2018.08.07

おりものが少ないと妊娠の可能性は?関係性を理解して不安をなくそう

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おりものが排出されると下着が汚れて、気持のよいものではありません。しかし、おりものによってホルモンや生殖機能の状態が分かります。妊娠するとおりものが増えるといいますが、おりものが少ない場合は、本当に妊娠の可能性がないのでしょうか。

おりものの量で妊娠の可能性がわかるのか

成人した女性は、「おりもの(帯下)」を経験したことがあると思います。おりものは、生理ではない時期に白っぽい(または透明の)液体が膣から出るもののことです。妊娠すると、よくサラサラのおりものの量が増えると聞きます。

もしも、おりものが少量の場合や全く出ないとしたら、妊娠の可能性がないのでは?と不安に感じる人もいるかもしれませんね。今回は、おりものの量と妊娠の関係性について、また、妊娠したらおりものはどのように変化するのかについて取り上げます。正しく把握して、不安を取り除きましょう。

おりものの量と妊娠の関係とは

おりものの量が、増えたり減ったりするのには理由があります。そして色や匂いにも理由があり、しくみを理解することで、自分の現在の体調や、妊娠の兆候などを知る目安になります。では、おりものが妊娠の兆候と、どのような関係があるのかを詳しく見ていきましょう。

精子を受け入れやすくするなど妊娠に備えて準備をしている

おりものは、普段は「酸性」です。膣内を酸性に保つことで、細菌の侵入や増殖を防いでくれる役目をしています。しかし、排卵期になると、おりものは「アルカリ性」へと変化します。これは酸性のままでは、膣内に侵入した精子が死んでしまうからです。受精のために、排卵の時期だけアルカリ性に変化して、精子をアルカリの粘液に包むことで、酸性の膣や子宮内を卵管まで無事に運ぶことが目的です。

さらに、精子が卵管までスムーズに進めるように、普段よりおりものの量を増やして、潤滑油の役割をするようです。子孫を残すために作られた、身体のメカニズムを考えると、生命の誕生はとても神秘的ですね。

おりものは身体の不調を知らせるサイン

おりものは、純白や透明ではなく黄色味がかっていたり、茶色がかっていたりすることがあります。個人差があり、粘り気や量が人と違っていても、心配する必要がないものが多いです。しかし、なかには病気の兆候を示している場合があります。

たとえば、酒粕のような白い固まりがたくさん出たり、緑っぽい膿のようなものが出た場合は、感染症にかかっている可能性があります。放置すると、場合によっては不妊になってしまうこともあるため、妊娠するためにも、常におりものの状態を把握して、早めに婦人科で診てもらうことが大切です。

妊娠したときのおりものの変化は

妊娠している場合、まだ妊娠したかどうか分からない初期の時期でも、普段と比べて、おりものの量や粘りに変化がみられることがあります。全ての人が同じ症状になるとは限りませんが、妊娠初期は大切な時期なので、妊娠を希望している人はおりものの変化をよく見て、妊娠の可能性があるかどうかをチェックしてみましょう。

妊娠初期はおりものの量が増えることが多い

着床から、胎嚢や心拍が確認される頃の妊娠初期は、おりものの量が増えていくことが多いです。しかし、人によっては全く変わらない人や、おりものが出ない人もいるので、必ずしも増えるというわけではありません。

妊娠することで、ホルモンが大量に分泌される影響で、おりものが多くなる人が多いのです。

おりものの色は白や黄色や茶色になることがある

着床すると、おりものの量が増えることが多いとされていますが、色はどうでしょうか。人にもよりますが、普段のおりものは透明、もしくは白っぽい場合が多いです。

しかし、妊娠した場合は、白色や黄色いおりものが出ることが多いようです。または、着床出血の影響で、おりものが茶色っぽくなることもあります。

おりものに粘り気がでる

妊娠の可能性がない場合、生理前の時期はおりものの量は少なく、粘り気があることが多いです。しかし、着床することで、サラサラした白っぽいおりものが増えることが多いという話もよく聞きます。

