2018.07.05

妊娠初期に必要な「葉酸」。必要性やその摂り方をチェックしよう

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妊娠初期は不安が多くて大変です。特に初めて妊娠をした人には、これからどうすればよいかわからないという人も多いでしょう。ここでは、妊娠初期に必要な葉酸の摂り方について説明します。学校では教えてくれなかった大切なことを、ここで学んでみましょう。

妊娠初期に葉酸が必要?どうやって摂ればいいか分からない

妊娠をしてからは、これまでの生活に工夫を加えることで、あらゆるリスクへの対策をすることができます。その工夫とは、妊娠初期に葉酸を摂ること。葉酸とは、ビタミンB群の中に含まれている栄養素のことであり、特に妊娠初期の女性にとって大切な栄養素です。

しかし、葉酸の特徴や摂り方など、まだまだわからないことが多いという人もいるでしょう。ここでは、葉酸の摂り方についてみていきます。これまでにあまり意識していなかった人も、しっかりとみておくとよいでしょう。

妊娠初期の葉酸不足で胎児に起こるリスクとは

妊娠初期に葉酸が不足すると、あらゆるリスクが生じます。それぞれどんなリスクがあるのかみてみましょう。

神経管閉鎖障害の発症リスク

葉酸が不足するときに生じるリスクとして、胎児が神経管閉鎖障害を発症する可能性があります。神経管閉鎖障害とは、胎児の脳や脊髄のもととなる神経管がうまく機能しなくなってしまう疾患のことをいいます。

妊娠をしてから4週目から5週目に起こる先天性の異常です。これは遺伝などの要因も考えられていますが、妊娠初期に葉酸が不足することも、発症の原因の一つとして考えられています。

二分脊髄のリスクが上がる

二分脊髄とは、本来脊髄の管の中にあるはずの脊髄が外に出てしまうこと。これによって、さまざまな神経障害が起きるリスクがあります。子どものときは運動機能や排せつ機能の障害が起こり、成人してからは性機能の障害が出てくるといわれています。

無脳症のリスクが上がる

無脳症とは、両側の大脳半球が欠損している状態のことをいいます。脳の欠損部分が外に露出したり、皮膚で覆われたりすることがあります。胎児が無脳症になると死産となるか、生後数日から数週間で亡くなります。

胎児だけではない?葉酸の母体への効果

妊娠をすると、母体に取り込まれた酸素が優先的に赤ちゃんへ届けられます。このため、母体の血液が薄くなるので貧血を起こしやすくなります。その点、葉酸にはビタミンや血液を増やす働きが含まれているので、貧血への予防になります。

また、葉酸には母体の免疫機能を高めたり、消化管の機能を高めたりする機能があります。妊娠中は体を健やかに保つ必要がありますが、葉酸はそれをサポートしてくれる働きがあります。

そのほかにも、葉酸には動脈硬化を原因とする心疾患や高血圧などのリスクを低減してくれる働きがあります。必須アミノ酸が代謝されてつくられる「ホモシステイン」というものがあり、これの血中濃度が高まると、動脈硬化になるリスクが高まります。

過去の実験では、葉酸を摂ることで血中のホモシステインの値が低下したことがわかっています。このため、葉酸には動脈硬化を原因とするさまざまな疾患のリスクを減らしてくれる働きがあるといえるでしょう。

妊娠初期は葉酸の必要量が多くなる

18歳以上の一般男女は、1日に240ugの葉酸を摂取することを推奨されていますが、妊婦は2倍の480ugの葉酸を摂ることを推奨されています。

妊娠初期は胎児の脳や脊髄などの主要な神経管がつくられ、11週までに頭や胴体などの体の形が生まれます。葉酸には細胞の生産を助けて、体の発育を促してくれる働きがあるため、妊娠初期に葉酸をとることが大切です。このため、妊娠3カ月までは食事による摂取に加えて、サプリメントでプラス0.4mgの葉酸を補うとよいでしょう。

葉酸が必要な期間は?

