子宮内膜症は女性ならではの病気で、現在は多くの種類の治療薬が販売されていますが、その特徴はさまざまです。年齢や出産経験の有無など、自分に合った薬を選ぶことがしっかり病気を治す第一段階です。メインの医療薬を比較し自分に合った薬を選びましょう。
子宮内膜症は、女性ならではの病気です。最近では、医療の進歩と共に、さまざまな治療薬が販売されていますが、実は一人ひとりの年齢や、出産経験の有無によって薬の向き不向きがあります。
条件ごとに医薬品をご紹介するので、自分に適した治療薬を見つける参考にしてください。
子宮内膜症の治療で使用される、主な薬にはどのようなものがあるのかをみていきましょう。
鎮痛剤には、「薬局などで買える市販薬」と「薬剤師の調剤の下販売される処方薬」があり、経口薬と座薬が主流です。いずれも子宮内膜症の治療効果はありませんが、痛みを抑えたいときには、手軽に入手できるのでおススメです。
一般に子宮内膜症の治療では、ホルモン治療薬が処方されることが多いです。しかし、副作用があるため、軽度の場合には鎮痛剤で代用できます。体への負担が少なく入手しやすいので、病院にかかる前に応急処置として用いるとよいでしょう。
若い女性や未婚の方に対しては、漢方薬が効果的です。ホルモン剤に比べて、副作用が少ないという報告があるので、ティーンエイジや未婚の女性で、生理前や生理期間中の腹痛に悩む方に、広く処方されています。
しかし、副作用が少ない分、即効性や劇的な症状回復が見込めません。つまり、ホルモン剤に不安がある方や、少しでも楽に症状を改善したいと考えている方に適しています。他の薬との併用もできるので、治療すべき症状に優先順位を付けたうえで、漢方薬を選ぶと便利です。
現代の産婦人科で、非常に広い用途で処方されている低用量ピル。生理痛緩和や、避妊を目的として使用されることも多いので、一度は使用したことがある方も多いかもしれませんね。
低用量ピルは、内膜症に対して直接働きかける「エストロゲン」という成分を含んでいます。この成分は、中容量ピルにも含まれていますが、低用量と比べて副作用が大きいです。
そのため、子宮内膜症治療の第一段階では、後者が広く選ばれています。使用用途の広さや、低価格で手に入るコスト面から、使用症例が急増した便利な医薬品です。
【参照リンク:http://www.cl-sacra.com/archives/705/5】
日本では、まだなじみのないプロゲスチンですが、海外では既に頻繁に使用されており、即効性のある子宮内膜症の治療薬として、高い評価も受けています。日本で普及していない理由としては、プロゲスチン単剤として、治癒効果が見込める薬剤が存在しなかったことが挙げられます。
しかし、「ディナゲスト」という薬品が開発され、日本に持ち込まれたことをきっかけとして、その効果が認められるようになりました。新薬の開発に伴って、コストも下がり手に入りやすくなっています。
【参照リンク:http://www.mochida.co.jp/dinagest/progestin/progestin03.html】
こちらは、プロゲスチンと違い、海外よりも日本国内で普及している薬品です。GnRHアゴニストは、即効性が非常に高く、その治療効果については高く評価されているため、子宮内膜症の治療薬として有効です。
しかし、その効果の高さから、ホルモンバランスを不安定にしてしまうため、副作用が重くなる方が多いのです。そのため、「投与期間が6カ月以内」という制限も設けられています。服用期間は閉経状態になるため、ライフイベントなどを意識して選びたいですね。
【参照リンク:http://www.mochida.co.jp/dinagest/progestin/progestin03.html】
こちらの薬の特徴は、男性ホルモン作用をもたらすことで、体内のホルモン分泌を抑制し、子宮内膜症に対して直接作用する点です。
治療薬としての作用は非常に有用なのですが、男性ホルモンを服用する関係から、さまざまな副作用が見られます。ニキビや皮脂の分泌の増加、しゃがれ声など、普段と異なる体調の変化に、少し驚いてしまうかもしれないので、病院できちんと説明してもらいましょう。
【参照リンク:https://www.joy-mix.com/modules/illness/?%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%AB%E9%8C%A0】
ミレーナの特徴的なこととして、器具を使用して直接子宮に使用する点が挙げられます。黄体ホルモンが付いた子宮システムなので、経血量を減らす役割があります。本来は、避妊用に開発された医療薬なので、子宮内膜や子宮筋層など、広い範囲に作用します。
保険の対象になるため10,000円前後で購入でき、最大5年間継続して使用できます。子宮内膜症だけでなく、月経痛や出血量が多いことで悩んでいる方にもおすすめです。
【参照リンク:http://www.himawari-clinic.net/endometriosis-treatment.html】
子宮内膜症の治療薬も複数ありますが、自分だけで判断せずに、病院で医師の診断を受けることが、一番確実で安心です。女性の体は非常にデリケートなので、体質に合わない医薬品を服用し続けてしまうと、生理不順や不正出血、さらには血栓症のリスクを高めてしまうので注意が必要です。
一方で、自分に適した医薬品を選べれば、子宮内膜症もしっかり完治できるうえに、生理痛の緩和にも効果があるといわれています。妊娠・出産というライフイベントを経験する女性だからこそ、将来のことを考えて効果的な治療を心掛けたいですね。万が一のときに、頼れる対策があると安心できるので、ぜひぴったりな医薬品を見つけて下さい。