2018.08.07

【卵子の大きさってどれくらい?】成長と発達について把握しよう

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妊活を臨むうえで知っておきたい知識の中の一つに、卵子の大きさがあります。卵子が入っている卵胞が、どのように排卵まで成長を遂げるのか、そのときの大きさがどれくらいなのか、また、卵子の発育を促進するためにオススメなことを取り上げます。

卵子の大きさはどのくらいなの?

妊娠は精子と卵子が出会い、受精卵となって子宮に着床することで初めて成立したといわれます。では、人間の卵ともいえる存在の卵子の大きさが、一体どれくらいなのかご存じですか?名前や機能は知っていても、大きさまで知っている人は少ないです。

また、卵子の状態がよいほど妊娠成功率を高められます。状態を調べる方法や、よい状態を保つためにできることを紹介しますので、生活を見直してみましょう。

卵子の成長過程と大きさの目安

卵子は女性の体内で産生され、女性の遺伝子を持っています。存在自体は小さな球体で、卵子の周りは透明体というゼリー状の物質で覆われています。精子はこの透明体を通り過ぎて、受精を行います。卵子の直径は約160μmですが、人間の髪の毛の直径が約60μmなので、髪の毛3本分を束ねたほどの大きさだといわれています。

原子卵胞は0.03mm

卵子が入っている袋状の組織である「卵胞」には段階があり、最初は「原子卵胞」といわれる状態です。原子卵胞の大きさはわずか0.03mmほどで、月経周期を重ねていくごとに、いくつかの卵胞が卵胞刺激ホルモンが分泌されることで、ゆっくりと成熟していきます。

1次卵胞は0.1~0.3mm

排卵に向けて原子卵胞の成長が開始され、1層であった卵胞細胞は数層に分裂し、顆粒膜細胞が出現します。このときの状態は「1次細胞」と呼ばれ、大きさは0.1~0.3mmです。

1次細胞への成長は、卵胞刺激ホルモンが分泌されなくても、自発的に成長します。原始卵胞から1次卵胞へ成長するためには、約150日程度の時間が必要です。

2次卵胞は0.2~0.4mm

1次卵胞の顆粒膜細胞はさらに厚みを増し、次に2次卵胞へ成長します。そして、2次卵胞の外側を、別の細胞である「莢膜細胞」がさらに包み、前胞状卵胞と呼ばれるようになります。1つの前胞状卵胞の大きさは、0.15~0.2mmです。

前胞状卵胞になったあとで、中に空間が現れて胞状卵胞へと成長します。現れた空間は卵胞腔と呼ばれ、中に液体が満たされます。胞状卵胞の大きさは0.2~0.4mmです。また、卵胞腔の有無によって、前胞状卵胞と胞状卵胞に分類されます。2次卵胞から排卵までは、約85日の時間が必要です。

排卵直前で直径20mm

2次卵胞から85日程度かけて、排卵に至ります。0.2~0.4mmの大きさのものが、排卵前に1日で1.5mmずつ急成長していき、排卵直前には最大で22mmまで成長することがあります。

その状態の卵子は、肉眼で確認することも可能になります。

卵子の状態を調べる方法

妊娠成功率を高めるためにも、自身の卵子の状態を知っておくことは大切です。しかし、卵子を検査する方法には、どのようなものがあるのかは、知らない人も少なくないでしょう。検査には、さまざまな種類が存在します。それらを知り、自分に合った検査方法を見つけましょう。

経腟プロープを用いた超音波検査

親指の太さくらいの棒状の経腟プローブを膣内に挿入し、子宮や卵巣などの骨盤内の臓器を検査します。プローブを通して、モニターに映し出される子宮や卵巣の映像を見ながら、説明を受けられます。また、お腹の上から見る腹部エコーである「経腹超音波検査」に比べて、より鮮明な映像を得られることから、診療の中でも大切な検査といわれ、卵胞の大きさと数の測定を行います。

超音波検査は身体に無害で、痛みを伴うことはありません。また、プローブにも滅菌のカバーをつけ、毎回交換を行うので、衛生的で感染の心配も無用です。

卵胞のホルモンを測るAMH検査

AMHとは「アンチミューラリアン・ホルモン」の略で、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。AMHを調べることで「あとどのくらい排卵を続けているのか」がわかり、卵巣内に残っている卵子の数も予測できます。卵巣の予備能力がわかる検査といわれており、不妊治療に役立てられています。

卵子の数は、生まれたときにすでに決まっていて、年齢とともに減衰しますが、正常値があるわけではないのです。年齢別に基準値が設定されているので、自分の年齢と照らし合わせてみることで、自分に残っている卵子の数が、基準値よりも多いのか少ないのかを調べられます。この検査は、採決での血液検査のみで、約1週間くらいで結果が出ます。

