2018.08.09

「生理周期と体調は密接関連」体の変化に合った快適ライフを過ごそう

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月経は毎月あるものですが、生理周期つまり、次の月経が来るまでの日数は何日が正常範囲なのかご存じですか。生理周期が異常であれば、体からの不調のサインかもしれません。不調を早く改善するためにも、生理周期について正しい知識を知っておきましょう。

生理周期ごとの体調の変化が気になる

生理前は、心も体も不調になることが多いですよね。肌トラブルも多くなり、何となくイライラしたりとうまくいかない日もあるでしょう。反対に気分も絶好調で、肌もツルツルという体調もメンタルも万全という日もありますよね。

こうした生理周期による体調の変化に、とまどっている人も多いのではないでしょうか。この記事では、まずは生理周期の流れからくわしく解説し、生理周期の計算方法や乱れる原因などについても取り上げます。周期ごとの体調について知っておくと、体調管理だけでなく、メンタルコントロールにも役立ちますので、この機会に、ぜひ確認してみましょう。

生理周期の流れ

生理周期の流れについてみてみましょう。生理周期は、大きく分けて4グループに分かれます。それぞれのグループの特徴を知っておくと、自分の体がどのように変化しているのか、何を補ってあげるとよいのかなどが見えてきます。

受精卵を受け入れる準備期間の卵胞期

卵胞期とは、月経が終わり新たな卵子を育て、排卵の準備をする期間のことです。脳の視床下部から下垂体へ、卵巣刺激ホルモンの分泌を盛んにするように指示が送られます。すると、下垂体から卵巣へ刺激ホルモンが出されます。

この刺激ホルモンを受け取った卵巣では、卵子の元ともいわれる原子卵胞が、成熟するように準備を進めていく過程が行われていきます。また、排卵と同時に受精の準備もする時期なので、卵胞が成熟する際に分泌されるエストロゲンによって、子宮内膜も厚く柔らかなものに整えられていきます。

基礎体温を測っている場合は、卵胞時期は低温層になっています。これは、体温が上がる黄体ホルモンの分泌が始まっていないためです。生理周期が28日の方だと、この低温層(卵胞時期)は約14日続きます。

卵子が排出される排卵期

卵胞期で成熟した卵子は、やがて受精のために卵巣から排出されます。この排出される時期が排卵期です。子宮内膜を厚くするために、分泌されていたエストロゲンの量が増えてくると、下垂体より排卵期への移行の指示が卵巣に出ます。すると、卵子を包む卵胞の袋が破れ、中から卵子が出て来て、排卵されるというわけです。

排卵期は2、3日と短いため、妊活をしている方は、排卵期の特徴を見極めることが大変です。その場合、医療機関で目安を教えてもらう、市販の排卵検査薬を使用するなどの方法があります。

着床しやすくなるための黄体期

卵子が排出されたあとの卵胞は、黄体へと変わります。そして、排卵した卵子が、受精して戻ってこられるように準備をするため、黄体ホルモンの分泌が始まります。柔らかくした子宮内膜の厚みを、受精卵が着床できるように、もっと厚くふかふかにしてくれます。

この時期は、黄体ホルモンによって行われる受精への準備の影響で、エネルギーが大量に必要となります。そこで体温を高くし、血液の循環を良くするなど、エネルギーを確保するために基礎体温も上昇するのです。高温層(黄体期)も、生理周期28日の方では約14日続くとされています。

妊娠しなかった場合に起こる月経期

受精の準備を進めていた子宮内ですが、受精しなかった場合は、エストロゲン、黄体ホルモンともに分泌量が激減していきます。そして、厚みを増した子宮内膜も、一度リセットされるために剥がれ落ち、血液と共に体外へ排出されていきます。これが月経の始まりです。

ホルモンの急激な減少、子宮の収縮や子宮内膜が剥がれ落ちる痛みなどにより、生理痛や頭痛が引き起こされます。人によっては、胃の痛みなど心身ともにつらい時期になることもあります。

