妊活をするうえで、基礎体温の測定は、自分の体のメカニズムを知るためにとても重要です。しかし、基礎体温のグラフがガタガタで「このままでは妊娠できないのかも」と悩んでいる人もいるでしょう。ここでは、ガタガタの原因と対処法を取り上げます。
妊娠を希望して始めた基礎体温の測定。いざ始めてみたら、基礎体温表のグラフがガタガタだったため、妊娠できるかどうか不安になっている女性は少なくないでしょう。
今回は、基礎体温がガタガタになる原因や、対処法を取り上げます。正しく理解したうえで、あまり敏感になり過ぎないようにすることも大切です。
正常な基礎体温は、高温期が約12~14日続き、高温期と低温期の差が約0.3~0.5℃であり、低温から高温へ1~2日以内に移行します。
よって、正常な基礎体温グラフでは、はっきりと低温相と高温相の二相になっていて、生理周期に合わせて一定のサイクルで繰り返されています。そのグラフによって、女性ホルモンが正常に分泌されていて、妊娠しやすい体調であるかどうかが分かります。
正確に基礎体温を測っているのに、基礎体温グラフが二相にわかれていなかったり、ガタガタしていたりする場合は、どのようなケースがあるのでしょう。
正常な基礎体温は、高温期と低温期の二相になっているはずです。しかしその境目がなく、高温期と低温期の二相にならずに、常に体温が変動しているタイプは、ホルモンの分泌をコントロールする視床下部、脳下垂体、卵巣のネットワークに、なんらかの異常があると考えられます。
基礎体温が正常であれば、高温期と低温期を行ったり来たりして、グラフが上下ガタガタになることはありません。
基礎体温のグラフは二相になっているけれど、高温期の期間でも体温が定まっていないタイプは、黄体の力が弱い「黄体機能不全」が疑われます。基礎体温が正常であれば、高温期は約14日間と一定になります。
よって、高温期が短かかったり、高温期に体温が上がったり下がったり一定でなかったりする場合は、子宮内膜が成熟しないため、不妊になりやすくなるといわれています。
高温期がほとんどなく、低温期がガタガタになってしまっているタイプは、「黄体機能不全」や排卵に時間がかかる「軽度の排卵障害」などが疑われます。妊娠を希望しているのに、なかなか妊娠できない人に比較的多くみられるタイプです。
基礎体温の変化は、小さなことで影響を受けてしまい、体温の変化が起こってしまいます。また、ガタガタになる場合の原因として、ホルモンが正常に分泌されていないことや、ホルモンバランスが崩れている可能性が考えられます。ここでは、基礎体温がガタガタになる原因をみていきましょう。
基礎体温は、通常の体温の測り方とは測定方法が異なります。目が覚めてから、起き上がる前の安静な状態で、婦人体温計を舌の裏に入れて測定します。
トイレに行ってから測定することや、体温計を探すために一度起き上ってしまうと、正確な基礎体温を測れないので注意しましょう。
妊娠すると、着床状態を維持するために、低温期になる期間であっても、そのまま高温期が継続します。よって、高温期が14日以上続き、低温期に移行しない場合は、妊娠の可能性があると考えられます。
生理予定日よりも1週間以上生理がなく、高温期も14日以上続いているのならば、簡単にドラッグストアなどで手に入る妊娠検査薬で、一度確認してみるとよいでしょう。
基礎体温が低温期から高温期へ移行する際には、体の中では「排卵」が起こっています。しかし、排卵が起こらない無排卵月経になっていると、高温期にならずに低温期が続き、正常な二相の基礎体温グラフにはなりません。
また、排卵はしていても、妊娠ができるための機能が十分に働いていない場合は、排卵を正常に行えずに、結果としてガタガタな基礎体温になる場合もあります。
高温期が短かったり、温度差が少なかったりする場合は、「黄体機能不全」の可能性があります。黄体機能不全では、子宮内膜が成熟しないため、不妊になりやすいといわれています。
主に、卵胞刺激ホルモンの分泌低下、子宮内膜の感受性の低下が原因であると考えられています。
「基礎体温がガタガタでも妊娠できるのか」「基礎体温を正常にするためにはどうすればいいのか」など、基礎体温がガタガタでも妊娠するために、どういったことに気をつけたらよいのかをみていきましょう。
基礎体温を安定させるためには、栄養バランスのよい食事や、質の高い睡眠をとり、適度な運動を心がけることが重要なポイントになります。ダイエットのために極端な食事制限をしたり、偏った食事を続けることは、基礎体温を乱す原因となります。よって、1日3食を決まった時間に、栄養バランスを考えて食べることを心がけましょう。
また、睡眠不足が続くと、自律神経が乱れるため、ホルモンバランスが狂ってしまいます。最低でも1日4時間、できれば6~8時間は睡眠をとるようにしましょう。さらに、軽いジョギングやウォーキングなど、手軽にできる運動をすることもおすすめです。なかなか時間が取れない人は、一駅分多く歩いてみたり、できるだけエレベーターより階段にするなどしてみるとよいでしょう。
ホルモンバランスを乱す原因として、身体を冷やすことがあげられます。子宮や卵巣機能の低下を招かないためにも、身体を冷やさないことが基礎体温の安定につながるのです。冷たいものばかり食べたり、1日中クーラーの中で過ごすことなどは、できるだけ避けましょう。
また、冷える環境にいなけらばならない場合は、腹巻やカイロでお腹を温めたりすることもおすすめです。入浴をする際も、シャワーだけではなく、お湯にゆっくりとつかって、身体の芯から温まりましょう。
妊娠を希望するために、基礎体温を測定している人が多いため、基礎体温がガタガタだと「妊娠ができないのかもしれない」と落胆してしまう人もいるでしょう。しかし、正確に基礎体温が測れていなかったことや、そのときの身体や心の状態が悪かっただけということもあります。基礎体温は、ホルモンバランスを知るうえで重要な手段であり、毎日記録をすることが大切です。
基礎体温の変化に敏感にならず、リラックスして継続していきましょう。また、「私はガタガタだから妊娠はできない」と自己判断するのではなく、婦人科やレディースクリニックで受診し、グラフを読み取ってもらうことがポイントです。計測することがかえってストレスになるようであれば、医師に相談して検査に変更してもらうなど、方法を切り替えましょう。