2018.07.05

生理前の出血の確率とは?出血の原因と妊娠の可能性を確かめる方法

ARTICLE

生理前に出血があったら着床出血かもと期待してしまいますよね。妊娠超初期症状の一つである着床出血は一体どのような仕組みで起こるのでしょう?誰でも体験することができるのでしょうか?その他の症状も含め妊娠前の出血と妊娠の可能性について学んでみましょう。

妊娠する人全てに着床出血が起こるのか

妊娠の兆候として、生理前に出血がある「着床出血」があります。妊娠を心待ちにしている女性にとって、着床出血の有無は毎月気になってしまいますが、これは全ての女性に起こるものではありません。一体どのようなメカニズムで起こるのでしょうか?

着床出血のメカニズム

受精すると、受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮に移動します。子宮に到達した受精卵は子宮内膜に潜り込み胎児と成るべく成長を開始します。この現象を着床と呼びます。

着床出血が起こる理由

着床したばかりの受精卵は絨毛という細かい毛のような細胞で覆われています。そしてこの絨毛を伸ばして子宮内膜に根をはり、内膜を溶かしながら少しずつ奥まで潜っていきます。この時に子宮内膜の壁を傷つけることで起こる出血が、着床出血と呼ばれているものの正体です。

妊娠前に起こる出血には、着床出血の他に妊娠後に分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが原因で起こる出血もあります。

排卵期の体内では、妊娠に備えるため卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の物質が大量に分泌されています。そして妊娠のなかった場合はこの2種のホルモンが減少し、生理として卵と胎盤を排出します。

ところが妊娠してhCGホルモンの分泌が活発になると、その作用で卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が継続されます。そうなると生理は止まる筈なのですが、稀にhCGホルモンの初期分泌が遅れることがあり、少量ですが出血をしてしまうということが起こります。

着床出血の症状

着床出血は医学的には「月経様出血」といい、その症状は生理の出血ととてもよく似ています。生理と違うところは、少量で短期間の出血になるという点です。生理は大体3?7日程度出血が続きますが、着床出血の場合は2?3日で収まることが多いようです。出血も少なく、色のついたおりものに近くいようです。ただし、色は茶色っぽい色だったり鮮血だったり個人差が多く一概に断定はできません。

着床出血の時期と期間

着床出血は生理予定日の一週間前?数日前に起こるといわれています。生理よりも若干早い時期に起こるため、早めにきた生理と間違えてしまう女性もいます。期間としては、短くて1日、大体は3日程度でおさまります。この期間についても個人差があり、長い人は1週間も続く場合もあるそうです。これでは生理と間違えてしまっても無理もありませんね。

着床出血と生理の見分け方

着床出血と生理の色の違い

着床出血は生理との識別が困難ですが、色で見分けることがあります。一般的な生理の血は濃い茶や赤色ですが、着床出血の場合は薄いピンクや薄い茶色であることが多いです。生理予定日の前に薄い出血が少量あった場合は着床出血の可能性が考えられます。ただし、出血の色も個人差が激しく、人によっては鮮血であったり生理と変らない場合もあります。

着床出血と生理の量の違い

生理の出血は大量でピーク時にはナプキンから溢れてしまうこともあります。対して着床出血の量は少なく、その状態はうっすら色のついたおりものに似ているとよくいわれています。かなり少量なため、着床出血だと思わず見落としてしまう場合もあります。

着床出血と生理時の基礎体温の違い

着床出血と思われる出血があった時には基礎体温で確認してみると分かりやすいでしょう。着床出血の場合、基礎体温は高温を保ち続けています。逆に生理の場合には、守る卵が存在しないため体温は下がっています。

着床出血が起こる確率

着床出血が起こるのはおよそ50に1人程度、確率的には2%ととても低いです。妊娠を意識している女性の中には毎月心待ちにしている人もいらっしゃるかもしれませんが、体験できる人はとても少ないのであまり期待しない方がよさそうです。

着床出血と妊娠の可能性

着床出血と思われる出血があった時には、妊娠超初期に起こる他症状と、妊娠検査薬を併用して確認しましょう。

妊娠超初期には着床出血などの症状が起こる場合がある

着床し妊娠が成立すると、女性の身体は大きく変化します。妊娠超初期には着床出血の他にもさまざまな症状があらわれます。

着床で子宮内膜が傷つく際の痛みを着床痛といい、下腹部に痛みを感じることがあります。しかし生理痛に良く似た痛みであるため、気がつかない場合が多いようです。その他風邪のような症状や倦怠感、下痢、乳首の張り等が起こることもあるといわれています。しかしこれも個人があり、それらの症状が全く起こらないという人もいます。

