受精卵が子宮内膜にくっつくことを着床といいます。そして着床をすると、なぜかイライラしてしまうことがあります。この着床によるイライラの原因を知り、さらにイライラを抑える解消法を覚え、うまく付き合っていけるようにしましょう。
普段とは違うイライラ、その原因というのを知りたいという方は多いのではないでしょうか。そのイライラは、着床によるものの可能性がありますが、ではなぜ着床によっていらついてしまうのか、そしてそんな気分のムラと、付き合っていく解消法についても紹介していきます。
まずは、着床してからのイライラについてです。イライラはいつごろ起きるのかご存じですか?そもそも着床というのは、いつ頃起きるのかについても知り、何が原因でイライラしてしまうのかなどを理解しておきましょう。
着床によるイライラは、生理前の起きるものに似ているといわれています。生理前になると、女性は特に理由もなくイライラしがちです。では、なぜ女性は理由もなくイライラしてしまうのかというと、月経前症候群という、通称PMSが原因です。このPMSによって、特に理由もないのにイライラしてしまうのです。
妊娠3週間ごろから、イライラが始まるといわれていますが、妊娠3週間ごろというのは、次の生理予定日の直前ごろのことを指します。つまり、この頃が着床の直後あたりなのです。
したがって、着床によるイライラが起きる時期は、次の生理予定日直前、つまり妊娠3週間ごろということです。
着床によるイライラの原因は、ホルモンバランスの乱れによるものです。妊娠するとホルモンが分泌されますが、この分泌されるホルモンにより妊娠黄体が刺激されます。
すると、卵胞ホルモンである「エストロゲン」や、黄体ホルモンの「プロゲステロン」が分泌されます。これらが原因によって、イライラしてしまうのです。
こちらでは、着床によるイライラの解消法をみていきます。特に理由もなく起きてしまうイライラと、うまく付き合っていくにはどうすればよいか、そして少しでも解消していく方法を知る必要があります。イライラを解消する術を知り、どんなときに起きてしまっても、対応できるようにしましょう。
気分が落ち込み、不安定になってイライラしてしまうときは、気分転換をしましょう。例えば散歩をしたりすることで、外の空気に触れて気分が落ち着くこともありますし、散歩などで体を動かすことで、気分転換にもつながります。
そのほかにも、ハーブティーを飲むのもよいでしょう。カフェインが少ないハーブティーも多く、いい気分転換になるのではないでしょうか。妊娠中には、カフェインの少ないハーブティーは、気分を落ち着かせてくれるので推奨されることもあります。
しかし、ラズベリーリーフティーのように、子宮収縮させる作用があるものは、妊娠初期には避ける必要があるので注意しましょう。
イライラしているときは、どんなことをしても収まらないこともあるでしょう。そういったときには、一人になって落ち着くようにしましょう。
イライラしているときは、夫や家族に何を言われてもイライラしてしまいますし、それ以上感情が高ぶることもあるでしょう。一人の時間になり、好きなことや趣味に没頭するなどして、気持ちを落ち着けましょう。
妊娠中は、情緒不安定になりがちです。イライラしてしまうのも仕方のないことなので、あえて開き直ることも大切です。なんでイライラしてしまうのかをずっと考えていても、答えは妊娠しているからとなるので、それ以上解決することができないでしょう。
妊娠しているということを受け止め、「イライラはホルモンバランスが変化しているから」ということ、そして「妊娠したことによる気持ちの変化によるもの」ということを受け入れて、開き直りましょう。
イライラしてしまってどうしようもないときは、眠れる時間があれば寝てしまいましょう。落ち着くためには眠ることがとても大切で、しっかりとした睡眠をとることで、イライラを落ち着かせて、自律神経の乱れを改善することができるといわれています。
実際に眠ることまではしなくても、少し横になる時間があれば横になってリラックスして、心身ともに落ち着かせていきましょう。
着床時には、イライラ以外にもさまざまな症状が起きることもあります。イライラだけではないことを知り、そのほかの症状にも対応できるようにしましょう。
着床する前後で、おりものに変化が現れることがあります。例えば、おりものが増えたり、おりものの状態にいつもと違う変化が出たりなどします。
着床すると、女性ホルモンのプロゲステロンやエストロゲンの分泌量が増えるからと考えられていますが、おりものに変化が出るのには個人差があるため、必ずしも変化があるとは限りません。
着床したときに、まれに出血を起こすことがあります。これは着床出血と呼ばれ、必ずしも着床したら出血するとは限りません。なぜ出血するのかというと、受精卵が子宮内膜に根をはるために、もぐりこんでいくのですが、このときに子宮内膜を少し傷つけてしまうことがあり、このときに出血するのではないかと考えられています。
着床出血は出血量はさほど多くなく、おりものに血が混じる程度で、色は茶色っぽいことが特徴的です。着床出血は1日ぐらいで収まりますが、ときに数日間続くこともあり、生理ではないのに生理と勘違いすることもあります。着床出血は、生理予定日より早いタイミングで起こります。そのため、早いタイミングで出血のようなものを起こしたら、着床出血の可能性が高いでしょう。
着床したときに、お腹が痛くなることがあります。これを着床痛といいますが、医学的な根拠ははっきりと証明されていません。着床痛を感じる場所は、下腹部であったり足の付け根であったり、お腹の全体や片側の卵巣のあたりなど、人によってさまざまで異なります。
チクチクとした痛みを感じることも、人によってはあります。ただし、着床痛そのものは、感じる人はとても少ないです。痛みがないからといって、妊娠していないということではないので、不安にならなくても大丈夫です。
着床すると、妊娠初期症状として、風邪っぽい症状が出ることがあります。妊娠すると基礎体温が下がらず、ずっと高温期のままのため、体が熱っぽく感じるからだといわれています。さらに、だるさや眠気、鼻水や寒気など、風邪をひいたときと同じような症状が起きます。
これらの症状により、風邪をひいたときのように、体調が良くならないと感じる人がいるのでしょう。妊娠していなければ、生理がくる前に基礎体温が下がりますが、高温期が持続すれば妊娠している可能性は大いにあります。
妊娠すると「つわり」という症状を起こしますが、このつわりに似た症状が、着床する時期の妊娠初期症状として現れることがあります。つわりは、胃や胸がムカムカして、気持ち悪くなって吐き気を感じたり、これまで好きだった食べ物が受け付けられなくなったり。
または、その逆で、嫌いだったはずの食べ物が好きになったりなど、症状や状態は個人差があります。さまざまな匂いにも敏感になってしまうので、それだけで気持ち悪くなって、吐き気をもよおすこともあるでしょう。
イライラすると、何を言われてもどんなことをしても、なかなか解消されないことがあります。しかし、着床によるイライラは、この先ずっと続くことではなく、ほんの一時のことです。この先、それ以上にイライラすることもあるでしょう。そうしたら、このときのイライラがちっぽけなように感じるはずです。
まずイライラしたら、まずは自分でできる解消法を試してみましょう。さらに、解消していくためには、開き直ることが重要です。一生のイライラではないのだから、今は体の変化が起きているから仕方のないことだと考え、いわゆる自己暗示をかけるようにして、上手に解消していきましょう。