2018.08.08

着床出血はいつおこるのか。生理やほかの出血との違いを把握しよう

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妊娠を希望していて出血があった場合、妊娠できなかったのかと思うでしょう。しかしそれは、着床出血とよばれる、着床時におこるものかもしれません。着床出血の時期や症状など、他に考えられる出血との違いをあげて、着床出血とは何かをみていきましょう。

着床出血はいつごろ起こるのかと症状について

今月の生理はいつもより早くて量が少ないな…と思っていたら、実は生理ではなくて妊娠していた、という経験をもつ女性は少なくありません。この場合の出血は、実は着床出血と呼ばれるものです。不正出血とは別のもので、もちろん生理とも違います。着床出血とは、いったいどういうものなのか気になりますね。

そこで、着床出血の仕組みやいつ起こるのか、さらに生理や排卵出血との違いなどについて知りましょう。妊活するうえでの情報の一つとして、着床出血の時期や症状を知っておくとよいかもしれません。

着床出血の仕組み

デリケートゾーンからの出血は、不安を伴いますよね。着床出血がおきるのはどのような仕組みでなぜ着床出血と呼ばれるのか、知っていきましょう。

着床した際に起こる出血

なぜ着床出血というのでしょうか。それは、受精卵が子宮に着床するときにおきる出血なので、このように呼ばれます。

そもそも着床は、卵子と精子が受精して、受精卵にならなければできません。受精卵になった卵子が着床して、はじめて妊娠したといえます。ただし着床するためには、卵子の準備と子宮の準備が整っていなければなりません。卵子が精子を受け入れる準備が整った状態が、排卵になります。

着床時以外の出血、たとえば不正出血などと見分けがつきにくく、着床出血か否かを見分ける目安としては、排卵日から計算するのがもっともわかりやすいです。

絨毛が子宮を傷つけると着床出血する

着床したときに出血するということは、なんだかピンとこないと感じるかもしれません。どうして出血がおきるのかというと、それは着床のしくみによるものです。

排卵後に精子が受精し、卵子は受精卵になります。受精卵は細胞分裂をしながら、卵管を通って赤ちゃんになるために、子宮へ向かいます。子宮に無事にたどり着いた受精卵は、子宮内膜に絨毛と呼ばれる根を張ります。絨毛が根を張ることで、張ったところから順番に胎盤になっていき、母体と赤ちゃんをつなげる準備をはじめます。

根を張ろうとした絨毛が、まれに子宮内の壁を傷つけてしまうことがあります。そのときに、軽い出血がおきることがあり、これが着床出血です。

ホルモンの影響でも着床出血する

女性の体は、2種類の女性ホルモンの影響を受けて、毎月排卵と生理を繰り返します。妊娠には、黄体ホルモンの働きがなくてはならないものです。黄体ホルモンは、着床のために子宮の準備をしたり、妊娠の継続のために体を整えてくれます。

その黄体ホルモンですが、分泌量は多くても少なくてもいけません。妊娠すると、妊娠の継続のために女性ホルモンの分泌が、常に一定に保たれるようになるホルモンが分泌されます。このホルモンの分泌量が少なかった場合に、黄体ホルモンの分泌量の影響で、一時的に出血がおきることがあります。

着床出血は必ず起こるわけではない

着床出血に気を付けていれば、妊娠がわかるのではないか、と思われるかもしれません。確かに、妊娠検査薬を使っても妊娠が判定できない時期なので、妊娠を待ち望んでいて、一刻も早く結果を知りたいという場合には、着床出血から妊娠が判断できたらと思いますよね。

しかし、着床出血は誰にでもおきるわけではありません。おきる確率は非常に低く、50人に1人の、2%の確率だといわれています。着床出血だと期待していたら、実は生理だったということもありますし、出血が起きているときには気づかずに、あとから思い返して、着床出血だったことに気づく場合もあります。

