2018.08.07

【射精管って何?】理解を深めよう、男性性器の特徴と構造について

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妊活を望むうえで、男性生殖器の正しい知識はお持ちですか。受精を成功させるためにも射精管の構造と機能を知っておいて損はありません。射精管から尿道へ精子がどのくらいの時間をかけて辿り着くのか、また男性生殖器に起こる病気の種類などを解説します。

男性の生殖器にある射精管とは

射精管とは一体どのようなものであるのか知っていますか?精子をつくるために必要な男性の生殖の一つの臓器です。精巣で作られる精子が射精管を通って体外に向かっていく過程にどのようなことが起こっているのかなど、正しい知識を得て、妊活に活かしていきましょう。

また、男性の生殖に起こる病気にもさまざまな種類があります。生殖器の病気は発見が遅れがちといわれています。早期発見・治療が大切になってきますので、もし似たような症状があると思ったら近くの病院に相談してみましょう。

射精管の特徴と構造

精巣の中にある射精管で精子が生成されています。月に一度しか排卵しない女性の卵子に対して、男性の精子は毎日何百万個という精子が作られています。また、日々新しく作られるため、加齢によって精子が古くなることはありません。

場所は前立腺の後ろ側

射精管は射精時に精液を通過する管のことをいいます。前立腺の後ろ側で精管膨大部と精嚢が合流して射精管になります。射精管は前立腺の内部を貫いており、前立腺内壁(精丘)の両脇に開校して尿道に注がれています。また、射精時には精管膨大部で作られる精子のみでなく、精嚢から放出された精嚢駅の混合も通過します。

長さは約40cm

精巣上皮から射精管に至るまでの長さは約35㎝~45㎝、直径2㎜~3㎜の精液の通路です。陰嚢内から鼠径管までは、睾丸を養う血管などと共に精索を形成しています。精管の末端部は精嚢腺が合流し、大きく膨らんでいる部分を精管膨大部と呼びます。その先が射精管へ続き、内径は細くなり、後部に開口しています。

射精管を通る精液は1mmにつき1億個

射精時、放出される精子の数は精液1mlにつき1億個といわれています。1回に射精される精液は約3mlとされており、その中には3億個の精子が射精管を通過します。卵子一個に対して、約3億個もの精子が受精を成功させるために向かっているという計算になります。

射精管の働きやしくみ

男性器には睾丸、陰茎など体の外から見える外性器があり、骨盤の中にある精嚢、前立腺などの内性器から成り立っています。睾丸は精子を作り、男性ホルモンを作り出す生殖腺を持ちます。陰茎は勃起し、女性の膣内に挿入され、精子を射出するための交接器官と呼ばれています。

精液の通り道になる

精巣と尿道をつなぐ管として精管は精子の通り道として精路といわれており、そこを通り射精されます。射精時には精子と精嚢から分泌された性能液が精管膨大部から放出されます。

精子は20日かけて射管に辿り着く

精巣には精巣上体と呼ばれる蛇行した管が付着しています。精巣上体を引き延ばすと約6mにもなる管は精子を尿道へと繋ぐ輸送管の始まりで、未熟な精子を貯蔵し成熟させる働きを持っています。男性が性的な刺激を受けると、精子を貯蔵している精巣上体の壁が収縮し、次の精管へ放出されます。

精子が精巣上体をのぼって精管に20日もの時間をかけて辿り着きます。その間に精子は卵子に辿り着くまで必要な運動能力などを身に着けます。

交感神経の働きで尿道へ精子を送る

射精のプロセスは支配する神経の違いによって、精管から射精管を通って尿道に至るまで、尿道から体外にでるまでの2段階に分けられます。射精時には精管の平滑筋層が波打ち、射精管まで精子を送り出します。これらは交感神経の働きによっておこります。一方、尿道から精子が排出されるのは体性運動神経が支配する脊髄神経によるものです。

気をつけたい射精管の病気

男性生殖器は男性にとって大切な臓器です。しかし、「恥ずかしい」「耐える」など病気への無理解や早期発見が遅れてしまうことがあります。病気についてや症状など正しい知識で、適切に対応できることが早期治療に繋がります。

精子の滞留による射精管結石

精液に血液が混入する血精液症の主要な原因の一つにされている射精管結石は、精子を長期間排出されずに射精管に留めておくことで、内容物が凝縮されることが原因で発症率が高いといわれています。血精液症の約60%が射精管結石といわれており、ときに結石核内には精子が混在していることがあります。

射精管に嚢胞ができる閉塞性無精子症

精巣内で精子が作られているにもかかわらず、精液中に精子が出てこない状態のことを「閉塞性無精子症」とよびます。精路が閉塞しているために起こる病気で、一般的に男性不妊者の約15%が無精子症といわれていますが、閉塞性無精子症はさらに15%程度といわれています。多くは先天性のものですが、中には炎症や外傷によって起こることもあります。

閉塞が起こる部位は以下の3つが挙げられます。

  • 精管の閉鎖
  • 精巣上体部での閉鎖
  • 射精管での閉鎖

排尿障害が起こる前立腺炎

前立腺は膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲んでおり、精液に含まれる精子の栄養となる分泌液を作っています。クラミジア、弱毒性細菌などが原因で起こした状態、またはストレスや冷え性などの原因によっても起こる炎症のことを「前立腺炎」といわれています。細菌を多く含む尿が尿道を流れると、射精管を通って細菌が前立腺に侵入してしまうことで膀胱炎や尿道炎を引き起こします。

また、徐々に発生を繰り返す慢性細菌性前立腺、急速に発生する急性細菌性前立腺の2タイプがあります。しかし、細菌感染でなくとも慢性細菌性前立腺を引き起こすこともあり、炎症を伴う場合と伴わない場合があります。逆に細菌感染を伴わない前立腺炎によって炎症が起こっても、症状が現れない場合があります。

気になる症状があったら医師に相談してみよう

男性生殖器は男性にとって大変重要な器官です。妊娠を望むうえでは精子は必要不可欠であり、質の高い精子をつくることが妊娠成功率を高める第一歩です。男性性器の機能や構造を正しい知識として妊活に活かしていきましょう。

もし、自身の体について、射精の具合や臓器に違和感、気になる症状がありましたら、恥ずかしがることなく病院の方へ受診しましょう。早期発見・治療がよい精子を保つ大切なことです。また、日常からバランスのよい食事、適切な運動、十分な睡眠を摂りましょう。

 

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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