2018.08.07

「射精後の成分とは?」子宮に残った精液に害はないのか調べよう

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妊活で必ず必要となる質のよい卵子と精子ですが、質のよい精子を作るために、精液に含まれる成分を知りましょう。成分を理解することで、良質で量の豊富な精液が射精できるようになり、性行為後に女性の身体に残った精液に、不安に感じることもなくなります。

射精された精液の成分とは

妊娠するために、必ず必要となる卵子と精子。卵子は女性の身体の中で作られるものですが、男性の身体から作られる精子は、精液として射精されます。一般的に卵子を実際見ることは無いといってよいですが、精液は実際見る機会があります。この精液には精子のほかにどんな成分が含まれているのでしょう。

射精された精子は、女性の膣内にとどまることで卵子に出会い、受精することになりますが、膣内にとどまったままで、女性の身体に有害ではないのか気になる方もいるのでは?今回は、精液の成分を調べてみることにしましょう。

射精された精液を構成する成分

精巣内で作られる精子は、性的興奮が高まることで精嚢からの分泌物と合わさり、精液となって外尿道口から放出されます。射精された精液は、どのような成分なのでしょう。

噂では「精液は身体によい」とか「肌がきれいになる」などと、いわれる場合もありますが、射精後に女性の身体の中に、長時間入ったままでも大丈夫なのでしょうか?身体に有害な成分が入っていたら心配です。精液の成分を調べてみましょう。

アルカリ化合物のアミン

女性の膣内は、いつも酸性に保たれています。その酸の力で、精子が死なないようにするために、精子を守る精液には、アルカリ性であるアミン類が多く含まれています。

膣内に入った精液の中の精子は、酸性に弱いので、半数近くが膣内で死んでしまうといわれています。酸性による攻撃で全滅しないために、精液には1億~4億個の精子が入っているといわれています。

精子の栄養になる果糖

精液は、液体成分である精しょうと精子から構成されています。精しょうは、前立腺の分泌液である前立腺分泌液が3割程度、残りの約7割程度が精嚢分泌液からできているといわれています。精液の多数を占める精嚢分泌液には、果糖が多く含まれています。

精嚢分泌液に含まれている果糖の働きは、栄養源を持たない精子が卵子にたどり着くために、運動のエネルギー源となっています。果糖のお陰で、精子が卵子まで無事にたどり着けているということになります。反対に、果糖が少ない男性の精液の場合は、精子が卵子まで届くことなく、全滅してしまうことになります。

幸福感を得られるホルモン

精液には、憂鬱な気分を吹き飛ばし、幸福な気分を高めるホルモンが、多く含まれているといわれています。愛情を増やすコルチゾールや、気分を高めるオキシトシン、抗うつ効果のあるセロトニン、快眠を誘うメラトニンなどです。

射精することで、精液を受ける女性側にも効果があるといわれ、これにより射精後は、夫婦の愛情が深まりやすくなるといわれています。

精子を元気にする亜鉛

精子が射精後に活発に働けるために、精液の中には亜鉛が含まれています。亜鉛は、人間に活力を与える成分として、身体にとって欠かせない必要な物質です。しかし、身体の中で作られることはなく、食物として食べることでしか、摂取できません。

男性は、亜鉛を含む精液を射精することで、亜鉛が減って活動性の低下があることから、射精後に疲れやすくなるといわれています。

前立腺液に含まれるクエン酸

精液の中に含まれる前立腺液には、クエン酸が多く含まれています。クエン酸は、女性の膣内が酸性なので、酸性に弱い精子を弱アルカリ性のphに保つ働きがあります。

精子を酸性から守ってアルカリ性に維持することで、精子を生存させる働きがあるといわれています。

精液の成分量に影響をもたらすこと

男性の精液の平均的な一度の射精量は、2~6mlといわれています。精液の成分に応じて質のよい精液となり、受精可能な活発な精子を射精できることになります。精液の成分を保つためには、どのような注意が必要なのでしょう。成分量から見た精子に対する影響を見てみましょう。

毎日の食事内容

精液の量を増やし、成分の充実を図るためには、毎日の食事を考慮する必要があります。食事次第では、精液の量も減ってしまうことが考えられます。そのため、精子や精液の成分となるものを、積極的に多く摂ることが必要となります。

たとえば、牡蠣やレバーや蟹に多く含まれる亜鉛や、バナナやクルミなどの高濃度タンパク質、ホウレンソウや葉野菜からビタミンEなど、毎日の食事に取り入れることで、質のよい成分の整った精液になり、精液の量も増やすせるといわれています。

BMIの高さ

男性の肥満度が高いことで、精子の量が減ってしまうことも考えられます。BMIと呼ばれるボディマス指数は、体重と身長の関係から導き出す、肥満度を現す体格指数です。

このBMIが25以上ある場合は、基礎体温が高くなることから、熱に弱い精子の量が減るので、精液の量も減ってしまいます。日頃から身体を鍛えてBMIを低く保っている人は、十分な量の精液を射精できることになります。

熱くなりやすい環境

精子は熱に弱く、高熱を感じると精子を製造する睾丸が、精子の製造を止めてしまうことがあります。デスクワークでずっと同じ姿勢で座っていたり、熱のこもりやすい圧迫するような下着を着用したりすることで、悪影響を与えることにつながります。

熱がこもると睾丸が温まって精子の製造数が減り、精液が減ってしまうことがあるのです。また、サウナに長く入らない、湯船に長時間浸からないなども、精子を増やすために重要になります。

短期間の射精

一度の射精で精子の数は、1億~4億個入っているといわれます。精子は、細胞から精子として完成するまでに約74日間、成熟に約18日間かかります。

約3カ月間かけてできた精子が、精液となって射精するので、短期間に射精を何度も繰り返すと、精液の生産が追いつかなくなります。すると、精液の量も減り、精液に含まれる精子の数も、減少してしまうことになります。

射精のしくみを知って精子の質を高めよう

女性では分かりにくい男性の射精ですが、射精のしくみや精液の成分を知ることで、女性も質のよい精子の生成の手助けができます。男性の食事や、生活環境などの周囲の環境作りが、質のよい精子作りにつながります。女性からも積極的に手助けをして、妊活をがんばりましょう。

 

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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