2018.08.07

妊活では葉酸をいつまでに摂取するのがベスト?葉酸の効果と使用法

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赤ちゃんを授かり、お腹の中で育てる過程で、とても重要な栄養素のひとつといわれる葉酸。妊活前から飲み始める人も多いですが、いつまで飲み続けるのか迷います。なんとなく飲んでいる方も、葉酸の栄養素と摂取したほうがいい期間を見直ししましょう。

葉酸をいつからいつまで飲めばいいのかわからない

葉酸は妊婦と赤ちゃんにとても大切な栄養素。妊活前から飲み続けることで、自分や胎児におこりやすいリスクを軽減し、より健康な状態を作ります。葉酸は野菜などに含まれますが、必要量を手軽で安心に摂れるサプリがおすすめです。

しかし、いつまで飲み続けたほうがよいのかわからないという方も多いようです。葉酸は妊婦と胎児にとって摂取に最適な時期があります。その時期を把握して、葉酸を摂っていくようにしましょう。

葉酸とはなにか

葉酸とは、水に溶ける水溶性ビタミンの一種で、1941年にほうれん草の葉から見つかった栄養素です。葉酸は細胞の形成を助けたり、ビタミンB12と共に血液を造る働きをしています。緑黄色野菜やレバーに多く含まれます。

葉酸が不足すると細胞分裂の盛んな箇所で欠乏症がおこり、貧血や免疫機能の低下を引き起こします。妊娠初期の胎児形成の時期での葉酸の不足は、胎児に大きな影響をおこす可能性があり、神経管閉鎖障害や無脳症などのリスクも報告されています。

葉酸はいつからいつまで飲んだらいいか

葉酸はどの時期に摂取するのが望ましいのでしょうか。飲み始める時期や出産してからも飲んだほうがいいのかを把握しておきましょう。

飲み始めは妊活の1ヶ月前から

葉酸はサプリで必要量を手軽に摂取することができ、妊娠を考えている人にはぜひ摂ってほしい栄養素です。飲み始める時期は、子作りを始める1カ月前頃からが望ましいとされています。

受精卵は早い段階で細胞分裂を繰り返し、最初の1カ月からすでに胎児の細胞が形成されます。健康な赤ちゃんを授かるためには、受精卵ができる1カ月前からの摂取が望ましく、早めに摂り始めることで神経管閉鎖障害のリスクを防ぐことができます。

妊娠初期は特に重要な時期

精子と卵子が出会い受精卵ができ、子宮に着床するまでにも細胞分裂は繰り返されます。着床すると胎児形成が始まり、みるみる赤ちゃんの臓器や体、脳などが妊娠初期の段階で形成されていきます。

この時期は健康な胎児を造る大切な時期。しかしつわりもあり充分な葉酸が摂取しにくいため、妊娠前から葉酸サプリを飲み続けておくと安心です。欧米の研究では妊娠初期における葉酸の積極的な摂取により、先天性障害になるリスクが70%低下することがわかっています。

授乳中も葉酸は飲み続ける

葉酸は健康な胎児形成だけではなく、母乳の質も良くしてくれます。妊娠中飲み続けていたサプリは、出産したらやめてしまうより、授乳中も飲み続け、卒乳まで葉酸を充分に摂ることで、母乳から赤ちゃんにも良い栄養がいきわたります。

産後は急激なホルモンの変化や睡眠不足などで体がついていかず、まれにうつを発症するケースもありますが、葉酸を摂取し続けることで、産後うつを予防したり、子宮の回復にも効果を発揮します。

妊活する人は飲み続けたほうが良い

出産が終わり、2人目や3人目など次の妊娠も望む人は、葉酸を摂り続けることをおすすめします。葉酸を飲み続けることで、免疫力が上がり、病気になりづらい健康な身体を造ることができます。

体の中のあらゆる細胞が活性化し、女性がなりやすい貧血も予防することができます。そして健康な卵子を作り出すことができます。質のいい卵子は妊娠しやすい状態をキープでき、安心して次の妊活もスムーズにおこなうことができます。

葉酸の効果について

妊婦と赤ちゃんに特に必要とされる葉酸ですが、その効果はとてもたくさんあります。

お腹の赤ちゃんへの効果

神経管閉鎖障害のリスクを下げる

葉酸を摂ることで赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを70%減らせるという研究結果もあります。神経管閉鎖障害は、胎児の神経細胞が形成される際、神経組織に障害がおき、生まれた後に運動障害や排せつ障害などがおこります。また神経細胞閉鎖の場所によっては無脳症や死産などの場合もあります。

先天性奇形の神経管閉鎖障害などのリスクを下げるためには、胎児形成段階の妊娠初期はとくに充分な葉酸を積極的に摂取することが必要です。

細胞の生産や再生に必要不可欠

受精卵ができて子宮に着床するまでにも、受精卵は細胞分裂しています。4~5週目頃にはすでに脳や脊髄などの中枢神経が作られます。妊娠初期といわれる3カ月目頃までは細胞分裂がもっとも盛んに行われ、胎児の臓器や脳を形成していきます。