着床出血はいつ起こるのか

出血がおきた時期によって、不正出血なのか着床出血なのかを、見極めるひとつの目安になります。

生理予定日の1週間前が最も多い

生理予定日近くに着床出血が起きやすいのは、受精卵が子宮に到着する時期によるからです。受精卵の絨毛が、根を張ったことで起こる着床出血は、生理予定日の1週間前が最も多いといわれています。これは、排卵日に受精に成功した受精卵が、子宮に到着するのがおよそ排卵の7日後だからです。この時期は、妊娠超初期にもあたります。

子宮内膜に、絨毛で根を張りはじめた受精卵が根を張り終えるまでには、排卵日から数えて7日から12日の日数を要します。これを逆算すると、生理予定日の1週間前から数日前で、着床出血が起こるとすれば、この間におこります。

ホルモンの影響の場合は生理予定日が多い

普段は二種類の女性ホルモンが、交互に分泌されることで、生理と排卵という月のサイクルを作っています。妊娠すると、女性の体内の女性ホルモンは同時に増加します。そうすると、妊娠を継続させて無事に出産するために、増加した女性ホルモンの分泌量を、維持させる必要がでてきます。

女性ホルモンの分泌量を維持するために、hCGというホルモンが分泌されます。このホルモンの働きは、妊娠を維持するために、女性ホルモンの分泌量を一定に保つことです。

hGCホルモンの分泌量が少なく、黄体ホルモンの分泌に影響を及ぼすと、生理予定日に近い時期に出血がおきます。生理と勘違いしてしまう出血は、ホルモンの分泌の乱れによるものです。

期間は1~3日ほど

生理予定日付近に着床出血があった場合、生理か着床出血なのか、自分で判断できたらと思いますよね。着床出血も生理も、個人差による部分があり、生理不順の人の場合は、とくに判断しづらい場合があります。ただし、いくつかの症状を判断基準に考えることができます。その一つが、出血の期間です。

生理の期間は、個人差がありますが、通常3~7日ほどで終わります。着床出血も個人差があります。一般的には短期間といわれていて、だいたいは1~3日で終わることが多いようです。1回で終わったという人もいれば、1週間続いたという人もいます。生理の期間よりも、短期間で出血が終わったという場合は、着床出血の可能性を考えてもよいかもしれません。

生理予定日以降に起こることはない

生理予定日をすぎての出血があった場合、着床出血の可能性はあるのでしょうか。着床出血とは、子宮に受精卵が着床したことによる出血です。受精卵になるためには、卵子は排卵してから、8時間以内に受精しなければなりません。受精や着床をしなかった場合は、次の生理を迎えます。

排卵は、前回の生理と次回の生理の間におこります。卵子が受精できる時間を考え、生理予定日から逆算してみると、受精した場合は次の生理予定日までに着床します。生理予定日後に着床出血が起こることはありません。もしも、生理予定日以降に出血があったら、それは排卵日がずれたか、不正出血を起こしている可能性が高いです。

着床出血から妊娠検査薬を使うまで

着床出血かな、と思ったら、次に妊娠検査薬を使う人が多いかと思います。どのようなタイミングで、妊娠検査薬を使えばよいのでしょうか。

着床出血から2週間後に使用する

着床出血があっても、妊娠しているかどうかはわかりません。「妊娠しているという確信が欲しい」と思う方も多いかと思います。しかし、妊娠検査薬は、判定できる時期というのが実は決まっていて、その時期より前に使用しても判定できません。

市販の妊娠検査薬は、生理開始予定日の1週間後から検査可能なものが一般的です。これは着床出血がおきてから、だいたい2週間経つと判定できる時期になります。着床出血があったら、その出血を目安にして判定薬を使うとよいでしょう。検査薬によって判定できる時期は違いますので、購入するときに判定時期を確認してから購入してください。

前の生理から28日後でもよい

着床出血がなかったら、妊娠検査薬を使うタイミングがわからないのかというと、そんなことはありません。妊娠検査薬によって判定できる時期は、着床した1週間後といわれています。着床が前回の生理から14日後に始まり、おおむね7日で着床します。その1週間後だと、前回の生理から数えると約28日後から使えるということになります。

