2018.07.04

「生理周期が長い原因として考えられること」体に起こる影響と対策

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生理が遅れている。多くの女性が、そんな経験が一度はあると思います。徐々に生理が遅れていくことによって、生理周期が長くなってしまった場合、体にどのような影響がでてしまうのか、なぜ生理が遅れるのかを基本から順番にまとめてみました。

ホルモンバランスの乱れなどで生理不順に悩む女性が増えている

自律神経という言葉を、一度は耳にしたことがあると思います。現代の女性には、自律神経の乱れによる生理不順がとても増えています。生理周期が長くて、不安に感じている女性も多いのでは?

ストレスがたまりやすくなっていることで自律神経が乱れ、結果的にホルモンバランスも乱れて、体に多くの影響を及ぼしてしまうのです。生理周期が長くてお悩みの方は、思い当たることがあるかもしれませんね。

今回は、ホルモンバランスが乱れることによって、生理周期が長引く原因と病気の可能性などについてまとめてみました。正しく理解して、できることからはじめてみましょう。

正常な生理周期は

正しい生理周期を知り、生理不順になる原因を知ることでストレスをなくしましょう。

正常な周期は28日

女性の平均的な生理周期は28日といわれていますが、実際には25日~38日以内であれば、正常だといわれています。生理周期が25日~38日からずれた状態が、3カ月以上続くと生理不順といいます。

そのなかで、24日以内の生理周期を「頻発月経」、39日以上の生理周期を「稀発月経」、90日以上生理が来ない状態を「無月経」と呼び、無月経は卵巣や子宮に異常があると考えられます。

生理不順の一般的な原因は

生理不順の一番の大きな原因は、ホルモンバランスの乱れによるといわれています。ホルモンバランスの乱れといってもさまざまな原因があり、ストレスからくる乱れや、過度なダイエットが原因で乱れが起こることもあります。

また、激しい運動量のスポーツをしている人は、体力の消耗が激しくなります。すると、体は生命の維持を優先し、卵巣の動きを止めてしまうことがあり、その結果、生理不順になることもあります。

さらに、睡眠不足や食生活の乱れが原因のこともあり、日々のちょっとしたことの積み重ねが、体に大きな影響を及ぼしてホルモンバランスが乱れ、生理周期の乱れにつながります。したがって、この機会に自分の生活を見直してみましょう。

生理周期が長い原因

生理周期が長くなってしまうことには、必ず原因があります。自分自身の体のためにも、どのようなことが原因になるのか、知識を入れておきましょう。

稀発月経によるもの

生理周期が39日以上で、90日以内のものを稀発月経と呼びます。主な原因として、卵巣の働きが正常に行われていないため、ホルモンの分泌が少なくなってしまうことで、起きると考えられています。体質で、もともと卵胞の成長が遅く生理周期が長くなる人、または生理周期自体が長いことが、通常であるという人もいます。

よって、毎回の生理周期が39日以上でも、決まった日数で生理が来るという人は、あまり病気や妊娠についての心配をすることはないでしょう。それ以外に、精神的な負担がかかったり、過度なダイエットのしすぎなどでストレスがたまり、ホルモンバランス(卵胞刺激ホルモンなど)に影響が出て、正常な働きができなくなることで、稀発月経が起こることがあります。

卵胞刺激ホルモンの障害によるもの

卵胞刺激ホルモンは、卵巣の中にある「原始卵胞」という卵胞の元になる細胞が、月経が始まった頃から生理後の7日間の合わせて約2週間の間、排卵に向けて分泌されます。

卵胞刺激ホルモンの数値が高い場合、若い人は「早発閉経」の可能性が、高齢の人は「卵巣予備機能の低下」などが考えられます。逆に、数値が低い場合には不妊の原因にもなり、無排卵月経などを起こしている可能性も考えられます。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)によるもの

排卵障害の一つで、毎月行われているはずの排卵が、起きてない状態のことをいいます。卵巣の中で、卵胞ができているのに、成長が遅くて排卵されにくい状態が続き、稀発月経が起きてしまいます。

排卵がきちんと行われていないため、不妊症の原因にもなりえますが、多嚢胞性卵巣症候群の原因がはっきりと解明されていないため、根本的な治療法が見つかってません。したがって、対症療法にはなってしまいますが、副作用が少ない排卵誘発剤(クロミフェン)を使い、時間をかけて排卵が起きるように促します。

