1カ月のうち排卵日が最も妊娠の確立が高まるタイミングです。自分の排卵日を把握することによって妊娠しやすい日を見極めることができます。本記事では、排卵の時期、妊娠しやすい期間や条件、排卵に伴う不調などについて詳しく解説します。
排卵日とは、女性の体が妊娠をするために卵子を卵巣から卵管へ移動させて精子と受精できる状態にすることです。この排卵の前後に性交をすることによって卵子が精子と受精しやすくなり、妊娠する確率が高まります。
妊娠を望む人、妊娠を望まない人、どちらにとっても1カ月の中で一番妊娠をしやすくなる排卵日の存在は気になるものです。自分の排卵日を予測することによって妊娠をしやすくなったり、妊娠を避ける可能性を高めることができます。
女性の体にはリズムがあり、妊娠のため排卵が行われると同時に着床するために子宮内膜が厚くなります。妊娠できなかった場合に厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて生理になります。
一般的な28日周期の女性の場合、生理予定日の約2週間前が排卵日と言われています。個人差やそのときの体調の変化によって前後することがあるので、確実な排卵日を知るためには生理日を基準とした日数によっての予測は困難です。
また、ストレスや生活習慣によってホルモンバランスが乱れると生理がきていても排卵をしていない状態の「無排卵月経」と言われている状態に陥っている人も多くいます。自覚症状がないため気づきにくく、基礎体温の計測や排卵検査薬などを使用しないと分かりません。
排卵日と生理開始日は一般的に2週間離れていますが、体調や精神状態などの影響でホルモンバランスの変化が些細なことによって出てしまうので周期が乱れてしまい、生理が終了してすぐに排卵日がきてしまうことがあるため、生理中や生理後の性交でも妊娠する可能性は十分にあります。
また、精子の生命力が強いため1週間ほど女性の膣内で生きているものもあります。排卵日1週間前に性交渉をしているときも妊娠する可能性はあります。
妊娠希望である場合は排卵日を予測した性交渉をし、避妊希望である場合は排卵日を避けた性交渉をするようにしましょう。
妊娠を希望する場合はまず基礎体温を測り自分の身体のリズムを知ることから始めましょう。朝起きてすぐ寝たままの状態で基礎体温を計測し、線グラフで記録するようにしましょう。テンプレートを印刷して記録してもいいですし、専用のアプリも沢山あるので活用してみてください。3カ月ほど記録をすると自分の身体のリズムが分かるようになってきます。
排卵日には黄体ホルモンの分泌が急激に増えて体温が上昇します。この体温が低温期から高温期に変化する直前に低温期でも1番体温が下がるタイミングが一般的に排卵日とされています。
精子の寿命は射精から2~3日と言われており、長くても1週間です。排卵が行われるタイミングと精子が生存しているタイミングが合えば妊娠する確率は高まります。
卵子の寿命は精子より短く、24時間ほどといわれています。排卵されてから卵子の寿命が尽きる前に受精するためには、排卵日をあらかじめ予測して前もって精子を膣内に入れておくことによって、排卵されたときに既に精子がいるので妊娠する確率が高くなります。
精子にはX染色体とY染色体があり、X染色体を受精すると女の子が産まれ、Y染色体を受精すると男の子が産まれます。この染色体にはそれぞれ特徴があり、その特徴を理解することによって産み分けられる可能性を高めることができます。
女の子が産まれるX染色体は、Y染色体より寿命が長く、酸性に強くアルカリ性に弱いという特徴があります。排卵日の2日前は膣内が酸性であり、寿命が長いため性交渉のタイミングに適しています。また、女性がオーガズムを感じると膣内がアルカリ性に変化してしまうので注意が必要です。
次に男の子が産まれるY染色体は、X染色体に比べて寿命が短く、アルカリ性に強く酸性に弱いという特徴があります。排卵日当日は膣内がアルカリ性に変化するのでY染色体の精子が生存しやすい環境になるため性交渉のタイミングに適しています。また、Y染色体は熱に弱いため男性は日ごろから下半身に熱を溜めない服装を心がけましょう。
