膣外射精や避妊具による妊娠確率はどのくらいでしょう。膣内で射精しなくても、妊娠する場合もあります。正しい避妊方法を知ることで、望まない妊娠を回避することができます。避妊していると思っている、今の避妊方法を確率から考え直してみよう。
妊娠を望んでいない場合、膣内射精無しでも妊娠するのかどうかは、気になるところでしょう。膣内で射精していないからといって、妊娠しないとは限りません。妊娠してしまう確率が高い場合や、絶対妊娠しない確率の高い場合もあります。射精していない場合に、妊娠する可能性はどのくらいあるのか調べてみましょう。
射精しないセックスの場合、妊娠するのでしょうか?性交渉で女性の膣内に男性が射精することで、膣内で卵子と精子が受精して妊娠します。膣内に精子が入っていなければ、妊娠しないのか確率的に調べてみましょう。
男性が性的興奮をすると、外尿道口から透明の液体が出る場合があります。「尿道球腺液」が正しい名称になりますが、尿道球線液を発見したカウパー氏の名前をとり「カウパー液」とも呼ばれています。カウパー液自体には、精子は含まれていないので妊娠する可能性はありません。
ただし、カウパー液が分泌されるときに、射精に備えて増大した精液が、尿道に漏れてしまうことがあり、その漏れた精液がカウパー液の分泌と混ざり、排出されることで妊娠する可能性が高くなります。避妊無しで膣外に射精した場合は、射精寸前まで膣の中に男性器が入って、カウパー液が膣内に分泌していることが考えられます。そうなると、8~25%位の確率で妊娠する可能性があります。
コンドームなどの避妊具を正しく着用していれば、膣外射精での妊娠率は、2~3%と低くなります。ただし、コンドームの着用が不十分で、途中で外れてしまったり、しっかりとサイズが合っていなかったりすることもあります。その場合は、避妊していない状態とほぼ同数の高確率で、妊娠する可能性があります。
また、コンドームを付けるタイミングが遅い場合は、射精時に膣外でコンドームを付けていたとしても、射精前のカウパーに含まれた精子によって、妊娠する可能性もあります。
女性の生理周期で、もっとも妊娠しやすい時期が、排卵日の前日といわれています。それは、卵子と精子の寿命の違いから、排卵日の前に精子が膣に入ることで、排卵日に放出された卵子と、受精するタイミングが合うからです。
排卵日前の最も妊娠しやすい日に、避妊具を使用せず、膣外で射精した場合の妊娠の確率は、4~18%といわれています。膣外射精だからといっても、避妊具を使用しない排卵日前日のセックスは、妊娠しやすくなります。
「女性の生理中は妊娠しない」とよくいわれることがあります。理論上では、通常の生理周期の場合、28日と考えると、生理開始から14日目が排卵日となります。生理開始から1日~5日程度は排卵がなく、妊娠する可能性はありませんが、生理周期はそれぞれ違いがあり、同じ人物でも体調やストレスなどによって、生理周期がずれる場合があります。
生理周期がずれて早まった場合、通常28日周期が21日周期など、排卵日が生理の終わりころと重なってしまう場合もあります。その場合、生理中でも妊娠してしまう可能性もあります。確率的には低いですが、全くしない0%ではありません。
生理が終わったばかりだから、妊娠しないと考える人もいるでしょう。排卵日は正常生理周期では、生理終了後7~10日程度に起こるといわれ、生理後すぐには排卵しないだろうと思われています。
しかし、女性のホルモンバランスの変化により、生理周期が早まることがあります。また、精子自体の寿命が膣に入ってから、約5日間以上あるといわれていることを考えると、低い確率ではありますが、排卵日に膣の中で精子がまだ生存している可能性もあり、妊娠する可能性もあります。
まだ子供が欲しくない若いご夫婦や、結婚していないカップルの場合、愛し合う性交渉自体は、愛情表現の一つとして必要な行為です。ただし、不必要な妊娠は、女性の身体を傷付けることもあるので、100%避妊できる方法で性交渉することが望ましいです。
膣外射精で妊娠しないようにするためには、どのようなコツが必要なのでしょうか。避妊具やそれ以外の方法など、妊娠確率を下げるためのコツを調べてみましょう
コンドームを正しく付けた場合の妊娠確率は2%程度であり、妊娠確率0%ではありません。コンドームを付けるタイミングが遅れたり、穴が開いていた場合の妊娠確率は、15%程度になってしまいます。コンドームを使用する場合は、正しく付けることが望ましいです。
コンドームの装着タイミングで間違えている場合が多いのですが、正しい装着タイミングは挿入前の勃起したときです。挿入後、射精前にコンドームを装着する場合がありますが、その場合は膣の中でカウパー液が分泌されて、妊娠する可能性が高くなり、コンドームの装着タイミングとしては間違いです。
以前は、排卵検査薬は処方でしか入手できませんでしたが、現在はドラッグストアなどでも、簡単に入手可能となりました。排卵検査薬は、排卵日の24~36時間前に陽性反応となる検査薬が多いので、妊活中の場合は陽性になってから性交渉することで、妊娠しやすいといわれています。
避妊方法として使うには、陽性反応の出ない時期に性交渉することで、避妊できることになりますが、排卵日測定は早くても36時間前にならないと陽性反応しません。精子は子宮の中で、約5日間活動しています。排卵日2日前で、まだ反応が出ていないからと性交渉した場合は、排卵日になっても精子が子宮で生き続けてしまい、妊娠してしまうこともあります。
避妊の目安として排卵検査薬を使用するには、自分の生理周期を把握していることが前提になります。そのため、一般的に避妊の目安として使用するには、注意が必要です。
避妊目的で低用量ピルを婦人科に処方してもらい、1年間正しく飲み続けた女性の妊娠確率は、0.1%といわれています。低用量ピルを服用している女性の場合、膣内で射精してもコンドームに穴が開いていても、妊娠する可能性は低く、避妊方法としては一番妊娠しにくいです。
低用量ピルは、海外ではドラッグストアでも販売されていますが、日本では婦人科などでの処方のみで、利用できる避妊薬です。また低用量ピルを服用する場合も、毎日飲み続けなければ、避妊効果が薄れてしまうこともあります。
妊娠を望まない性交渉で、コンドームが破けたり、誤って膣内で射精したりすることもあるでしょう。その場合、緊急避妊薬を性交渉後72時間以内に使用することで、約80%の確率で妊娠を回避することができます。ただし、服用するタイミングが遅れて、効力がなくなったあとに飲んでも、回避することは難しくなります。
緊急避妊薬も低用量ピル同様に、婦人科などで処方されたもののみ利用することが可能です。性交渉後に時間をあまりおかず、早めに受診することで処方されます。時間を数日おいてからでは効力が期待できないので、処方されない場合もあります。また人によっては服用後に、不正出血したり貧血を起こしたり、腹痛があったりする場合もあるので、注意しましょう。
付き合っている恋人同士なら、性交渉をもつことは当然のことですが、妊娠を望まない場合は、お互いの身体のことも考え、正しい避妊を行いましょう。
正しい避妊をすることで、恋人同士の愛情も深くなります。望まない妊娠をしないためには、正しい避妊を忘れずに行いましょう。