2018.08.08

受精すると基礎体温はどうなるか。妊活の基礎知識をおさらいしよう

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計画的に妊娠するには基礎体温を測りますが、なぜなのでしょうか。基礎体温は妊娠しやすいタイミングを知るだけではなく、私たちの体の変化を教えてくれる重要なサインです。基礎体温の重要性を理解して、本格的に赤ちゃんをお迎えする準備を始めましょう。

基礎体温と妊娠は切っても切れない関係

妊娠をしたい女性に欠かせないのが、基礎体温を測る習慣です。基礎体温は繊細な女性の体の調子を事細かに教えてくれます。慣れるまでは多少面倒に感じることもあるかもしれませんが、それ以上のメリットがたくさんです。赤ちゃんが欲しいならぜひこの機会に始めてみましょう。

受精するのに基礎体温は重要な目安

赤ちゃんがどれだけ欲しくても、そう簡単には授からないもの。でも安心して下さい。基礎体温を通して体はちゃんと「この日がチャンスだよ」と教えてくれています。

基礎体温で身体のリズムがわかる

女性の体は生理周期に合わせて微妙に体温が変化しています。これは、都度分泌されるホルモンの作用です。この体温の移り変わりを観察することで、自分の生理周期や妊娠しやすい時期、ホルモンバランスを把握することができるのです。

基礎体温とは安静にした状態での体温のこと。毎日同じ状態で、同じ時間に、朝目覚めたら体を起こさずにすぐに体温を計測します。基礎体温が上下するといっても、その差は0.3?0.5度ほどです。普通の体温計ではこの微妙な移り変わりを測定することが難しいため、小数点第2桁まで測定できる専用の婦人用体温計を使います。

そして計測した基礎体温は毎日記入し、折れ線グラフにしていきます。生理開始から次の生理が始まるまでを1周期と考え、約3?6周ほど記入していくと、徐々に自分の周期が把握できるはずでです。寝ぼけた頭で紙にいちいち記入するのが辛いという方には、測定するだけで体温を記憶してくれる体温計もあります。また、スマホに記録していくと自動でグラフが完成し、妊娠しやすい日を割り出してくれる便利なアプリもあります。ぜひこちらも合わせて使っていきましょう。

一カ月単位での体内サイクルを確認する

グラフをつけていくと、生理開始から次の生理までに「低温期」と「高温期」の二層があることがわかります。具体的な周期としては、生理開始から12~14日に低温期が続き、低温期から1~2日後に12~14日の高温期に突入し、再度低温期を迎えると生理がきます。

もし、きれいな二層のグラフができれば、ホルモンバランスは正常といえるでしょう。もし上がったり下がったりのガタガタなグラフになってしまう場合や、低温期が長すぎる、短すぎるなどの場合は、ホルモンバランスに問題がある、または正しい検温ができていない可能性があります。

排卵の異常を知る

もし正しく計測しているにも関わらず、グラフが正常でない場合はやはりホルモン異常があると思われます。どのような形のグラフになったかで、どのホルモンバランスに問題があるかという傾向をつかむことも可能です。例えば次のような場合です。

  • グラフの波動が激しい場合は、ストレスや不規則な生活から自律神経が不安定になっている可能性
  • 低温期が長く高温期が短い場合は、黄体ホルモンの分泌が滞っている可能性
  • 体温上昇が遅い場合は、黄体機能不全や排卵障害の可能性

ホルモンが正しく分泌されていなければ、どれだけ性交を重ねても、排卵できていない、または受精して子宮に着床しづらくなるなど妊娠に至らない場合もありえます。ですが、原因がわかれば対策も立てやすくなるので無闇に悩む必要もありません。

受精前後の基礎体温の変化

普段はきれいな二層になる基礎体温ですが、受精した後はどのような変化があるのでしょうか。また、肝心の妊娠しやすいタイミングとはどの辺りなのでしょうか。

受精しやすいタイミングは排卵日前

低温期から高温期に変わる前に、ガクッと体温が下がる「最低体温日」があると思います。以前は、最低体温日が排卵日だといわれていましたが、最近になってこの最低体温日の前日から高温期になる約4日間が排卵期だという説が主流になってきています。

ただし、最低体温日に下がる体温は個人差があり、具体的に何度下がるかまではわかりません。また、中には最低体温日がないという月もあるでしょう。ですが数カ月基礎体温グラフを付け続けることで、ある程度傾向を掴み、予測をしやすくすることが可能です。あくまでも基礎体温でわかるのは「排卵期」であり「排卵日」をピンポイントで判別できるわけではない点も抑えておきましょう。

着床時に基礎体温が下がる

無事に卵子に受精すると、排卵から約2週間で着床が完了します。これは排卵~着床まで1週間前後、着床開始~完了まで5日ほどかかるためです。通常、排卵後から生理が始まるまでは高温期が続くのですが、妊娠すると一時的に基礎体温が低下する現象が起こることがあります。これを「インプランテーションディップ」といいます。

インプランテーションディップがいつ頃起こるのかは個人差がありますが、高温期の7~10日頃に起きることが多いようです。また、着床時に必ずインプランテーションディップが起こるとは限りません。ですので高温期の途中で基礎体温が下がっても「生理が来るのか」と落ち込むのはまだ早いかもしれません。

妊娠初期は高温期が続く

インプランテーションディップ時に一旦基礎体温が下がりますが、妊娠していればその後も高温期が続くのが特徴です。生理予定日を1週間過ぎても生理が来ず、高温期が続くようなら妊娠検査薬でセルフチェックをしてみましょう。もし陽性反応が出た場合は、なるべく早く産婦人科を受診します。

その後基礎体温を計り続けていると、妊娠8~15週目くらいで体温が通常時に戻りますが、その頃には生理が数回来ていないはず。早い方は微熱や倦怠感、吐き気などのつわりの兆候がみられることもあるでしょう。

妊娠後基礎体温が低下した場合

もし妊娠が発覚した後に基礎体温が低下すると、「もしかして流産かも」と心配になるかもしれません。ですが必ず流産になる訳ではないので慌てなくても大丈夫。妊娠初期はホルモンバランスの乱れからも些細なことで不安になってしまいがちです。

ちょっとした体調の変化も心配になってしまうでしょう。そのストレスから睡眠不足を引き起こし、基礎体温にも影響を与えている可能性もあります。また、季節の変わり目は体温も変化しやすいので基礎体温に乱れが生じる場合もあるでしょう。

逆に、基礎体温が低下しなくても流産する可能性もあります。妊娠初期は最も流産の可能性が高い時期。流産を経験する妊婦の75%が妊娠16週以前、特に8週目までに経験する傾向にあります。この時期の流産は、受精卵の染色体異常などの仕方のないことで、お母さん側には責任がないことがほどんどです。いずれにしても、もし低体温が数日続くなどの心配な症状があった場合は、遠慮せずに病院で受診することをおすすめします。

基礎体温の計測を習慣化することが大事

基礎体温で、妊娠までのさまざまなヒントや不安解消が可能です。はじめのうちは難しいと感じるかもしれませんが、自分の体を知ることは確実に妊娠への大きなステップとなるはずです。大人の女性の習慣としてぜひ始めてみてください。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。