排卵が生理のように、毎月決まったサイクルで起こるなら、妊娠検査薬は反応します。しかし、排卵日はずれることがあります。確実に結果を知りたいなら、生理開始予定日から1週間後か、前回の生理から数えて35日後以降に使うのがよいでしょう。

着床出血しても陰性の場合がある

いざ妊娠検査薬を使ってみると、陰性反応がでることがあります。「着床出血もあったのにどうしてだろう」と思われるでしょうが、実はそういったケースは少なくありません。着床出血は、着床したから起こる出血ですが、どうして陰性反応になるのでしょうか。

妊娠すると、女性ホルモンを維持するhGCホルモンが分泌されます。このホルモンの分泌が少なかったり、排卵日がずれていたりした場合、分泌がまだ行われていなかったりします。

妊娠検査薬は、hGCホルモンに反応する仕組みになっているので、正常に分泌が行われていない、ホルモンバランスが乱れている状態だと、着床出血があっても陰性反応が出ることがあります。

着床出血を目安にする必要はない

出血があったときに、もしかして着床出血かもしれないと思いながらも、確信が持てなかったという人は少なくありません。それは、「着床出血だと思っていたら生理だった」ということも多くあるからです。しかし、それだけではありません。

着床出血は50人に1人という、起こる確率が非常に少ないうえに、それぞれで出血の状態や量が違うので、自分に着床出血があったかどうかを、当てはめて考えることは難しいのです。それに、妊娠したからといって、全員に必ず着床出血が起こるわけでもありません。

着床出血は、「そういうことが起きる可能性もある」と、念頭に留めておくとよいでしょう。妊娠検査薬を使うときは、生理日を目安にして時期を考えるようにしましょう。

体外受精後の着床出血

体外受精をうけた後に、出血がおこることがあります。この場合の出血は、可能性のひとつとして、着床出血が考えられます。

胚移植後の出血は着床出血の可能性あり

妊娠を望んでいる場合、不妊治療に通うという選択肢を選ぶこともあります。ただでさえ、出血すると不安になりがちですが、不妊治療中に出血が起きたら、もしものことを考えて心配になることは無理もありません。治療の内容によっては、心配する必要のない場合があります。タイミングをとったあとの出血や、体外受精をして胚移植を行って数日後の出血は、着床出血の可能性があります。

体外受精なのに着床出血が起きることは、意外かもしれません。しかし、胚移植は受精卵の状態にして子宮に戻すので、子宮内膜に着床するときに、着床出血を起こすことがあります。

移植によって出血するケースもある

胚移植をした直後や当日に、出血が起きる場合がありますが、これは着床出血ではありません。体外受精を行う際には、卵子を採卵し、受精させた卵子を培養させて、受精卵にしたものを子宮に移植します。採卵時には、採卵針を膣壁にさして採卵を行い、胚移植はカテーテルを挿入して行います。この処置の中で傷がつき、出血をおこすことがあります。

また、膣内の消毒を行ったことによる刺激で、出血することもあります。体外受精の処置は、過程の中で体に刺激と負担をあたえます。それが原因で、出血につながることもあります。

生化学妊娠の可能性もあり

妊娠検査薬で陽性反応がでたら、産婦人科で妊娠検査をしてもらう必要があります。しかし、妊娠検査薬で陽性反応が出たからといって、すぐ産婦人科に行っても、超音波検査ではまだ確認できない時期というのがあります。

妊娠検査薬を生理予定日の1週間後に使用し、陽性反応が確認できても、その時期にはまだ胎嚢が確認できません。胎嚢を超音波検査で確認して、はじめて妊娠と定義されるのです。胎嚢が確認できるのは、生理予定日の2週間目以降になります。

生化学妊娠は化学流産ともいわれていて、超音波検査で胎嚢を確認する前に、妊娠が継続されずに終わってしまうことをいいます。残念ながら、この化学流産による出血の可能性もあります。

