではなく、体重コントロールに集中しましょう。肥満とは、体重を身長の2乗で割ったBMI値が25以上になる人を指します。
重たいものを持つと、腰や骨盤、おなかに負担が掛かるので、できるだけ避けるようにしましょう。腰に負担がかかると血流が滞ってしまい、卵巣や子宮に悪影響をもたらすことも。
重いと感じない程度のものであれば大丈夫ですが、重たいものを運ぶときは、ご主人に手伝ってもらったり、バックの中身は整理して軽くするなど、必要以上に体の負担の掛からない生活を意識しましょう。
女性は筋肉量が少ないため、冷えを感じやすいもの。体の冷えは血流の妨げになるため、妊活中の人は体を温める食材を積極的に摂りましょう。体を冷やすスイカやキュウリなどのウリ系の食べ物や、冷たい飲み物を避けて、内臓から体を温めるようするとよいです。
・根菜類(人参やごぼう)
・生姜やニンニク
・緑黄色野菜(小松菜)
・果実類(さくらんぼ、桃)
・ネギ類(玉ねぎ、長ねぎ)
これらの食材を温かいスープ、みそ汁にしたり、飲み物を常温、温かいものに変えるだけでも効果的。
規則正しく排卵するためには、女性ホルモンのバランスが整っていることが必要不可欠です。ホルモンバランスを整える効果のある食べ物は、大豆製品(納豆、豆腐)、ナッツ類(アーモンド)、レバー、魚類(マグロ、カツオ)です。
また、ホルモンの代謝に関与しているビタミンEや、体内で女性ホルモンと似た働きをする、「イソフラボン」を多く含んだ食品を意識して摂取するとよいでしょう。ただし、イソフラボンを摂りすぎると、月経周期を乱すことになるため、適量を心がけましょう。
血液の循環が悪くなると、新陳代謝が悪くなり、子宮や卵巣など内臓機能の低下につながります。血液をサラサラにしてくれる栄養素は「DHA」や「EPA」、ナットウキナーゼがあります。主に、納豆や魚介類(さんま、サバ、マグロ、いわし)に多く含まれているので、積極的に取り入れましょう。
女性は年齢が上がるにつれて、卵子も一緒に歳をとります。よって、老化しやすく質が下がってしまうので、受精しにくくなっていることも。そのため、老化のスピードを遅くすることが妊娠力を高めることにつながります。
加齢による卵子の機能低下を防ぐには、抗酸化作用のある「カロテン」や「ビタミンC・E」の摂取がおすすめ。また、卵子の質の低下を遅らせるためには、アンチエイジングに効果的な食材をとりましょう。
・レバー
・緑黄色野菜(モロヘイヤ、トマト、ニンジン、かぼちゃ)
・魚介類(えび、かに、いくら)
・果物類(いちご、アボカド)
・緑茶
妊娠するためには、体力やスタミナが必要です。そのため、血や体の元になる「たんぱく質」は、妊娠に不可欠な栄養素といえます。また、たんぱく質は赤ちゃんの体や脳を作るのに欠かせないので、妊活中から積極的に摂取しましょう。
・赤みの肉(牛、豚のひれ)
・とりささみ
・魚(かつお、まぐろ)
・大豆食品(納豆、豆腐、きな粉)
・乳製品(チーズ、ヨーグルト)
健康と美容によいといえば「ルイボスティ」。女性の悩みのタネである、肌荒れ、むくみ、ダイエット、便秘、生理痛などに効果のあるとされ、女性にとっても万能な飲み物だといえます。
そして嬉しいことに、妊活にとってもよい効果も。冷えやむくみの解消はもちろん、卵子の質を上げ、排卵周期を安定させる働きもあります。また、子宮内膜を丈夫にするために、着床にもいい影響を与えるのです。
タンポポ茶には「葉酸」が多く含まれています。この葉酸は、女性や妊婦さんにとって、とても大切な働きを持つ栄養素で、妊活中から妊娠初期の胎児の発育過程に関わる成分であるため、摂っておいたほうがよいと産婦人科で勧められているのです。
また、タンポポ茶はノンカフェインだけでなく、子宮内の血液循環を改善し、卵胞の発達を助ける働きがあります。そのため、妊活をするためには欠かせないお茶と言えるでしょう。
葉酸は、妊娠中期以降は摂取しないほうがよいとされています。葉酸を摂ることで、胎児がぜんそくを出生後に発症するリスクを高めてしまうといわれており、1,000μg以上は摂取しない方がよいと厚生労働省でも発表しています。葉酸は、妊活中から妊娠食までの間に葉酸を摂ることなので、妊活中に摂るようにしましょう。
よって、妊娠中期以降は、バランスの良い食生活を心がけるだけで葉酸を積極的に摂らなくても補えるので、タンポポ茶や葉酸サプリなどに頼らずに生活することが大切です。
「ダイエットによい」と話題の黒豆茶は、ノンカフェインで女性ホルモンの強い味方。大豆は、イソフラボンが含まれていて、女性ホルモンの働きを助けます。また、黒豆茶には便秘解消や血液をなめらかにする効果も。
お腹の中の胎児に栄養を届けるためには、母体の血液の働きが必要不可欠です。血液の循環をよくすることで、体も温まり良い体つくりへの一歩となります。
