妊活中の人にとって、着床時期は妊娠したいあまり、さまざまなことに敏感になる時期ですね。運動もその一つです。運動をすることが着床の妨げになっていることはほぼありません。着床時期をどのように過ごすべきなのか、知識を深めつつ意識を高めましょう。
妊娠を希望する人にとって、排卵後から着床までの期間というのは妊娠できるかどうかが決まる大事な期間のため、結果が出るまでソワソワした気持ちになる人も多いことでしょう。また、着床時期に運動することで着床の失敗を心配する人もいるかもしれませんね。
実際のところ、日常生活をする上での運動は妊娠に影響はないといわれています。ただし、普段していないような激しい運動や、長時間の自転車の運転などは避け、リラックスした気持ちでいつも通り過ごすようにしましょう。
妊娠中も適度な運動をすることで、心も体もリフレッシュしたいところ。運動と着床の関係は、直接的なものはあまりありませんが妊娠の時期による、運動制限などはあるのでしょうか?
冷えは多くの女性にとって悩みの一つ。現代の女性の約7割が冷え性というデータもあります。しかし、「冷えは万病のもと」といわれるほど、冷えると体のあらゆる器官の働きが鈍ってしまいます。それは、妊活中でも同じことで、冷えは不妊の原因の一つとしても考えられています。妊娠しやすい体作りの一つとして、体を温めることが効果的。
冷え性は具体的に何℃といった基準はなく、本人が生活する上で冷えてストレスを感じているかどうか。なので、不快感を感じない人の中にも冷え性の人は存在し、自覚症状がないため治療も対策もしていない人も多いのが現実。
妊娠中はホルモンバランスの変化により、普段通りに体温調節しにくく、季節に関係なく体が冷えがち。特に手足やお腹が冷えやすくなります。また、子宮や卵巣は冷えのダメージを最も受けやすい臓器ともいわれています。
例えば、生理痛は温めると楽になる、冬になると生理痛がひどくなる、といった人は子宮が冷えている可能性が高いです。冷えが進行すると子宮や卵巣の機能低下を招く恐れも。さらには受精卵が着床しにくくなってしまう可能性もあるため、妊娠力を上げるためにも、冷え性改善は取り組むべきポイントでしょう。
血流改善には食生活の見直し、腹部を温めることが有効です。食生活では、体を温めてくれる食材や料理を心がけていく方法を意識しましょう。体の外からも、腹巻きをしたり、一枚羽織れるものを持ち歩いて冷えない工夫をするとよいでしょう。
また、運動不足は子宮や卵巣の血流が悪くなる原因にもなります。軽めの有酸素運動には血流をよくする効果があるので、良質な卵子を作る、受精しやすくするためにも、軽めの運動も取り入れていきましょう。
排卵から着床までの期間で、運動などの制限は特にありません。むしろ、着床の成功を希望するあまり、普段の行動でさえも制限をしてストレスを感じてしまうことのほうがよいことではないでしょう。
ですが、普段運動をしていない人が急に激しい運動をすることはおすすめできません。例えば、登山やフルマラソンなど、体への負荷が大きすぎて、妊娠や着床への影響があると考えられるためです。逆に、普段から体を動かしている人にとって、運動を制限されることはストレスの要因になることも。その場合、ウォーキングやヨガなど、ストレス発散になる程度、または、気持ちのよい汗をかく程度の運動は問題ないでしょう。
着床の時期には、激しい運動を避け、できるだけ安静に過ごしたほうが確実に着床できると考えている人も多いことでしょう。しかし、着床時期の過ごし方としては、普段通りの生活をし、無理のない範囲で妊娠率(着床成功)を高める工夫を取り入れることが大切です。
着床に安静が必要であるという科学的根拠はありませんが、念のため激しい運動は控えたほうがよいでしょう。マラソンなどの激しい運動はもちろん、重たい荷物を持つといったお腹に力を入れる行為も控えたいところ。軽めの運動であれば、血行がよくなったり、ストレス発散ができたりする効果も期待できるので、習慣化するとよいでしょう。
また、妊娠しやすい体を作ることによって、子宮内膜が分厚くなり、受精卵が潜りやすく着床し続けやすい傾向になります。そうすることで少しの衝撃であれば耐えられるようになり、着床継続に期待ができるので、安静にして過ごすというよりも、妊娠しやすい体作りに意識を向けるとよいでしょう。始めてすぐに効果が現れるものではないので、日頃から心がけるような意識が大切です。
着床後に流産することを化学流産といいます。妊娠検査薬で陽性が出たものの、エコー検査で妊娠が確認できる前に流産してしまうケースのこと。受精卵は子宮内膜に着床し続けることで、妊娠成功ということになりますが、何らかの形で着床に失敗すると、生理の経血と一緒に流れ出てしまいます。
