着床出血は受精卵が子宮に着床したことの目印となる出血です。妊活中は着床出血を気にするのは当然です。着床出血は性行為後、何日目に起こるものなのか。日数別に、着床出血の可能性を調べてみましょう。着床出血中の性行為は受精卵に危険な場合もあります。
妊娠を望んでいる人なら、妊娠の兆候とも見られる着床出血を、意識している人は多いでしょう。たとえば、性行為後は何日くらいで着床出血があるのか、着床出血中に性行為は可能なのか、着床出血中は性行為で受精卵に影響はないのかなど、さまざまな疑問もあるかと思います。
そこで、着床出血が起こる時期や性行為によって影響はでるのかどうかについて、詳しくお伝えしたいと思います。参考にしていただき、ご夫婦で妊活を成功に導いていただけたらと思います。
受精した受精卵は子宮内膜に着床し、栄養を吸収しながら成長して卵胞となり、妊娠が確定されます。着床出血は、受精卵が着床した目印になる出血です。妊娠の目印である着床出血を、特徴や症状などから見てみましょう。
卵子が卵巣から卵管を通り、子宮に一つだけ排出されることを排卵といいます。生理周期の中間期に起こる排卵の際に、性行為で膣から入った精子と卵子がめぐり合って受精卵になると、細胞分裂を繰り返しながら子宮に移動します。
子宮に移動した受精卵は、絨毛という突起の外装をまとい、妊娠のために増殖した子宮内膜に根を張ります。その際、突起となっていた絨毛が、子宮内膜を破って侵食するときに、少量の出血をする場合があります。その出血を「着床出血」といいます。
通常の生理周期を28日とした場合、最初の7日で生理が終わり、その後14日目に排卵を迎えます。排卵で受精した受精卵は、約1週間かけて細胞分裂しながら、子宮へと進んでいきます。着床は排卵後1週間なので、生理周期で考えると21日目になります。次の生理は、その1週間後の28日目になるので、生理よりも1週間程度早い出血を、着床出血といいます。
見分け方としては、着床出血の場合は、少量でうっすらとしたピンク色の場合が多いです。また、生理のように徐々に量が多くなる場合と違い、すぐに出血がなくなることが多いので、色や量の点からも区別することは可能です。
着床出血は、受精が成功したことの目印ですが、すべての女性が経験するわけではありません。50人に1人といわれる程度で、ほとんどの女性の場合は、着床出血しない場合のほうが多く、もしあったとしてもごく少量で、気付かない場合もある程です。
また着床出血と同時に、着床痛が起こる場合もあります。着床する際に子宮内膜を傷つけることで、下腹部がチクチク痛くなるなどの症状がでることも。ただし、この着床痛も、すべての女性に起こることでなく、ほとんどの人は痛くならないことが多いようです。
着床と同時に、女性の身体ではいろいろな変化が起こることもあります。人それぞれの変化ではありますが、排卵時に性交渉をして妊娠の可能性がある場合は、この変化に気をつけましょう。
着床期は受精が成功したことで、身体の中では妊娠に向けて準備が始まります。黄体ホルモンの分泌を盛んにし、乳腺を成長させ、子宮内膜に栄養を与えるために、女性の身体の中では、さまざまな変化が起こっている時期です。
この時期は、妊娠に向けての身体の変化についていけず、だるくなったり腹痛がしたりなど、日常生活が困難になる人も少なくありません。無理をせずにリラックスを心がけ、栄養と十分な睡眠を取り、半身浴などで体を温めることが望ましいです。
気持ちが落ち込むようなら、軽いウォーキングなどの有酸素運動でストレスを発散し、気分を変えてみることもよいでしょう。
着床期は、黄体ホルモンの分泌が妊娠に向けて増加するため、著しい体調の変化が見られる場合もあります。人により症状の違いはありますが、一般的には、頭痛やだるさや眠気、胸の張りや痛み、味覚や臭覚の変化、おりものの変化や肌荒れ、体温の変化や気分の不安定、下腹部や足の付け根の痛み、胃のあたりの不快感や吐き気など、妊娠初期症状が現れる場合があります。
ただし、こういった着床による変化は、個人差があるため、全く症状を感じない人も少なくありません。
着床出血がある場合、性行為からどのくらいの時期に起こるのでしょう?性行為のあと、何日間程度体調の変化を観察することが必要なのか、日数別に調べてみましょう。
