2018.07.05

子宮頸管ポリープの症状や切除にかかる費用などの悩みについて解説

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子宮頸管は子宮から膣へと通じる管で、ポリープは管の中にできる腫瘍のことです。ほとんどの腫瘍が良性ですが、悪性の場合もあり、粘膜が増殖して突起物ができたものをいいます。子宮頸管ポリープの症状や治療法、それにかかる費用などを知っておきましょう。

30代後半以降で増えてくる子宮頸管ポリープ

20才以上の女性に義務づけられている子宮がん検診。子宮がん検診では、問診、視診、細胞診が行われています。視診では、膣鏡を膣内に入れて子宮頸部を観察します。細胞診では、頸部をこすって細胞を採取します。そこで、ポリープが見つかることがあります。

そこで、ポリープなどの異常があれば精密検査を行い、コルポスコープや組織診を行って異常がないか正確に調べます。子宮にできるポリープには、子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープがあります。子宮頸管ポリープは30代後半以降の女性に多く見られ、若い世代から更年期の女性まで幅広い層にできます。

原因ははっきりとわかってはいませんが、女性ホルモンのエストロゲンの影響や子宮頸管の炎症や分娩、流産などが原因ではないかと言われています。子宮頸管ポリープは、自覚症状があまりない人も多いポリープです。一方、子宮内膜ポリープは、子宮内膜の一部が増殖して隆起したもので、子宮頸管ポリープに比べて発生率が低くなっています。

子宮頸管ポリープについて

子宮頸管ポリープは、キノコ型をした一種のイボのようなもので大きさは様々です。では、管頸管ポリープとはどんなものかを詳しく知っておきましょう。

子宮頸管にできる一種のイボ

赤ちゃんの産道にもなる子宮頸管は膣から子宮へと通じているトンネルのような管で、子宮頸管ポリープは子宮頸管の粘膜が増殖してできたものです。それは茎を持っていて赤いキノコのような形になり、子宮から膣方向にぶら下がる様に垂れ下がります。ポリープは子宮頸管にできるキノコ形したイボだと思っていいでしょう。

腫瘍の大きさはさまざま

子宮頸管ポリープの大きさは、2-3ミリから1センチを超えるものもある柔らかい血腫です。大きいものでは2,3cmの大きさにもなるのです。ポリープは1個しかないことが多いですが、時には複数個できたのち、そのまま増殖して大きくなることもあります。茎が細いときは、外来で簡単に切除できますが、茎が太くなると、入院して手術になることがあります。

ほとんどが良性の可能性が高い

ポリープは多産の出産を経験した女性によく発生するということがわかっています。子宮頚管ポリープはほとんどが良性ですが、わずか1%ほどですが、悪性の子宮頸がんや子宮がんの一部である可能性があります。そのため、手術して除去したポリープを組織を採集して病理診断にだします。

もし、子宮頸がんと診断された場合でも、異形成や上皮内がんの場合は子宮をとらなくても大丈夫ですが、再発のリスクが高いがんや妊娠する希望がない場合は子宮を全部摘出するケースが多いです。

子宮頸管ポリープの原因はまだ不明

子宮頸管は、線細胞でおおわれ、頸管線から粘液が分泌されています。子宮頸管ポリープは、子宮頸管の粘膜の増殖によるもので、増殖は女性ホルモンのエストロゲンの影響や最近の感染による影響があると考えられてています。特に、子宮内膜ポリープはエストロゲンの分泌量の増加が原因とされ、エストロゲンの影響が大きいほどポリープが大きくなります。

同様に子宮頸がんもエストロゲンの影響を受けているものがほとんどであると考えられています。また、出産を経験した女性によく発生するので、ホルモンの分泌の乱れなどで起こった炎症によるものではないかともいわれていますが、はっきりとした原因はまだ不明です。

子宮頸管ポリープの症状

子宮頸管頸管ポリープになると、茶褐色のオリモノがでたり、不正出血があったりする場合がありますが、自覚症状がないときもあります。

茶褐色のオリモノ

子宮頸管ポリープはキノコ状をして、充血しているため非常に傷つきやすく、ちょっとした刺激にもすぐに出血することがあります。排尿や排便でいきんだときや性行為時や激しい運動時などに茶褐色のオリモノが多くなることがあります。

オリモノがでて血が混じっているなら、子宮頸管ポリープになっている可能性があるので、一度婦人科で診察をうけるといいでしょう。

刺激がなくても出る不正出血

子宮頸管ポリープが大きくなると現れる症状として不正出血があります。ポリープが大きくなり、腫瘍の組織全体の血液が不足すると、組織が壊死して、刺激がなくても不正出血がみられるようになります。不正出血は、生理でない時の出血、おりものに血が混じっている、性交後に出血する、激しい運動後などに出血がみられます。

