2018.08.08

「受精後に感じる腹痛」一般的な症状かそれとも危険なサインか?

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生理痛と勘違いしやすい妊娠初期の腹痛や、一般的に多くみられる症状について、さまざまな視点から原因を考え解説していきます。痛みや変化の原因を理解し、流産の兆候と区別がつくことで、安心してマタニティライフを過ごしていきましょう。

生理痛とは異なる妊娠初期の腹痛を理解する

受精後など妊娠初期には、急ピッチで身体が育成に備えて変化していくため、身体のさまざまな変化からくる痛みに悩む人が多いようです。その痛みは、女性ホルモンの働きによるものも多いため、生理前・生理中の痛みと似ているため、見分けがつきにくく不安になることもあるでしょう。

今回は、受精後に腹痛が起きる理由や腹痛以外の症状に関しても、確認していきたいと思います。さっそく、その痛みの原因を詳しく見ていきましょう。

妊娠初期の腹痛は流産の兆候に限らない

妊娠初期の腹痛は、流産のサインの一つでもあるため、この時期の腹痛には不安を感じる人は多いようです。受精卵がうまく育たずに、流れやすい時期でもあるため、流産時の痛みとの違いを知っておかなければ、メンタル的にも不安定なほうに向かいやすくなります。

妊娠初期の腹痛は、一般的な症状として見られるものです。個人差は大きいですが、着床時に腹痛を感じたり、子宮が育成に備えて大きく変化したりするときに、痛みを感じることが多いです。流産の兆候の場合、いつもの鈍痛とは違い、痛烈な痛みに変わります。立っていられないほどの、ギューッと激しい痛みが続くため、病院に急ぐ必要があります。

受精後に腹痛が起こる原因

受精後の腹痛は、敏感に感じる人もいれば、あまり感じずに妊娠に気づかない人もいるようです。

ホルモンの分泌や働きの変化

妊娠超初期は、着床時から受精卵の細胞分裂が始まるため、妊娠を維持しようとして黄体ホルモンのプロゲステロンが活発になり、ホルモンバランスの急激な変化が見られます。

生理前の黄体期のように、だるさや腹痛を感じるのは、妊娠したことによって女性ホルモンのプロゲステロンが優位になり、分泌し続けているからだといわれています。

子宮と子宮周りの筋肉収縮で起こる

子宮は多くの筋肉からできているため、妊娠初期には胎芽を育てられるように、子宮周辺の筋肉が収縮を繰り返して、子宮を大きくしていきます。そのため、子宮あたりにチクッとした痛みを感じたり、お腹が張ったような違和感を覚える人もいます。

個人差が大きいこともあり、まったく症状がない人もいますが、生理痛のような鈍痛を感じる人が多いです。ほかには、筋肉がキュッと収縮した際に、子宮のあたりがムズムズしたり、下腹部が引っ張られているような感覚になったりすることもあるようです。

横になったり、座って安静にしたりして、1時間くらいで収まれば、筋肉の収縮としてみなしてよいです。それ以上続くときには、ほかの原因の可能性が高くなります。

ホルモンの影響で胃腸の動きが弱くなる

妊娠すると、女性ホルモンのプロゲステロンなどのホルモンの分泌が盛んになり、ホルモンバランスが崩れやすくなります。ホルモンのバランスが大きく変化すると、代謝が悪くなり腸の動きが低下したり、身体が冷えやすくなったりするため、下痢や便秘になりやすくなってしまいます。

この場合は胃腸が弱っているため、胃腸に負担がかからない食事にする必要があります。栄養バランスを考えつつ、おかゆやにゅうめん、お味噌汁、ヨーグルトなど、消化のよいものを積極的に摂っていきましょう。

受精卵が着床したときにも痛みが生じる場合がある

受精卵が着床した際に、出血や痛みを感じることがあります。この痛みは「着床痛」と言われ、一般的な妊娠初期の症状で見られます。着床した瞬間に痛みを感じたり、内膜が傷ついて出血するなどが見られます。しかし、医学的な根拠は解明されておらず、詳しくは分かっていないことも多いようです。

痛みには個人差があり、少し痛みや違和感を感じる程度の人もいれば、1日中痛んだり、立っていられずに寝込む人もいます。子宮がチクチクと痛んだり、恥骨や股関節あたりに違和感を感じるなど、生理が来る際の痛みに似ていることもあり、生理だと勘違いすることも多く、妊娠と見分けるのが難しいようです。