細胞分裂と再生にはたくさんの葉酸が必要です。葉酸はこの細胞分裂を活性化させ、胎児の障害リスクを軽減し、正常な発育を促します。

子供が自閉症になるリスクを下げる

自閉症は100人に1人の割合で生まれるといわれています。出生前診断ではわからず、生後しばらくして言葉の遅れやコミュニケーションがうまくいかないなどで診断されます。自閉症は染色体異常がおもな原因といわれているため、葉酸を摂取するだけではリスクをゼロにすることはできません。

しかしノルウェーの研究では、葉酸を摂取すれば自閉症や発達障害になるリスクが49%減少したというデータもあります。リスクをなくすことはできませんが、葉酸を摂ることで確率を下げリスクを減らすことは可能です。

母体への効果

巨赤芽球性貧血の予防

妊娠中は多くの血液を胎児に送るため、もともと貧血気味ではない人も、貧血になりやすい状態になります。巨赤芽球性貧血とは、巨赤芽球という巨大な細胞にビタミン不足で正常な赤血球が造られないことによりおこります。

葉酸をたくさん摂取することで、葉酸不足によっておこる巨赤芽球性貧血を防ぐことができます。つわりなどで思うように食事が取れないと、貧血にもなりやすくなります。サプリメントで補うようにしましょう。

赤血球の生産を助けてくれる

赤血球が不足し貧血になると、だるさやめまい、気分不良をおこすだけではなく、早産の危険性もあります。葉酸はビタミンB12と共に、赤血球の生産を助けてくれます。

妊娠をしている人は胎児にたくさんの血液を送らなければならないので、血液をたくさん作っておく必要があります。血液をたくさん作るためには、赤血球の生産を助けてくれる葉酸をビタミンと共にたくさん摂取することが重要です。

質の良い母乳を作ることができる

母乳の原料は血液からできています。葉酸は血液を作る脊髄の働きもサポートします。葉酸を摂ることで、質の良い母乳がたくさん作られます。逆に葉酸不足で甘いものの摂りすぎは、母乳の質が低下し乳腺が詰まり、あまり出なくなることがあります。

葉酸をたっぷり摂ることで血行も良くなります。血行が良いと母乳の出もよくなります。妊娠中だけではなく、産後も続けて授乳中は葉酸を摂取していきましょう。

妊娠高血圧症候群のリスクを下げる

妊娠高血圧症候群は妊娠後期に発病するもので、約1割の妊婦がなるといわれます。32週以降に発症するケースが多いですが、32週未満でおきた場合は尿たんぱく、血管障害や肝機能障害、胎盤早期剥離などがおこり、最悪なケースでは胎児が死亡することもあります。

葉酸は血液中のホモシステインの代謝を助け、血流を改善し、血圧を正常値に戻す手助けをしてくれます。妊娠初期だけではなく、安定期に入っても充分な葉酸を摂ることが望ましいとされています。

つわりを緩和してくれる

妊娠初期におこる辛い吐き気などのつわり。食欲も減退し、とてもつらい時期ですが、葉酸には自律神経を安定させる効果があるので、つわりが緩和できるといわれています。

また、葉酸に含まれるビタミンB6は、つわりの原因のひとつと考えられるトリプトファンの働きを抑制し、代謝を整えるのでつわりが軽減されると考えられています。健康な胎児を育てるために栄養を摂りたいけれど、つわりがひどいと食事も思うようにとれません。早い段階で葉酸を摂り続けつわりに負けない体にしておきましょう。

免疫力をアップする効果がある

妊娠中は普段と比べて免疫力が低下します。特に細胞性免疫力が低下するので、病気にもかかりやすくなります。妊娠中に病気にかかると薬が制限されたり、高熱が出れば胎児への負担も大きくなります。

葉酸には免疫力を向上させる働きがあります。免疫力を上げるためには、もちろん規則正しい食生活や睡眠も大切です。より免疫力を高めるためにも、葉酸を補いましょう。妊婦がいる家庭では、家族みんなで飲むのもおすすめです。

産後の抜け毛を予防する

産後は女性ホルモンの分泌量が急激に低下し、ホルモンバランスが変化します。また寝不足や生活の乱れに加え、赤ちゃん中心で自分の食事はさっと済ませることも多いようです。そして母乳を与えることで、栄養分が取られるので、髪の毛が抜けやすい状況になります。

葉酸はたんぱく質の合成、細胞分裂の促進が期待できる栄養が豊富に含まれています。産後に葉酸を摂ることで、血行促進につながり、抜け毛予防の期待が持てます。産後すぐは気がつかなくても、落ち着いた頃に抜け毛の多さに驚くこともあるので、持続して葉酸を含むケアをしていきましょう。