しかし、数値が高ければ、自然妊の可能性が高いというわけではありません。数値が高い=卵子のストックがたくさんあることになりますが、排卵される卵子が、妊娠に適している質を持っているのかどうかは、別問題です。AMH検査は、あくまで「排卵を待っている卵子の数を調べるだけ」ということを忘れないようにしましょう。

LHホルモンを計測する排卵検査薬

黄体ホルモン(LHホルモン)は女性ホルモンの一種で、普段は少量分泌されますが、排卵の直前になると、分泌量が急激に増加します。LHホルモンが大量分泌された約40時間以内に、排卵が起こるといわれています。

排卵検査薬は尿中のLHを検出し、大量分泌される日程を捉え、排卵日を予測します。排卵検査薬は、スティックだけで簡単に判定できるので、慣れていない人でも検査できます。

基礎体温の計測

基礎体温とは、身体が安静の状態で測る体温のことです。月経など、女性ホルモンに伴う体のリズムを知るうえで役立ちます。また、月経周期には低温期と高温期の2層に分かれており、基礎体温を毎日測って記録していくことで、境目がはっきりしてきます。低温期から高温期へ移行しているときが、排卵が起こっていると予測できます。

基礎体温は、正しく測ることが大切です。誤差が出てしまうと、自身の体のリズムを把握できなくなります。正しく計測するために、「朝目覚めたら寝たまま測る」「毎日同じ時間で測る」などを心がけましょう。

注意したいことは、基礎体温とは朝起きた状態で、活動できる範囲の体温ですが、体温は少し動くだけでも上がってしまいます。計測中にはなるべく寝返りなどせず、動かないようにしましょう。

卵子の発育を促すためのポイント

卵子の質をあげることが、不妊症の改善につながるといわれています。女性の体はとても繊細で、少しの不調で卵子の質を下げてしまいます。卵子の発育を促すために、日々できることは何かを見つめ直してみましょう。

ストレスをためない

卵子の質を下げる原因の一つに「ストレス」が挙げられています。ストレスというのは、生活の中でちょっとしたことにイライラしてしまうなど、家庭・学校・職場などの至るところに存在しています。では、なぜ卵子に悪影響を与えてしまうのかというと、交感神経の存在が鍵です。

交感神経は、運動時や集中時に働き、ストレスや不安を感じると活発になります。そうなった場合、卵子の成長に欠かせない女性ホルモンの分泌を抑制してしまい、成長を妨害してしまうのです。

喫煙や飲酒を控える

血中FSH値は、卵巣機能が低下すると上昇します。それは、卵巣機能に酸化ストレスがかかっているからです。喫煙者と無喫煙者で比べてみても、喫煙者のほうが数値が約23%高くなるといわれています。

血中FSH値の上昇は、卵子の数の減少や、閉経が早まる可能性があります。一度失った卵子は、元に戻ることはありません。また、喫煙をしていなくても、副流煙などの受動喫煙であっても閉経が早まるといわれています。

抗酸化作用のある食べ物を摂取する

妊活をしている男女ともに摂取したいものに、抗酸化作用のある食べ物が挙げられています。抗酸化作用は、卵子・精子の老化を防ぐ効果を持ちます。特に、強い抗酸化作用を持つ、ビタミンEが豊富に含まれている食材がオススメです。

主に、果物は梅、アボカド、マンゴーなど。野菜はカボチャ、ホウレンソウなどを摂りましょう。ほかにも、ナッツ類にも含まれており、間食にはナッツ類を摂り、メインメニューは魚類や野菜、果物を摂取しましょう。

しかし、ビタミンEだけを摂っていればよいわけではありません。ビタミンCやビタミンB、ミネラルなども卵子の質向上につながります。こうした栄養素を積極的に摂って、酸化のストレスに負けない体を作りましょう。

排卵誘発剤の注射

排卵誘発剤の注射を用いて卵子を発育させ、排卵を促す治療法があります。通常は、排卵障害のある人に行う療法ですが、妊娠率を高めるために使用されることがあります。

また、体外受精や人工授精では、排卵誘発剤を併用して、妊娠成功率を高めるために使用されます。もし、自身の卵子の発育が不十分と判断された場合には、不妊治療のできる病院で、排卵誘発剤を注射してもらうことも一つの方法でしょう。

規則正しい生活で元気な卵子を育てよう

元気な卵子を育てる一番の近道は、規則正しい生活を送ることです。早寝早起き、適度な運動、十分な睡眠を心がけて、卵子が発育されるよい環境を作りましょう。

卵子の発育の大敵は、ストレスや喫煙・飲酒です。しかし、ストレスなどは普通に過ごしていても、至るところに存在します。少しでも軽減できるように、好きな曲を聴いたり運動をしたりなどして、自分なりに気分をリフレッシュできるように工夫しましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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