生理周期による体と心の変化

生理周期の4つのグループは、それぞれ体調、メンタル両方に大きく影響しています。このサイクルを押さえておくと、アクティブに活動する日やゆっくりリラックスする日など、体や心に合わせた予定を建てられるので、生理前のつらい時期も乗り越えやすくなります。

卵胞期は一番体調がよい

卵胞期とは、卵胞を成熟させていく時期です。この卵胞を成熟するのに欠かせないホルモンが、エストロゲンです。このエストロゲンには、肌や髪をつややかにしてくれたり、体中の水分の巡りが良くなるので、むくみを改善しやすくしてくれたりと、女性にうれしい作用がたくさんあります。

むくみが改善しやすくなり、体も動きやすくなる時期なので、ダイエットや体を鍛え始めるには一番おすすめのタイミングです。このように、卵胞期は生理周期で一番体の調子がいいときです。ぜひこの時期に、新しい趣味を始めてみたり、メイクを少し変えてみたりと、いろいろ挑戦してみてくださいね。

卵胞期は自律神経が安定する

卵胞期は、体調のほかにメンタル面でも安定する時期です。エストロゲンには、自律神経を安定させてくれる作用があるからです。心も軽くなり、何事にも前向きになれる時期なので、自信に満ちた日々を送れるでしょう。

心身のバランスがよい時期なので、何かの決断を下すときも、冷静に判断できるようになります。大きな決断をしたり、今の自分を見つめなおしたりするのにおすすめです。

排卵後に徐々に体調が下降する

体もメンタルも絶好調の卵胞期が過ぎ、排卵を終えると、体は黄体期へ移行していきます。黄体ホルモンの分泌が増えるにつれて、少しずつ体調のほうも下降気味になっていきます。黄体ホルモンにより、子宮内膜がどんどん厚くなってくるので、下腹部に違和感を感じたり、人によっては痛みを感じたりする場合も出てきます。

妊娠に向けて体が準備している時期なので、エネルギーを蓄えるために、脂肪や水分をため込みやすくなります。よって、食べた分はそのまま体についてしまいやすいので、体重も増加しやすくなります。極度の食事制限は必要ありませんが、バランスのよい食事を心がけ、脂質や糖分の取りすぎに注意しましょう。

排卵後は感情の起伏が激しくなりやすい

黄体期には、黄体ホルモンの分泌が盛んになります。これにより、感情のコントロールが難しくなることがあります。元気で何でもこなせそうなくらい、ハイテンションになったかと思えば、激しく落ち込んだりと、起伏が激しくなることもあります。

黄体ホルモンの影響で、交感神経が優位になってしまうためです。情緒不安定でつらいことも出てきますが、「この時期は仕方がない」と割り切って、無理をしないようにしましょう。

黄体期の体は不調なことが多い

メンタルもつらい時期ですが、体調にもいろいろとうれしくない影響が出る時期です。子宮内膜を厚くするため、体内の水分を取り込もうとするので、むくみが目立ち、便秘になることが多いです。子宮内膜の準備とともに、妊娠に備えて母乳の準備もし始めるので、乳房の痛みやはりを感じる方も多いです。

また、ホルモンバランスが急激に変わる時期なので、肌も荒れやすくなります。化粧品などで、いつもと違う刺激を感じたときは、使用を控えたり、肌に優しいものに変えたりするなどしてみましょう。さらに、髪にも影響があるので、ヘアカラーや脱毛など負担がかかるものは、黄体期には避けることがおすすめです。

黄体期はイライラしやすい

生理前症候群の症状でもよく知られる「イライラ」。黄体ホルモンの急激な分泌増加により、ホルモンバランスが崩れ、自律神経が乱れることが原因です。イライラのほかにも不安、人と会いたくない、憂鬱な気分になることなどが増えてきます。

