2018.08.08

卵子の年齢はどうすればわかるの?正しく理解して妊活にいかそう

ARTICLE

これから妊娠をするうえで重要になってくる「卵子」。この卵子の年齢を検査する方法や寿命に関してなど、正しい知識を身につけることは、妊活するにあたって大事なことです。卵子の凍結保存や、卵子の老化を防ぐ方法も見ていきましょう。

卵子年齢を知って妊娠に備えたい

加齢とともに妊娠の確率は下がりますが、なぜなら、私たち人間に年齢があるように、卵子にも年齢があり、一緒に老化していくから。妊娠を意識しているなら、こんな話を聞いたことはあると思いますが、ご自身の卵子年齢はどうなのか、知りたいと思いませんか?

この記事では、卵子年齢を検査する方法や、卵子に関する基礎知識などを解説します。正しい知識を身につけることで、妊活のタイミングを考えるよい機会にしていきましょう。

卵子年齢を検査する方法と卵子の寿命について

卵子は、私たち女性が生まれてきた時点ですでに存在していて、人間と同じように卵子にも寿命があります。自分の卵子年齢は、検査で簡単にわかるので、知りたい方は検査をおすすめします。

卵子年齢を検査する方法

卵子の年齢は、女性自身の年齢と同じだと考えていいそうです。卵細胞は、自分の体が老化するとともに、卵子も少なくなっていきます。

この卵子年齢を詳しく知るためには、卵巣予備能がわかるAMHという検査(卵巣年齢検査)を受ける方法があります。AMH値には個人差があるため、基準値というものはありません。しかし、年齢が上がるにつれてAMH値も減る傾向にあるようです。

卵子の数は年齢とともに減少する

女性は生まれてきた時点で、約200万個の卵子を持っています。この卵子の数は、年齢を重ねるごとに減っていき、思春期頃には卵子の数は、すでに約20~30万個しか残っていません。月経を迎えると、1カ月に約1000個ずつ卵子が減り、これから増えることはありません。しかし、この数も学問的に推測される数で、個人によって異なります。

自分の今の卵子のおよその数は、「アンチミューラリアンホルモン」(AMH)という卵胞(卵子を包んでいる袋)から、分泌されるホルモンを調べることで把握できます。AMHの検査は血液検査で、検査料は保険適用外で、4,500円~8,000円とクリニックによって差があります。

卵子が寿命を迎える年齢

人間に寿命があるのと同じように、卵子にも寿命があります。卵子は毎月1000個ほど使われ、排卵されるのはたったの1個のみです。卵子の数には限りがあるので、年を重ねるごとに減っていきます。35歳ごろには数万個まで減り、体外受精をするために採取する卵子が、40歳ごろには0個の人も珍しくはないといわれています。

妊娠には卵子が必要不可欠なので、卵子の数が少なければ、妊娠率も下がってしまいます。卵子の数の減少を止めることはできないので、早めに妊活をすることが大切といえるでしょう。

卵子についての正しい知識を得て妊活にいかそう

卵子について知ることは、妊活するうえでとても大切なことです。卵子だけではなく、卵巣年齢や、卵子年齢、卵子の老化が始まる年齢についても知り、妊活にいかしていきましょう。

卵子だけではなく卵巣年齢もチェックしよう

年を重ねるごとに、卵子年齢や卵巣年齢も加齢するので、卵子の数が減って質も下がってしまいます。一般的に38歳を越えると、卵胞のもととなる「原始細胞」の数が、思春期の頃の20~30万個から25,000個に減ります。そこからは老化の加速がとても速いので、46歳以降での妊娠は難しいといわれています。

したがって、卵子だけでなく卵巣の年齢も意識することが大切です。卵子や卵巣の健康のためにも、規則正しい生活、ストレスをためない、体を冷やさない、過激なダイエットをしない、バランスのいい食事をとる、喫煙しないなどを意識することで、老化を遅らせることができます。

卵子の老化が始まる年齢について

35歳から高齢出産といわれ、それ以下の年齢は卵子に問題がないと思われがちです。しかし、卵子の老化は「20代後半」から徐々に始まっています。

20代後半は、まだほんの少し妊娠率が下がるだけですが、37~38歳を境に妊娠率が低下し、42~43歳でさらに下がってしまいます。そのため、卵子が元気なのは、10代後半~20代前半といえるでしょう。

卵子年齢と卵子の質との関係

卵子の質は、お母さんのおなかの中にいる、妊娠5カ月ごろがピークです。そして、20代後半で卵子の年齢が低下し始めます。

卵子の年齢は、自分の年齢と同じなので、自分が年をとった分、卵子も年をとります。卵子の老化とはどんな状態かというと、卵子が受精卵や胚にならなかったり、染色体異常を持った卵子が増えたりします。

卵子の凍結保存について知ろう

将来子どもが欲しいけれど、「今は仕事に専念したい」「本当に好きな人と出会ってから、その人との子どもがほしい」などの思いから、卵子の凍結保存をしたいと考える方もいるでしょう。

しかし、この卵子凍結保存には、メリットとデメリットがあります。両方を頭に入れたうえで、凍結保存をするかどうかを選択していきましょう。

卵子を凍結保存するメリット

卵子は、30代後半から急速に老化していきます。卵子が高齢化すると、受精できても細胞分裂がうまくできず、受精卵が成長できないケースが増えてしまいます。

そのため、年齢を重ねて自然妊娠しにくくなった人にも、卵子の凍結保存は役に立つ可能性が十分にあります。実際に、凍結した卵子で赤ちゃんを出産した人が、日本で12人もいます。急いで子どもを作らなければという焦りや、ストレスが減ることもメリットといえます。

卵子を凍結保存するデメリット

卵子を凍結するまでの8~10日間、毎日ホルモン注射を打って、卵の成熟を促します。この注射により、本来育たないはずの卵子も育てることができ、多くの卵子を採ることができます。

しかし、手術前日には、卵巣が通常の2倍以上の大きさに腫れ、立っていることもつらいほど子宮が重たくなることも。手術も全身麻酔をするものの、特殊な針を卵巣まで刺し込み、卵子を1個ずつ吸い出すので、術後は出血したり痛みもあります。

さらに保険がきかず、自由診療なので数十万円~100万円以上と、費用もかなりの高額になります。安くて数十万円なので、体だけではなく金銭的負担も大きいですね。

卵子の凍結保存と年齢の関係

卵子は年齢を重ねるごとに老化していくので、体外受精をしても、年齢とともに卵子は育ちにくくなります。卵子の凍結保存をすることにより、卵子の老化を止められます。

年齢が若いほど、卵子もたくさん保存できるので、卵子を凍結するなら早めがいいでしょう。

卵子の老化を防ぐためにできること

食事や睡眠などの生活習慣によって、卵子の老化をある程度防げます。たとえば、身体を温める食べ物、カリウムが含まれているもの、葉酸、大豆イソフラボンを多めにとるとよいです。

また、質のよい睡眠は、細胞を修復してくれるので、老化しにくくなります。卵子も細胞の一つなので、できれば22時には就寝し、寝る前のテレビやパソコン、携帯は控えましょう。

不妊治療のタイムリミットを見越して行動しよう

卵子の老化を遅らせたり、質のいい卵子を凍結保存したりして、高齢で妊娠できる確率も高くはなってきましたが、いくつになっても妊娠できるというわけではありません。高齢になるほど、妊娠率が低下し、さまざまなリスクも起きやすくなってきます。

不妊治療にもタイムリミットがあることを忘れずに、計画的に妊活に励みましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。