2018.07.05

排卵日に便秘になりやすい理由とは。予防や改善におすすめなこと

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普段は便秘症でなくても、排卵日前後になると便秘に悩まされた経験がある人は多いのではないでしょうか。生理周期と腸のはたらきの関係を理解することで、症状が出る前に便秘を予防したり、意識的に便秘解消ができたりすれば、快適な毎日を過ごせそうです。

なぜ排卵日には便秘がちになるのか

女性の生理周期の中でも、排卵日というのは、とてもデリケートな時期とされます。排卵日には卵巣や子宮が特別な状態になることにともなって、体全体もその影響を受けることになるからです。単なる体調不良だと思っていたら、排卵期が理由だったということもあります。

また、お腹の中は、さまざまな臓器が複雑に組み合わさって動いていますが、その中でも子宮と腸は、かなり密接な場所に存在しています。腸は長くて体積も広いので、隣接する子宮や女性ホルモンの影響を受けて、それが便秘を引き起こすことになるんですね。排卵日と便秘との関係性を具体的にみていきましょう。

排卵日前後で便秘になる理由

排卵日前後に便秘を引き起こしやすくなる理由には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

子宮が膨張するから

排卵期とは、生理周期が28日の女性であれば、生理が始まってから14日前後とされています。その後は、排卵した卵子が受精すれば妊娠の準備に入りますし、受精しなかったのであれば、次の生理の準備が始まるため、ホルモンバランスが変化するタイミングでもあります。

排卵日前後になると、お腹が張るという自覚症状がある人も多いです。この時期は、子宮が膨張して、周辺にある腸などを圧迫してしまいます。そのため、腸の働きが制限されたり、便やガスの通り道が狭くなり、便秘になったりガスが溜まったりするのです。

体が水分を溜めこむから

女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)の二種類がありますが、排卵期を境に分泌が増えてくるのが黄体ホルモンです。

黄体ホルモンには、体に水分を溜めこむ作用があるため、分泌量が増えることで、腸で通常よりも水分が吸収されてしまいます。そうなると、便の水分も吸収されてしまい、長い大腸を移動する間に、便が水分不足で固くなり、コロコロした便になったり、残便感があるといった便秘症状が現れるのです。

腸の動きを抑制するから

黄体ホルモンは、水分を溜めこむ作用のほかに、腸のぜん動運動を弱めてしまうことがわかっています。ぜん動運動は、便を出すためには不可欠で、腸の動きが抑制されて便がうまく送られなくなることで、便秘になりやすくなってしまうのです。

体が冷えやすくなるから

黄体ホルモンが体に水分を溜め込もうとすることで、むくみが起こりやすくなります。さらに、体がむくむことで、余分な水分が体を冷やすことにつながり、「冷え」症状も引き起こしやすくなります。冷えが原因で血液循環や代謝の低下が起こり、またむくむ、という悪循環に陥ることも。

また、腸は体が温かいときほど活発に動くので、体が冷えてしまうと、腸の動きが鈍くなり、その結果、便秘になりやすくなるのです。

排卵期の便秘を予防する方法

排卵期のつらい便秘を予防する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

質の良い睡眠をとる

便秘を予防するには、体のなかで黄体ホルモンが多く分泌されている状態を回避する必要があります。それにはまず、質のよい睡眠をとることを心がけましょう。睡眠不足になると、黄体ホルモンがより過剰に分泌されてしまうので、排卵期には便秘を悪化させてしまう要因になります。

最低でも1日6時間の質のよい睡眠をとることで、卵胞ホルモンの分泌が促され、二種類のホルモンのバランスがよくなり、黄体ホルモンの過剰な分泌を避けることができます。

食物繊維をしっかり摂る

食物繊維が腸の働きをよくすることは広く知られていますが、繊維質には便のかさを増やす不溶性のものと、便の水分を増やす水溶性のものがあり、この二つをバランスよく摂取することが大切です。

