2018.08.08

卵子凍結保存とは?流れや条件、費用など詳しく知って検討しよう

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メディアで取り上げられて注目を集めた卵子凍結保存。若い状態の卵子を凍結しておくことができるメリットだけでなく、高い費用や、凍結した卵子を使えばいつでも妊娠できるわけではないことを理解しとく必要があります。詳しく学んで検討しましょう。

卵子凍結はどのように行われるのか詳しく知りたい

卵子凍結は、体外受精や顕微授精で用いられる手法です。もともとは、卵巣機能の低下が予想される若い女性に対し、将来子供を持つ可能性を温存するための技術ですが、健康な40代の女性が凍結していた卵子を使用して出産したことが発表され注目されました。

多くのメディアでも取り上げられることが増えたこともあり、興味を持つ女性は増えましたが、卵子凍結はどのように行われ、どのようなメリット、デメリットがあるのかしっかりと把握しておく必要があります。

卵子を凍結保存する理由

体外受精での出産率は36歳頃から急激に下がるので、今現在パートナーがいない女性が将来の妊娠を考えて卵子を凍結保存するケースが多いです。卵子の老化を考えての行動ともいえるでしょう。若い年齢の卵子のほうが質がよく妊娠しやすいことは事実ですが、出産できるところまでを考えて卵子凍結を検討する必要があります。

卵子凍結保存するための条件

卵子凍結ができるケースは主に2つで、卵巣機能の低下が考えられる医学的適応と、将来の妊娠出産に備えて若いうちに卵子を残しておく社会的適応が挙げられます。

どちらの場合でも、未婚、既婚(離婚調停中)に関わらず、成人した女性であれば両者可能で、健康な女性も卵子の保存ができます。凍結した卵子を用いて、体外受精や兼備受精を行い、受精卵を女性の体内に戻すことで妊娠を目指します。

卵子凍結保存の年齢制限

卵子凍結ができるのは、既婚・未婚に限らず成人した女性であれば可能です。しかし卵子凍結を検討しているのであれば、採卵できる年齢が原則39歳以下の女性と決められているので、注意が必要です。40際以上の女性はカウンセリングを受け、赤ちゃん得られない高い可能性や超高齢出産のリスクを考え、病院と慎重に検討をし進めていきましょう。

卵子はいつまで保存してもらえるのか

日本生殖医学会のガイドラインでは、凍結した卵子を保存できる期間は、原則50歳の誕生日までと決められています。ただし凍結した卵子を体外受精などで使用する場合、45歳未満と定められているので覚えておくとよいでしょう。卵子凍結できる期間は閉経まで、もしくは45歳未満までと覚えておきましょう。ただし病院によって、期間の上限が異なる場合があるので、医師としっかり相談すると安心です。

卵子の凍結保存にかかる費用

 

卵子凍結にかかる費用は、婦人科の診察料、採卵、凍結保管などの費用で、トータルおよそ60万円~80万円ほどかかります。病院によって、保存できる卵子の数や期間などが異なるので、しっかりと確認することがおすすめ。また凍結させた卵子を融解して使用する場合には、1回あたり30万円~50万円ほど必要になります。卵子凍結を検討する際には、長期的な費用も合わせて熟慮するようにしましょう。

凍結保存する流れ

卵子の凍結を検討している場合、どのような流れで凍結保存されるのか把握しておくことが必要です。それぞれの工程での目的やリスクなどもしっかりと確認するようにしましょう。

排卵を誘発する

効率よく卵子を採卵し複数個育てるために、内服薬や注射などを使用します。自然に排卵を待つ方法もありますが、これは内診、超音波検査、採血検査の結果から排卵誘発の方針を決定することが多いです。薬剤を用いた排卵誘発を行う場合、月経周期の3日目から開始します。

採卵する

卵巣に針を刺し排卵された卵子を採取します。超音波画像で確認しながら専用針を卵胞に刺し、中の卵子と卵胞液を吸い取る方法が一般的です。日帰りの簡単な手術程度と捉えておくとよいでしょう。採卵する卵子の個数は複数個の場合が多いです。個人差はありますが、専用針を刺す際に痛みを感じる方もいます。不安な方は、麻酔を使用してもらえることもあるので、医師に相談するとよいでしょう。

採卵後は、しばらく病院にて安静に過ごした後、異常がなければ帰宅することが可能。採卵当日は仕事などは休むようにし、翌日から出勤するようスケジュールを組むと安心です。

卵子を凍結保存する

採卵された卵子は、超急速ガラス化保存法を用いて液体窒素内で凍結を行いますが、採卵した卵子全てが成熟卵というわけではありません。そのため凍結保存する卵子は、成熟卵のみになります。

採卵した卵子が全て妊活に活かせるというわけではありません。未成熟な卵子の場合でも、そのあと成熟すれば成熟卵になるものもあります。また成熟卵の中でも、受精がうまく進まない卵子もあるので、複数個採卵する必要性や、採卵した卵子の中には妊活に役立てられないものもあることを覚えておくとよいでしょう。

不安な場合は無料セミナーに参加する方法も

 

卵子凍結に関する情報はネットなどでも得ることはできますが、十分な情報が欲しい場合には、直接病院に問い合わせるか、無料セミナーに参加する方法がおすすめです。卵子の老化や卵子凍結に関する最新情報、卵子凍結における特殊技術の解説などを行ってくれ、安心して取り組むことができるでしょう。

卵子凍結保存は妊娠の問題の全てが解決できるわけではない

卵子凍結保存という方法は、あくまで若い年齢の卵子を保存しておくだけということをしっかりと認識するようにしましょう。卵子凍結の技術で、何歳でも誰でも妊娠できるということではありません。その理由は、妊娠は卵子だけでなく、子宮や血管の年齢による老化も影響するからです。

凍結しておいた卵子を用いて体外受精を行っても、着床しないため妊娠に至らない、といったことや、着床して妊娠できたとしても、流産してしまうケースも非常に多いということを理解しておきましょう。

卵子の凍結保存は費用がかかるので慎重に

卵子凍結保存は、メディアに取り上げられたことがきっかけで注目を集めた技術です。現時点で出産の予定がない女性にとってはとても嬉しいニュースだと感じた方もいることでしょう。

しかし、卵子凍結保存の技術には、とても費用がかかること、また、若い状態の卵子を凍結しておいたからといって、いつでも妊娠できるわけではないということを理解しておく必要があります。自分のライフプランを組み立て、しっかりと検討した上で、判断するようにしましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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