妊娠判定後の出血は注意が必要

妊娠判定後に、出血が起こることもあります。まず妊娠判定の定義ですが、産婦人科での超音波検査で、胎嚢が確認できたら、妊娠判定となります。この妊娠判定後は、妊娠初期にあたります。この時期は、体の変化も起こりやすく、出血があった場合は注意が必要です。

妊娠判定後に、着床出血が起こることはあり得ません。したがって、判定後の出血は、不正出血を起こしていると考えて間違いないです。もし出血があった場合は、病気や子宮外妊娠の可能性もあるため、早めに病院へ受診して、原因を特定することが大切です。

着床出血が起きたときの症状

着床出血がおきたときに、どのような出血がおこるのか、また現れる症状は出血だけではありません。出血以外にもさまざまな症状が現れます。

血の混ざったおりものが出る

着床出血が起きたときは、どのような症状があるのでしょうか。出血というからには、生理のようなわかりやすい出血があるのでしょうか。

これには決まった症状はなく、個人差によります。ただ、出血というほど多量の出血が起こることは、ほとんどありません。血が混ざったおりものが出るので、その色は薄い茶色か薄いピンクのことが多いです。出血が少量だと、空気に触れたときに血液が酸化するので、茶色になることがあるのです。このときの出血は、おりものに近く量も少ないため、おりものシートで対応できます。

出血量は微量であることが多い

ほとんどの着床出血の出血量は、ごく微量のことが多いです。おりものに薄い茶色状のものが混じることが多く、水っぽいさらさらした状態のピンク色の出血があることもあります。

出血というよりは、おりものに色がついている程度の認識の出血量です。そのために見落としやすく、気が付かないこともあります。不正出血を起こしやすい人は、着床出血と思わずに、不正出血と勘違いしてしまうこともあります。

しかし、出血量も状態も個人差があるので、一概にはいえません。もしおりものが増えて、茶色やピンクの色がおりものに混じっているなら、その後、変化がないか観察しましょう。

下腹部に痛みを感じる人もいる

着床出血があったときに、痛みを感じることがあります。その痛みは、下腹部に針で刺すようなちくちくとした痛みで、生理痛のときに多くの人が感じるような、子宮の奥からの痛みとは違うようです。

着床出血のときの痛みは、着床痛と呼ばれるものです。ちくちくした痛みのほかに、足の付け根に違和感を感じる、子宮周辺が引っ張られるような痛みがある、などの症状もあげられます。

ただし、生理痛でも同じような症状を感じたという人もいます。そのため、生理のときとの明確な区別がないというのが、着床出血時の特徴です。

妊娠初期の症状が出始める

子宮内に受精卵が着床する時期は、妊娠超初期と呼ばれる時期にあたります。着床出血があっても、まだ妊娠は確認できませんが、それにもかかわらず、妊娠初期の症状が出始めることがあります。

妊娠超初期とは、妊娠2週半~4週めの時期をさします。子宮内膜に受精卵が到着して着床する時期は、週でいうと妊娠3週めにあたり、早い人だとつわりの症状が出始めます。また、激しい眠気や頭痛、お腹の張りなど、明確ではない体の変化を感じることも少なくありません。着床出血が起きることはまれですが、妊娠初期の症状を感じることは多く、またその症状にも個人差があります。

月経前症候群のような症状が出る

「月経前症候群は」聞きなれない言葉ですが、PMSというとわかる人も多いと思います。生理前に感じる、体や精神の不調をさし、女性のうち8割はPMSの症状があるといわれています。PMSはその名の通り、生理前に始まり、生理の始まりとともに症状が改善することがほとんどです。PMSの代表的な症状は、以下のようなものがあります。

  • 便秘、下痢
  • 腹痛
  • 頭痛
  • だるい、疲れやすい
  • イライラする

また、このほかにもいろいろな症状があり、PMSもそれぞれで出る症状が違います。PMSの症状は、妊娠初期の症状とよく似ています。生理前にPMSの症状が重く、その症状が生理の終わるまで引きずる場合は、妊娠初期の症状と見分けがつかないこともあります。