妊娠初期の腹痛以外の症状

腹痛以外の妊娠初期に起きやすい症状を見ていきましょう。ホルモンによる作用も多いですが、中には危険を知らせるサインもあります。

乳房の張りや吐き気を伴う倦怠感

妊娠初期には、自分ではコントロールしにくい倦怠感を感じることがほどんどです。身体がだるかったり、無気力になったり、強い眠気に襲われたりなどさまざまです。生理前に感じる乳房の張りよりも、痛みを強く感じるのは、妊娠時のほうがプロゲステロンの分泌量が増えるため。血管の拡張や乳腺の発達が、大きくなるからです。

また、この時期は匂いに敏感になりやすく、匂いに反応して吐き気を伴うことも多いです。この倦怠感は、受精卵が着床したときから始まるとされています。妊娠検査薬で検査しても、妊娠の反応が出にくいことや、生理痛や排卵痛に似ているため、妊娠とは気づきにくいようです。

おりものが変化する

着床後は、ホルモンが分泌され続けるため、エストロゲンの作用によって、水っぽいおりものの量が増えやすくなります。なかには、量が減るケースもあり、その場合はホルモンのバランスが崩れていたり、正常に分泌されていないこともありうるため、ほかに思い当たる要因とともに医師に相談してください。

また、通常は白っぽかったり、クリーム色のようなおりものがでますが、着床出血や不正出血と混じり、赤茶っぽいおりものが出ることもあります。着床出血の場合は、妊娠のサインと捉えてよいですが、長く続く場合は、子宮外妊娠の可能性もあるため注意しましょう。

さらに、血のようなおりものが出たら異常のサインです。切迫流産や子宮筋腫などの病気の恐れもあるため、すぐに受診するようにしてください。

股関節や下腹部に違和感

妊娠によって、子宮が大きくなったことで、周辺の臓器や骨が圧迫されてしまいます。負荷がかかり続けることで、腹痛が起きるケースも多くあります。

また、足の付け根や股関節の痛みも、妊娠初期に多く見られる症状です。子宮を支えている靭帯が、子宮が大きくなるにつれて伸びることで張ったようになり、付け根の痛みにつながります。

さらに、ホルモンのリラキシンが出産に備え、恥骨の結合を緩ませて産道をつくる働きをします。その緩みを補おうと、関節周りの筋肉が硬くなって、付け根や股関節が痛くなりやすい傾向にあるのです。

痛みが強くなったり痛みの変化を感じたら受診する

痛みが強くなったら我慢せずに、すぐに受診することを心がけましょう。

流産の兆候が潜んでいることがある

流産の場合は、筋肉の収縮時やホルモンの影響時とは違い、明らかに鋭い痛みに変わります。強い締めつけ感や、下腹部がズキズキしたら流産の可能性も高くなります。

気をつけたいほかの兆候としては、出血、基礎体温の低下、妊娠初期特有の症状が消えるなどです。妊娠継続の可能性を高めるには、異変に気づいたら、早めの対応が最も重要になるため、すぐにかかりつけの病院で見てもらいましょう。

子宮外妊娠の兆候の可能性がある

子宮外妊娠とは、子宮以外の場所に着床してしまう妊娠です。そのほとんどが卵管で見られ、妊娠の継続ができない状態にあります。気づくのが遅くなると、成長した受精卵によって卵管が破裂し、大量出血によって最悪の場合は、命を落とす危険性のあるものです。

子宮外妊娠を経験した人の多くが、腹痛や不正出血を自覚しています。そのため、出血を伴う腹痛があれば、産婦人科で受診を急ぎましょう。

妊娠初期の腹痛についての知識で不安を軽減する

妊娠初期は、身体が大きく変化する時期です。そのため、お腹や腰に負担にならないように、無理をせずにお腹周りを温めたりリラックスしたりして、ストレスを減らすことが一番です。

そのために、妊娠初期の特有の症状の知識を身につけておくことで、突然の痛みにも冷静に対応していけるかもしれません。また、どんな痛みだったか、どれくらいの頻度でいつまで続いたかなども把握し、心配のない痛みかどうかを判断していきましょう。不安な場合は医師に相談して、心配の種を取り除いていきましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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