妊娠を希望しているのであれば、おりものを日々チェックしている人も少なくないです。その中で、排卵日におりものが少ないと感じ、もしかしたら不妊になっているのではないかと不安に思っていませんか?本記事では、おりものと妊娠の関係について解説します。
妊娠を望んでいる人だけでなく、すべての女性にとっておりものの状態は、身体の状態のバロメーターになるといわれています。通常は、排卵日になるとおりものの量が増えるといわれていますが、妊娠を望んでいる人がおりものの状態をチェックしていて、増えている様子が見られないと不安に思うかもしれませんね。
本記事では、おりものと妊娠の関係について解説します。正しく理解して、上手に対処していきましょう。
おりものとはどのような役割を果たしているのかについて、詳しく解説します。
個人差はありますが、おりものは、女性なら誰にでも分泌されるものです。膣の入り口と肛門の位置はかなり近く、雑菌が膣の中に侵入しやすいです。それを防ぐために、排卵期以外は、雑菌が苦手とする酸性のおりものが分泌されます。
排卵日直後は性質が変わり、アルカリ性のおりものを分泌するようになります。これは酸に弱い精子が、受精しやすいようにするためです。
卵胞期前半と呼ばれる、生理が終わった直後のおりものは、生理で排出されなかった経血が一緒に分泌されるため、茶色っぽい色をしており、量は少なめでさらっとしています。そして、卵胞期後半から排卵に向けて、だんだんとおりものが増えていきます。
排卵期の2~3日が、最もおりものの量が増えるようになります。とろみがあり、透明で水のような見た目でにおいはなく、この時期のおりものは「子宮頚管粘液」と呼ばれます。排卵期後の黄体期には、ピークを終えたので次第に量が減り、白くドロッとした粘り気があるおりものになります。
生理の直前になると、再び量が増えてきてにおいが一番きつく、白くどろっとした粘り気があるおりものになります。生理前なので、血液が少し混ざったおりものが出る場合もあります。
おりものの量は、エストロゲンという女性ホルモンが関係しているため、年齢とともに変化します。初潮を迎える頃から、おりものの量が増え始めます。10代の頃は、ホルモンバランスが不安定なことが多いため、おりものの量も不安定になりがちです。
20代~30代の妊娠しやすい時期は、女性ホルモンが一番分泌されるようになり、ホルモンバランスが安定するため、おりものの量も安定します。閉経後2~3年で女性ホルモンが分泌されなくなり、量がかなり減少します。
一般的におりものと呼ぶものは、女性の性器から分泌されるものを指します。妊娠に関係のあるのは、子宮頚管から分泌される「子宮頚管粘液」と呼ばれるものなので、女性器から分泌されるおりものと区別されることが多いです。しかし、不妊用語で分かりやすくするため、子宮頚管粘液をおりものと呼ぶことが多いです。
排卵期に妊娠を助けるために、子宮頚管粘液の状態が変化し、膣内が酸性からアルカリ性に変わります。アルカリ性になることによって、酸性に弱い精子が進みやすい環境になります。そのため、子宮頚管粘液が少ないとアルカリ性になりにくくなり、精子が死滅しやすい環境になるため、不妊症の原因になります。
妊娠を希望していのに、子宮頚管粘液が少ないときの対処法を解説します。
子宮頚管粘液が少ない原因にはいくつかあり、ホルモンバランスの乱れや、感染症、排卵誘発剤の副作用、ストレスなどがあげられます。原因を考えたときに改善できるものであれば、根本からの解決になります。
たとえば、普段の生活を振り返ってみて、寝不足をしたり食生活が乱れたりしていないでしょうか。不規則な生活習慣も、ストレスにつながり、結果的にホルモンバランスが乱れる要因になり得ます。
おりものの量には個人差があり、多い人もいれば少ない人もいます。おりものの量が多いのは、病気ではないので心配しすぎる必要はありません。
しかし、妊娠を希望しているのになかなか妊娠できないと悩んでいる場合は、医師に相談するとよいでしょう。
おりものは、女性ホルモンと深い関係があります。そのため、おりものの量が少ないと感じたら、ストレスや食生活など、日々の生活習慣を見直してみましょう。
肉や魚、大豆などのたんぱく質を積極的に食べて栄養を補給し、ストレス対策にビタミンCやパントテン酸を摂取するようにしましょう。また、睡眠不足は女性ホルモンが分泌されにくくなるため、良質な睡眠をとるように心がける事が大切です。
女性器から分泌されるおりものではなく、子宮頚管から分泌される子宮頚管粘液は、量が少ないと不妊症の原因になりえます。しかし、普段の生活の中に、子宮頚管粘液を少なくしてしまう原因が隠されているかもしれません。
妊娠を希望していて、子宮頚管粘液が少ないのであれば、まずは日々の食生活を見直して、ストレスや睡眠に気を付けることで生活習慣を整えて、女性ホルモンの分泌を安定させるようにしましょう。原因を根本から解消できれば、子宮頚管粘液も増えてくるでしょう。