着床出血からどれくらいで産婦人科へ行くのか

産婦人科を受診しても、妊娠が確認できる時期を迎えていなければ、再度足を運ばなければなりません。着床出血からどのくらいで行くのが、時期としてはよいのでしょうか。

妊娠5~6週目が通常

妊娠を待ち望んでいて着床出血があったら、はやく結果を知りたいと思うことは当然のことです。一刻も早く産婦人科で受診して、確実な結果が欲しいですよね。しかし、着床出血があったからといって、すぐに産婦人科で受診しても、結果がすぐにわかるとは限りません。

着床出血が起こるのは、妊娠3週めあたりになりますが、その時期は着床していたとしても、胎嚢が確認できません。しかし、妊娠の判定には、産婦人科で超音波検査によって胎嚢の確認が必要です。

産婦人科を受診するなら、一般的には着床出血があってから2~3週間後、もしくは前回の生理予定日の1~2週間後にあたる、妊娠5~6週めがベストといわれています。

熱っぽさやだるさを感じたら早めに受診

妊娠超初期は、流産の危険が最も高い時期でもあります。妊娠したことに気づかないうちに流産したり、着床出血だと思っていたら、流産しかけていたということも。妊娠したい人の二割は、妊娠超初期に流産しています。妊娠初期の流産の症状は、以下のようなものがあげられます。

  • 微量の出血が続いている
  • 頭痛
  • 熱っぽい、体がだるい
  • 子宮に痛みがある
  • それまであった妊娠初期の症状がなくなる

妊娠超初期に起こる出血の原因はさまざまです。妊娠しているかもしれない状況で、出血が続く、体調が優れないなどの普段と違う症状があるなら、早めに産婦人科を受診しましょう。

早すぎても確認ができない場合が多い

妊娠していると確定するのには、産婦人科での超音波検査で、胎嚢ができていることを確認をしなければなりません。受診が妊娠5週めより前だった場合、超音波検査は行われません。なぜなら胎嚢が確認できるのは、妊娠5週目以降といわれているため、妊娠5週めより前に受診しても胎嚢が確認できないためです。

病院によっては、尿検査を行って陽性反応がでるか確認してくれますが、胎嚢ができる妊娠5週め以降に再度受診をしなければなりません。ただし排卵日のずれなどにより、妊娠7週めで胎嚢が確認できたということもあります。

生理予定日の1週間後が、妊娠5週目にあたります。妊娠しているかもと思ったら、生理予定日の1週間後に妊娠判定薬を使用し、陽性反応が出たのを確認してから、産婦人科を受診をするとよいでしょう。

着床出血と生理の見分け方

着床出血があったひとの多くは、初めは生理だと考えていたと答えています。着床出血と生理は時期が近く、出血量によっては間違えてしまいがちです。

着床出血は期間が短い

着床出血は、生理と勘違いしてしまいがちです。生理と着床出血は、だいたい同じ時期に起こり、出血がある、そして生理前にありがちなPMSのような症状がある。こうしてみると、生理と間違えるのは無理もありません。では、生理との違いをあげていきましょう。

出血する期間が生理の場合は、通常4~7日の場合が多いです。着床出血となると、ほとんどの人が1~3日で終わります。生理と比べて、期間が短いことが特徴といえます。早い人は1日どころか、1回の出血で終わることもあるようです。

ただし、出血する期間にも個人差があります。3日くらいで終わったという人もいれば、5日ほど出血していたという人も。いつもの生理期間よりだいぶ短ければ、着床出血を疑ってみましょう。

基礎体温が高くなれば着床出血

妊娠を希望している場合は、基礎体温をつけている人が多いかと思います。女性の体は、女性ホルモンの分泌によって、毎月サイクルが作られます。基礎体温を測ることによって、女性ホルモンの働きと、体のリズムを正しく知ることができます。

生理が始まると、体温が下がる低温期にはいります。妊娠を継続させるための黄体ホルモンの働きで、排卵が始まると高温期に入ります。受精しなかったり着床しなかったりした場合は、妊娠のために用意されていた子宮内膜がはがれ落ちるので、生理が始まります。