また、周りに対して攻撃的になりやすいですので、この時期の付き合い方に注意しましょう。イライラしやすい時期や原因を知っておくと、毎日の過ごし方を変えてみたり、あらかじめ予定を減らしたりと、対策をたてられます。

自律神経の乱れにより、不安を感じやすくなるこの時期は、普段より甘いものを欲することがあります。脳が気持ちを安定させるために、糖分を必要とするためです。このような時期は無理をせずに、ハーブティーなどで気持ちをやわらげ、ゆったりと過ごすことがおすすめです。重要な決定は下さず、落ち着いて淡々と日常生活を送りながら、乗り越えましょう。

月経期はさなざまな不快な症状が出る

月経期は実際に出血を伴うので貧血に悩まされたり、子宮内膜が剥がれ落ちるので生理痛がおこったりと、体の不調もピークになります。そのため、貧血対策として鉄分を意識してとっていきたいですね。

また、基礎体温も変化していきます。高温層を保ってきた黄体ホルモンの分泌が減少し、低温層へ移行していくので、体温が下がっていきます。体温が低温になる月経1日目より、基礎体温を測り始めると、基礎体温の周期が分かりやすいです。

体温が低温になることにより、血行も悪くなりやすいので、手足の冷えなどにも悩む方も出てきます。ストレスとも相まって、体調不良を引き起こしやすくなるので、食事にショウガを取り入れるなど、体の中から温めてあげる方法を取り入れていきましょう。ニラは体を温め、生理痛を和らげる作用があるといわれています。あたたかなスープなど美味しいレシピもたくさんあるので、ぜひ試してみたください。

さらに、お風呂にゆっくりつかってリラックスすることもおすすめです。合わせて手足のマッサージや簡単なストレッチ、運動などを取り入れると、体中の血行も良くなり、冷えの改善へもつながります。血行をできるだけよく保つためにも、きついガードルなど締め付ける下着の着用は避けておきましょう。肌も敏感になりやすい時期ですが、調子が良ければ、パックや美容マッサージでいたわってあげましょう。

月経期の最初は心も落ち込み気味

黄体期の名残や、生理痛、貧血の症状により、どんより気分で始まる月経期。普段よりも匂いに敏感になるなど、神経質になりやすい方もいるでしょう。月経期の後半には、次の卵胞期に向けて、卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され始めるので、気分が落ち着いて元気も出てきます。

不快なことも多い月経期ですが、女性には大切な時期でもあるので、無理をせず、体もメンタルも絶好調になる次の卵胞期を楽しみにしておきましょう。

生理周期の計算方法

生理周期を記録するためにも、計算法を確認しておきましょう。周期の始まりと終わりを、正確に知っておかないと、記録がずれてくることもあります。周期には多少のずれはありますが、数カ月の記録をもとに、自分の生理周期が何日パターンなのか知っておくことも大切です。

生理開始日を1日目とする

生理周期は、卵胞期から始まります。生理周期のグループ分けでは、卵胞期と月経期の特徴が違うので分けていましたが、実はこの卵胞期の始まりが月経なのです。

月経開始日、つまり出血が見られた日を、新たな生理周期の1日目として計算しましょう。

次の生理開始日前日を最後とする

月経初日が1日目なので、当然次の月経の初日が、新しい生理周期の1日目になります。つまり、次の月経1日目の前日が、生理周期の最終日となります。例えば、1月1日に月経がはじまり、次の1月31日に次の月経がはじまるとすると、生理周期は30日となります。

毎回の月経ごとに、周期の誤差が多少は生じることがありますので、最低でも4周期分を記録して、平均を出してみましょう。

25~38日が平均

生理周期は、月経の出血が見られた日を1日目とし、次の月経の初日前日が最終日です。この間の日にちを数えてみてください。個人差がありますが、平均25日~38日間の生理周期なら、正常範囲内とされています。生理周期にはばらつきがあり、不安に感じられる方もいるかもしれませんが、この範囲内であれば、それほど心配する必要はありません。