妊娠の1カ月以上前から妊娠3カ月までの間に摂ることが望ましいです。妊娠後はもちろん、妊娠前から葉酸を摂っておくことで、着床率を上げて妊娠しやすい体になるというメリットがあります。着床とは、受精卵が子宮の中に根付くことをいいます。

また、葉酸は妊娠前の女性だけでなく、男性も一緒に摂取することがおすすめです。男性も葉酸を摂ることで、胎児の染色体異常のリスクの軽減につながるからです。

葉酸を摂取するにあたって

葉酸を摂取するときに注意すべきことがあります。それぞれの葉酸の種類によって特徴が違うので、しっかりと確認しておきましょう。

葉酸には2種類ある

葉酸は細かく分けると2種類あります。まずは、それぞれの内容について知りましょう。

ポリグルタミン酸型の葉酸

複数のグルタミン酸が結合したものをポリグルタミン酸型の葉酸といいます。これは、ホウレンソウなどの植物系の食品に多く含まれていますが、熱に弱いため調理による損失が多いことが特徴です。また、体内で胃酸によって遊離されます。

このため、主に食品に含まれているポリグルタミン酸型の葉酸は約半分ほどしか体内に利用されません。よって、食品などから目標摂取量の葉酸を摂るためには、その倍の量の葉酸を摂らなければなりません。

モノグルタミン酸型の葉酸

グルタミン酸が一つに結合したものをモノグルタミン酸型の葉酸といい、主に加工食品の中に含まれています。体内に摂取されたポリグルタミン酸型の葉酸は、消化管で分解されるとモノグルタミン酸型の葉酸になり、それから小腸で吸収して体内に取り込まれていきます。

モノグルタミン酸型の葉酸は、ポリグルタミン酸型の葉酸よりも安定性や生態利用率が高いため、厚生労働省も推奨しています。ただし、モノグルタミン酸型の葉酸は、合成葉酸なのでオーガニック志向の人や合成されたものを体内に取り込むことに抵抗がある人には向かないでしょう。そういった人は、ポリグルタミン酸型の葉酸が配合されたサプリメントなどを選ぶことがおすすめです。

葉酸の過剰摂取にご注意

葉酸を過剰に摂取することで、発熱やかゆみなどの過敏症に陥るリスクがあります。このため、葉酸を必要以上に取りすぎないことがポイントです。

また、葉酸を過剰に摂取することで、ビタミンB12欠乏症の診断を困難にします。ビタミンB12が欠乏すると、体の中の赤血球がうまく作られなくなり、貧血や下半身のしびれなどの神経症状が発生します。こういった場合は、早めに診断をしてもらって対策をとることが大切ですが、葉酸の過剰摂取により診断が遅れると、これらの神経症状をさらに悪化させてしまう原因になります。

妊娠後期に葉酸の過剰摂取をすると、子どもが小児喘息にかかる可能性があります。このため、葉酸の過剰摂取は母体だけでなく、胎児にもハイリスクといえるでしょう。

葉酸を食事で摂取しよう

一日にたくさんの葉酸を摂るにはどうしたらよいでしょうか。その食事法について解説します。また、葉酸が多く含まれている食品についてもみてみましょう。

食事で摂取できる葉酸はどのくらい?

平成10年に行われた国民の栄養に関する調査では、20代から30代の女性は平均して一日に約300umの葉酸を摂っていることがわかったそうです。しかし、平成28年の調査では、約230から240umまで減っています。

18歳以上の一般男女なら概ね一日の目標摂取量を超えていることになりますが、妊婦の場合はこれの倍以上の葉酸を摂る必要があるでしょう。

葉酸を多く含む食品

葉酸はさまざまな食品に含まれていますが、特にホウレンソウやモロヘイヤなどの緑黄色野菜に多く含まれています。そのほかにも、納豆やレバー、オレンジやいちごなどのフルーツがあります。ウナギやウニなどの海鮮にも含まれています。

葉酸を含むドリンクとして、日本茶や抹茶などにも含まれています。ただし、葉酸は加熱処理をすると失われる可能性があるので注意が必要です。また、野菜を調理するときも加熱をすると葉酸が失われるリスクが高いので、なるべく天然のものから葉酸を摂りたい人は生野菜を食べるとよいでしょう。

足りない葉酸を補うオススメのサプリ

ここでは、特に葉酸が不足しがちな妊婦におすすめのサプリを大公開。それぞれの商品の特徴について丁寧にみていきます。

アサヒ ディアナチュラ

CMでもおなじみの「ディアナチュラ」。徹底した品質管理のもと、保存料などを使用していない原材料を厳選しています。原材料の中でも、一つひとつの安全性をしっかりと確認されており、ディアナチュラ独自の厳しい基準や規格から選ばれたものだけを使用しています。また、国内工場で原材料の受入れから出荷まで一貫して管理されているので、安心の国内生産です。

