2018.08.07

赤ちゃんを授かりたい人へ。「妊娠しやすい日」を知る妊活メソッド

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どうしても赤ちゃんを授かりたい。でも不妊治療は何となく怖いし、具体的に何をすればよいのか分からない。そのような人へ、自分で妊娠しやすい日を予測する方法や妊娠のメカニズム、妊娠しやすい体の作りかたなど、さまざまなお役立ち情報を集めてみました。

妊娠しやすい日を知って赤ちゃんを授かりたい方へ

子どもがほしいと思って頑張っても、なかなか結果に繋がらない。病院で妊娠しにくいと診断された。このようなことがあると誰でも不安になってしまいます。しかし妊活にストレスは禁物です。悩みを抱え続けるよりも、妊娠の近道になるような知識をたくさん得て、できることから少しずつ実行に移しましょう。

妊娠しやすい日とは

ご存知かもしれませんが、妊娠したいからといって闇雲に性交渉をしても、直接的な効果はありません。女性の身体は生理周期によって毎日変化しており、それに沿って妊娠しやすい日が存在するのです。

妊娠しやすい日の性交で妊娠する可能性

妊娠しやすい日にパートナーと性交渉をしたとして、必ず妊娠する訳ではありません。そしてその確率は年齢や体質、その時の健康状態、ストレス等で大きく違ってきます。

健康な女性でも確率は20~25%

健康で比較的若い女性が妊娠しやすい日に性交渉をした場合、妊娠の確率は20?25%といわれています。大体五分の一から四分の一の割合で妊娠するということです。しかしこれはベストな状態での話で、ここから年齢を重ねるごとに妊娠する確率は落ちていきます。

妊娠確率の敵はストレスと年齢

仕事や人間関係、なかなか赤ちゃんが授からない焦りなどでストレスを抱える女性は大勢います。しかしこのストレスも妊娠の確率を下げる要因の一つとなります。ストレスを抱えている上に年齢も重ねている女性は、若く健康な女性の20?25%よりさらに妊娠する確率が下がります。

排卵日は妊娠しやすい日ではない

「妊娠しやすい日」を排卵日当日だと思っている方が大勢いますが、それは間違いです。排卵日当日の性交渉だと、妊娠のタイミングが過ぎている可能性があります。

排卵日でなく排卵前から精子を待機させる

卵子の寿命は約1日で、受精可能な時間は約半日といわれています。それに比べ精子の寿命は5日間と長寿ですが、子宮に到達し受精可能な状態になるまでに5?6時間かかります。そのことを加味すると、排卵日の性交渉ではたった数時間という僅かなタイミングを狙わなくてはなりません。

妊娠をするには、いつ排卵が起こるか分からない状態でピンポイントを狙って性交渉をするよりも、あらかじめ精子を子宮内で待機させ余裕を持って排卵を迎えた方が効率的です。

回数を多くして受精確率を高める

精子の寿命は約5日ですが、一番受精能力が高いのが最初の2日程度でその後は徐々に老化していきます。よって、排卵前から性交渉をし精子が卵子を待ち構える状態を作れば受精の確率を上げることができます。

ちなみに、射精されてから子宮まで辿り着ける精子は全体のたった1%とされています。1回で終わらせず何回も性交渉をして、健康な精子を子宮にたくさん送り込むことができればベストです。

ねらい目は排卵日の約2日前

排卵日前に性交渉をすると受精の確率が上がるということがわかりました。精子の寿命と受精能力を考えると、排卵日の約2日前が狙い目になります。

黄体形成ホルモンの作用で飛び出す卵子

排卵後の数時間は、約1カ月ある生理周期の中で唯一の妊娠可能なタイミングです。ここで排卵の仕組みについてお話ししましょう。

卵子の元となる原始卵胞は、卵巣内の卵胞という袋に保管されています。排卵前になるとそこから数個の原始卵胞が選ばれ、卵子になるべく成長していきます。受精後に胎児の居場所となる子宮内膜が厚くなる頃、成長した卵子は黄体ホルモンという物質の働きにより卵胞から飛び出します。この卵胞から卵子が飛び出すことを「排卵」と呼びます。

