妊娠を希望しているのに、夫と性交を行ってもなかなか妊娠できないと「もしかして不妊?」と考えてしまいがちです。しかし不妊には様々な要因があります。まずは基本的な不妊の定義をおさえて、考えられうる要因や対処について知っておきましょう。
「夫と性交はしているのに妊娠しない」「もしかして不妊?」と悩む女性は少なくありません。また「不妊かもしれない」という悩みは非常にデリケートなので、友人や知人に相談しにくいという面もあります。
日本では、多くの夫婦が何かしら不妊治療を受けているとされています。しかも不妊の原因を突き止めることは非常に困難で、なかなか妊娠しないから「不妊」とすぐにいい切れるわけでもないのです。まず不妊はどのような状態か知って、正しい知識を身につけましょう。
そもそも、どんな状態を不妊と呼ぶのでしょうか。不妊について考える前に、一般的にいわれている定義を確認しておきましょう。
現在、日本産婦人科学会が示す定義としては、健康なカップルが「1年間」定期的に避妊をせずに性交を続けても、妊娠しない状態を不妊と呼びます。通常、とくに避妊せずに定期的に性交した場合、1年間でおよそ8割、2年ならおよそ9割のカップルが妊娠できるといわれています。
しかしこの1年間という期間に関しても、年齢が高齢になるほど自然妊娠できる可能性が低くなることもあり、たとえばアメリカでは35歳以上の女性は「半年」で検査を受けることを推奨しています。そのため一概に「1年過ぎても妊娠できなかったから不妊!」といい切れるわけでもないようです。
【参照リンク:https://wotopi.jp/archives/35887】
もっとも妊娠しやすい年齢は20代前半とされますが、晩婚化の進む日本では不妊症の比率も高くなりつつあり、一概にそうとはいい切れませんが世界平均に対して2倍近く高い不妊率になっています。2016年には、不妊治療のための保険商品が解禁されるほど、不妊治療を受ける人の数は増えているようです。
つまり、それだけ同じ悩みを抱える人も多く、妊娠に向けて取り組む妊活はそうマイナーな言葉でもありません。しかしデリケートな問題なので、お互いに相談しあえる人もなく、不安を抱えている人も大勢いるでしょう。
そうした不妊の原因は、女性側と男性側、双方に原因がある可能性も、どちらか片方に原因がある可能性もあります。まずは女性側の理由として考えられることを知っておきましょう。
妊娠は成熟した卵子が卵巣から排卵され、それが子宮から卵管へとたどり着いた精子によって受精し、受精卵となったあと、無事に子宮内膜に着床することで起こります。このうち、一番最初の排卵に何らかの問題が伴う場合、精子と卵子が出会えないために受精が起こらず、妊娠できません。
生理のような出血はあっても、排卵がない場合もあります。排卵が起こらない原因には、女性ホルモンが関係しています。ホルモン分泌の異常の理由は様々であり、どのような理由があるか検査してみないと分からないことがほとんどです。
【参照リンク:http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/funin.html】
卵管とは卵子に精子がたどり着くための道であり、同時に受精した卵が子宮に戻る道でもあります。しかしこの卵管は、炎症などを理由につまってしまうことがあります。月経内膜症によって卵管の周りが癒着してしまい、つまってしまうケースもあります。
実際に卵管が詰まっていたとしても、特に自覚症状もないことが多く、検査を受けないと分からないようです。
無事に受精できていたとしても、子宮に着床できなければ受精卵は成長できません。たとえば子宮内膜の血の巡りが悪かったり、癒着が見られると、着床しにくくなります。血の巡りの悪さや癒着は、子宮筋腫や過去の手術などが原因の可能性もあります。
このほかにも子宮の出口に当たる子宮頚管に原因があったり、体の中に入ってくる精子を「異物」として認識してしまい、攻撃してしまうケースもあります。どの不妊因子なのかは検査を受けないと分からず、また原因がはっきりしないケースも多いようです。
不妊は、女性だけの問題ではありません。男性側に理由があるケースも多いようです。
勃起障害と膣内射精障害の2つがあり、勃起障害(ED)はストレスなどで有効な勃起ができない状態であることをいいます。一方膣内射精障害は、性交は可能で有効な勃起もできるのですが、膣内で射精がうまくいかないことをいいます。
膣内射精障害の場合、糖尿病など疾患が原因となっているケースもあります。性機能の面だけでなく、体の抱えるトラブルを1つずつ解決する必要がある状態です。
たとえ勃起や射精はできていても、精液中の精子の数が極端に少なかったり、精子があまり活発的でなかったりなど、精子を作る機能自体に問題があるケースです。中には無精子症のように、射精された精液に精子がまったくいない場合もあります。
また精子の通り道が、そもそもふさがっている場合もあります。生まれつきという場合もありますが、感染症で精巣や精子の通り道がつまってしまうこともあり、誰にでも起こりうることでしょう。
不妊の原因は男女ともある場合も多く、女性だけが悩んでいても全く解決しないこともあります。夫婦でともに取り組むことで、お互いのこれからを考えあうことにもつながります。デリケートな問題であるからこそ、これから先の人生も近くにいる夫婦同士で共有し、向き合っていきましょう。
不妊は、身体だけではなくメンタル面など様々な原因が絡み合って起こるものです。もし不妊かもしれない、と悩んでいるならば、まずは病院で適切な診断をすることをおすすめします。