産後うつの予防ができる

意外と多いといわれる産後うつ。自分は大丈夫と思っていても、ホルモンバランスの変化や生活環境の変化についていけず、誰にでも産後うつになる可能性はあります。

予防として家族の協力も大切ですが、自律神経を整えることも大切です。葉酸はこういった精神面での効果も期待できます。葉酸だけで完全に防ぐことは難しくても、リスクを軽減する効果はあります。自律神経を整えることは体に良い影響をたくさんもたらします。

必要な葉酸の量について

葉酸の1日当たりの摂取量は、18歳以上で男女とも240μgとされています。ほうれん草100gで約210μgの葉酸が含まれています。バランス良く1日3食食べ、緑黄色野菜も充分に摂っていれば問題ありません。

妊娠を考えている人や妊婦の場合、胎児の神経管閉鎖障害やそのほかのリスクを軽減させるため、倍の480μgの摂取を推奨されています。毎日たくさんの葉酸を摂り入れるためには、サプリメントがおすすめです。

葉酸を摂取する方法

プレママやママが取り入れたい葉酸。体内に取り入れやすい方法についてチェックしましょう。

食事から取る

葉酸はレバーや緑黄色野菜に多く含まれます。ほかにも肉類、野菜、藻類や豆類などにも含まれます。しかし食事からの吸収率は約半分の50%程度といわれます。また食事だけで摂ろうとするとカロリーオーバーになる可能性があります。

普段の食事を野菜中心にバランス良く摂れば、不足することはあまりありませんが、妊娠中は食事だけでは補うのは難しくなります。またオレンジジュースやバナナは、葉酸の吸収を阻害する化合物が含まれているため、気をつけましょう。

サプリメントから摂る

葉酸を効率よく持続して摂取するには、サプリメントがおすすめです。以前は食品に比べ吸収率が低いことから注目されていませんでしたが、研究が進み、開発されているもので吸収率は85%ぐらいになります。また妊婦に推奨されていることから、無添加で安全なものが増えてきています。

種類はとても増え、ドラッグストアや通販でも購入可能です。しかし購入する時には成分を必ず確認しましょう。とくに安いものは添加物が多いので、とくに妊娠中は気をつけなくてはいけません。

効果的な摂取の仕方

ビタミンB12と一緒に飲む

葉酸はビタミンB12と一緒に摂取することで、その力を最大限に発揮します。最近販売されている葉酸サプリメントでは、ビタミンB12はもちろんのこと、ほかの栄養素が含まれるものも多く販売されています。

葉酸とビタミンB12を一緒に摂ることで、赤血球の生産を助けることができます。また自律神経を安定させつわりも軽減できます。サプリを購入する際には成分のチェックをおこないビタミンB12が含まれているものを購入しましょう。

食前または寝る前に飲む

サプリメントや薬などは、一般的に食後に飲む方が多いと思いますが、葉酸は空腹時に飲むことをおすすめします。食前または寝る前の空腹時に飲むことで、吸収率を上げることができます。

胃腸の弱い人は負担がかかることもあるため、食後から30分の間に飲むようにしましょう。飲む時は水または白湯で飲みます。オレンジジュースやグレープフルーツジュースなどは、葉酸の効果が低下するため避けましょう。

男性はいつからいつまで葉酸を飲んだらいいか

葉酸は妊活中であれば男性も積極的に摂ることが推奨されています。男性の場合、精子の染色体異常のリスクを下げることが分かっています。女性ほど摂る必要はなく、1日約200μg摂取すると良いとされています。

妊娠を希望する場合、男性は妊活の3カ月前から葉酸を摂るよう心がけましょう。妊娠したあとは、男性は葉酸を飲むのを止めても構いません。

葉酸の摂り過ぎに気をつける

妊娠中はたくさん摂りたい葉酸ですが、摂りすぎには気をつけましょう。1日の最大摂取量の目安は1,000μgまで。水溶性ビタミンなので余分なものは尿から排泄されますが、あまりに摂りすぎると吐き気や発熱、じんましんが出ることもあります。また赤ちゃんがアレルギー体質になってしまうことも。

特にサプリメントは吸収率を上げるよう開発されているので、摂りすぎてしまった場合、体の外に排出されづらくなっています。説明書を読み、過剰にならないよう1日の摂取量を守るようにしましょう。

葉酸は卒乳まで飲み続けると良い

乾燥肌と敏感肌にオススメの洗顔料胎児の健康と妊婦の体を良い状態にサポートし、障害などのリスクから守る葉酸。とても活躍してくれる大切な栄養素であることがわかりました。妊活時期から飲み始め、妊娠中、そして卒乳まで長く飲み続けることがおすすめです。とくに妊娠初期は積極的に摂ることが大切です。

葉酸だけではなくバランスのとれた食事や、生活習慣が第一ですが、足りない分はサプリメントで補い自分と赤ちゃんの健康を守りましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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