排卵後の卵子は16?24時間程度生存が可能です。その内最初の6~8時間、長くて12時間は受精の可能性があります。

飛び出た卵子をねらう精子

一方、精子は射精後5?6時間後から受精可能な状態になり、通常約2?3日生存することができます。卵子が受精可能な時間を考えると、排卵の数時間前から子宮に精子を待機させておけば受精の可能性が上がるといわれています。

妊娠しやすい日の限られた時間

排卵日と妊娠しやすい日が分かったとしても、受精の成立はとても難しいタイミングで成り立っています。

精子と卵子の寿命にタイミングを合わせる

精子は2?3日生存できるのに対し、卵子の寿命は12?24時間と短命です。受精とは限られた時間の中で奇跡的に卵子と精子が出会うことで成立します。この奇跡を起こすためには、卵子と精子それぞれの寿命に合わせたタイミングでの性交渉が必要になります。

卵子はシンデレラ

現れたと思ったらすぐに去ってしまう。まるでシンデレラのような卵子に精子が出会うには、一体いつ性交渉をしたらよいのでしょうか。卵子の非常に短い生存時間内に精子を合わせるには、排卵前の3日間と排卵日当日、排卵日から24時間の間のタイミングがよいと考えられています。

妊娠しやすい日を予測するための方法

妊娠しやすい日を予測する方法は、たくさんあります。いろいろな方法を知り自分の体に合った方法をみつけましょう。

生理周期から一番妊娠しやすい日を計算する

まず最初に生理周期をみながら行う日数計算の仕方をみてみましょう。

排卵日生理周期から-14する

排卵日から次の生理が来るまでの日数は、生理周期の安定した人の場合で約14日です。生理周期が28日だった場合、28日の内14日が排卵期なので、残りの日数が分かれば次回の排卵日が割り出せます。

計算としては、生理周期の28日から排卵期の14日を引きます。すると28-14=14で、排卵期以外の日数は14日となり、生理開始から14日後に次の排卵日がくると分かります。

排卵が起こる2日前を計算する

次の排卵日が判明したら、妊娠しやすい日も予測できます。受精能力の高い精子が受精可能な卵子と出会うためには、排卵日2日前の性交渉が有効です。つまり、生理が来た日をゼロとして、自分の生理周期から14を引いて出た日数後の2日前が自分の一番妊娠しやすい日にあたります。排卵日の2日前から排卵日翌日までの3~4日間に、数回に渡って性交渉を行うとよいでしょう。

排卵日を知るために基礎体温を測る

妊娠可能なタイミングで性交渉を行うためには、排卵日の予測・計算は欠かせません。基礎体温の計測と記録は、とても重要なことです。女性の体温は、排卵前は低温で、排卵を境に高温になります。排卵は低温期の最後、ガクッと体温の下がる「最低体温日」の前後1?2日の間に起こります。

基礎体温を測って生理周期を把握していくことは、排卵日の予想だけでなく婦人科系トラブルの予防・早期発見にも役立ちます。まだ基礎体温の測定をしていない方は、明日からでも始めることをおすすめします。

婦人用体温計で基礎体温を測る

ここで初心に返って基礎体温の測定方法について確認してみましょう。

基礎体温とは何もせず安静にしている時の体温、つまり生命維持のみに使われる体温です。測定の仕方は、朝目が覚めて体を動かす前に静かに計測します。これを毎日欠かさず記録し、グラフ化して生理周期の把握をします。

小数点以下1桁まではかれる婦人用体温計

基礎体温の測定は、婦人用体温計で行います。婦人用体温計は通常の体温計より細かい小数点以下1桁まで測定することができます。基礎体温は0.3から0.5℃の間で変化するので、細かい数値を測定できる婦人体温計の方が生理周期の把握に向いているのです。

毎朝同じ時間に測るのが正確にするコツ

毎朝の基礎体温の測定条件が同じなら、それだけ正確な記録を得ることができます。難しいことですが、なるべく同じ時間に安静な状態で測定するよう心がけましょう。婦人体温計を舌の裏に入れる時も、なるべく同じ場所に付けるようにすることもポイントです。