これはホルモンの中でも、卵胞ホルモン(エストロゲン)が多量に分泌されている場合に、起こる症状と考えられています。ホルモンのバランスが落ち着いている場合は、妊娠していてもおりものに粘り気がでる場合もよくあります。

妊娠超初期におりものの量が変化する理由

「妊娠超初期」とは、着床してから妊娠検査薬で、陽性反応が出るまでの期間をいいます。まだ検査薬で反応しない時期なので、おりものや体調に何も変化がない人も多いです。しかし、人によってはさまざまな症状がでることもあり、おりものもこの妊娠超初期の段階で、すでに変化している場合もあります。

疲労やストレスによっても量の変化はある

忙しい人や、妊娠をとても心待ちにしている人は、気がつかなくても強いストレスにさらされている場合があります。例えば不妊で悩んでいる場合、高温期も後半になってくるとソワソワして不安になり、ストレスがたまります。

妊娠している、していないにかかわらず、生理予定日の前後に体力的・身体的にストレスが強い状態の場合は、ストレスによってホルモンバランスが乱れて、おりものの量が増える可能性があります。

エストロゲンの分泌によりおりものが増加

女性の身体は、卵子を育てるために卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌し、排卵した卵子をさらに育てるために、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌します。黄体ホルモンは体温を上げたり、子宮内膜を厚くしたり、自律神経を安定させたりして、受精卵が着床した場合の準備を進めます。

そして、無事に着床した場合は、さらに活発に卵胞ホルモンと黄体ホルモンを分泌するため、おりものの量が増えることが多いと考えられます。 

おりものの量が少ないと妊娠の可能性は0か

妊娠するとおりもの量が増えたり、粘度が変化したりする傾向が多いようです。ということは、着床の時期におりものの量が少ない、またはおりものが出ない場合は、妊娠している可能性が全くないのでしょうか。普段からおりものの量を把握している人は、妊娠したときにおりものの違いが分かりやすいので、日頃から自分のおりものの変化を、チェックしておくことをおすすめめします。

おりものの量には個人差がある

おりものの量には個人差があり、妊娠初期におりものが増える人もいれば、少ない人もいます。個人差があるため、おりものの量が少ないからといって、妊娠の可能性が低いというわけではありません。また、普段は生理前におりものが出るのに、妊娠したときには、おりものがピタッと止まったという人もいます。

おりものが多く出ないことで、流産するのではないかと心配する人が多いようです。しかし、おりものの量と流産の因果関係は、証明されていません。初期の流産の原因は、ほぼ染色体に問題があると考えられており、妊娠しているかどうかの時期ではなく、妊娠7週目頃の成長段階に問題があって、流産が起こることが多いのです。 

ホルモンバランスが崩れている可能性もある

ストレスや疲れによって、ホルモンバランスが崩れていると、おりものの量が多くなったり、少なくなったりすることがあります。そのため、多いから大丈夫で、少ないから心配というわけではありません。ホルモンバランスが乱れていることで、普段の状態から増えるか減るかという変化をするだけです。

もちろん、妊娠すると身体が大量にホルモンを分泌するので、バランスが乱れることは仕方のないことです。しかし、ストレスや疲れでホルモンバランスが乱れることは、自律神経にも影響して、妊娠している身体にはよくありません。したがって妊娠が分かったら、なるべくゆったりした気分で過ごしましょう。

個人差はあるが妊娠の可能性を知ることができる

おりものには個人差があり、量や色、粘度が「これ」なら大丈夫というものではなく、またまったく出ない場合に問題があるわけでも、妊娠の可能性がないわけでもありません。しかし、この時期のおりものが、普段の自分のおりものと違う状態になる場合は、妊娠している可能性が考えられるので参考にしてみてください。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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