2018.08.07

葉酸を含む食べ物を紹介|栄養素を無駄にしない食べ方と妊婦が必要な理由

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「葉酸」という栄養素は、妊娠を意識するまでなかなか耳にする機会の少ない栄養素だと思います。妊娠と葉酸にはどのような関係があるのでしょうか。また、葉酸はどのような食材に含まれているのでしょうか。この記事でしっかりと学んでいきましょう。

葉酸の必要性と葉酸を含む食べ物を紹介

妊娠中や妊活中は、「葉酸が必要だ」ということを耳にしたことがあると思いますどうして葉酸が必要なのかや、どのような食べ物に葉酸が含まれるかは知っていますか?葉酸は、妊娠や妊活を始めるまであまり耳にしない栄養素ということもあり、あまり知識がないという女性が多いでしょう。

この記事では、妊娠・妊活中に葉酸が必要な理由や、葉酸が含まれる食べ物、葉酸を効率的に摂取するために大切なことなどをご紹介します。葉酸に関する知識をつけて、正しく摂取していけるといいですね。

葉酸が妊娠に良い理由

妊娠中は葉酸を摂取したほうがいいとは言っても、その理由を知らなければなかなか摂取しようという気にもなれませんよね。まずは、妊娠中に葉酸を摂取すべき理由について知っていきましょう。

貧血防止になる

普段から貧血気味だという女性も多いのではないでしょうか。しかも妊娠中は、胎児に血液を送る必要があるため、母体の血液は薄い状態になり、普通よりも貧血になりやすくなります。

葉酸は、赤血球をつくる栄養素です。赤血球が増えると血液が濃くなるので、貧血の予防に繋がります。

胎児の細胞を作る

葉酸は、母体にとってだけでなく、お腹の中の胎児にとっても欠かせない栄養素。なぜなら葉酸は、胎児の細胞を作る働きがあるからです。

具体的に説明すると、妊活中から妊娠初期にかけて葉酸をしっかり摂取すると、胎児の脊椎の一部が塞がらないことで起きる「神経管閉鎖障害」という、生まれつきの障害を防ぐことができます。

神経管閉鎖障害になると、子供が生まれてから歩行障害や運動障害が残る可能性があるほか、死産や流産につながる可能性もあります。

コレステロールを下げる

葉酸は、コレステロールを下げる働きがあることがわかってきました。

コレステロールは人間の体の中にある脂質の一種で、体にとって必要不可欠なものです。しかしコレステロールの値があまりにも高いと、体の中に脂肪分が多いということになり、動脈硬化が起こりやすくなるなど、体に支障をきたす可能性が出てきます。

コレステロールが高めな人は、葉酸を適切に摂取することで、体にいい影響があるかもしれません。

肌をきれいにする

葉酸はタンパク質のもとになるアミノ酸を生成する働きがあり、美肌・美白効果も期待できます。

くすみやしわが気になる人は、試して見る価値がありますよ。

妊娠中に良い食材

妊娠中は、つわりを始めとした様々なマイナートラブルに悩まされやすくなります。また、妊婦さんが食べたものがそのまま胎児の栄養になるので、食べ物に気をつけたいところです。

そこでこの章では、妊娠中におすすめかつ、葉酸が含まれる食材をご紹介します。

妊娠中は栄養バランスの取れた食事を摂取することが何よりも大切なので、ここで紹介された食材ばかりを食べるのではなく、メニューに取り入れるように意識してみてくださいね。

つわりに良い納豆

納豆は、低脂質・高たんぱくで、体重のコントロールが必要な妊婦さんにもおすすめの食材です。妊娠中でもそうでなくても、体にいい食材というイメージがありますよね。

混ぜるだけで食べられる手軽さも、妊婦さんにおすすめのポイント。つわりで料理ができないときにも活躍してくれます。小腹がすいたときのおやつ代わりにもいいですね。

また、納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」という栄養素は、血液をサラサラに保つ働きがあります。妊娠中は高血圧になりやすいですが、納豆を食べることで予防にもなりますよ。

妊娠中に高血圧になりすぎると、「妊娠高血圧症候群」と診断され、体に様々な不調が出たり、胎児に悪影響を及ぼしたりする可能性もあります。気になる人は積極的に納豆を取り入れましょう。

ほとんどの納豆のなかには、110?120?ほどの葉酸が含まれています。

栄養バランスが良いひよこ豆

ひよこ豆には、350?もの葉酸が含まれています。カレーやサラダなど、様々なメニューに混ぜやすく、摂取しやすいので、食事のバランスが偏っているなと感じたときや、少し整えたいなというときにもおすすめです。

最近は水煮された加工品もスーパーなどで手に入れることができるので、茹でる手間を省きたい人は探してみてください。缶詰でも販売されています。

お腹の調子を整えるきな粉

妊娠中は、便秘に悩まされる妊婦さんが多くいます。便秘薬が飲めないため、解消のしようがなく、つらい思いをすることも。そんなときにおすすめなのが、お腹の調子を整えてくれるきな粉です。