子宮頸管ポリープは繰り返しできることがあります。切除しても出血した時は、新たにポリープができている可能性があります。

無症状の場合もある

子宮頸管ポリープは痛みもなく、無症状である人も多く、気が付かないまま、大きくなっていたというケースがあります。検診や不妊治療の検査で初めて発見されることが多いです。初期であれば、外来で簡単に切除できるので、検診や検査で発見されたことはラッキーです。

自然治癒はないので、放っておくと次第に大きくなります。まれに悪性のことがあるので、早めの発見と治療が必要です。

子宮頸管ポリープの治療法

子宮頸管ポリープの治療法は、症状により経過観察をしますが、出血をくり返すなら切除します。子宮頸管ポリープの治療法についてみてみましょう。

自覚症状がなければ経過観察

子宮頸管は膣口からの管なので、ポリープがあるかどうかは、膣鏡や子宮鏡で診察し、子宮口を見ればすぐにわかります。ポリープが出血がなどの自覚症状がみられず、ポリープの表面がきれいな状態の時は、しばらく経過観察をします。しかし、自然治癒は見込めないのでいずれ切除することになります。

子宮がん検診をして、子宮頸管ポリープが見つかることも多く、今まで全く症状がなかったので驚く方もいます。妊娠中に見つかると妊娠に悪影響を与えることもあるので、妊娠する前に子宮がん検診を受けたほうが安心です。

出血を繰り返すなら切除

子宮頸管ポリープがある程度大きくなり、出血を繰り返すようなら切除します。自然治癒しないので、あずき大くらいの大きさでも切除するほうがいいと言われています。切除は、普通は外来でできる簡単な処置なので、入院する必要はありません。たまに悪性の場合もあるので、切除したポリープの組織を採取して病理検査を行い、ガンかどうかを調べます。

ポリープの切除に関して知っておくと安心する情報

子宮頸管ポリープの切除は簡単なので心配はないですが、手術内容や日数、その後の症状など、前もって知っておくと子宮頸管ポリープができたとしても安心です。

鉗子でポリープを切除

子宮頸管ポリープの手術は、ハサミ状の鉗子や電気メスでポリープを根元から切除する手術です。手術までに子宮頸管を広げる器具を入れて行うこともあります。子宮口から子宮鏡を入れて、見ながら行う手術なので、ポリープを根元からねじり取ることができます。

痛みはほとんどなく、麻酔をしなくてもすむ手術です。ただ、ポリープの症状によっては局所麻酔や全身麻酔をしての手術になります。ポリープの根が深い場合はレーザーで焼く、ポリープの部位を凍結する、電気で焼くなどが行われることもあります。

手術はたいてい日帰りだが入院の場合もある

手術はほぼ外来手術ですが、大きい場合は入院もする場合があります。子宮頸管ポリープは何度も再発する人もあり、根元の茎が深く、大きく成長した場合は設備の整った病院で、2,3日の入院が必要になるケースもあります。根元が深く入院を要する手術でも短時間の手術です。

痛みはほぼなく数日で出血も止まる

一般的に手術での痛みはほぼなく、数日で出血も止まります。もし、手術後もずっと出血が続くようであれば再診して、除去したあとの子宮頸管を確認してもらいましょう。手術で除去しても子宮頸管ポリープは再発しやすく、しばらくしてから不正出血があったから受診すると、また再発していたということがあります。

切除したポリープは念のため病理検査へ

子宮頸管ポリープは、ほぼ全てが良性ですが、まれに悪性の場合があります。そのために、切除したポリープは、念のために組織標本を採取し、子宮頸がんや子宮がんなどの悪性の疑いがないかどうかの病理検査をおこないます。子宮頸管ポリープが悪性になる可能性は0.1%ほどです。

切除後しばらくは安静

切除後の数日間は激しい運動や性交渉を控えて、子宮頸管を休めて安静に過ごしましょう。無理をすると貧血や出血が長引きます。手術当日の入浴も控えるように指示されています。入浴ではなくてシャワーにしましょう。日帰り手術であれば、知らないうちに終わってしまい痛みもありません。

体への負担も少ない手術ですが、無理をしなければ、通常通りの生活をおこなうことができます。

再発防止のために年に1回は受診を

子宮頸管ポリープを切除しても繰り返しできることがあります。それは、切除したときにポリープの根っこが未だ頸管に残っている場合や炎症がある場合に、手術をしてポリープを取り除いても、また再発することも多いのです。再発していないかを早めに確認するために、年に1回は受診してみてもらいましょう。

再発するたびに切除をしますが、悪性の子宮頸管ポリーブでない場合は、再発をしてもそれほど心配することはありません。年に1回の受診を定期的にすることで、子宮頸管ポリープ切除術の術後の状態や再発していないかを確認できます