オギノ式で妊娠しやすい日を予測する

オギノ式という方法でも妊娠しやすい日を予測することができます。あまり聞きなれない名称ですが、どのような方法なのでしょうか。

妊娠しやすい日を基準に考える簡単な方法

オギノ式とは、大正・昭和の産婦人科学者である荻野久作が発表した学説を元にした方法で、主に避妊法として応用されています。戦後の急激な人口増加による妊娠トラブルの増加に伴い、人工中絶や避妊法が社会に広まる過程でこのオギノ式も普及していきました。

月経予定日から12~19日前の8日間

学説によると、女性の排卵は月経予定日から12~19日前の8日間に起こりやすいとされています。この予想を元に妊娠しやすい日を計算し、避妊や妊活に役立てます。しかしこの方法だと該当期間が8日と長いため排卵日の特定が難しく、他の方法と併用して予測することをおすすめします。

排卵検査薬を使う

排卵検査薬は、個人で気軽に購入ができる上に高い精度で検査ができます。検査時期を誤ると意味がありませんが、大体の生理周期を把握できていて的確な時期に使用すればとても便利な道具です。

排卵時に分泌されるホルモンの濃度で予測

排卵検査薬は妊娠検査薬と同じように、検査キットに尿をかけて使用します。黄体形成ホルモンといって、排卵を促す物質が尿の中にどれだけ混ざっているかで排卵の有無を判断します。生理周期の把握に加え、この検査薬を使用することで、より正確に性交渉のタイミングを知ることができます。

陽性が出て2日後までに排卵が起こる

排卵は検査薬に陽性反応が出てから48時間以内に起こるといわれています。一番妊娠しやすい時期は排卵の2、3日前ですので、ちょうど陽性反応が出てすぐのタイミングで性交渉をすれば、妊娠する可能性が高いです。

福さん式で妊娠しやすい日を予測する

福さん式とは、元助産師の福さんという方がHPで公開している方法です。ユニークなのは、基礎体温での排卵予測に重きを置かず、自分で内診をしたりおりものの観察をして排卵のタイミングを自覚する点です。

おりものや子宮口の状態から予測する

公開されている方法は子宮口を自分で触診するというもので手軽とはいえません。しかし、自分でおりものや子宮口の位置を観察するので、毎日こまめな確認ができるのと同時に、自身の体への理解が深まります。

子宮口を自分で内診する方法

福さん式での内診ので注意することは、感染症の危険性です。内診の際には菌が膣に入らないよう清潔な状態で臨みましょう。では、実際に内診の手順をみてみましょう。

1. 石鹸で手を洗い清潔にする。腟を傷つけないよう爪も切っておく。
2. 椅子に座り足を肩幅に広げる。
3. 腟の壁に沿いながら指を挿入。
4. 腟の奥に突き当たったら指先で盛り上がっているところを探す。盛り上がっている場所の先が子宮口。
5. 子宮口の状態を確認する。指を入れてから子宮までの距離やその硬さ、開き具合に注意。
6. 指を丸めるようにして子宮口周りのおりものを拭い取り、指を腟から抜いて粘りや色などを確認する。

初めての方は緊張してしまいますが、スムーズに触診ができるようなるべくリラックスして始めてください。福さん式の確認法をしてみてもなかなか成果が出ない、または変化を感じない場合は無排卵月経などの可能性があるので病院に受診しましょう。

排卵期の子宮口とおりものの状態

触診を続けていると排卵前の子宮口に変化が起こっていることを自覚できるそうです。排卵前は子宮口が下がってくるため、いつもより簡単に指が届きます。その状態もゆるく開いていて、耳たぶくらいの柔らかさになっているそうです。

おりものの量も増え、糸を引くくらいの粘りが出てきます。例えると「卵の白身のような、そこに、少し、ヨーグルトと牛乳を混ぜたような、糸を引くゼリーのよう」だそうです。なぜこのようなおりものになるのかというと、この時期は卵子が受精できるよう、精子を子宮まで招き入れる必要があるからです。

