2018.07.04

不妊検査の費用は高いのか。内容や相場を知って安心な治療をはじめる

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不妊検査の費用と聞くと高額なイメージをもつ人も多いようです。検査は、実際どんなことをするのか、費用はどのくらいかかるのかを事前に確認しておくことが大事。不妊検査は助成金の対象にもなります。賢い検査方法を知っておきましょう。

不妊検査の費用は高いのか

不妊検査を受けたいけど、高額なイメージがして二の足を踏んでしまう。そもそも何をするのか、いくら費用がかかるのかよく分からない。そのような理由で通院を後回しにしてしまう方も多いようです。

しかしいざ通院してみると、私の経験ではその殆どが保険適用範囲内の検査でした。自己負担の検査でも国や地域で補助が出ているケースもあります、詳しい知識をつけておくと安心でしょう。

保険適用される不妊検査の項目と費用

初めて不妊検査に訪れる方は、とても不安な気持ちになるかもしれません。最初は基本的な問診や、馴染みのある検査が比較的多いため安心しましょう。まずは保険適用内の不妊検査を確認していきましょう。

不妊の基本的な検査

産婦人科に限らず、最初は問診となります。問診票や医師との面談でいくつかの質問に答えて行くのですが、ここで病院側はあなたの基本的な健康状態、性生活や勤務状況等、ライフスタイルを把握します。

医師に正確にあなたのことを知ってもらう為、婦人系の治療歴や投薬がある方はここで伝えておきましょう。そして不妊の検査は女性の月経周期に沿って行われる項目が多いようです。排卵前や排卵後等、それぞれ実施するのに適した時期がありますで基礎体温を1?2ヵ月分位記録して行くと検査の予定が立てやすく親切です。

問診の後は、排卵リズムを知る為に何回か通院し、経腟プローブという細い機器を膣内に挿入する超音波検査を行います。このエコー検査で卵の育成状況や子宮内の様子を探り、各検査や性交渉のタイミングを知ることができます。

この検査は大体2,000円~3,000円程度で受診が可能です。それから採血により血中の排卵に関係するホルモンの働きを調べたり、検尿で排卵時期の予想をしたりします。

個人差はあるのでしょうが個人的な経験では、一回の通院で検尿、エコー等の内診、基礎体温記録をみながらの問診を実施するケースが多く、時期によっては別の検査(ほぼ保険適用内)が加わりました。大体の費用は1,000円未満~多くて7,000円程度が一般的でした。

子宮頸がん検診

子宮頸がんは、子宮にできるガンで不妊の原因に繋がる病気です。子宮頸がんは早く発見できれば比較的治療がしやすいとされています。二十歳を過ぎた女性は2年に1回検査することができます。その費用は約3,000円程度で月経期以外なら受診可能です。各地域の助成で費用も変わりますので確認して有効に活用してみましょう。

クラミジアの感染を調べる検査

クラミジアは卵管の障害を引き起こす原因となる性病です。この検査は比較的早い段階で実施されることが多く、血液検査や実際に綿棒で子宮頸部から粘膜を採取し菌がいないかチェックします。生理中でなければいつでも受けることができて費用は約4,000円程度です。

卵管の通りを調べる通水検査

卵管の通りに問題がないか、子宮内に生理食塩水を注入して調べます。排卵前の低温期に行います。似た内容の検査に卵管造影検査がありますが、検査薬を注入する造影検査に比べこちらは食塩水を流すので、比較的お手軽に済むようです。

費用もお手軽で大体4,000円~8,000円程度です。この検査は卵管に液体を流すので管に軽い詰まりがあっても解消され、結果妊娠しやすくなる効果があるといわれています。

卵管の詰まりや子宮の形状を調べる卵管造影検査

通水検査と同様、子宮や卵管に液体を注入し問題がないか調べる検査です。排卵前の低温期に行います。通水検査が生理食塩水を用いるのに対し、この検査は造影液を通します。

通水検査同様この検査の後は卵管の通りがよくなるため、妊娠しやすくなるといわれています。検査費用が通水検査の約倍かかりますが、より正確に検査することができるようです。

頚管内の精子を調べるフーナーテスト

排卵日付近に行う検査で、事前に3、4日禁欲をした後、検査の前日か当日に性行為をして子宮にある精子の数や運動量、精子の状態を調べます。その際に子宮の入り口や子宮頸管内の粘液を採取し調べます。タイミングや体調によって結果が変化するので、数回繰り返す事もあります。費用は約1,000円程度です。

子宮の内側を調べる子宮鏡検査

排卵前の低温期に行います。膣から細いカメラを挿入し、子宮内を直接観察することで子宮内膜ポリープや子宮筋腫を発見することができます。費用は約5,000円程度です。

精液検査

その名の通り、男性の精子を調べる検査です。精液を採取してもらい、その濃度や運動率を検査します。これにより乏精子症や無精子症の病気を発見することができます。

フーナーテスト同様、その日の体調で結果が変化するので、場合によっては数回繰り返す事もあります。費用は、保険適用でないとその内容や病院によってバラツキがあるようです。大体5,000円~数万円にもなるようです。保険適用内で検査をすれば費用をグッと抑える事が出来、大体1,000程度となります。

保険適用外の不妊検査の項目と費用

上記の内容で不妊検査の検査内容と費用について、具体的にイメージが出来るようになってきたでしょう。ここからは、保険適用外の不妊検査をみていきましょう。

卵子の数を調べるAMH検査

月経周期を気にせずいつでも測れる検査で卵の数を調べるAMH検査というものがあります。AHMは正式にはアンチミューラリアンホルモンといい、卵胞の成長の途中に分泌されるホルモンです。

血液中にこのホルモンがどの位あるかを検査することで、卵巣の年齢と、卵の在庫数がわかります。費用は4,000円?8,000円程度となります。

子宮頚管の粘液の検査

子宮の入り口である子宮頸管は、排卵前になると精子を子宮に届け安くする為に粘液を分泌します。この検査は排卵前に子宮頸管の粘液を採取し、その量や状態を調べます。これにより排卵の時期や卵巣機能がわかるようです。費用はとても安く大体500円程度になります。

抗精子抗体がないかの検査

先ほど紹介したフーナーテストの結果がよくない場合、追加の検査として抗精子抗体検査があります。抗精子抗体とは、精子を外部からの攻撃と認識して攻撃してしまう抗体のことです。こちらは月経周期を選ばず検査ができ、費用は大体10,000円程度です。

着床の窓といわれるERAテスト

受精した胚が着床する為には、着床先である子宮内膜の準備が整っていないと妊娠に至りません。「着床の窓」とは、子宮内膜が着床可能である時期をいい、このテストでは排卵後に子宮内膜が着床可能かどうかを検査し、着床の窓を知るというものです。

こちらは高額で10万円?20万円代となります。1回目で結果が思わしくなかった場合は再検査もあるようで、その場合は少し安くなるようです。

不妊検査も対象の「一般不妊治療助成金」とは

不妊検査といってもその種類は多く、費用も長期的な負担となります。それらの助成として「一般不妊治療助成金」があります。これは保険適用範囲内の不妊検査と人工授精等に出る助成で、年度に一回の申請で通算3回まで助成が可能です。各自治体の子育て支援課に申請しましょう。

不妊の検査は一部高額なものありますが、助成を利用したり、保険適用内で出来る検査も沢山あります。多くの検査を実施するのには数ヶ月の時間がかからります、検査を受けようか悩んでいる夫婦は取り敢えず早くスタート切った方がよいでしょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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