また、月経期の日数も健康管理には大切です。全体の生理周期と合わせて、月経日数も記録してみましょう。月経日数の正常範囲は、3日から8日、女性の平均では4、5日といわれています。

25日~38日の範囲よりも長い、または短い、あるいは長い時期短い時期があってバラバラという場合は、何らかの疾患が隠れていることや、体の不調が考えられます。数カ月の記録をみて、気になるときは医療機関に相談してみましょう。

多忙や強いストレスがかかると、生理周期は長くなる傾向があります。短い場合は、ホルモンの乱れなどが考えられます。基礎体温の記録と合わせると、原因が明確になりやすいので、一緒に記録することをおすすめします。

生理周期は変化することがある

生理周期の記録が集まったら、平均の日数を出してみましょう。25日~38日の範囲なら正常とされています。それ以上長い、あるいは短い場合は、どのような可能性が考えられるのかも知っておきましょう。知識があれば、自分の周期が正常範囲外でも、あわてることなく対処できるでしょう。

生理周期が長い希発月経

生理周期の平均が39日を超える場合は、「希発月経」と呼ばれています。希発月経のほかにも、90日以上も月経が来ない「無月経」や排卵がされていないのに起こる生理「無排卵月経」など、症状や状態別に分けられます。これらはそれぞれ違った原因で、引き起こされていると思われるかもしれませんが、卵巣の機能低下や、排卵障がいなど、根底に共通した原因が潜んでいる場合が多いです。

卵巣や排卵障がいといった直接的な原因以外に、ストレスや、体重の増加などによって、排卵に関わるホルモンをつかさどる視床下部や、脳下垂体に影響を及ぼし、ホルモン分泌が乱れ、生理周期にも影響が出ていることも考えられます。

周期が安定していた方でも、急に伸びることもありますし、少しずつ伸びていく方もいます。毎回の記録を見比べて、生理周期が伸びているようであれば、医療機関へ相談に行くなど早めに対処しておきましょう。

生理周期が短い頻発月経

生理周期が短すぎるのにも、何かしらの問題が隠れています。25日未満で月経がはじまる場合は、頻発月経といわれています。初潮を迎えたばかりであったり、閉経前だったりすると起こりやすくなります。それ以外の年代では、黄体機能不全や無排卵周期症などが考えられます。

また、出血が月経ではなく、子宮などの異常による不正出血の可能性も考えられます。普段の生理周期だと、月経ではない時期に出血した場合は、早めに婦人化など医療機関で相談、受診しましょう。

生理周期がバラバラな不正周期月経

生理周期が長くなったり、短くなったりするタイプもあります。このような生理周期は、「不正周期月経」と呼ばれています。おおよその目安として、周期ごとの違いが6日以内であれば、心配するほどではないとされています。

また、初潮を迎えたばかりの方は、数年間ホルモンの分泌バランスが安定しないので、不正周期月経になりやすい傾向があります。成人に近づくにつれて体も完成すると、周期も安定してきます。

多忙やストレス、体重の増減などいろいろな原因により、ホルモンバランスや生理周期は影響を受けることが多いです。なかなか安定しないときは、一度ライフスタイルなどを見直してみましょう。

あまりに早い場合は生理でない可能性

短い生理周期は「頻発月経」といいますが、あまりにも早すぎる場合は、出血自体が生理ではない可能性が高まります。排卵時の出血や着床出血など、体に影響のないこともありますが、子宮ポリープや子宮がんなど、子宮の疾患が原因となっている場合もあります。あまりにも短すぎる周期で出血するときは、早めに医療機関で受診しましょう。

生理周期の途中での出血では、時期も確認してみましょう。通常の排卵期あたりでの出血では、排卵日出血の可能性も考えられます。また、妊活をされている場合には、着床出血などの可能性もあります。着床出血に心当たりがある場合は、妊娠の可能性がありますので、適正な時期に検査してみることをおすすめします。