間食として和菓子にきな粉をまぶして食べたり、朝食のヨーグルトにかけたりするのもおすすめ。妊娠中は体重制限のために甘いものを我慢する人も多いので、ちょっとしたご褒美代わりにもうってつけですよ。

いくらヘルシーとはいえ、砂糖と混ぜるとカロリーが一気に上るので、砂糖は少なめにするか、砂糖と混ぜずにきな粉本来の風味を楽しむようにしてください。

きな粉は、220?の葉酸を含んでいます。

葉酸が含まれている食材

 

それではここからは、葉酸が含まれている食材をいくつかご紹介します。スーパーなどで簡単に手に入り、馴染みのある食材ばかりなので、妊婦さんはぜひ食卓に取り入れてみてくださいね。

食物繊維が含まれている枝豆

お酒のおつまみとしても馴染みが深い枝豆は、実は葉酸が多い食品の代表格と言えます。茹でた状態でも十分に葉酸が含まれています。

自分で茹でるのはもちろん、冷凍の枝豆はスーパーでも必ずと行っていいほど売られているので、そちらを活用してもいいでしょう。

葉酸だけでなく、便通にいい食物繊維や、細胞や筋肉を作るタンパク質も豊富です。意外にも高性能な食材なので、毎日の食卓に取りれてみてはいかがでしょうか。

鉄分が含まれているほうれん草

葉酸がたっぷり含まれている青菜といえば、ほうれん草。野菜には葉酸が含まれているものが多いですが、なかでもほうれん草をおすすめする理由は、鉄分を同時に摂取することができるからです。

妊娠中に貧血になりやすいのは、先にもご説明したとおりですね。ほうれん草を食べると、葉酸も鉄分も一気に摂れるので、貧血予防に効果的ですよ。

熱を加えても葉酸が減少しないアスパラガス

アスパラガスも、葉酸を豊富に含む食材のひとつです。調理の用途が広く、生でもよし、茹でてもよし、焼いてもよしのアスパラガスは、食卓の様々な場面で活躍してくれそうです。

味付けや付け合せをかえると飽きも来ないので、妊娠中の献立に迷ったときは、ぜひアスパガスを使ったメニューを作ってみてください。

生でも摂取できるサニーレタス

サラダや焼き肉の付け合せとしてもよく見かけるサニーレタス。生で手軽に摂取できるので、毎日のおかずの付け合せとして食卓に登場させるのもいいかもしれません。

もちろん、葉酸を摂取することができます。

ビタミンCが含まれている苺

葉酸が含まれてる果物といえば、苺です。ビタミンCも豊富に含まれていて、美肌効果も期待できますよ。

デザートやおやつ、朝ごはんに取り入れてみてください。ミキサーなどで他の果物や野菜と混ぜて、ジュースにするのもいいですね。ほのかな酸味が、つわり中にも飲みやすそうです。

ビタミンB2が含まれているアボカド

アボカドは葉酸のほか、脂質、ビタミンB2、ビタミンEなど、バランスよく栄養素が含まれています。栄養豊富な食品なので、「少し栄養が偏り気味かな?」と思うときに食べるといいかもしれません。

ただし、野菜にしてはカロリーが高いので、食べ過ぎには注意してくださいね。

葉酸が最も含まれているレバー

鶏レバー、牛レバー、豚レバーは、肉類の中でも葉酸含有量が飛び抜けて多い食材です。葉酸が不足しているときにピッタリと言えるでしょう。

ただしレバーのなかには、妊娠初期に過剰摂取を控えたほうがいい、「ビタミンA(レチノール)」も豊富に含まれています。妊娠初期にレチノールを過剰摂取してしまうと、生まれてきた赤ちゃんに奇形が発生する可能性が高まると言われています。レバーはできれば妊活中や妊娠初期は控え、妊娠中期以降に摂取するようにしてください。

お茶にも葉酸が含まれている

「葉酸」と聞くと、なんとなく野菜などの食品に含まれているような気がしてしまいますが、実は、普段からうちにしている飲み物にも豊富に含まれています。

なかでも、せん茶、抹茶、玉露は葉酸を豊富に含んでいるので、毎日の水分補給やリラックスタイムに、これらのお茶を取り入れてみるといいかもしれません。

ただし、せん茶、抹茶、玉露は、葉酸だけでなくカフェインも含んでいます。妊娠中のカフェイン摂取量について、具体的な上限量などは決められていませんが、過剰摂取すると様々な悪影響が考えられるので、飲み過ぎには注意しましょう。1日1杯までなど、自分でルールを作っておくといいかもしれません。

