2018.07.05

「着床と体温の関係性」基礎体温を記録して変化を見逃さない

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毎日規則正しい生活を心掛けているのに、突然基礎体温が下がったら、妊娠したか何か病気なのか…。真面目に妊活している人ほど気になってしまいますね。基礎体温で分かることは排卵のタイミングのほかにどのようなことがあるのか、詳しく見てみましょう。

高温期に体温が下がった要因が知りたい

基礎体温を記録していて、順調に高温期を迎えていたのに、ある日突然体温が下がってしまった。そんな経験はないでしょうか?何か異常ではないかと心配になってしまいますよね。いまから、基礎体温とは何かを学びながら、原因を探って行きましょう。

妊活と基礎体温について

妊活には、実際どのような活動があるのでしょうか?運動、サプリ、通院など、いろいろありますが、ほとんどの女性が取り組んでいることがあるのです。

妊活のために基礎体温をつけている人は多い

妊活中の夫婦が行う主な取り組みというと、夫婦での話し合い、排卵日に合わせた性交渉、基礎体温の記録などがあります。特に女性は、基礎体温の記録を欠かさずしているという方が大勢いらっしゃるようです。

基礎体温を毎日記録することで、自分の生理周期をつかむことができ、それぞれの時期にあった取り組みを行うことができるからです。

生理・妊娠と基礎体温

女性の体温は、生理周期によって高温が続く高温期と、低温が続く低温期を繰り返しています。排卵後は、卵を育て妊娠に備えるため高温になり、受精することなく生理を迎える際には低温になります。

基礎体温とは、体を安静な状態にしたときの、運動や食事などに影響されない、生命を維持することのみに必要となる体温です。測定は、起床後、体を動かす前に婦人体温計を舌の付け根に挿して測ります。

基礎体温の記録をグラフ化すると、約1カ月周期で、高温期と低温期に別れた折れ線になります。排卵?次の生理までの期間は、高温期なので数値が高く、生理開始?次の排卵までは低温期なので、値は低くなります。これを毎月計測することで、排卵のタイミングを把握でき、妊活を有利に進められます。

着床後に基礎体温が下がる原因

着床すると高温期が続きますが、着床後に基礎体温が下がった場合、どのようなことがおきているのでしょう。

着床すると基礎体温はこのようになる

受精後、子宮へ到達した受精卵は、子宮内膜の深くに潜り込みます。この状態を着床と言います。着床すると体は妊娠状態となり、卵を育てるために高温を保とうとします。

基礎体温グラフをつけてみて、通常なら14日程度で終わってしまう高温期が、16日以上続くようなら妊娠している可能性があります。

着床時期の体温低下はインプランテーションディップ

「インプランテーションディップ」といって、高温期に一時的に体温が低下することがあります。ここで、アメリカの「fertility friend」というサイトで行われた、インプランテーションディップについての統計調査をご紹介します。

このサイトでは、妊娠した場合とそうでない場合の、11万にも及ぶ基礎体温のグラフパターンを調査したそうです。その結果、排卵後の5日?12日の間、特に7?8日にインプランテーションディップが見られるグラフは、妊娠している割合が高いという統計が出ました。

インプランテーションディップは、受精卵が着床した際に、ホルモンバランスが乱れることで起こるとされています。ただしこれも個人差があり、インプランテーションディップが起こらなくても、妊娠している可能性は十分にあります。

着床後の症状

基礎体温の変化だけでなく、妊娠をすると女性の体にはさまざまな変化が現れます。妊娠超初期の症状としては、生理の遅れや便秘、腹痛、風邪っぽい症状、乳首の張りなどがあり、中にはこの時期からつわりがある人もいます。

個人差が激しいため、一概にどれが着床後の症状とはいえませんが、少しでも違和感を感じたのなら、それは妊娠の兆候なのかもしれません。着床かなと思ったら、栄養を十分に摂取し飲酒を控え、体を冷やさないようにしましょう。

また、薬の服用は実際に妊娠していた場合、胎児に影響を及ぼす可能性があるので、医療機関に相談しましょう。さらに、流産のリスクを遠ざけるために、激しい運動を避けて、腹痛や出血に注意しましょう。

その他基礎体温が下がったときに考えられること

高温期に一時的に体温が下がる「インプランテーションディップ」のほかに、基礎体温が下がる要因を確かめましょう。

正しく計測できていなかったため

基礎体温の測定は繊細で、測定前に伸びをしてしまったなど、ほんの少しの要因でずれが生じてしまいます。しかし、体温の測定ミスは、別に身体に異常があるわけではありませんので、慌てる必要はありません。

1日くらい体温の狂いがあったとしても、翌日以降に落ち着いて検温をし直しましょう。

病気が隠れていることもある

高温期中に体温が下がり続けるようであれば、黄体機能不全の可能性があります。高温期になると、子宮内膜を妊娠に適した環境に整える、黄体ホルモンという物質が分泌されます。

このホルモンの分泌が不安定になると、せっかく受精しても、その先で卵を育てることが困難になってしまいます。もしも、基礎体温の低温が続くようであれば、なるべく早く医療機関に相談しましょう。

基礎体温からわかる兆候を見逃さないために

基礎体温は、毎日継続して測定することで、身体に起こるさまざまな変化をチェックできます。具体的には、排卵と妊娠しやすいタイミング、次の生理予測、ホルモン異常や病気、流産の早期発見などがあります。

そして、インプランテーションディップや高温期の長期化を見逃さなければ、早い時期から妊娠に気づくこともできます。大切なことは、普段から正しく計測をすることです。

基礎体温を活用して健やかな妊活ライフを送ろう

基礎体温は、身体から発せられるさまざまなメッセージを私達に伝えてくれます。今まで漠然と測っていた人もそうでない人も、基礎体温を通して自身の身体と上手に向き合い、健やかな妊活ライフを送りましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。