妊活を考えている人の中には「何からはじめればいいのか分からない」「どうすればいいのか分からない」など悩んでいる人も多いのではないでしょうか。この記事では、妊活をする上で大切な排卵から生理までの期間と、ステージについて取り上げてみました。
女性の身体は月に一度、卵巣から卵子を排出します。それと同時に子宮内膜を厚くし、受精卵を受け入れる体勢を取ります。しかし、卵子が受精をしなかった場合、子宮内膜は不要になり剥がれて体外に排出されます。それを生理と呼ばれています。
流れとしては①卵胞期 → ②排卵期 → ③黄体期 → ④生理期の4段階をループしながら、月に一度のペースで子宮内膜の排出が行われます。これから妊活を望む方も興味のある方も妊活に必要な排卵から生理の期間とステージを知って行きましょう。
排卵と生理の仕組みには一体どのようなことがあるのか、またその関連性などについて見ていきます。
生理のメカニズムとして上記に述べた通り、4段階でループしています。卵子と子宮が受精を準備するのは①卵胞期です。卵胞期(増殖期)では卵巣の中にある卵子の元(原始卵細胞)が成熟します。成熟卵細胞から卵胞ホルモンが多量に分泌され、その影響を受け、子宮内膜は厚くなります。それにより受精時のベッドとして機能します。
女性は生理周期に合わせてホルモンバランスが変化します。その時期は痩せやすい時期であり、生理約2週間の期間と言われています。女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が増加しているので、食欲が抑制され、代謝が良くなるに加え、生理前や生理中にプロゲステロンの影響でため込んでいた水分を排出する期間でもあります。これらのことから、この期間はダイエット・美容の最適期間と言えます。
次に②排卵期について知っていきましょう。妊娠を予定している場合、この期間が特に重要になってきます。約1カ月に1回のペースで卵巣から卵管へ卵子を排出することを「排卵」といいます。女性が生まれながらに持っている卵胞の中から数個の卵子を選び、排卵に向け育っていきます。
そして、卵胞ホルモンが分泌され、子宮内膜が受精するために必要な厚さまでなってきたら、卵管へ卵子の送り、受精の時を待ちます。これが排卵期です。この期間が月経周期の中で妊娠可能な時期と言われています。
黄体期は月経周期の後半に起こります。排卵の役目を終えた卵胞は黄体へと変化、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌を促します。それにより子宮内膜が柔らかくなり、体温が上昇するので高温期と言われます。生理週間は個人差によって卵胞期の長さが異なる場合もありますが、黄体期は約14日と安定しており、個人差が見られないことが特徴です。
また、「分泌期」とも言われ、分泌ホルモンの影響で心や身体が不安定になる時期でもあります。起こりうる症状は以下の通りです。
卵子が精子と受精をしなかった場合、子宮内膜から分泌されたプロスタグランジンというホルモンの働きで子宮が収縮します。そのため、不要になった子宮内膜は剥がれて血液とともに体外へ排出されます。これが生理期です。月経が終わると、次の妊娠に向けて、新たに卵胞期から生理周期が始まっていきます。
生理痛とは生理開始前、また生理中に起こる痛みの総称を言います。卵胞期から生理期まで、女性の体内は変化が起こっています。それにより生理痛という症状が現れます。それでは、なぜ生理痛という症状が起こるのでしょうか?原因として、以下の原因が考えられます。
このような身体の仕組みと痛みの原因を理解することで、生理痛を対処する際に役立ちますので、しっかりと把握しておきましょう。
卵子と受精に必要な精子の寿命は無限というわけではありません。妊娠率を上げるためには双方の最高なタイミングを図ることが大切になってきます。
上記で述べた通り、卵子も精子も受精までの時間が無制限ではありません。月経周期の中で排卵する期間、受精するまでの時間などをしっかりと知っておき、排卵前から準備することが大切です。
卵子の寿命は排卵されてから24時間、精子は72時間程度です。排卵から24時間が最も妊娠しやすいと言われているので、卵子・精子の寿命期間をしっかりと把握し、それに合わせて準備を進めていきましょう。