ルナルナの仲良し日で妊娠しやすい日を計算

最近はさまざまな妊活アプリが開発されており、好きなものを気軽にインストールできるようになっています。その中でも「ルナルナ」はかなり有名なアプリなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

妊娠しやすい日を予測できる人気アプリ

ルナルナは、生理周期を割り出してくれるとても便利なアプリです。操作も簡単で、ユーザー登録をした後は、基礎体温と生理日を入力するのみで、次の生理の予想や現在の生理周期を教えてくれます。このアプリ一つで妊活も避妊もできてしまいますが、基礎体温の入力は不可欠なのでこれだけは忘れずに毎日測定しましょう。

多数妊娠された口コミあり

インターネットの掲示板や口コミをみると、ルナルナを使用してから赤ちゃんを授かったという報告が多数みられます。生理周期に個人差がありルナルナを使用したからといって確実に妊娠できるというわけではありませんが、誰でも使えて妊娠しやすい日を簡単に割り出してくれるルナルナも、使ってみる価値はありそうです。

妊娠しやすい日の体温グラフを知る

実は基礎体温は排卵日と妊娠しやすい日が分かるだけではないのです。ここでは、基礎体温から分かるその他の健康状態をみてみましょう。

基礎体温をグラフ化してわかること

基礎体温を計測したら、そのままにせず表に記録してグラフにしてみましょう。グラフ化することでいろいろなことがみえてくるはずです。

排卵日や妊娠しやすい日がわかりやすい

基礎体温をグラフにしてみることで、排卵の状況がより分かりやすくなります。排卵は低温期の最後、最低体温日の1~2日前後に起こります。妊娠しやすいのは排卵の約2日前なので、この日を把握できればおのずと性交渉するタイミングも分かります。

生理周期が28日の人を例にとると、排卵は体温が最も低い「最低体温日」の前後に起こり、月経が始まった日から数えて14日後が目安になります。さらに妊娠しやすい日はその約2日前で、その後は高温期が14日続いて次の月経がきます。

ホルモンバランスの状態がわかる

女性の体は卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という二つの女性ホルモンの影響を受け、およそひと月の間に4つのパターンで変化しています。そして、その4つのパターンはそれぞれ心身の状態にさまざまな変化をもたらします。基礎体温の記録と合わせて観察することで、自分が今どの時期なのか、ホルモンは正常に働いているか等を把握しやすくなります。

月経期

生理の時期で3?7日程度続きます。この時期は寿命を迎えた卵子と胎盤を排出している時なので妊娠の可能性は低く、体温も低温です。育てる卵子が無いのでホルモンの分泌は減少します。

卵胞期

月経でリセットされた子宮が次の妊娠に向けて準備を始めます。この時期になると卵胞は卵胞ホルモンを分泌し、約7日間かけて卵細胞を育てます。基礎体温は低いままですが、この時期は血行もよくなり心身ともに一番調子よく過ごすことができます。

排卵期

排卵期は5日間程度で成長した卵子が、いよいよ排卵を迎える時期です。排卵の後には低かった体温が高温に切り替わり、妊娠に不可欠な黄体ホルモンが分泌されます。4期の中でこの時期は妊娠可能な唯一の期間です。心身の状態は少しずつ体調が崩れ、情緒も不安定になりがちです。

黄体期

排卵から次の月経までの約10日間で、妊娠に備えて基礎体温は高くなります。排卵後から分泌されている黄体ホルモンの働きで、子宮内膜は妊娠に適した、厚みのあるフカフカな状態になります。

ただこの時期は体がむくみやすく、相変わらず情緒も不安定です。誰かに当たりたくもなりますが、グッと我慢して、ゆったりとした気持ちでやり過ごしましょう。

二相に分かれる基礎体温を知る

基礎体温のグラフは、低温期と高温期できれいに二相に分かれている状態が理想です。基礎体温の見方を知っていれば、この状態からさまざまなことを読み取ることができます。

基礎体温は36.5℃を基準にみる

理想的な基礎体温のグラフをみると、大体36.5℃を基準にして低温期と高温期に分かれるパターンが多いようです。そして基礎体温が36.5℃以上を示す高温期が二週間以上続くと、妊娠の可能性があるということになります。