生理周期が長くなる理由

生理周期が長くなる理由とは何なのでしょうか。いくつかのケースが考えられます。早めに医療機関で受診したほうがよいケースもあるので、心当たりがないか確認してみましょう。

高プロラクチン血症の可能性

プロラクチンというのは、もともと女性ホルモンの一種で、産後に母乳を分泌したり、生理を抑制するために分泌されます。このプロラクチンが、何らかの原因によって分泌過多になり、生理が抑制された結果、生理周期が長くなっていると考えられます。

プロラクチンの分泌が過多になる原因として、ピルを長年服用していることや、脳下垂体に腫瘍ができている、甲状腺機能が低下していることなどが考えられます。またこれら以外でも、睡眠不足やストレスなど、日常生活の中に原因が潜んでいることもあります。

一度、医療機関で原因をはっきりさせておきましょう、高プロラクチン血症は、主に薬によってプロラクチンの分泌を抑制する治療法で、改善されることが多いです。腫瘍が原因の場合は、軽度なら服薬治療のみのこともありますが、重度だと腫瘍を取り除く手術も並行して行われます。ピルが原因なら、服用を一時中止するよう指示されることもあります。

稀発月経でも排卵をしていれば、妊娠は可能です。生理周期が長いと、無排卵状態になっていることも多いので、医療機関で受診する場合は、この辺りもしっかり検査してもらいましょう。さらに、食事やストレスも稀発月経につながりやすいです。バランスよく食べ、適度な運動や入浴などでストレスをためない、それだけでも改善することもあるので、まずはちょっとした工夫から始めてくださいね。

PCOSの可能性

「PCOS」とはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、日本語では「多嚢胞性卵巣症候群」と呼ばれています。複数の卵胞が卵巣内にできるものの、成熟するのに時間がかかりすぎるために、排卵に至らないという症状を引き起こします。40日以上の生理周期が続く場合以外にも、高アンドロゲドン血症や、成長ホルモンを中心に分泌する、下垂体ホルモンのバランスが乱れているなどが確認されたときに、PCOSの可能性が考えられます。

排卵に至らない原因の多くは、通常は男性ホルモンと呼ばれる「アンドロゲドン」の分泌が多い傾向が見られやすいので、超低量ピルを用いて、男性ホルモンの分泌を抑える治療法が用いられます。さらに、漢方薬によるホルモン補充も並行して行われることもあります。中には、ホルモン補充を禁止されている方、血栓などができないかを、慎重に様子を見ながら投与しなければならない方もいるので、医師からの指示に従ってください。

妊娠希望の場合は、排卵誘発剤によって排卵を促すなどの治療を行います。多嚢胞性卵巣症候群と診断された方の中には、体外受精を勧められる方もいます。卵胞の発育を管理し、卵巣が落ち着く頃に胚移植することで、安全に治療することができるとされているためです。妊娠を希望の方は、早めに医療機関で受診し、医師と相談してみてください。

妊娠の可能性

普段の生理周期が安定している方で、前回の生理より45日以上空いている、月経予定日より1週間過ぎている場合は、妊娠の可能性があげられます。基礎体温を測っている方は、高温期が2週間以上続いているかも確認してみてください。まずは妊娠検査薬で調べてみましょう。

陰性の場合は、1、2週間後に再度検査してみてください。最後の性行為より、3週間以上あけて検査しても陰性だった場合は、妊娠の可能性はありません。陽性の場合は、妊娠している可能性かなり高いので、速やかに産婦人科で受診してください。

無月経の可能性

90日以上生理が来ない場合は、生理不順ではなく無月経の状態となりますので、必ず治療を受けましょう。放置してしまうと、治療にも長い時間がかかるので、早めの受診が必要です。

