2018.07.04

葉酸をとりすぎるとどうなる?過剰摂取の危険性を知り適量を守ろう

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妊活中や妊娠初期に摂るべきだと注目されている葉酸。だからといって、たくさんとってもよいのでしょうか?そこで、多量摂取した場合に体や胎児に与える影響などについて、取り上げていきます。適量を守って摂取し、妊活に役立てていきましょう。

葉酸はなぜ必要とされていてとりすぎるとどうなるのか

妊活中の人なら、葉酸を摂取するべきだという知識をお持ちの方は少なくないでしょう。妊娠中だけでなく、その前からとることを推奨されています。そこで、たくさん摂取したほうがいいのか、それともとりすぎることで何か影響はあるのか、気になるところですね。

今回は、葉酸を過剰摂取した場合の問題はあるのか、また適量はどのくらいなのかを詳しくみていきましょう。

葉酸の取りすぎによる影響

妊活中や妊娠初期に、摂取量を増やしたほうがいいといわれる葉酸。妊娠前から摂取することで、出生児の神経管閉鎖障害のリスクを減らせるといわれています。では、葉酸を取り過ぎることで、出生児などに影響はでるのでしょうか。

【参照リンク:http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20110526_1.pdf

副作用について

葉酸は食べ物の中にも含まれています。しかし、食べ物から摂取目安量の葉酸を摂ろうとしても、不足しがちになります。そこで、手軽に摂取できるサプリメントを使用します。葉酸の1日の摂取目安量は、1,000~10,000μg(マイクログラム)です。

この摂取量を超えてしまうと、発熱、じんましん、かゆみ、呼吸障害、むくみ、食欲不振、吐き気などの副作用が出ることも。また、妊娠30~34週に過剰摂取すると、赤ちゃんの喘息発症率が上がってしまう可能性があります。

日本国内での事例

今のところ、日本では葉酸の過剰摂取による健康被害は報告されていません。葉酸は、水溶性のビタミンなので多少のオーバーであれば、健康を害することは少ないです。 しかし、今後も日本で発症が起きない可能性は0%ではありません。必要摂取量を守りましょう。

海外での事例

海外では、葉酸のサプリメントを過剰摂取したことで、胎児側に喘息のリスクが増えました。小児3.5歳の時点で、喘息を発症するリスクが、葉酸の過剰摂取をしなかった場合と比べて、1.26倍高くなりました。胎児のために摂取したことが、逆に胎児へ悪影響を及ぼします。過剰摂取のリスクをしっかり理解してください。

その他の影響

葉酸サプリメントを摂りすぎることで、葉酸過敏症を起こしたり、亜鉛の吸収を抑制したり、ビタミンB12欠乏症の発見が難しくなったりなどの影響がでることもあります。葉酸の過剰摂取は、自身の体にも悪影響を与えます。適度な摂取が一番大切です。

葉酸過敏症を起こすことがある

葉酸は水溶性ビタミンB群なので、たくさん摂取しても、吸収されない分は体外へ排出されます。しかし、食事とサプリメントを併用して葉酸を摂取すると、葉酸の過剰摂取で葉酸過敏症を引き起こす可能性があります。

葉酸過敏症を起こすと、吐き気やかゆみ、じんましんや呼吸障害、喘息などの症状がでることがあります。お腹の赤ちゃんにも影響が出てしまい、赤ちゃんが喘息になるリスクが上がります。

亜鉛の吸収を抑制してしまう可能性がある

葉酸の過剰摂取により、亜鉛の吸収を抑制してしまう可能性があります。それによって亜鉛が欠乏すると、味覚障害や、免疫低下などが起こる可能性があります。また、乳幼児や子どもでは、亜鉛の欠乏で成長障害を引き起こす可能性もあります。

ビタミンB12欠乏症に気付きにくくなる

葉酸の過剰摂取により、ビタミンB12欠乏症にも気づきにくくなります。ビタミンB12欠乏症は、巨赤芽球貧血や疲労感、衰弱などさまざまな症状があります。乳児期のビタミンB12欠乏症は、発育不全、運動障害、成長遅延などの影響を与えます。

葉酸はどのくらい取るべきなのか

葉酸の過剰摂取は、体にさまざまな症状を引き起こす可能性があります。そこで、葉酸はどのくらい取ることが理想的なのか、確認しましょう。

葉酸の食事摂取基準

18歳以上の男性および女性の葉酸の推奨摂取量は、240μgと男女差はありません。ただし、妊娠を計画している女性や妊娠中、授乳中の女性は、推奨量に追加して摂取することが望まれています。

追加推奨量は1日240μgなので、妊活中などは通常の倍の480μg必要になります。

【参照リンク:http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

食事性葉酸とモノグルタミン酸型葉酸

葉酸は、大きく分けてニつの種類があります。野菜などに含まれる食事性葉酸と、サプリメントなどで摂るモノグルタミン酸型葉酸です。それぞれの違いは、吸収率です。食事性よりもモノグルタミン酸型のほうが、吸収率が高くなっています。

妊娠中に摂取が望まれている葉酸は、モノグルタミン酸です。こちらが、先天性異常の確立を下げる可能性があるため、推奨されています。また、安全性の面からみてもモノグルタミン酸のほうが高いといわれています。

【参照リンク:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114401.pdf

葉酸が不足するとどうなるか

葉酸が不足するとどうなるのでしょうか。葉酸が不足することで、起こる症状を確認しましょう。

神経管閉鎖障害の発症リスク

妊娠中に葉酸が不足すると、胎児への神経管閉鎖障害の発症リスクが高まります。また、先天性疾患のリスクも高まるので、注意が必要です。

また、胎児に与える影響以外でも、貧血を起こしやすくなったり、代謝が悪くなったりすることもあるので、葉酸の摂取を心がけましょう。

参照リンク:http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html

その他のリスク

葉酸は、妊婦に必要な栄養素と思われがちですが、子どもからお年寄りまで必要な栄養素です。葉酸が不足することで、動脈硬化の危険因子になり得たり、造血機能に異常をきたしたりする場合もあります。

子どもの場合では、発達障害が起きる場合があったり、お年寄りでは、認知症やアルツハイマーを発症するリスクが高まります。

【参照リンク:http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20110526_1.pdf

適切な摂取量を守ろう

適切な葉酸の摂取量を守ることで、さまざまなリスクを減らせます。妊娠中や授乳中の人だけでなく、子どもからお年寄りまで、積極的に葉酸を摂取しましょう。葉酸は意識して摂取しないと、摂取量を増やすことはできません。しかし、摂り方次第では大量に摂取してしまう可能性もあります。

特に葉酸サプリを過剰に摂取してしまうと、体内に余分な葉酸を取り入れてしまいます。自身の体への影響や胎児への影響も十分理解したうえで服用してください。そのためにも、摂取量に注意して、適切な量を取るようにしてください。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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