エコー検査で確認できたものの、妊娠22週未満の時期に胎児が見られない、心拍が確認できないといった場合に診断される「流産」とは異なり、妊娠超初期の流産のことを指します。
妊娠初期の流産は、染色体異常が原因の場合が多いです。絶対に予防する方法は難しいもの。流産を経験すると、自分の行動などを振り返り、責任を感じてしまう女性が多いですが、化学流産は誰のせいでもないので、自分を責めることでストレスを感じることは必要ありません。
化学流産は着床後の運動が原因となる場合はなく、ほとんどの場合が原因不明なことが多いです。また、未然に防げるものでもないことが残念ではありますが、妊娠できる体であるということは証明してくれます。次のタイミングに向けて前向きに妊活を続けていくようにしましょう。
自然妊娠でも、体外受精後でも過ごし方は基本的に同じと考えましょう。着床させるために、生活スタイルを変える必要はありません。いつもはしないような激しい運動や重たい荷物を持つといったことは避け、普段通りリラックスした気持ちで過ごすことが大切です。
ただし、軽めの運動がリフレッシュになる、運動を控えるほうがストレスを感じる、といった場合には、適度に汗を流す程度の運動は続けることで血流がよくなったり、運動不足解消、ストレス発散につながるので、継続するとよいでしょう。
また、移植後から24時間以内の水泳や入浴は細菌に感染する恐れがあるので控えましょう。同じ理由でタンポンの使用もおすすめできません。普段している行動で心配なものがあれば、受診しているクリニックで医師と相談してみるのもよいでしょう。
体外受精を行う場合、クリニックでの移植日があります。移植直後はクリニックでの安静が必要とされていることが多いですが、家に帰ってからは普段通りの生活を送るようにしましょう。受診しているクリニックでの指示で安静をいい渡された場合は、医師の指示に従うようにしましょう。
着床期には他にも気をつけたいポイントがいくつかあります。日常の中での行いを無理のない範囲で意識して、体に負担がかからないように生活しましょう。
タバコに含まれるニコチンには、毛細血管を収縮させ、子宮や卵巣の血液循環を悪くするといわれています。子宮が血行不良になると、胎児が低体重になったり、奇形になる恐れ、早産・流産や先天異常が起こるリスクが高まるといったことがあるので、喫煙している人は今すぐ禁煙しましょう。
ママが喫煙していなくてもパパが喫煙している場合、副流煙を吸ってしまい、受動喫煙になってしまいます。同居者に喫煙者がいる場合には、禁煙してもらうか、副流煙にさらされないよう配慮してもらうようにしましょう。
妊活中の女性がまず取り組むべきことは禁煙かもしれません。喫煙する女性は、タバコを吸わない女性よりも妊娠率が低いともいわれており、タバコが人体に与える影響の一つに不妊が挙げられています。妊娠しづらくなるだけでなく、たとえ妊娠できても早産や流産の危険があります。
妊娠が分かってから禁煙しては遅いこともあります。妊娠を希望し、妊活を始めるときには、禁煙して妊娠しやすい体作りを行うことがおすすめです。
妊娠率を高めるために、体を冷やさないことはポイントです。そのため、冷たいものの摂りすぎには注意しましょう。子宮の血液循環を保って、酸素や栄養が行き渡るように体を温めることが有効。アイスや冷たい飲み物などの冷たいものを摂りすぎると、下半身が冷えて血液循環が悪くなり、卵巣や子宮の機能が低下する可能性があります。体の外からも中からも温めるようにすることがおすすめです。
冷えすぎを防止する服を着たり、一枚羽織れるものを持ち歩くことも効果的。また、冬場はおなか周りにカイロを貼るのも対策の一つですね。湯船に入って全身を温める方法もよいでしょう。食事は、体を温めてくれる根野菜を多く摂取することも有効です。スープや温野菜にするなどして、できるだけ多く摂取できるようにするとよいでしょう。
また、妊活中は積極的に水分を摂るようにしましょう。実は、水分不足になると妊娠しづらくなることも。体の水分が不足すると、血流が滞ってしまい十分な血液が子宮や卵巣に届かなくなります。その結果、良質な卵が作られない、子宮環境が妊娠に向けて整わないといった状態を招く結果にもなりかねません。
冷え防止、水分補給のためにも、体を芯から温めてくれる飲みものもおすすめ。ゆっくりと時間をかけて少しずつ飲む飲み方がポイントです。体が徐々に温まり、ぽかぽかの状態が持続しやすくなります。