生理中は基礎体温が下がります。出血が着床出血なのか、生理なのかがわからない場合は、基礎体温を目安にするとよいでしょう。生理中は基礎体温が下がるため、低温期に入ったと思われる場合は、生理と考えてよいでしょう。ただし、基礎体温が一時的にガクンと下がるときがあります。高温期が続いて一時的に下がる場合は、着床の可能性もあります。

妊娠初期症状があるかないか

出血が起きるだけではなく、つわりと呼ばれる妊娠初期症状があれば、着床出血の可能性があります。妊娠初期症状は、早ければ着床と同時期に始まります。妊娠の自覚がなくても、体の不調を感じたという人は少なくありません。出血はなかったけど、妊娠初期症状はあったという人もいます。症状としては、以下のようなものがあります。

  • 胃がムカムカした
  • 吐き気
  • 激しい眠気
  • 頭痛、発熱
  • 体がだるい

においに敏感になるなど、妊娠の初期症状がある場合は、着床出血の可能性があります。しかし、妊娠初期症状も個人差があります。何も出ない人もいれば、いくつかの症状がでる人もいます。普段から生理前に体調を崩しやすかった場合は、妊娠初期症状とPMSは症状が似ているため、見分けがつけにくいです。

出血量の違いで見分ける

生理の出血量と着床出血の出血量では、着床出血のほうがはるかに少量です。ただし、どちらも個人差があります。普段から生理の出血量が少なければ、着床出血か生理なのかわからないことも無理はありません。逆に、着床出血の量が多かったという場合もあります。

着床出血は、一般的にはおりものに血が混じるぐらいの微量な量といわれています。いつもの生理のときの量と比較して、量が少なく、おりものシートで十分間に合ったのであれば、着床出血の可能性が高いです。

着床出血と排卵出血の見分け方

出血があっても、排卵出血の可能性もあります。排卵出血は不正出血とは違います。着床出血と間違えやすいですが、違いはどこにあるのでしょうか。

生理終了から出血までの日数で見分ける

着床出血に似た出血に、排卵出血があります。生理開始日から14日後に出血があるなら、この排卵出血の可能性が高いです。

排卵出血が起こる理由は、ニつあります。一つは、排卵時に卵子が卵巣の壁を突き破って飛び出し、そのときに壁に傷がついてしまって出血した場合。もう一つの理由は、排卵前に分泌が増えるエストロゲンが、排卵期に減少したためです。減少したことで子宮内膜がはがれ落ち、少量の出血がおこります。

最後の生理が終わって、出血までの日数で見分けられます。着床出血より排卵出血のほうが、1週間早い時期に出血します。

低温期と高温期の中間なら排卵出血

女性ホルモンの働きで、女性の体のリズムは、低温期と高温期をくりかえしています。生理が始まると低温期になり、排卵が始まると高温期に入ります。この低温期から高温期の、体温が変化する時期に出血があるなら、排卵出血だと考えられます。

生理が終わって約14日後に始まり、生理と生理のちょうど中間に起きることが特徴で、中間期出血とも呼ばれます。排卵出血は病気ではないので、どこかに不調があるから起きるわけではありません。また、生理が不順だから起きるわけでもありません。ただし、排卵が起きていないのに出血することがあるため、注意しましょう。

鮮血が出る場合は排卵出血

排卵出血の時の出血は、これも一概にはいえず、個人差があるようです。おりものに茶色い色がつく程度の出血だったり、ピンク色だったりすることもあります。そうなると、着床出血と見分けがつきません。

着床出血と明確に違うことは、真っ赤な鮮血が出ることが多いということです。排卵出血は1~3日で終わることが多いのですが、なかには1週間続いたという人もいます。また、出血と同時期に、排卵痛を感じる人も多くみられます。生理の約14日後にあった出血が鮮血で、排卵痛があったら排卵出血かもしれません。

