生理周期は健康状態を表すといわれていますが、いつでも自分の身体がどの周期かを把握し、快適な生活が送れるように環境を整えることが重要です。本記事では、生理周期の計算法や、4つに分けられる周期の体調、心情の変化について詳しく解説します。
生理周期は健康状態を表します。自分の生理周期は、大体わかるという人も、自分の身体が今生理周期の中で、どのような時期なのかは分からないということも少なくないでしょう。また、妊娠を望む人にとっても、生理周期を把握することは非常に重要です。
自分の生理周期を把握することによって、自分の身体がどのような状態なのか分かります。さっそく、正しい計算方法を確認しましょう。
まず、自分の生理周期の計算方法を解説します。これをもとに計算をしてみて下さい。
健康的な女性の生理周期は、25日~38日の範囲といわれています。生理の期間は、3日~7日程度で出血が止まります。
生理周期や出血のある期間が、これよりも極端に短い、または長い場合や、生理周期が毎月極端に異なるなど、不安に思うことがある場合は、早めに婦人科で受診しましょう。
生理周期の計算方法は、出血が始まる生理開始日を1日目として、次の生理開始日の前日までの日数を数えるだけです。たとえば、1日に生理が始まり、次の生理は始まるのが28日だった場合、生理周期は27日になります。
このようにして日数を数えるだけなので、非常に簡単に計算ができます。
生理周期は、ストレスや疲れなどの身体へのダメージを受けると、数日前後したりするなど、すぐに乱れが出てしまいます。そのため、最低でも4カ月分のデータをとるようにして平均化すると、月によって多少前後はあるものの、ひとつの目安になります。
また、生理周期を計算して、次の生理予定日を自動で計算してくれるアプリもたくさんリリースされているので、活用してみると、さらに簡単に生理日管理をできるようになります。
生理周期を計算して、何かおかしいかもと思った人は、もしかしたら身体の不調のサインかもしれません。
生理周期が長く、39日以上になってしまう症状を「希発月経」といいます。そのほかに、90日以上月経がこない症状を「無月経」、排卵はしていないのに月経だけある「無排卵月経」などがあります。
これらの症状は、卵巣機能の低下や排卵障害が原因として考えられます。また、ストレスや急激な体重変化などが、影響していることもあります。
生理周期が短く、25日未満になってしまう症状を「頻発月経」といいます。初潮を迎えたばかりで、身体がまだ未熟な時期や、閉経前に起こることが多いですが、黄体機能不全や無排卵周期症などが原因で起こる場合もあります。
また、生理周期を見て、明らかに生理ではないときに出血している場合、子宮に異常があることが考えられるので、すぐに医師に相談するようにしましょう。
生理周期がそのときによって違い、安定しない症状を「不正周期月経」といいます。生理周期の6日以内の変動であれば、正常なのであまり心配しすぎないようにしましょう。
また、10代はまだホルモンバランスが安定していないことが多く、生理周期も乱れがちになります。しかし、20代ころから安定してくるので、まだ初経から数年しかたっていない人も、心配しなくても大丈夫です。
生理が終わったばかりなのに、また出血してしまうなどの場合は、閉経前に生理周期が早まるということを除くと、生理ではなく不正出血の可能性が高いです。
中には、心配しなくてもよい排卵出血や着床出血もありますが、子宮頸がんや子宮内膜ポリープなどの子宮の病気によって出血している可能性があります。したがって、異常があった場合は、すぐに婦人科で受診して、検査を受けるようにしてください。
女性の身体と心は、ホルモンバランスによって変化します。ホルモンバランスは、生理周期と密接な関係があるので、生理周期によって身体と心が変化していくのです。
生理開始日から約2週間の間を、「卵胞期」といいます。この時期は卵胞が発育しはじめ、卵胞ホルモンが分泌されて、子宮内膜がだんだん厚くなっていきます。
卵胞期の始まりは、「月経困難症」という下腹部痛や腰痛などの症状が現れることが多いため、気分が落ち込みがちになってしまいます。まったく症状が出ない人もいれば、身動きが取れないほど体調を悪くしてしまう人もいるなど、症状には個人差がかなりあります。
卵胞期の後期に入ると生理が終わり、卵胞ホルモン(エストロゲン)が多く分泌される時期であり、このホルモンは、肌や髪の調子を整えて美しくしてくれる効果があります。身体も心も安定し、太りにくい時期でもあります。したがって、ダイエットを始めるならこの時期が一番痩せやすく、精神的な負担も軽減されるのでおすすめです。
排卵が起こってから生理が始まるまでの期間を、「黄体期」といいます。排卵をして、身体が妊娠をする準備に入ります。
黄体期が始まると卵胞ホルモンが減り、黄体ホルモンが増加していきます。この急激なホルモンバランスの変化で、むくみや便秘などになりやすく、気分も下がりがちになります。
また、肌荒れもしやすい時期なので、新しいコスメやスキンケアなどは荒れる可能性が高くなるため、少し時期をずらしたほうが安心です。なるべくストレスをためないようにして、この時期を過ごしましょう。
黄体期の後期に入ると、いつもよりイライラしやすくなり、些細なことで怒ってしまったりなど、情緒不安定になりがちな時期です。黄体期前期よりもむくみが悪化したりするので、その影響で体重が増えてしまうこともあります。
また、腹痛や胸の張りなど、生理中のような症状を感じる人もいます。この時期は、なるべくゆっくりとリラックスできるような環境にするように心がけましょう。
黄体期の不調は「PMS(月経前症候群)」と呼ばれ、40代~閉経までの人に多くみられ、症状の重さはさまざまです。原因はホルモンバランスの不均一とされていますが、実際にはストレスなどの影響もあるといわれており、特定することは難しいようです。
PMSは生理がくると症状がかなりよくなるので、趣味や軽い運動をして、生理が来るのを待つようにしましょう。また、漢方薬やピルなどでも、症状を軽減させられます。ただし、あまりにも症状がひどくて、日常生活に支障が出てしまう場合は、婦人科で相談しましょう。
まずは、自分の生理周期を把握することによって、自分の身体が今どのような状況なのかが理解できます。周期に合わせた生活を送ることによって、心身ともに毎日を快適に過ごせるでしょう。また、何か異変を感じたらすぐに婦人科に相談するようにしましょう。