妊娠中の飲酒は、血管と胎盤を通過してアルコールも胎児に届き、受精卵の分化や胎児の発育を妨げてしまう恐れがあります。大人は肝臓でアルコールを分解することができますが、胎児は肝機能が未発達でアルコールの分解に多くの時間と負担がかかります。分解される間、アルコールは胎児の体内に残り続けるため、さまざまな影響が出てしまうと考えられています。
特に着床時期の飲酒は、妊娠に影響を与えることが少ないとされていますが、妊娠生活の備えとして、飲酒は控えるようにしたいところ。妊娠中の過度な飲酒によって、胎児性アルコール症候群になる可能性もあります。
胎児性アルコール症候群になると、低体重・低身長、注意欠陥や多動障害、奇形などの病気になる恐れがあります。また、流産や死産につながる可能性も指摘されているため、過度な飲酒は控えることがおすすめです。
妊娠超初期である着床時期に、妊娠に気づかず飲酒をしてしまうケースもよくあることですが、その場合は仕方のないこと。妊娠が分かったらすぐに飲酒を控えるようにしましょう。妊娠を希望し、妊活中であれば、できれば妊娠前から飲酒を控えることが、赤ちゃんにも安心です。
長時間にわたる車の運転は、姿勢の悪さから下半身の血流悪化を招く可能性があります。また、長時間同じ姿勢でいることからストレスを感じることも。
妊娠するとお腹への締め付けを気にしてシートベルトを心配する人もいますが、お腹の下の方でシートベルトを着用する、マタニティ用のシートベルトを利用するなどして、しっかりと着用することが身を守ることに繋がります。
また、舗装されていない道路や、山道などを走行する際は、ゆっくりとしたスピードで運転するように心がけましょう。それでもお腹の張りを感じたときには、すぐに休憩するなどして、体を休めることが大切です。
つわりや眠気などの症状が出始めている場合は、集中力や注意力が普段より劣ってしまい、事故につながる可能性もあります。また、突然の体調不良でも運転しなければならない状況に陥る可能性も。妊娠中でも運転をしなければならないときは、適度な休憩を取ったり、短時間で済ませる、同乗者にいてもらうといったことを配慮しましょう。
他の乗り物に乗る場合にも、知っておくと便利です。例えば飛行機、着床時期でもある妊娠超初期といわれる時期は、妊娠に気づかずに搭乗してしまうケースも多々あります。必要以上に心配することはありませんが、妊娠4週目から12週目頃までは、流産しやすい時期ともいわれているので、飛行機に搭乗せざるを得ない場合がある人は医師に相談するとよいでしょう。特に過去に流産の経験のある人は注意しましょうね。
飛行機に搭乗する際の放射線を心配する人もいますが、母体、胎児含めて影響は少ないといえます。気圧の変化や酸素濃度の変化により、体調を崩さないよう注意しましょう。また、あらゆる人が搭乗し密閉された空間に長時間居続ける飛行機では、においによって体調を崩す可能性も。つわりなどが出始めている場合は、嘔吐しやすくなるおそれがあります。
妊娠している人でなくても注意が必要とされているエコノミー症候群。妊娠すると子宮が大きくなるため、血流が悪くなります。足をこまめに動かしたり、水分をしっかり摂るなどして、予防するようにしましょう。また、体調の変化により不正出血がある場合も。すぐに医師に診てもらえる状況ではないので、念頭に入れてしっかりと準備、予防するようにしましょう。
着床時期だからといって、特別に何かしてはいけないことがあるわけではありません。体を温める食生活や、体の不調があったときはすぐに休める環境作りなどを意識して、受精卵にとって居心地のよい子宮環境を作るとよいでしょう。着床時期だからといって敏感になることで、逆にストレスが溜まってしまう場合も。いつもとは違うことはせず、普段通りの生活を送るよう意識しましょう。
妊活中の人は、妊娠を希望するあまり、着床成功のためにさまざまなものに敏感になりがちです。しかし、着床時期に安静にしていたからといって、必ず着床に成功するとも限りません。普段の生活スタイルを変えて、ストレスを感じながら過ごすよりも、心をリラックスしていつも通りの生活を送り、程よくストレス発散しながら過ごすことが大切です。
妊娠率を高めるためにも、着床時期に限らず、生活習慣を見直したり、自分なりのリラックス法、ストレス発散法を見つけておくようにしましょう。妊娠を希望し妊活中であれば、妊娠がわかっていなくても始めることがおすすめです。
特に女性にとって大敵となる冷えの予防は早くから始めておくことがおすすめ。妊娠しやすい体作りにも最適です。体を温める食材を積極的に摂取したり、コーヒーからハーブティーに変えるといった所から始めてみるとよいでしょう。ただしこれらも、やらなければならないことではありません。ストレスを感じない程度に、少しずつ生活に取り入れるようにし、妊活を進めていきましょう。