2018.07.05

「排卵日と頻尿の関係性」高温期に起こる原因と対策を知ろう

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妊娠を意識している人の中には、高温期に入るとトイレが近くなることに気がつく人が多いです。頻尿になって、寝ているときや明け方にトイレに行く機会が増えている人も多いと思います。その原因と対策を理解し、快適に高温期を過ごしましょう。

排卵日の後に頻尿になることがある

普段はトイレの回数も少なく、夜中にトイレに行きたくて目が覚めたことがないという人が、排卵日を過ぎた高温期になると頻尿になり、また生理が始まると元の状態に戻るという経験をしたことはないでしょうか?そして、なんとなく「排卵と関係あるのでは?」と、感じているかもしれませんね。

たしかに排卵日のあとに、頻尿になるという人は少なくないのですが、ではその原因はなんなのでしょう?この記事では、排卵日後に頻尿になる原因とその対策についても解説していきます。しっかりと把握して、少しでも快適に過ごしていただければと思います。

排卵日のあとに頻尿になる原因

排卵日を数日過ぎたあたりから、頻尿になる場合があります。もちろん全員が頻尿になるわけではありませんが、高温期になると、毎回頻尿に悩まされるという人も多いです。頻尿の原因はいったい何なのでしょうか。いくつかの原因が考えられます。

子宮内膜が厚くなるため

女性の体は、排卵日を境に高温期に入ります。低温期の間に、エストロゲン(卵胞ホルモン)によって子宮内膜が少しずつ厚くなり、卵胞の中で卵子も大きくなります。一定の大きさになると「排卵」を迎え、翌日から高温期になります。

高温期に入ると、プロゲステロン(黄体ホルモン)が急激に増加して、さらに子宮内膜の厚さを維持しようとします。そのため、厚くなった子宮内膜に膀胱が圧迫されて、頻尿になる場合が多いのです。

黄体ホルモンの影響

高温期に、大量に分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)には、子宮内膜を厚くするだけでなく、さまざまな作用があります。その一つに「利尿作用」が含まれます。

黄体ホルモンによって、肛門を閉じる筋肉が緩んだり、身体がむくむことで排卵日以降に頻尿になる人も多いですが、これはホルモンによる正常な反応です。

ストレスが原因の場合も

排卵から次の月経までに起きる、「PMS(月経前症候群)」に悩まされている人も少なくないかと思います。PMSを発症すると、ストレスもたまりがちになりますね。

実は、このPMSによるストレスも、頻尿の原因になるのです。ストレスがあると、体が緊張状態になりますが、緊張することで膀胱の筋肉が収縮し、頻尿の要因となるためです。

排卵日後の頻尿は妊娠の可能性

排卵日前後に性交渉があった場合、高温期の頻尿の原因は妊娠によるものの可能性があります。生理予定日が近づくまでは、生理になる前の状態と妊娠している場合の症状は、どちらも黄体ホルモンによるものです。

妊娠していた場合は、さらに卵子を細胞分裂させて大きくさせるために、子宮自体も大きくなってきます。この場合にも、さらに膀胱を圧迫して頻尿になります。そして、妊娠すると体が血液を子宮周りに集めようと働き、腎臓の活動も活発になります。頻尿は、生理が原因と決めつけることはできません。

子宮筋腫や卵巣腫瘍の影響

女性の4人に1人は、子宮筋腫があるといわれています。病院で良性の判定を受けた場合は、取らずにそのまま妊娠出産する人も多くいますが、卵巣腫瘍の場合もあります。どちらも、子宮や卵巣に塊があるわけですが、生理や妊娠によって、子宮が大きくなったり血液が集まったりします。結果、何もない人よりも、子宮や卵巣が腫れて圧迫され、頻尿になる可能性も高くなります。

高温期に頻尿がひどい場合や、押さえると痛くなるような場合は、子宮筋腫や卵巣腫瘍の可能性もあるので、心配な場合は、一度病院で診てもらっておくと安心ですね。

排卵日の症状の頻尿対策

排卵日から始まる高温期の頻尿には、いろいろな原因があるのですが、ではいったい、どうすればよいのでしょうか?ここでは、病院で診てもらい、悪性子宮筋腫や卵巣腫瘍などの医療的な手助けが必要な場合以外の、黄体ホルモンによるさまざまな不快な症状を、少しでも和らげる方法をご紹介します。

入浴で血のめぐりを良くする

手軽に自宅でできる方法として、「入浴」が効果的です。普段、シャワーだけで済ませている人も、この時期の頻尿がつらい場合は、ゆっくりと湯舟につかってみてください。好みの香りのアロマオイルなどを追加すると、リラックスして自律神経を整える効果もあります。

高温のお湯ではゆっくりと入浴できないので、37~40℃程度の少しぬるめのお湯で、20分ほど体を温めることをおすすめします。全身の血流が良くなり、子宮周りのむくみや血液の集中が抑えられて、頻尿が抑えられます。湯舟につかる場合、あまり長時間の入浴は逆に体が疲れてしまうので注意しましょう。

下腹部や腰を温める

排卵後は、黄体ホルモンによって体内の水分によりむくんだり、血液が子宮の周りに集まりやすくなります。血液は体内では暖かいので、冷えることはありませんが、むくみによる水分によって、下腹部や腰まわりが冷えてしまいます。

最近では、「温活」という言葉もあるほどですが、昔から女性は子供を産むためには、体を冷やすことは良くないとされてきました。これは、実際に腹巻や靴下などを身につけるだけではなく、適度な運動やストレッチなどを日常的に取り入れることで、体内の血流を良くすることも含みます。

適度な運動をすることで、子宮に届く血液も新鮮なものになります。しかし、過度な運動をする必要はありません。仕事帰りに一駅歩いてみたり、テレビをみながらストレッチする習慣を作るだけでも、新陳代謝が良くなり、体全体が温まります。

規則正しい生活を心がける

心配事によるストレスや、無理なダイエットが原因で、生理が止まってしまうということを、聞いたことがあるかもしれません。エストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンは、日常のちょっとしたことでバランスが崩れてしまいます。

妊娠を希望するのであれば、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。たとえば、夜更かしをしたり、インスタント食品ばかりの生活を送ったり、または、ミニスカートなどの冷えるファッションをしたりなどは避けましょう。

全く運動をする機会のなかった人は、適度に体を動かすことで、ホルモンバランスが整い、PMSや頻尿も軽減されて、妊娠しやすい体になっていきます。すべてやろうと思うとストレスになるので、できることから取り入れてみましょう。

尿意を我慢しない

自宅に帰ってからや就寝中の頻尿なら、すぐにトイレに駆け込めますが、職場や外出先などの場合は、トイレに行きたくてもすぐには行けないこともあります。しかし、尿意を我慢すると子宮が圧迫されたままで、腹痛がひどくなるばかりです。

さらには、膀胱炎になってしまう可能性もあります。だからといって、トイレに行く頻度を抑えるために、水分補給を減らすと、血の流れや尿中の毒素も溜まり、体調が悪くなる場合もあります。したがって、尿意を感じたら、できるだけ早めにトイレに行き、水分もしっかり補給するように心がけましょう。

排卵日の頻尿対策をして快適に過ごそう

排卵日の頻尿を、完全に防ぐことはできませんが、ホルモンバランスを整えることで、尿意の頻度の改善につながります。PMSがひどい人も、ホルモンバランスが崩れている可能性があります。お金もかからず、気をつけるだけで手軽にできることばかりなので、排卵後の頻尿に悩んでいる人はぜひ試してみてください。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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