生理開始から3週間後の出血は着床出血

女性の体では、出血が起こることが、自覚している以上に頻繁に起きています。着床出血を見逃したり、生理や排卵出血と間違えることも無理はないでしょう。しかし、着床出血と排卵出血は、起きる時期が違います。どちらの出血なのか、出血があった時期で判断しましょう。

通常の着床出血なら、生理が始まって約3週間後に起こります。もし、生理が始まってから約2週間後に出血があったなら排卵出血、約3週間後なら着床出血と考えましょう。

着床出血の際に気を付けたいこと

着床出血がおきたからといって、妊娠が確定したわけではありませんが、着床がおきたということは、赤ちゃんのベースが体の中で出来つつあるということです。

飲酒や喫煙をやめる

出血が着床出血だとしても、この時期はまだ、妊娠判定はできません。妊娠初期症状もなかった場合は、妊娠しているという自覚がないので、いつもと同じ生活を送ってしまいがちです。

たしかに、着床出血が起こる時期の妊娠3週目は、無影響期にあたります。無影響期とは、この時期は母体からの影響を胎児はまだ受けないので、薬などの心配はしなくてよい時期になります。

しかし、この後に胎児の成長が始まり、重要な器官が作られていきます。飲酒や喫煙などは、胎児に深刻な影響を及ぼします。妊娠をしているかもしれない状況なら、飲酒や喫煙などはやめるようにしましょう。

葉酸の摂取を始める

不妊治療をしている場合、産婦人科では葉酸の摂取をすすめられます。葉酸を摂取することで、着床障害に効果があるといわれ、妊活中や不妊に悩む人の体を、妊娠を継続しやすい体にサポートしてくれる働きがあります。

葉酸は、胎児の成長にも欠かせません。妊娠の必要な栄養素を、葉酸を摂取することで補えます。したがって、胎児の細胞分裂が行われる時期に摂取することが、もっとも効果的です。また妊娠3カ月目までの、胎児の脳や脊髄が成長していく過程で、葉酸を摂取することで、奇形児になるリスクを減らせます。

葉酸は妊娠前から継続して飲んでいても、問題はありません。もし葉酸を摂取していない場合は、ぜひ葉酸を飲み始めましょう。

妊娠超初期症状に注意

もし着床と同時に体調の変化を感じたら、妊娠初期症状の可能性を考えましょう。吐き気や胃の不快感などのわかりやすい症状ではなく、だるさや熱っぽさという症状が出始める場合もあります。

また、下がるはずの基礎体温が、妊娠していると下がりません。基礎体温が高いままの状態を維持するので、体が疲れやすく、だるさや熱っぽさを感じるのです。体温と外気温との温度差も激しくなるので、その温度差から寒気を感じることもあります。

妊娠超初期症状は、風邪の引きはじめの症状と似ています。胎児に影響をあたえない時期といっても、風邪薬の服用には慎重さが必要です。

不安なら早めに産婦人科を受診しても良い

妊娠の判定以外でも、気になることがあれば産婦人科を受診しましょう。胎嚢が確認できる週まで、超音波検査はできませんが、だからといって早めに受診してはいけないわけではありません。

微量の出血が続いたり、気になる痛みがあったりする場合は、もしかしたら病気が隠れている可能性があります。母体に関しては、早めに受診をすることで、病気や流産が防げるということもあります。なにより、気になることをそのままにして、不安になるのはよくないことです。早く受診して安心できれば、それにこしたことはありません。

着床出血が起きたら体調管理に注意しよう

着床出血を妊娠の判定と確定するには、不確定すぎる症状ではあります。出血量も状態も、出血する期間ですら個人差があり、いざ出血があっても、着床出血が起きたという裏付けがとれません。しかし、妊娠を希望している場合には、一つの目安になりえます。それには普段から、おりものや出血、体調などに気をつけ、自分のサイクルを把握しておく必要があります。

たとえ妊娠が確定していなくても、着床した時点でお腹の中には胎児になる存在がいるのです。体調管理や薬の服用、飲酒や喫煙など、気を付けるべきことはたくさんあります。母体の健康に気をくばり、赤ちゃんを迎える準備をはじめましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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