高プロラクチン血症によるもの

プロラクチンという排卵を抑制し、乳汁を分泌させる働きのあるホルモンがあります。このホルモンが、何らかの原因で多く分泌されてしまい、卵巣での排卵が抑制されて生理が遅れてしまうことも。原因としては、プロラクチンを産生している脳下垂体という部分に、腫瘍ができている場合がほとんどです。

小さい腫瘍の場合は薬等で治療し、大きな腫瘍の場合は手術が必要になります。腫瘍以外では、ストレスや薬剤などが原因のこともあり、薬剤の中止などが治療法にあげられます。

甲状腺機能障害によるもの

甲状腺機能障害には2種類あり、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症があります。甲状腺機能亢進症は、甲状腺の分泌量が増え、動悸や生理不順、汗をかく量が増えるなどといった症状が現れます。甲状腺機能低下症は、甲状腺の機能が低下して分泌量が減ることで、代謝や脳の働きを低下させてしまいます。そのため、記憶力の低下や、体温の低下などが症状として現れます。

妊娠すると、甲状腺ホルモンを刺激するホルモンが産生されるようになるため、甲状腺機能障害になることがあります。治療法としては、どちらも甲状腺ホルモンの合成を抑えるための薬を用いた治療が一般的で、時間がかかることがあります。

更年期など年齢によるもの

45歳以上で、約1年間生理が来ない状態が続いた場合、閉経と判断できます。また閉経前の5年と閉経後の5年の間を、更年期と呼びます。更年期に入ると、卵巣の働きが衰えてくることで、分泌されるホルモンの量も減ります。その結果、生理周期が乱れて周期が定まらず、出血量もバラバラになるので、重い生理痛が現れることがあります。

また、ホルモンバランスが乱れることで、自律神経にも乱れが生じ、体温調整がうまくできなくなります。すると、ほてりや冷え、寝つきが悪くなる、不眠が続きうつになるなどの更年期の症状が現れます。最近では、プレ更年期といって、30代以降の方にも、自律神経の乱れによる更年期の症状が現れることもあるようです。

生理周期が長いことによる影響

生理周期が長くなってしまうと、体や生活にどんな影響が出てしまうのか学びましょう。

排卵日を予測しづらい

生理周期が長くなっていき、定まらないことで排卵日の予測をしづらくなります。排卵日を知ることで、生理前の症状や生理用品の準備などができていたものが、分かりづらくなってしまいますね。また、子供を授かりたいと考えている人にとって、排卵日が予測できないということは、妊活に支障をきたします。

まずは、なぜ生理周期が長くなってしまっているのか、原因を探ることが大切です。それに伴い、基礎体温を測るなどしてグラフでまとめてみると、自分の生理周期の流れが分かるようになるので、試してみるものいいかもしれません。

病気が原因の場合は不妊症などにつながることも

さまざまな病気が原因で、生理周期が長くなっている人でも、排卵さえきちんと行われていれば、妊娠への影響はありません。しかし、周期が乱れることによって排卵の予測がしづらくなるため、不妊症の原因になってしまうことはあります。

妊活をしている方や、これから子供を授かりたいと考えている方たちにとって、排卵が予測しづらいということは、精神的にも体力的にもよいことではありません。したがって、妊活を始める前にきちんと病気と向き合い、治療することが大切です。

生理周期を正しく整えるには

快適な生活を送るためには、きちんと生理が来ることはかかせません。そのために、自分が自分のために何ができるのかを、知っておくことが必要です。

ストレスフリーで規則正しい生活を

生理周期が乱れる原因として、ストレスは一番の要因であると考えられます。ストレスのたまり方、解消の仕方は人それぞれですが、ストレスのたまった状態を放っておくのではなく、きちんと向き合ってためないようにすることが大切です。

そのためには、自分の好きなことをする時間や趣味の時間などを作り、充実した日々を送れるようにしましょう。

無理なダイエットは控える

短期間での急激な体重減少は、体にはよくありません。無理な食事制限は、集中力の低下や栄養不足などから、体の本来の機能を衰えさせ、ホルモンバランスを乱す原因にもなります。

その結果、健康的な体ではなくなるだけではなく、生理不順の原因にもつながるので、計画的に継続してダイエットを行うようにしましょう。

病気の可能性も考え続くようであれば婦人科などで相談を

体質的に生理周期が長い人も中にはいますが、徐々に生理周期が長くなっていった人は、それが続くようであれば、早めに病院で受診しましょう。なんらかの原因で生理周期が長くなっているので、「生理の回数が少なくなってよかった」などと考えるのではなく、その原因が何なのか、また病気などにかかってないかなど、きちんと病院で調べてもらいましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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