このサプリメントは葉酸だけでなく、鉄やカルシウムなどの妊娠や授乳期にも必要な栄養素を配合。鉄は、母体の貧血や立ちくらみなどの症状の対策に効果的です。カルシウムは丈夫な骨や歯などを作るために大切な栄養素であり、丈夫な赤ちゃんを産むためには欠かせない栄養素です。これが不足すると、母親が骨粗鬆症になったり、歯が脆くなったりする可能性もあるので、鉄とカルシウムは母子ともに健康な体を作る大切な栄養素です。

これらの栄養素をまとめて摂ることができるのがポイントです。継続して利用しやすい値段に設定されており、長く飲み続けることに向いています。妊娠を計画している段階から授乳期まで飲むことがおすすめです。

【参考リンク:https://www.dear-natura.com/yousan

オーガニックレーベル 葉酸サプリ

美容と健康に不安を抱えている人のために、満足できる商品を届けたいという想いのもと生まれた「オーガニックレーベル」。一人ひとりの顧客の思いに応えたいというブランドコンセプトから、数々のサプリメントが販売されています。

これは、無添加にこだわって作られた天然由来の葉酸サプリ。サプリメントは添加物が含まれているものが多いですが、これはオーガニックレーベルこだわりの自然派のものです。このため、オーガニック志向の人におすすめのサプリメントです。

これは食品なので、基本的には薬と併用しても問題ありませんが、もし薬を併用している場合はかかりつけの医師などの専門家に相談するとよいでしょう。

【参考リンク:https://organic-label.jp/items/yousan/faq#nav

大塚製薬 ネイチャーメイド

サプリメントの歴史が長く、日本よりも市場規模が10倍以上も大きいアメリカ。ネイチャーメイドは、そのアメリカでの店頭販売で最もシェアされた実績のあるブランドです。厳しい品質管理のもと、高品質なサプリメントを届けており、アメリカの薬剤師もすすめめているブランドです。保存料や着色料などを使用していない安心の品質。

このサプリメントは、2粒でホウレンソウ6株分に相当する葉酸を配合。栄養補助食品のため効率よく葉酸を摂取することができます。一日の摂取量を守れば、健康的な体を作ることができるでしょう。ネイチャーメイドでつくられているので、厳しい品質管理をクリアした葉酸を摂ることができます。

葉酸と併用して、マルチビタミンやミネラルを併用して摂ることがすすめられています。

【参考リンク:https://www.otsuka-plus1.com/shop/g/g26731/

ピジョン 葉酸サプリ

ピジョンは、赤ちゃんや子どもなどの手助けが必要な人々に対して、さまざまな製品やサービスを提供しているメーカーです。世界でもっとも信頼される育児用品メーカーを目指しており、主に哺乳瓶のメーカーとして有名であることが特徴的です。

ピジョンにはさまざまなタイプの葉酸サプリを取り扱っています。カルシウムが配合されているものや、噛んで食べられるタブレットタイプのものなどがあります。味はブルーベリーやヨーグルト、ストローベリーなどのフレーバーから選ぶことができます。サプリメントを飲むことに抵抗がある人は、タブレットタイプのものを試してみるとよいでしょう。

葉酸以外にも鉄やビタミンB群などの栄養素を一緒に摂りたいなら、葉酸プラスがおすすめです。飲みやすいように小さな粒で作られており、体内で溶けやすい工夫が施されています。

【参考リンク:https://products.pigeon.co.jp/search/index.php?query=%E8%91%89%E9%85%B8

適切に葉酸を摂取しよう

葉酸は不足すると、あらゆるリスクが高まって危険です。特に妊娠初期は通常の倍以上の葉酸を摂る必要があるので、食事の摂り方を工夫したりサプリメントうまく活用したりすることが大切です。

しかし、あまりに葉酸を摂取過ぎることも危険なので、サプリメントの摂取量や食事などにも注意を払いながら、うまく葉酸と付き合っていきましょう。葉酸を含んだ食品やサプリメントを使って、健やかな毎日を過ごしましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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