子宮頸管ポリープ切除の費用

子宮頚管ポリープを切除は健康保険が適用されますが、生命保険の給付金の項目に入っていないことが多いです。そのため、切除の手術にかかる費用は気になるところです。

子宮頸管ポリープの切除は保険適用

子宮頸管ポリープ手術は、ポリープの根元が細い場合は日帰りで手術できますが、根元が太い場合は2泊3日の入院になることがあります。頸管ポリープ手術には健康保険が適用されます。3割負担の人で日帰り手術は約1万円、1泊2日の入院は3万円かかります。子宮頸管ポリープの切除は日帰り手術が多いですが、根が深い場合は数日の入院になるので入院日数によって費用が異なります。

費用の内訳は日帰り手術では、子宮頸管ポリープ990点、画像撮影270点、画像診断96点、子宮頸管ポリープ切除術990点で、合計1,525点で15,250円となり、3割負担だと約5,000円です。他にも指導料などいろいろあるので、日帰りで約1万円かかります。

生命保険の給付金は契約内容によってはおりることもある

生命保険は、商品によって給付内容が異なります。たいてい対象外となっていますが、特約などでカバーできることもあります。子宮頚管ポリープ切除術、扁桃摘出手術、皮膚の良性腫瘍摘出術、手指足指の骨折に対する手術、骨折の手術に伴う抜釘術、検査のための手術となっています。

それ以外の手術で生命保険の給付金が下りるのは、入院を伴う健康保険対象となる手術だとされているところが普通です。子宮頸管ポリープが保険に含められているのは、公的医療連動型の保険です。公的医療連動型の保険とは、病気やケガで手術した場合に、公的医療保険制度で診療報酬点数表に手術料が算定対象とされている手術が対象とあるので、子宮頸管ポリープ切除術は保険適用の手術で対象になります。

子宮頸管ポリープと妊娠の関係

妊娠中に子宮頸管ポリープができたら妊娠が継続できるのか、影響はないか心配になりますね。基本的には妊娠や出産に影響はないですが、症状によって切除するかどうかを慎重に検討することが必要です。

基本的には妊娠にも出産にも影響はない

子宮頸管ポリープができていることに妊娠中の検診で初めて気づくことも多いですが、症状のない子宮頸管ポリープは基本的には妊娠にも出産にも影響はありません。妊娠中に子宮頸管ポリープを切除するか、切除する時期はポリープの状況で異なります。

切除すると出血量が増え、感染症になる可能性が高くなるので、流産するリスクが高い4カ月までは経過観察をします。トイレでいきんだときや出産するときにポリープが取れることも多いので、そのまま経過観察することもあります。自然に取れた時でも、その後、出血が2,3週間続くこともあります。

妊娠中に子宮頸管ポリープが炎症を起こすと早産の原因にもなる

妊娠中に子宮頸管ポリープが炎症を起こすと、早産のリスクが高くなります。妊娠中に切除するかどうかは、医師の間でも流産や破水するリスクが高くなることを理由に切除に反対している人と、ポリープを切除することで感染症や出血を予防するために賛成する人に分かれています。

もし、妊娠の妨げになる場合はポリープを切除します。切除は簡単に済みますが、流産や破水することもあるので、医師と話し合い、慎重に決めることが必要です。

大きさなどで切除するかどうか検討

ポリープが大きくなっている場合や、出血が多く妊娠に悪影響を与えるポリープは優先的に切除する場合があります。切除の場合は安定してくる4カ月目以降で、それまでは経過観察をします。一人ひとり状況が異なり、妊娠の週数によっても違います。医師の意見が分かれるので、切除するかどうかはよく話し合って決定しましょう。

ほとんどが良性なので不安に思わず早目の治療を

子宮頸管ポリープは子宮頸管にできる一種のイボのようなものでほとんどが良性の腫瘍です。ポリープができると、茶褐色のオリモノや不正出血があり、症状が全くない人もいます。そのため、妊婦検診などで初めて知ったということもあります。

ポリープは、自然治癒しないので切除しますが、ほとんどの人は外来で鉗子を使って簡単に切除手術が行なわれます。妊娠中に子宮頸管ポリープが分かったときは切除するときは4週以降で行いますが、出産の時に自然に取れてしまうことも多いです。ほとんど妊娠や出産に影響はないですが、妊娠中の切除は流産や破水をすることもあります。

妊娠中に切除するリスクを減らすために、妊娠前に検査を受けておきましょう。ほとんどのポリープが良性なので早めに治療をする方が安心です。自治体や職場で行われている子宮がん検診を受けていない人は受けることで早期発見につながります。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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