平熱が36.5℃に至らない女性も大勢いらっしゃるかと思いますが、妊娠しやすい体になるため体温を36.5℃に上げることを目標にしてもよいかもしれませんね。

低温期と高温期

基礎体温は、健康な状態で36.5℃より体温が低い低温期と、基準より高い高温期の二相に分かれます。低温期と高温期を、36.5℃を基準に0.3?0.5℃の間で行ったり来たりすることが理想です。

平均的なグラフにならない場合の可能性

基礎体温が二相に分かれずガタガタだったり直線的だったりと、おかしなグラフになってしまうことがあります。そのような場合、心身のどこかに異常があるのかもしれません。

基礎体温が二相に分かれない場合

基礎体温のグラフがガタガタしたものになってしまう時は、ストレスなどで女性ホルモン分泌が正常に分泌されていない可能性があります。

また、ガタガタでも低温期と高温期があり生理周期があるのなら心配ありません。排卵日の特定ができれば妊娠も可能です。また、正確に体温測定ができていない可能性がありますので、落ち着いて長期に渡って記録をつけてみてください。

グラフが一直線に近い場合

体温に変化がなく、一直線に近いグラフになってしまう場合があります。これは、排卵自体が行われていない可能性があり注意が必要です。排卵が行われないことで黄体ホルモンが分泌されず、体温が上がらない可能性があります。生活習慣を改めても続く場合は病院に受診をしてください。

妊娠しやすい体づくりを心がけよう

妊娠しやすい体とは、ホルモンがしっかり分泌され、基礎体温が安定し、質のいい卵子を排出できるよう栄養が整った状態ではないでしょうか。

食生活や生活習慣を見直し健康な体をめざす

まずは、食生活や生活習慣を見直していきます。どのようなことに気を付けるとよいのか、確認していきましょう。

赤ちゃんをむかえる体を用意する

スムーズな妊娠に必要なものは、体を温かく保つことと、各生殖器官が正しく作用することです。血行がよく女性ホルモンがしっかりと分泌される体を目指しながら、不妊に繋がる要素を遠ざけるようにしましょう。

まず初歩的なことですが、妊娠を望む女性にとって喫煙はNGです。ニコチンは卵子の質を低下させ健康にもよくありません。現在喫煙している人は、それだけで妊娠の機会を先送りにさせています。出来るだけ早いうちに禁煙生活に改めましょう。

次に、体の保温に努めましょう。何故なら、体を冷やすと卵巣や子宮の機能が低下してしまうからです。冷えでホルモンバランスが乱れれば排卵や着床に影響が出て、しまいには不妊を招きかねません。適度な運動をして代謝をあげ、体を冷やさないようにしましょう。

ストレスや不眠なども不妊の原因に

妊活中は緊張したり落ち込んだりとストレスを感じてしまいがちです。ですが、赤ちゃんが欲しいと悩みすぎると妊娠に悪い影響を与えてしまいます。妊娠に必要不可欠な卵胞ホルモンと黄体ホルモンは、脳の視床下部と下垂体からの命令で分泌されます。この部分はストレスの影響を受けやすく、強いストレスを抱えることでホルモン分泌の妨げになってしまうのです。

不妊で悩んでいる女性にはとても難しいことですが、なるべく別のことを考えたり楽しいことをしてみたりして、ネガティブにならないように工夫しましょう。

妊娠をかなえる健康な卵子と精子

受精が成立し健康な胎児に育つために、健康な卵子と精子は欠かせません。ここでは卵子と精子の栄養について学びましょう。

卵子の老化が不妊の原因にもなる

最近は女性の社会進出や自由恋愛が進み、それに伴い晩婚も珍しくなくなりました。しかし、残念なことに卵子は母体の加齢と共に老化し、それが不妊の原因になることがあるのです。

