2018.08.07

精子が受精するまでの時間とは?寿命を知って妊娠成功へ近づこう

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精子が卵子と出会って受精し、着床することで妊娠が成立。しかし、女性の体内で射精された精子がどの程度生き延びているか、知っている方は少ないかもしれませんね。性交のタイミングを図るためにも、精子と卵子の寿命を知って妊娠率を高めましょう。

受精するまでにどのくらいの時間と日数がかかるのか

妊娠を成功させるためには、卵子と精子が出会って受精し、着床しなければなりません。女性の膣内に射精された精子は、どの程度の寿命があり、卵子は排卵されてからどの程度の寿命があるのでしょうか。

その日数や時間を知ることは、受精を成功させるうえで、性交のタイミングをとるときにとても役立ちます。しっかりと知識を身に付けておきましょう。

射精から受精までの時間

卵子と精子が出会って受精することは、周知の事実。妊娠を成功させるためには、必要不可欠なステップともいえます。では、精子は射精されてから、どの程度の時間を経過して受精するのでしょうか。その時間を知っておくことは、性交のタイミングを図るときにとても役立つことでしょう。

精子は毎分3mmで泳ぎ30分から1時間で卵子を目指す

精子は卵子から発せられる、科学物質に誘導されて卵子を目指します。その速さは秒速35~5μmで、毎分3mm泳ぐといわれています。

これは計算上では、約30分~1時間かけて、卵子の所までたどり着くということになります。

精子が泳ぐ卵子まで距離は17cm

精子は卵子の所までたどり着かなければなりませんが、卵子のいる場所は、卵管の先端部分にある卵管膨大部。子宮内宮の長さは約7cm、卵管の長さは約10cmあり、精子は最低でも17cmは泳がなくてはなりません。これは、人間の身長に換算すると約6kmといわれています。

スタート地点に立つ精子は、数千万個~数億個ありますが、実際に卵子を取り囲むまでに行き着く精子は、数十~数百個にまで減少するといわれています。このような過酷な道のりであり、卵子と出会うことが奇跡的なことだということがわかります。

15分程で卵管には到達する

女性の体内に射精された精子の一部は、約15分で卵管に到達するといわれています。実は、精子は女性の体内に射精された段階では、受精能力を持ち合わせていません。

子宮の中を進んでいくときに受精能力を身に付け、5~6時間かけて、受精可能な状態にまで変化するのです。

射精から受精までは1時間程度

射精された精子は、卵子のいる卵管膨大部まで、卵管を通って進まなければなりません。射精から卵感膨大部に到達するためには、1時間程度要するといわれています。

ただし、これは計算上導き出された数字で、はっきりとは分かっていないことが現状です。

精子は射精から約6時間後に受精可能運動ができる

精子は射精後すぐに受精できるわけではなく、射精の5~6時間後から受精可能運動ができます。精子の寿命は、約3日といわれているので、受精可能な時間は60時間程度と考えられます。

この60時間の間に、卵子と出会い、受精することが妊娠するために必要なことといえます。

精子と卵子の寿命

精子と卵子には。それぞれ寿命があります。そのため、妊娠を成功させるには寿命の期間内に、出会って受精することが必要になります。精子と卵子の寿命を知っておくと、性交のタイミングをはかることも可能になるでしょう。

排卵した卵子の寿命は24時間

排卵した卵子の寿命は、約24時間といわれています。ただし、排卵されてすぐから受精が可能なわけではなく、排卵後6~8時間が受精可能時間となり、とてもわずかな時間だということがわかります。

そのため、排卵時期を見極めたうえで性交することが、とても大切なのです。

卵子は加齢とともに老化していく

女性は、産まれたときから、卵子の元となるものを卵巣内に持ち合わせています。なので、女性が年齢を重ねるように、卵子も年齢を重ね、女性の年齢と卵子の年齢は同じと考えるようにしましょう。

したがって、卵子も老化していき、数が減ったり質も落ちたりすることに。35歳以降は、卵子が減少するスピードが上がるといわれているため、高齢になればなるほど、妊娠が難しくなっていくわけです。

精子の寿命は約2~3日

精子の寿命は、射精されてから約3日、およそ72時間といわれています。この数字は平均的なもので、中には1週間生きる精子もいます。

卵子に比べても長い寿命を持つ精子を、先に子宮内に到達させて、排卵される卵子を待ち構えている状態にすることで、妊娠成功へと近づくことができます。

受精する確率

やみくもに性行為を繰り返しているよりも、精子と卵子の寿命を理解したうえで、性交のタイミングをとると、より妊娠しやすくなります。妊娠に至るまでのメカニズムを、しっかりと理解しておきましょう。

精子は卵管に到達するまでに99%が死滅する

射精したとき、精子は数千万個~数億個あるといわれています。それだけの精子が、最終的に到達できるのは200個以下になり、およそ99%の精子が死滅してしまうのです。これは、女性の膣内が酸性の状態になっていることが理由です。子宮内に菌やウイルスを侵入させないために、酸性の状態になっているのですが、精子は酸性に弱く、膣内で生き延びることは簡単なことではありません。

射精されたばかりの精子は、精しょうと呼ばれるアルカリ性の液体に保護されながら、道のりを進めていきます。しかし、精しょうは次第に薄くなるので、自力で卵子を目指さなければならないのです。その道のりの中で、多くの精子が生き延びることができなくなってしまうというわけです。

排卵日前後の性交での受精率は約80%

卵子の質や精子の数などには個人差があるため、正確なデータではありませんが、排卵日前後の性交で受精する確率は、約80%と考えられています。排卵と性交のタイミングが、受精から妊娠へとつながる大きな割合を占めているといえるでしょう。

しかし、受精=妊娠ではないことを、しっかりと認識しておく必要があります。妊娠成功となるためには、受精だけでなく、着床も必要。着床しなければ妊娠にはならないのです。

着床し妊娠する確率は約20%

受精卵が子宮内膜に着床して、ようやく妊娠成功となります。受精卵は、3~4日間かけて細胞分裂をしながら子宮へ移動し、着床するのは受精から約8日後と考えられています。このとき、受精卵側に遺伝子異常や染色体異常があると、着床は難しくなります。受精卵のうち、着床して妊娠成功となる確率は、約20%といわれています。

妊娠する確率は、年齢を重ねるごとに可能性は低下し、染色体異常などが増え、妊娠が難しくなるのです。妊娠が難しくなる理由としては、卵子の質の低下や排卵しても受精しない、受精卵の細胞分裂が途中で止まってしまう、着床しないといったことが挙げられます。

受精から妊娠成立までの時間はそんなに長くはない

卵子と精子の寿命や、受精可能時間などを考えると、いかに自然妊娠が難しく、奇跡的なことなのかということがわかります。妊娠成功への第一歩として、受精させるためには、卵子と精子が出会えるように、成功のタイミングをしっかりととることが大切。

しかし、女性の身体はストレスで変化しやすいことも現実。数字的な知識も大切ですが、リラックスした気持ちでゆったりと過ごすことも重要です。自分なりのストレス発散法を見つけながら、基礎体温の計測などを続け、排卵日の予測をしっかりと行い、性交のタイミングを図りましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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