卵管を降りてきた卵子と、精子が巡り合うことで受精卵になります。受精卵になると、細胞分裂を繰り返しながら子宮を目指していきます。受精後1日~2日程度でニつ程度に分裂し、3日~4日になると4回以上の分裂を繰り返し、5日~6日になると数え切れないほど細胞分裂を繰り返して、胚盤胞と呼ばれるまでに成長し、7日目に子宮に到達します。
子宮にたどり着いた胚盤胞は、子宮内に増殖してできた、子宮内膜のフカフカした壁に根を張って着床します。胚盤胞の外壁にできた絨毛と呼ばれる突起物が、子宮内膜の壁をとらえて浸食する際に、子宮内膜を傷つけることから出血することがあり、これが「着床出血」といわれるているものです。
卵管で出逢った受精卵が、細胞分裂しながら子宮に進んでいく間に、約1週間程度かかります。時間をかけてゆっくり進みながら、細胞分裂して育っていきます。着床出血の起こる時期は、人それぞれの個人差がありますが、約1週間程度が平均的な日数といわれています。着床出血が起こるタイミングを、日数別にみてみましょう。
性行為の翌日~6日後までの間に、着床出血することはまずないといってよいでしょう。なぜなら、受精から受精卵となり、子宮までたどり着いて着床するためには、約1週間程度掛かることが一般的なためです。
排卵日に多少のずれがあって受精したとしても、受精後7日~10日程度で着床すると考えられているので、性行為の翌日から、6日後までには着床出血はありません。ただし、人によっては着床まで早い日数で経過する場合もあるので、出血があって不安な場合は、婦人科で受診することも考えましょう。
この時期に出血がある場合は「切迫流産」といって、染色体異常が原因などで受精がうまくいかずに、それ以上正常に成長しないと身体が判断し、自然に流産を起こした可能性もあります。その場合も、少量の出血することがあります。
性行為後、1週間~10日に出血がある場合は、着床出血と考えてよいでしょう。この時期の体調の変化や、出血の色、おりものの変化などに気を付けて、少しの変化も逃さないようにすることで、自分の身体の中で起こっている変化に気付くことができます。
おりものの量の変化や、出血した場合の血の色や、胸の張り具合など、目に見える大きな変化が起きない場合でも、気付きにくい小さな変化でも、受精していれば確実に変化が起こっている時期になります。
性行為から10日以上の経過後にでも、着床出血が起こる場合もあります。平均的には、10日経過後くらいまでといわれています。しかし、排卵日が予定より遅れていた場合や、受精卵が何かしらのトラブルで、子宮まで平均的な日数でたどり着けなかった場合など、ごくわずかですが、20日後に着床出血が確認される場合もあります。
20日後の出血の場合は、生理予定日中ということもあり、生理と間違える場合が多いので、出血の量や色など、いつもの生理の経血と違いがないか注意しましょう。また、着床出血の場合、1週間出血が続くような場合は少ないです。しかし、1日~2日程度で出血が終わった場合は、着床出血の可能性が高くなります。
着床出血が起こる時期は、受精卵が着床のために子宮に入った時期なので、この時期の性行為は控えたほうがよいでしょう。なぜならば、性行為で射精された精子の中には、子宮の筋肉を収縮させる作用があるため、子宮内にようやくたどり着いた受精卵の着床を、妨げてしまうことがあるからです。
また、子宮に刺激が伝わることで、着床した受精卵が育たなくなる影響も考えられます。受精後から5日目までの受精卵が、子宮にたどり着く間なら、性行為は問題ないといわれています。しかし、受精卵が子宮内に入った約6日~10日目は、受精卵のために性行為を控えたほうがよいといわれています。
妊娠のための性行為のあとは、着床が確実に行われたことが、第1ステップといってよいでしょう。細胞分裂が行われなければ、受精は確定せずに終わることもあり、着床したことでようやくスタートといっていい大切な時期です。
受精卵に影響がでる場合があるので、確実な着床のためにも、着床出血している時期の性行為は、夫婦でよく話し合って控えることをおすすめします。