不溶性の食物繊維には、豆類、キノコ類、イモ類、コンニャク、ゴボウなどで、腸内で水分を吸いながら膨らみ、腸の活動を活発にします。水溶性の食物繊維には、リンゴやミカン、ニンジンやキャベツ、トマトなどに豊富に含まれ、腸内の善玉菌を増やし、お腹のなかでゲル状の柔らかい便を作る働きがあり、便が固い人におすすめです。

善玉菌を増やす食事を心がける

腸内環境をよくするには、善玉菌を増やす食材を意識的に摂取することも大切です。代表的なものとしては、乳酸菌の宝庫であるヨーグルトや、納豆、味噌、チーズ、漬物などの発酵食品があげられます。

できれば、ごはんやパンといった炭水化物を食べる前に、最初にこういった食材を食べるようにすると、成分が吸収されやすくなるので、食べる順番を工夫したいところですね。

腹筋を鍛える

便秘を予防するには、運動も大切です。毎日適度な運動をすることで、自律神経のバランスが整って、黄体ホルモンが過剰な状態が解消されます。運動によって気持ちがリラックスすると、自律神経のうち、副交感神経が活性化するので、腸のぜん動運動にもプラスにはたらきます。1日30分程度のウォーキングなどでも、十分な効果が期待できます。

また、日頃から腹筋運動を習慣にすれば、腸の働きも活発になり、また、筋肉がつくことで、排便の際にお腹にしっかり力を入れることができます。お腹をふくらませて行う、腹式呼吸も効果があります。

排卵期の便秘を解消するコツ

もしも排卵期に便秘になってしまったら、症状を改善して、便秘を解消する方法はあるのでしょうか。

水分を多めに摂取する

排卵期の便秘は、体が水分を溜め込んでしまい、便の水分量が足りなくなっている可能性が高いので、水分を普段よりも多めに摂りましょう。最低でも1日1.5リットルから2リットルを、いっぺんにたくさん飲むのではなく、回数を分けてこまめに摂り続けるようにします。水分を摂り続けることで、固くなった便に水分が行き渡り、便が柔らかくなって排便も楽になることが期待できます。

また、ココアや豆乳など、食物繊維やオリゴ糖が含まれる飲み物も、便秘改善におすすめです。なるべく朝起きてからすぐに、どちらでもよいので1杯飲むようにすると、腸のはたらきが活性されます。

うつ伏せになり腸を刺激する

腸に外側から刺激を与える方法もあります。うつぶせになり、ゆっくりと腹式呼吸をしながら転がると、ガスが出やすくなり、腸も刺激されて動きがよくなります。寝る前のリラックスタイムに行うとより効果的です。

また、便秘にはヨガも効果が高いとされていて、コブラのポーズ(うつ伏せになった状態から、手のひらで床を押しながらゆっくり体を起こして深呼吸を繰り返す)や、猫のポーズ(肩幅に足を開いて四つん這いになり、猫のように頭を下げて背骨を丸めて深い呼吸をして、そのあと逆に背骨と頭をそらした状態で呼吸をする、を繰り返す)は特におすすめです。

市販の便秘薬を飲む

便秘が続いてつらい時は、我慢せずに薬に頼るのもひとつの方法です。腸の動きが鈍くて便秘になっているのであれば、刺激性の便秘薬を短期間服用するのが効果的ですが、便が水分不足で固くなっていることが原因の便秘であれば、痛みを伴わないやさしい作用で常習性も低い、「酸化マグネシウム」成分が主体の緩下剤のほうが効果がある場合があります。

自分の便秘がどちらのタイプなのか、薬剤師さんなどに相談しながら、症状に合った薬を選ぶとよいでしょう。

早めの対策で排卵期の便秘を乗り越えよう

排卵日は毎月やってくるものです。正常な生理周期であれば、時期を予測しやすいものでもあるので、排卵期に便秘になりやすい人は、排卵期になる前に、予防のための対策を実行してみましょう。うまく便秘を回避できる自分なりの予防法や解消法をみつけて、ストレスフリーな排卵期を送りましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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