精子は1,000万~1億個の以上が生産されおり、精子一つ一つは約80日かけて作られます。しかし、加齢に伴って生産量と運動量は減少していきます。また、女性の膣内は強い酸性で、酸に弱い精子の多くは卵子に辿り着く前に脱落してしまいます。
このことから、卵子の寿命の24時間のうち、約8時間程度しか受精できないとされており、精子の寿命の72時間以内に卵子に辿り着かないと受精は不可能です。卵子のある卵管までたどり着く精子は数個にまで激減し、その中のたった一つだけが卵子までたどり着き受精を行う確率はまさに奇跡と言われています。
排卵日の計算にはオギノ式があります。そこに生理周期と前回の生理周期を記入することで、妊娠しやすい日、推定排卵日が割り出されます。
排卵から生理までの日数は平均で14日です。しかしこれには個人差があるので、人によっては8~18日くらいのケースもあります。排卵に近づくと体温が下がり(低温期)、排卵後には体温が上がります(高温期)。妊娠してなければ高温期から14日目くらいに生理が始まりますが、個人差もあるので長い方では17日まで高温期が続くことがあります。
また排卵から18日以上経過しても生理が来ない原因として、以下に問題があると考えられます。
もし妊娠を希望しているという場合は、できるだけ早く病院で受診することをオススメします。排卵から生理まで18日あることに対しては特に異常はありません。半年など長期に亘っているのなら、その方の生理周期と言えますし、全ての女性が同じ周期で生理が来るわけではありません。多少の誤差も範囲以内なので深刻に受け止める必要はありません。
排卵と生理の時期を知る一番の情報源は基礎体温です。日々の基礎体温を把握することで排卵と生理の時期を把握することが可能になります。
基礎体温とは身体が安定な状態にある時の体温。人間が活動するための必要な最低温度を指し、睡眠をとって目覚めたときの体温を測ることがよいと言われています。毎日測ることで妊娠に必要な体の変化やリズムを把握することができるのです。
女性の体はホルモン周期で体温変化が起こります。なぜなら、排卵が起こり女性ホルモンの影響するからです。ですから、毎日の基礎体温を測ることで、体温変化やホルモン分泌状態を知ることができます。そして、基礎体温は正しい測り方と記録が大切です。(※体温計には「婦人体温計」がオススメです。)
うまく測るコツとして、寝返りやあくびをしないように気を付けましょう。もし、一度起き上がってしまった場合は30分以上、安静にした状態で測り直せば大丈夫です。
基礎体温を記録していくと、どの辺りで体温変化が起こっているのかがわかると思います。その変化から排卵日と生理予定日が分かります。排卵日が分かれば、妊娠しやすい時期が何時なのかを知ることができます。基本的に、低温期と高温期の2つに分かれますが、妊娠した場合は高温期が続きます。
特に2週間以上続くのは妊娠している初期の症状の一つです。その場合は、次周期を待ち、妊娠検査薬を用いて調べてみてはいかがでしょうか。排卵日が想定されれば、その前に精子を女性の体内に待機させることで妊娠率をグッと上げることができます。
生理予定日よりも1週間過ぎてしまう人もいるのではないでしょうか。生理日は個人差はありますが、25~38日間隔で安定した周期で繰り返されます。なので、生理が数日遅れたり、リズムが崩れると不安になってしまいます。
生理は体調に左右されやすいものです。要因としては女性ホルモンの乱れと考えられていますが、ではなぜそのようなことが起こるのでしょうか?理由として挙げているのは以下の通りです。
特に原因がなくても遅れたり早まったりすることがあるので、多少のズレは気にすることはありません。しかし、1週間以上過ぎたら遅れていると考え、その原因を探りましょう。そして、原因を突き止めて取り除くことが大切です。
ここまでみてきた排卵と生理について、理解を深めていただけたでしょうか。妊娠を希望する人は、まずは自分の体のリズムをしっかりと知ることから始めましょう。自分の基礎体温を記録し、排卵と生理周期を把握し、そこから妊娠しやすい時期を推定し、妊娠率を上げるためにタイミングを図ることが必要です。
もし生理が遅れたら、妊娠したのかと考えてもいいですが、必ずしも「生理の遅れ=妊娠」という訳ではありません。妊娠ではなく、ストレスなどが原因となった遅れの可能性もあります。ですから、その遅れが確実に妊娠であるか否かを、検査薬で調べたり診療に行くなどして、その原因をはっきりを確かめましょう。