着床出血が起きた時に妊娠検査薬を使うには注意がいる

出血があるとすぐにでも妊娠検査薬で確かめたくなりますが、その際には以下のことに気をつけましょう。妊娠検査薬の使用時期は通常生理予定日の1週間後といわれています。これは妊娠の際に分泌されるhCGホルモンの量が測定可能な濃度になる時期がその頃だからです。それより早く測定しても十分な結果が得られずくフライングしてしまう可能性があります。

妊娠検査薬には早期から測定ができるタイプもあります。通常の検査薬よりも1?2週間程前から測定が可能ですが、測定時のホルモン分泌量とタイミングによっては正確性に欠けてしまうこともあります。そして早期に陽性反応が出たとしても、子宮外妊娠だったり化学流産を起こしてしまう可能性を孕んでいます。

妊娠の可能性を高め着床しやすい身体を作る

着床しやすい体を作るためには、卵が安全に育つよう心身を整える必要があります。排卵に必要な黄体ホルモンが分泌されるよう生活リズムを整えてストレスを少なくする工夫をしましょう。バランス良く栄養を摂り、適度な運動をし、体を温めましょう。そうすることで着床しやすい体を整え妊娠する確率を上げることができます。

着床出血後に考えられる症状

着床出血があってもその後に問題が起こることがあります。そして着床出血と似た出血でも別の異常であることもあります。

化学流産は着床出血後にも起こる

着床が上手くいかなかった、あるいは着床状態を維持できず受精卵が流れてしまうことを化学流産と言います。これは受精卵に異常があると起こる現象で、大体は妊娠に気づく前に生理として排出されます。

稀に早期妊娠検査薬で化学流産する前の状態を検知してしまう場合があります。陽性反応が出て喜んだ分、そうでなかった悲しみは想像に難くありません。しかし、この流産は自然現象なので母体に問題があるわけではありません。受精卵の約45%は何かしらの異常があるので、着床出血があったとしても一定の確率で流産してしまうものなのです。

出血時に流産以外に考えられる異常妊娠の症状

生理前の出血は着床出血だけではありません。中には手術が必要な場合もありますので、異常を感じたらすぐに病院に受診しましょう。受精卵が子宮以外の場所に着床してしまうことを子宮外妊娠といいます。この場合も着床出血と似た出血があり検査薬も陽性を示します。子宮以外の場所に着床してしまうと受精卵が成長することができません。

着床後の受精卵は絨毛を子宮内膜に降ろしそこから養分を吸収します。稀にこの絨毛が子宮内に異常繁殖し胎児まで吸収してしまい、これを胞状奇胎といいます。出血の他つわりやむくみが出る場合はすぐに医療機関に相談しましょう。

体外受精をした場合の出血

体外受精は体外で受精させた卵胞を再び子宮に戻す治療法です。治療後に出血する場合がありますが、不正出血の場合と着色出血の場合があります。

移植の刺激による出血がある

術後すぐの出血は、移植の際にできた傷によるものが殆どです。膣内を掃除する際の刺激や、カテーテルの挿入によって子宮が傷つくと時には出血することもあります。これは流産ではないので数日安静にしていれば徐々に収まるでしょう。

術後数日が経ってからの出血なら着床出血の可能性があります。出血の状態が少量でおりもののような状態だったり数日で収まるようなら問題ありません。大量に出血したり、出血が長く続くようなら他の異常が考えられます。

体外受精での着床確率

体外受精は着床の成功率が上がるイメージがしますが、実際はどうなのでしょうか?体外受精での着床確率はおよそ20?30%といわれています。そして、そこから着床出血に至るケースは更に少なくなります。体外受精をしたからといって着床出血が起きやすくなる訳でもないようです。

着床出血が起こる確率は低いため起こらなくても心配はいらない

さまざまな情報をみてきましたが、基本的に着床出血の起こる確率はとても僅かです。起こったとてしてもとても些細な変化で気が付かない人もいるくらいです。あまり神経質にならず、マイペースで妊娠の吉報を待ちましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。