子供を望み、妊娠に喜んだ矢先に起こりうる、流産という悲しい出来事。流産後の妊娠確率は上がるのか、下がるのか。次の妊娠も流産になってしまうことはあるのか。流産の原因を知って、心の不安や悲しみを和らげましょう。夫婦で手を取り合って前向きになれることが大切です。
流産をすると、次は無事に妊娠ができるのかと不安になり、落ち込んでしまうと思います。母体が原因であると決めつけてしまう女性も多いのではないでしょうか。しかし、流産のすべてにおいて、母体が原因とは限りません。
流産は誰にでも起こりうる可能性があるものですが、その反面、流産の種類によっては流産後は妊娠の確率が高くなるとも言われています。
流産後の妊娠確立、生理や排卵のタイミング、流産の確率や原因について正しい知識を知ることにより、不安を解消していきましょう。
流産をしてしまったあとは、本当に妊娠の確率が高くなるのでしょうか。医学的根拠や流産後の妊活再開目安などについて、解説します。
「流産後は妊娠しやすくなる」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。しかしながら、流産後は妊娠しやすくなるとは限らず、医学的根拠はありません。ただ、自然流産にはいくつかのケースがあります。流産の中でも、多いのが稽留流産というものです。
稽留流産とは胎児の一部が子宮に残ってしまっている状態です。稽留流産となった場合、掻爬手術(そうはしゅじゅつ)か自然流産という形で体外に胎児を出す必要があります。そうすることで、子宮の中がきれいになるため、再び妊娠しやすくなるということはあるようです。しかし、他のケースでは再び妊娠しやすくなるとは限りません。
流産後のすぐの妊娠はおすすめできない理由は、流産後の子宮にダメージがあるためです。再度の流産を防ぐためにも、しっかり子宮の機能を回復させてあげてからの妊娠が理想的です。悲しい思いをしないためにも、ゆっくりと余裕をもって、赤ちゃんを迎えるための環境を整えましょう。
流産後の生理はいつ頃はじまるのでしょうか。生理=排卵とは限りません。妊娠の目安を知るために、生理のどのくらい前から排卵が始まるのか、そして、基礎体温のチェックを始めるタイミングはいつ頃なのかなどを知っておきましょう。
次の生理はいつ?と不安になる方も多いと思います。こちらに関しては個人差もあるようですが、多くの人は3~5週間ほどで生理が来るようです。しかし、ストレスなどで遅くなるケースや、流産後にすぐに生理が始まるケースもありますので、3~5週間というのは目安。
あくまで目安ですので、不安な場合は婦人科の受診をしてください。ちなみに、排卵は生理の2週間前が一般的ですので、流産後数週間してから排卵することもあれば、生理が始まるまで排卵しないこともあります。
流産後は、ホルモンバランスの影響で一時的に基礎体温が安定しないこともあります。しばらくすると安定しますので、安定してから、基礎体温をチェックすることをおすすめします。焦らずに、経過を見守ることも大切です。基礎体温をつけていれば、次の妊娠の目安にもなりますので、妊娠を望む方は基礎体温のチェックを日々の習慣とすると良いでしょう。
流産の考えられる原因として、胎児の染色体異常による場合があります。母体が原因でないことも多いため、事前の知識として知っておくことで安心に繋がります。流産が起こる確率から、染色体異常による原因をご紹介します。
流産の起こる確率は15%。8人に1人が流産してしまうということです。とても悲しい出来事ですが、流産をしてしまうことは、決して珍しいことではありません。誰にでも起こる可能性はあり、その多くは、妊娠の初期の12週未満で起きてしまいます。
流産の中で8割が妊娠の初期の12週未満で起きてしまいます。これは、受精卵の染色体異常が原因のことが多いといわれています。染色体異常があると、受精した段階で、細胞分裂がうまくできなかったり、着床してもその後にうまく生育できなくなったりすることがあります。そうすると、妊娠状態を継続できなくなり、流産となってしまうのです。母体の原因ではないので、防ぎようはありません。
流産後は、心身ともにストレスを感じてしまいます。そこで、流産後の妊娠のタイミングや、ストレスが与える体への影響を確認してみましょう。また、赤ちゃんの発育を助ける葉酸について知識を高めましょう。
流産後、一般的には3~5週間ほどで生理が始まるのが一般的ですが、すぐの妊娠だと子宮が完全に回復していないこともあります。それに、排卵は生理の約2週間前が一般的ですので、生理が始まる前に次の妊娠をしてしまうと、妊娠週数や出産予定日がわからなくなってしまいます。
妊娠週数や出産予定日がわからないと、妊娠中、不測の事態になったとき、対応ができなくなってしまう可能性があるのです。赤ちゃんを万全な状態で受け入れるためにも、お医者さんからの指示を確認したほうがよいといえるでしょう。ご夫婦で妊活について話し合いをしっかりもちましょう。
葉酸は赤ちゃんの発育を助ける栄養素です。特に、妊娠初期は最も葉酸を必要とします。葉酸はその名の通り、野菜に多く含まれている栄養素。普段から野菜をとり、栄養のバランスを考えた食事が望ましいです。葉酸を含む食べ物は、調理法によって栄養がなくなってしまうこともあります。そのため、食べ物によって葉酸をより多く接種できるよう、調理法に工夫が必要です。
厚生労働省ではサプリメントでの葉酸の接種を推奨しています。サプリメントであれば、接種しやすいのではないでしょうか。葉酸を含んだ食べ物と一緒に葉酸のサプリメントからも接種をすることをおすすめします。ただし、過剰摂取には気を付けましょう。
【参照URL:http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20110526_1.pdf】
流産後は、ショックからストレスを感じやすい状態です。ストレスを感じると生殖ホルモンの分泌に影響がでてしまいます。不妊の原因にも成りかねますので、睡眠をしっかりとり、適度な運動をするなど、ストレスをため込まない生活習慣が望ましいといえます。
また、流産をしてしまった後は、メンタルだけでなく、体も傷ついているため、体調がなかなか戻らない場合は、婦人科を受診しましょう。病院によっては、死産や流産をしてしまった女性向けのカウンセリングを紹介してもらえるところもありますので、1人で抱え込まず、専門家に相談することも検討しましょう。
流産を経験すると、自分に落ち度があったのか不安になる方も多いと思います。次は無事妊娠ができるのか、と頭を悩ませてしまうのではないでしょうか。流産後、なかなか妊娠しないといって気にしていると、ストレスになってしまい、赤ちゃんを受け入れる環境に良くありません。流産後は、子宮が回復するまで、ゆっくりと過ごし、夫婦生活についてパートナーと話し合うのがよいでしょう。
不安や焦りは、体にいい影響がありません。流産をしてしまった場合は、ゆっくりと体を休ませ、次の妊娠に備えましょう。