さまざまな避妊をする方法がありますが、いずれも100%妊娠をしないというものはありません。避妊具を併用しながら基礎体温を測って妊娠の確立が高くなる排卵日を避けた性交渉を行うようにすることによって、高い確率で避妊をすることができます。そのためには日ごろから基礎体温を測るようにしましょう。
一般的な避妊具の代表であるコンドームによる避妊のみでは、装着するまでに穴が開いてしまったり、途中で外れてしまう危険もあります。男性任せになってしまうので
妊娠を望まないのであれば婦人科を受診してピルなどを処方してもらうようにしましょう。医師と相談しながら体調面も考慮して避妊をするようにしてください。
排卵日にはホルモンバランスが急激な変化をするため体調や精神状態の不調がみられます。症状や改善法などを解説します。
排卵に伴う黄体ホルモンの分泌によってむくみや冷えを引き起こしたり、ホルモンバランスの乱れによって吐き気やめまいなどの不調が現れることがあります。
また、イライラしやすくなったり、体温の上昇によって熟睡することができずに日中眠気があったり体がだるいなどの症状を感じる人もいます。
排卵日の前後約3日間で下腹部痛を感じる人が多く、痛みの強さには生理痛のように個人差があり、ほとんど気にならない人もいれば耐えられないほどの痛みを感じる人も多いです。
この排卵痛は排卵時に卵子が卵巣を突き破って出ていくために卵巣の壁を傷つけてしまうために腹痛を感じてしまいます。同時にお腹の張りや少量の出血を伴うこともあります。
また、生理終了後から排卵期にかけて分泌される卵胞ホルモンには血管を拡張させる作用があるので、ホルモンバランスの乱れによって一気に血管が拡張させられたときに頭痛を引き起こしてしまいます。
PMS(月経前症候群)とは、生理の10日~3日前から身体的不調や精神的不調のことです。今のところ原因は解明されていませんが、排卵に伴って分泌される黄体ホルモンが関係しているといわれています。また、女性であっても、PMSの存在を知らなかったり無自覚であることも多いです。
イライラや情緒不安定になってしまう精神的な症状や、めまいや胸の張りなどの身体的な症状がありますが、PMSの症状は200種類以上といわれています。同じ人であってもその時々によって症状が変化してしまいます。
PMSは生理がくると同時に症状が和らぎますが、あまりにも症状酷い場合はPMSではなく別の疾患である可能性があるので病院での診察をしましょう。
日ごろの生活習慣を改善することによって排卵日前後の不調を軽くすることができます。そのためには、ホルモンバランスを安定させることが大事です。
ホルモンバランスを崩さず安定させるためには、1日3食できるだけ同じ時間に食事をとること、十分な睡眠をとること、体を冷やさないように温めること、の3つが重要です。忙しい生活や環境でおろそかになりがちなことですが、規則正しい生活が排卵日前後の不調を緩和させることに繋がります。
また、ストレスによる影響で自律神経の乱れを引き起こし、自律神経の乱れがホルモンバランスに悪影響を及ぼしてしまいます。そのためリラックスする時間を設けたりしてストレスを溜めないようにすることと、定期的にストレスを発散するようにしましょう。
排卵日は生理日によって大体の目安は分かりますが、個人差やそのときの体調によって左右されやすいため正確に排卵日を知るためには基礎体温を毎日計測して記録することが大事です。
妊娠を希望するのであれば、まず基礎体温の記録から始めて自分の体のリズムを知ることから始めるようにし、排卵検査薬を利用して性交渉のタイミングを見計らうタイミング法を実践してみましょう。
また、確実に避妊をしたい場合も基礎体温を計測して排卵日を避けた性交渉をするとともに、避妊具を使用するようにしましょう。また、医師に相談してみるのもいいでしょう。