ココアには、ポリフェノールや亜鉛、ミネラルなどが豊富に含まれているため、血管の膨張効果や子宮環境を整える働きがあります。また、リラックス効果があるため、妊活中の女性におすすめな飲み物です。満腹効果もあるため、小腹が空いたときに飲むのもよいでしょう。
しかし、多少のカフェインと砂糖が多く含まれているため、飲みすぎには気を付けることが必要。太りすぎると妊娠しにくい体になってしまうため、カロリーを考え、適量を心がけましょう。
温かい飲み物でも、より効果のある飲み物を飲みたいものですね。その中でも、紅茶は種類も豊富で、カフェインが入っておらず、香りがよいものも多くあります。現代では、デカフェや紅茶専門店もあり、店員さんにおすすめを聞いたり、自分好みの紅茶を探して、一息つくのもいいかもしれません。
ビタミンCを豊富に含んでいるという特徴があり、レモンの20倍、カルシウムは牛乳の9倍、鉄分はほうれん草の2倍となっています。女性が不足しがちな栄養素たっぷりのハーブ。美容にもおすすめで、栄養が過多よりがちな女性の体をサポートしてくれます。
妊活の基本は、体を温めること。生姜は、体を温める効果や胃腸の働きを活発にする効果のある大切なハーブ。また、血液改善、代謝の活性化、栄養の吸収促進などの効果により、妊活を強力にアップしてくれます。
ウォーキングは、特別な道具なども必要がなく、時間があれば自分のペースで無理なく始めることができ、今まで運動の習慣がなかった人でも取り組みやすい運動です。また、血行がよくなるのでホルモンの分泌が正常になり、歩くことで快感物質の分泌が促され、ストレス発散や気分爽快にしてくれる効果も。
目安として1日30~40分のウォーキングを週に4日ほど、もしくは、20分間で2回に分けて行うことで脂肪も燃焼されるので、減量が期待できます。また、普段の歩数加えて、1日1000歩程度多く歩くようにするとよいでしょう。ウォーキング前に、ストレッチと腹式呼吸による深呼吸を取りいれれば更に効果がアップします。
行う時間は朝がおすすめ。生活リズムを整えられるので、朝、太陽を浴びて体内時計もリセットされます。
ヨガは体の筋肉を無理なく使い、そしてゆっくりとした動きで行う有酸素運動。ストレッチと同様にさまざまなポーズがあり、ホルモンバランスを整えるのに効果的なポーズもあります。全体の筋肉を使うため、妊娠できる体づくりに必要な基礎代謝アップも期待できます。
沈みがちな気分を発散し、リラックス効果も期待できます。また、自宅でできるのも魅力的の1つ。うちでやりづらい場合は、ヨガスタジオもあるので気分転換も兼ねて行ってみるのもよいでしょう。
代謝を高めやすい「ホットヨガ」もおすすめです。ホットヨガを採用しているスタジオは多くありませんが、常温ヨガでは体感できない心地よさを感じられます。
ストレッチのメリットは、自宅でできることや、運動が苦手で柔軟性がなかったとしても始められることです。自分のペースでやることができ、やり方によってストレッチ効果もさまざまであり、ストレッチ方法も自分の体の気になるところに合わせた組み合わせが可能。
特に、骨盤の位置を矯正するストレッチは、年齢を重ねるごとに下がる子宮の位置を改善し、卵巣への圧迫を取り除いてくれるため、妊娠しやすい体になります。
ストレッチを行う際、1日10分くらいを目安に無理しない程度でお風呂の後にやってみましょう。入浴後は、体が温まっており、血行も促進されているため、相乗効果が期待できます。
踏み台昇降は冷え性を改善でき、ちょっとした隙間時間や室内でもできるので、人目を気にせず運動ができます。また、費用も必要なく、けがのリスクが少ないのもメリットといえます。しかし、ジョギングなどと違い、景色が変わらないので飽きやすいというデメリットも。
そのため、一気に1時間するのではなく、手が空いたときに行うのがよいでしょう。この運動は、下半身の筋肉を鍛えるため、妊活中はもちろん妊婦にもおすすめな運動です。
1.15~30cmの高さの台を準備します。
2.右足をあげて左足をあげます。
3.右足を下して左足をおろします。
4.左足をあげて右足をあげます。
5.左足を下して右足をおろします。
腰に負担がかからないように、お腹に力を入れて背筋を伸ばして行いましょう。
妊活は、生活習慣を改めて見直す機会。生活習慣の乱れは、妊活中はもちろん普段の生活でも支障がでてきます。一旦、生活習慣を見直し、改善して整えることが妊娠するための第一歩です。
バランスのよい食事や、運動を積極的に取り入れて、毎日継続して行いましょう。また、妊活は根気強さも大切。めげずに妊活を行い、妊娠できるような体質改善をしていきましょう。