卵子は女性が生まれた時には既に製造が完了しており、約200万個の原始卵胞が卵巣内に保管されています。最初は豊富にあった卵細胞ですが、年月と共に減少していき月経がスタートする頃には既に180万個が失われてしまいます。その後も加齢とともにさらに減少スピードが早まりますが、それと同時に染色体の以上率も上がっていきます。

抗酸化作用のある食べ物で老化予防

卵子の老化はアーモンドなどのナッツ類、カボチャやホウレン草などの緑黄色野菜を摂ることで防ぐことができます。これらの食品には卵子の老化防止に有効な抗酸化作用を持つビタミンEが豊富に含まれているからで、他にも梅やマンゴーなどの果物も抗酸化作用が強く積極的に取り入れたいものです。

ウナギは抗酸化作用があるだけでなく、精子を活発にする亜鉛も含まれているので夫婦で一緒に摂取することをおすすめします。そしてこれらを調理する際には、動物性ではなく植物性のものを使用するよう心掛けましょう。

妊娠しやすい日を知り不妊症に対処しよう

自身の生理周期を把握し妊娠しやすい日を知ることで、不妊症の治療に役立てることができます。

妊娠しやすい日の性交で妊娠しない場合

妊娠しやすい日を選んで性交渉を重ねても、妊娠しない状態が6カ月?12カ月以上続く場合は不妊の可能性があります。早急になんらかの対処をしましょう。

パートナーと婦人科へ行く

不妊といっても原因はさまざまです。染色体に異常がある場合もありますし、精子に原因があるという場合もあります。パートナーと一緒に病院を訪れ、その際には基礎体温の記録を持っていくと治療がスムーズです。

近年になり精子や卵子の質の低下が顕著に

最近は、晩婚の他にも食生活の乱れやストレスに影響されて男女ともに精子や卵子の質の低下が増えてきているといわれています。これらの問題にきちんと対応し改善することでも、妊娠の可能性を上げることができます。

妊娠しやすい日にとらわれすぎないように

ここまで妊娠しやすい日の予測や性交渉をすすめてきましたが、逆に「妊娠しやすい日」だけをうのみにするのもよくないこともあります。

考えすぎて疲れてしまったときは気分転換

妊娠を強く願う夫婦ほど、排卵日前の性交渉に力を入れていることかと思います。頑張ったのに妊娠に至らなかった時には、気持ちの落ち込みも大きいことでしょう。しかし、いくら排卵日を予測してもその月の健康状態などによってそのタイミングがずれるといったことはいくらでもあります。ストレスが溜まった時には、敢えて別の日に性交渉をするなどして、気分転換をしてみてください。

流れに任せると妊娠したという声も

妊活をやめて自由にしていたら呆気なく妊娠したという話をよく聞きます。今まで散々排卵日の重要性について解説してきて矛盾してしまいますが、普通はあり得ない生理直後の排卵で妊娠発覚ということもあります。生理周期のズレはよくあることなので、敢えて予測を外して自然に任せた方がよい場合もあります。

妊娠しやすい日からみる日本の不妊症の悩み

実は日本の不妊率は、他の国々より高い水準なのです。一体何故なのでしょうか。

平均不妊症率16%は世界的にみても高い

地域や文化、時代によって差があるので正確な結果はわかりませんが、世界の不妊症率は平均9%になるそうです。それに対して日本の不妊症率は16%とかなり高いようです。

妊娠しやすい日と不妊症の早めの対応がカギ

不妊症率を抑えるには妊娠しやすい日の把握や、不妊症の疑いがある場合は早めに対応することが大切です。個人での努力の他に、社会での対応も重要な課題でしょう。海外ではどのような不妊症対策が行われているのでしょうか。

晩婚化が進んでいるアメリカでは、35歳以上の女性は不妊期間半年で検査を受けるようにすすめているそうです。フランスでは人工授精が自己負担なく受けることができたり、スペインでは不妊治療が保険対象であったりもします。

