2018.07.05

排卵日が早まる原因として考えられることは何か。防ぐための対処法

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妊娠を望む女性にとって、排卵日を正確に予測できることは、妊娠の可能性を高めることにつながります。その排卵日が予定より早く来てしまうと、治療のタイミングにも影響を与えがち。排卵日が早まる原因と、それを予防する方法をひもといていきましょう。

排卵日はなぜ早まる

排卵は、月に一度卵巣から卵子が飛び出すことで、そのタイミングで受精できれば妊娠できるという、貴重なタイミングです。生理が28日周期の人であれば、生理開始日から数えて14日あたりが排卵日とされています。

排卵のタイミングが毎月正確であれば、妊娠したい人にとっては治療や取り組みがしやすくなりますが、必ずしも決まった日に排卵しないこともあります。排卵日が早まるケースについて、その原因をみていきましょう。

排卵日が早まる6つの理由

排卵日が早まる場合、おもに6つの理由が考えられます。

ホルモンバランスの乱れ

排卵は、女性ホルモンの働きによって起こります。女性の体内では、生理が始まると、次の排卵に向けての準備に入るため、卵子が発育を始めます。その際に卵胞ホルモン(エストロゲン)が多く分泌され、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやすい環境を作るのです。準備が完全に整うと、卵子は殻を破り、卵巣の外に飛び出します。

ところが、何らかの原因、たとえば不規則な生活や食生活の乱れ、睡眠不足やストレス、風邪などの体調不良などが続くと、ホルモンのバランスが乱れ、正常なサイクルで排卵がされず、準備不足のまま排卵されることがあるのです。

卵胞の発育が早い

卵胞の発育が早いという体質の人もいます。排卵の準備が早めに整うので、排卵日がやってくるサイクルも早まります。生理周期が安定していて、排卵も早めのタイミングであっても同じような周期で起こっているようであれば、特に問題はありません。

ただし、生理周期が24日より短い、頻発月経の場合は、卵胞期短縮症という病気の可能性もあります。これは卵子が十分に成熟しないまま排卵されてしまう病気で、未成熟な卵子は受精能力が低く、生理の頻度が高いため、貧血になることもあります。更年期でもないのに頻発月経が続く場合は、婦人科を受診して相談することをおすすめします。

無理なダイエットの影響

無理なダイエットが排卵に影響を与えることもあります。厳しい食事制限や偏った食材だけ食べるダイエットなどをすると、体は栄養が足りず飢餓状態になります。そうなると、生命を維持する臓器に先に栄養を与えようとするので、生殖機能は後回しになってしまうのです。

無理なダイエットで、排卵が早まるだけにとどまらず、排卵が起こらない、無排卵状態や無月経を引き起こす可能性もあり、妊娠しづらい状態が続いてしまうことにもなります。バランスのよい食事や睡眠を心がけましょう。

卵巣機能の老化

健全で質のよい卵子を排卵できるかどうかは、卵巣の状態に左右されます。卵巣は初潮から閉経まで、長期間にわたり、休むことなく毎月排卵を繰り返しています。当然、年齢とともに少しずつ機能が衰えていきます。

排卵は、卵胞ホルモンが大量に分泌されたことが脳に伝達されて、脳が黄体化ホルモンを出して卵子を排出するというプロセスで起こります。ところが、卵巣の機能が加齢とともに低下すると、脳の伝達ミスが起こり、通常より早いタイミングで排卵の指令を出してしまうことになるのです。

女性特有の病気の可能性

まれに、婦人科系疾患が原因で、排卵が早く起こる場合があります。多嚢胞性卵巣症候群にかかると、卵巣の膜が固くなり、卵胞が十分な大きさに発育できず、排卵が妨げられることも多くみられます。また、卵胞が発育できていないのに排卵を起こしてしまうケースもあります。

多月経や不正出血がある場合にはこの病気の可能性があり、婦人科で血液検査などを行うことで病気の確定ができます。ホルモン剤を使うことで正常な排卵を促すこともできますので、早めに婦人科を受診することが大切です。

性交の刺激で早まる可能性

医学的には証明はされていませんが、性交の刺激によって排卵が起こるケースもあるようです。卵子は、ある程度の大きさに成熟したものでないと受精能力はありませんが、受精の準備ができた、18ミリから22ミリ程度の卵子であれば、性交によって排卵が早まるケースがあるようです。

ただし、その場合もせいぜい数日早まる程度なので、排卵に関係のないタイミングでは、性交の刺激が排卵の原因となることは考えにくいでしょう。

排卵日が早まるのを防ぐ対処法

排卵日が早まることを防ぐために、ホルモンバランスを整える効果的な方法とはどのようなものでしょうか。

サプリメントを服用する

ホルモンバランスを整える成分の入ったサプリメントはいろいろありますが、排卵を安定させたいということであれば、マカが特におすすめです。マカは、ホルモンの分泌とバランスを調整する両方の作用があり、排卵から着床までのプロセスをサポートしてくれるので、心強い味方になります。

また、漢方薬も、からだの「巡り」を整えて、自律神経を調整したり、ストレスからくるイライラを緩和する作用があるものも多いので、精神面からくるホルモンバランスの乱れの場合は、漢方薬局で相談に乗ってもらうのもよいかもしれません。

質のよい睡眠をとる

ホルモンバランスを整えるのは、規則正しい生活が何より大切です。朝は早起きして日光を浴び、夜は早めに就寝して、最低でも6時間以上の、質のよい睡眠をとることを心がけましょう。睡眠中にさまざまなホルモンが分泌されているのですから。

そのほか、栄養バランスのよいものを3食きちんと食べる、女性ホルモンと同じ働きをしてくれるイソフラボンの多く含まれる大豆製品を積極的にとるなど、食生活も工夫しましょう。

定期的に運動を行う

軽い運動やウォーキングなどを習慣にすることもおすすめです。体を動かすことで自律神経が整うとホルモンの分泌も活発になりますし、精神的にも、汗をかいてリフレッシュすることはストレス解消にもつながります。屋外で行えば、心地よい疲れに加えて、日光を浴びて夜の睡眠にも入りやすくなり、一石二鳥です。

規則正しい生活で排卵日の乱れを防ごう

女性の生理周期や妊娠のプロセスには欠かせない女性ホルモンは、環境や体調の変化などの影響に敏感で、さまざまな要因からそのバランスが乱れることにより、排卵日も変動してしまいます。

健全な排卵サイクルを継続するには、まず、子宮や卵巣やホルモンに「やさしい」生活をすることが大切です。ストレスをためこまず、規則正しい睡眠と食生活、そして運動を取り入れながら、心も体もすこやかな毎日を送りましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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