2018.08.08

射精のメカニズムとは?からだの仕組みから理解し、妊活に役立てよう

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妊活中は、妊娠の基礎についても知っておきたいもの。月経や卵子だけでなく、射精や精子についても重要です。男性の体の仕組みを知ることで、妊活をスムーズに送ることができるかもしれません。射精やそのメカニズム、精子についてを見ていきましょう。

妊娠は女性の力のみではできません

妊娠できる確率について考えたことはあるでしょうか。健康な男女がタイミングを合わせて性行為をした場合、おおよそ25~30%が妊娠できるそうです。意外と低いように感じる方もいるかもしれませんが、この数字は年齢や健康状態などにより低下します。子どもを授かるのは、奇跡の重なりであり生命の神秘ということでしょう。

妊娠するためには、女性と男性の双方の協力が必要。女性の体にある卵子と、男性から放たれる精子が出会うことで、妊娠の始まりとなります。パートナーである男性の体の仕組みについて知ることで、妊活がスムーズにいくかもしれません。

男性の生殖器の構造

卵子と精子が出会い、新しい命を作り出す機能を「生殖」といい、この生殖に関わる器官を「生殖器」と呼びます。男性の生殖器は、体の外にある外生殖器、体の内側にある内生殖器に分かれます。

まずは、男性の生殖器について見ていきましょう。

精子をつくる陰嚢

陰嚢は袋状になっており、体の中央から両足の間にぶら下がっており、陰嚢の中には、精巣(睾丸)が入っています。精巣は左右1対あり、卵型をした器官です。精子をつくったり、男性ホルモンの分泌を行います。

とても重要な器官であるのに、なぜ体の外にぶら下がっているのかというと、精子を作るのに適した温度にするためです。精子を作るのに適した温度は、32度前後といわれており、このために陰嚢は体の外にぶら下がっているということでしょう。

精子を配送する陰茎

陰茎は、精子を女性の生殖器官に届ける器官です。陰茎の中には海綿体があります。海綿体の中には細かい血管がたくさんあり、性的な興奮で海綿体が血液で満たされることにより、陰茎が勃起します。

また陰茎の先端は亀頭といい、女性のクリトリスに当たるそうです。

精子の構造

精子の構造は、頭部、中部、尾部の3つに分けられます。形はおたまじゃくしに似ているそうです。この精子が卵子と出会うことで、妊娠することができます。

遺伝子を含む精子

精子は、精粗細胞とよばれる細胞が分裂を繰り返し、成熟することにより作られます。精粗細胞から精子へ成熟するまでの期間は、おおよそ70日程度かかるといわれています。

人間の精子は1日におおよそ5,000万~1億個作られているそうです。また、1回の射精で放出される精子は、1~4億個にもなり、精巣でつくられた精子は、射精により体外へ放たれます。

女性の場合、卵子の数は年齢と共に減っていきます。一方で、精子は毎日新しく作られるそうです。精子の寿命は3~5日といわれていますが、射精することなく古くなった精子は体内に吸収されます。妊活中は、より新しい精子がよいとされているため、2~3日に1回は射精するといいそうです。

遺伝情報のDNAを含む核が頭部

精子の頭部の大きさはおおよそ0.005mmと非常に小さく、からだの中で最も小さな細胞です。子供に大きな影響を与える遺伝子を含みます。また、頭部には酵素を抱えているそうです。この酵素は卵子の膜を破り、中に侵入するときに必要となります。

ミトコンドリアが詰まっているのが中部

精子の運動には、エネルギーを作り出すミトコンドリアが必要です。そのため、らせん状にミトコンドリアが取り巻いています。精嚢から分泌される精液の糖分を吸収することでエネルギーを作り出し、尾部の鞭毛に与えるそうです。

実際の運動役割が尾部

細長い糸のような形状をしており、鞭毛とよばれます。この部分が尻尾のように巧みに動くことにより、前へ進み泳ぐことができます。このように精子に運動機能があることにより、射精後に卵子の元へたどり着けるということでしょう。

このような精子の運動機能は、加齢により低下するそうです。また、アルコールや喫煙、ストレスなどの生活習慣によっても、精子の質は変化するといわれています。健康的な生活習慣により、精子の質を高めることができるかもしれません。

勃起して射精する

卵子と精子が出会うためには、男女2人の協力が必要です。膣内に性器を挿入するためには、男性が勃起する必要があります。

少し恥ずかしい部分もありますが、どのように勃起に至るのかを見ていきましょう。

陰茎が硬くなる勃起

勃起は、性的な興奮が高まったときに起こります。この興奮は、感覚的な刺激だけでなく、精神的な刺激でも起こるそうです。このとき、陰茎の海綿体には多量の血液が流れ込み、海綿体は血液で満たされます。陰茎が大きくなるということでしょう。

また、海綿体の周りには白膜という固い膜があり、血液の圧力により硬くなります。男性は勃起した状態で、はじめて射精に至ることができるそうです。

精子と精のうの分泌液が混ざって出来る精液

精液とは、精巣で作った精子が、精のうの分泌液と混ざったものです。精液の役割は、精子の運動をしやすくすることといわれています。精液の中には、精子の運動に必要な栄養分が含まれているそうです。また、女性の膣内は酸性であるため、酸性を中和し、精子が運動しやすい環境に整える役割もあります。

外尿道括約筋がゆるむことで射精する

性的な刺激により、まず精巣上体が収縮します。これにより精子が放出されるのです。放出された精子は精管を通り、射精管、尿道を通って体外へ放出されます。

射精管から射精に至るまでには、2つの神経が関係するそうです。1つは交感神経であり、これは精管の中の分厚い平滑筋を支配しています。交感神経の働きにより平滑筋が収縮することで、精子は尿道へ押し出されます。

尿道から体外へ放出されるまでには、体性運動神経が関係しており、脊髄反射が関係しています。男性の尿道は、尿も精子も通過する場所ですが、これらが同時に通過することはありません。

精子が尿管を通るときには、膀胱の括約筋が収縮するため尿が通ることはできず、精子も膀胱へ逆流しません。精子は、出口である外尿道括約筋がゆるむことで、射精に至るということです。

精液の量は二日間に射精したかどうかで決まる

一度に射精される精液の量は、おおよそ2~5mlだそうです。この精液1mlの中にはおおよそ1億個の精子が含まれているといわれています。たったひとつの卵子を目がけ、非常にたくさんの精子が競争するということでしょう。卵子と出会い受精できるのは、通常たった1つの精子のみです。

このように、男性のからだのなかではさまざまなことが起こりますが、どれも妊娠のために必要なことといえるでしょう。妊娠は奇跡の重なりなのかもしれません。

パートナーのことを知ることも大切です

女性にとっては、男性の体は未知な世界ではありますが、妊娠には卵子だけでなく精子も不可欠です。お互いのパートナーの体の仕組みを知り、共に体調管理を行うことで、妊活をより充実したものにできます。

妊活は1人でするものではありません。パートナーがあってこそできることです。なかなか妊娠できないと不安になることも多いですが、心おおらかに持ちながら、「待望の赤ちゃん」というように、授かるのを待ち望んでみましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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