女性社会進出による晩婚化も影響

高い不妊率の原因は、やはり晩婚化が関係するようです。最近は女性もバリバリと仕事をこなし、結婚は後回しにしているという方も大勢います。女性の社会進出は喜ばしいことですが、問題は30歳を過ぎ妊活を始めるまでの間に、不妊について真剣に考える女性が少ないことです。

不妊の原因は卵子の老化によるものが大きいのですが、そのことの教育を受ける機会もなく認知度が低いため、妊娠適齢期を逃してから後悔する女性が増えるのです。

不妊の原因を知る

正しく不妊症と向き合うためには、その原因を知らなければなりません。卵子と精子の老化やその他の原因についてみていきましょう。

卵子や精子の質が重要になる

妊娠適齢期である20代では不妊症率は6%でしたが、40代になるとなんと64%に至ります。卵子の減少はもちろんですが、卵子や精子の質が落ちて生殖能力が弱くなってしまうことが要因に挙げられます。この年代になると、卵子の老化や精子の質の低下にいかに対処するかが重要になってきます。

実年齢に関わらず老化する精子と卵子

不妊の原因は、約半分は原因不明とされていますが、原因が分かっているものだと卵子の老化が一番多い要因だそうです。次いで、精子の質が原因であることが多く、女性だけでなく男性も注意が必要です。特に現代はファストフード人気や肉食傾向の高まりで起こっている食生活の乱れが不妊症の原因となっている可能性もあります。

妊娠しやすい日の確率をあげる重要なこと

赤ちゃんを授かるには、妊娠しやすい日を知るだけではまだ不十分です。妊娠率を上げるため心と体をしっかりメンテナンスしてから性交渉に臨みましょう。

大切なのは健康な体

妊娠を成功に導くためには、まず体を妊娠できる状態に引き上げることが大切です。

ホルモンバランスを正常に保つ

ホルモンバランスはストレスや生活習慣の影響を受けやすいですが、逆をいえばそれらを少し改善するだけで有効な効果を得られるということです。普段から少し早く寝る、足りていない栄養を少し多めに摂る、この点に気をつけるだけで現状よりはよい方向に向かうことでしょう。

体内環境を整える

ホルモンバランスを整えたら、体内の環境も整えましょう。妊活では体の保温も大切です。冷えはホルモンの分泌を妨げ、排卵や受精の妨害になります。それどころか流産も引き起こす可能性があります。自分は今赤ちゃんを迎える体を作っているのだという認識を持ち、体を冷やさないようにしましょう。

まず簡単に出来ることとして、靴下を履いたり、腹巻きをして冷えやすい箇所や子宮周りを体の外から温めましょう。次に、根菜類などの食品を積極的に摂り、逆にコーヒーなど体を冷やす食品を減らして体の内側を温めるようにしましょう。

ストレスをひとりでかかえこまないこと

ホルモンバランスと体温を整えたら、次は心のメンテナンスも行ってリラックスしましょう。

パートナーと二人三脚

授からない日々が続くと女性は特に悩んでしまいますが、一人で抱え込むことでストレスの原因になってしまいます。そうすると自律神経が崩れたり女性ホルモンの分泌が狂ってしまい、さらに妊娠しにくくなってしまいます。

妊活は一人でするものではありません。あなたの隣にはパートナーがいることを忘れないでください。妊娠するしないは置いておいて、あなたの不安や悩みを共有してくれるパートナーがいること、その人と二人三脚で妊活に取り組めたとしたら、それはとても幸せなことではないでしょうか。

早めの受診で時間の節約と確率アップを

妊活を始めた健康な夫婦の8~9割が一年以内に妊娠していますが、最近は晩婚化の影響で高齢で不妊に悩む夫婦が急増しています。貴重な時間を少しも無駄にしないために、思い立ったら早めに受診することが解決への道になります。

妊娠しやすい日を知り不妊への対処も前向きに

基礎体温のグラフから、妊娠しやすい日や体の状態など、さまざまな情報が分かります。食生活や生活リズムなどを見直しながら、不妊に悩む人もこれらの知識を活かし、有意義な妊活ライフを過ごしてください。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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