何ごとも限度とバランスを考えて、日々の生活に取り入れてみてくださいね。

葉酸の摂取方法のポイント

ここまで紹介した葉酸の含まれる食材は、どのように摂取すると効率的なのでしょうか。この章では、葉酸を摂取するときのポイントをご紹介します。

バランスよく摂取

いくら妊娠中に葉酸が必要だからといって、そればかり摂っていてはよくありません。妊娠中は、様々な栄養素をバランスよく摂取することが最も大切ですよ。

また、過剰摂取になると逆に健康にも良くないので、限度を守るようにしてください。

熱を加えないで摂取

葉酸は熱に弱いという特徴があります。葉酸をどんなに多く含んでいる食材でも、熱を加えると、葉酸が外に溶け出してしまうのです。できれば、熱を加えずに摂取することをおすすめします。

または、味噌汁やスープなどにいれるといいでしょう。食材から溶け出した葉酸をそのまま飲むことができます。体も温まり、一石二鳥ですね。

水に漬け過ぎない

葉酸は、熱だけでなく水に弱いという特性も持っており、水洗いする際も注意が必要です。つけ置きなどせず、さっとすすぐようにしましょう。

保管は暗いところ

葉酸は、光にも弱いです。食べるまで時間を置くときは、光が当たらない冷暗所に保管するようにしてください。スーパーで食材を買うときも、光ができるだけあたっていないものを選ぶといいかもしれません。

ほたては食中毒に注意

先ほど、「熱に弱いので生で食べるのがおすすめ」と説明しましたが、魚介類に関してはこの限りではありません。たとえばほたてには葉酸を含みますが、しっかりと加熱してから食べることをおすすめします。なぜなら、生のほたては食中毒の原因になりかねないからです。

妊娠中に食中毒になったからといって、妊娠に直接的な影響があるわけではありませんが、妊娠中は普段よりも体力がなくなっているので、回復に時間がかかることがあります。また、食中毒で体調が悪くなると栄養を摂取できなくなるので、当然そのぶん赤ちゃんに与えられる栄養も減ってしまいます。

妊娠中は念のため、妊娠前よりもしっかりと火を通すようにしてください。

タンパク質と一緒に摂る

葉酸には、胎児の細胞を作る働きがあるとは先にも説明ました。しかし、胎児が細胞を作るためには、葉酸だけでは不十分です。細胞の材料となるタンパク質も、一緒に摂るようにしましょう。タンパク質は肉や魚、豆腐などから摂取できるので、葉酸を含む野菜だけでなく、これらの食材も食卓に取り入れるようにしてくださいね。

鮮度を大事にする

前述のとおり、葉酸は光に弱いです。また、時間の経過によって酸化し、劣化することも考えられます。食材はできるだけ新鮮なものを購入したほうが、葉酸をしっかりと摂ることができると言えるでしょう。

購入したら、すぐに冷蔵庫で保管します。そしてできるだけすぐに使い切るようにしましょう。

サプリで補う

「妊娠中にサプリメントを飲む」と聞くとなんとなく良いイメージが湧かないかもしれませんが、葉酸に関してはむしろ、サプリメントから摂取することが厚生労働省からも推奨されています。

なぜなら葉酸は、調理の過程で失われやすく、食材だけで必要な量を摂取するのが難しいからです。

また、食材に含まれる葉酸とサプリメントに含まれる葉酸とでは成分が異なり、サプリメントに含まれる葉酸のほうが、体内で使われやすいこともわかっています。

一日にどのくらいとればいいのか

それでは最後に、一日に摂りたい葉酸の量についてご紹介します。妊娠中とそうでない時期とでは推奨量が異なるので、しっかりと確認してください。

成人女性は240マイクログラムが良い

成人している女性の推薦摂取量は、一日あたり240マイクログラムです。葉酸は調理の過程で成分が失われやすいので、日頃から意識していないとなかなかクリアできる量ではありません。とくにコンビニ食や外食が多いという人は気をつけましょう。

妊娠中は多く摂る

妊娠中と妊活中の女性は、一日あたり400マイクログラムもの葉酸が必要だとされています。これは先にも説明したとおり、胎児の神経管閉鎖障害を防ぐためです。神経管閉鎖障害は、自分では妊娠に気づいていないような時期(妊娠超初期)に発症することもあるため、妊活中の女性にもこの量が推奨されています。

一日400マイクログラムを食事だけで摂るのはかなり大変です。毎日の食事に気をつけるとともに、サプリメントも上手に活用しましょう。

葉酸は神経質にならずに無理なく続けよう

葉酸は、妊娠中の女性にとって大切な栄養素です。できるだけ毎日、必要な摂取量を摂取しておきましょう。ただし、「葉酸を摂らなきゃ!」と神経質になりすぎると、ストレスが溜まってしまいます。妊娠中のストレスはお腹の赤ちゃんにも悪影響なので、あまり気にしすぎないようにしたいですね。

そのためにも、サプリメントを上手に取り入れるなどして、無理なく続けることが大切です。葉酸の摂取は妊活中の女性にも推奨されているので、妊活中からお気に入りのサプリメントを探してみるのもおすすめですよ。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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