排卵に関わるエストロゲンは骨の形成にも影響しています。エストロゲンの分泌が十分でないと、骨密度が低くなり、将来骨粗鬆症になる可能性も高くなります。特に骨の成長期である10代で無月経の場合は、骨のためにもしっかり治療を受け、改善していきましょう。

更年期に入り間延びし始めた可能性

40代後半から50代にかけて、体は閉経に向けて準備を始めます。その過程で、生理周期が長くなっている場合があります。生理周期が長くなるとともに、ほてりや発汗、めまいなどの症状も出てきたら、更年期症状が考えられます。つらい時は婦人科で受診しましょう。

40代後半でこのような症状が出ることは、異常ではありませんが、ホルモンが急激に減少していしまうと、骨密度が低下してしまうこともあります。そのため、50代辺りまでは、サプリメントなどでホルモンを補ってあげることをおすすめします。

生理周期が短くなる理由

生理周期があまりにも短いと、無月経などの影響が出てきます。とくに、20日以内に繰り返される場合は注意しましょう。

無排卵月経の可能性

生理周期が短い方の多くは、何らかの原因で無月経状態になっていることがあります。通常だと、卵胞期にエストロゲンが分泌され、卵胞を成熟、排卵させます。その後、黄体ホルモンにより子宮内膜が分厚く準備されるのですが、妊娠しないと子宮内膜がはがれ月経が始まります。

エストロゲンの分泌が十分でない場合は、排卵まで至らないために、子宮内膜も厚くならずに月経がなかなか始まりません。また、黄体ホルモンの分泌が少ないと、子宮内膜がきれいにはがれてくれないので、少量の出血が繰り返されるという状態になってしまうのです。

排卵の有無は、基礎体温の変化でも確認できることがあります。生理周期と合わせて2、3カ月記録してみて低温、高温の層がきれいに分かれていないときは、無排卵の可能性が高いので、婦人科などで相談してみましょう。

また、ストレスや体の冷え、偏った食事など生活習慣が影響していたり、甲状腺機能や卵巣機能の低下などの疾患が原因となっていたりすることもあります。とくに妊娠を希望されている方は、早めに受診して治療していきましょう。

不正出血の可能性

出血したからといって、月経とは限りません。生理周期の中途半端な時期に出血してしまうと、軽い月経だと勘違いされる方もいますが、これには要注意です。

なぜなら、子宮がんや子宮頸がん、子宮内膜ポリープなどの疾患で、不正出血していることも考えられるからです。いづれの疾患も初期は自覚症状が乏しいので、出血を繰り返すときは、早めに医療機関で受診しましょう。

黄体機能不全の可能性

黄体機能不全とは、黄体期に黄体ホルモンが十分に分泌されない、機能してくれない状態になっていることです。脳からの指令がうまくいっておらず、卵巣の働きに何らかの原因があるといわれています。黄体機能不全では、黄体期、つまり月経の2週間前あたりで、不正出血することもあります。

自分では判断しにくい症状ですが、基礎体温の高温期が14日以内、高温期と低温期の差が0.3℃以内である、高温期の体温にばらつきがあるなど、基礎体温と合わせて確認してみましょう。不妊にもつながるので、気になる症状があれば、早めに医療機関へ相談してください。

卵胞期短縮症の可能性

卵胞期短縮症とは、黄体機能不全とは反対に、卵胞期が短くなる症状のことです。主な原因は、加齢による卵巣刺激ホルモンの過剰分泌です。卵巣機能が低下しているのに、脳より卵巣への指示が出てしまい、過剰に刺激ホルモンが分泌され、卵胞の成熟が早まってしまい、排卵も早まるので卵胞期が短くなってしまいます。

その結果、月経の回数も増えることになってしまうという状態になります。基礎体温の低温期が短めになるという以外には、自覚症状はありません。月経が増えるので貧血が起きたり、卵子が完全に成熟される前に排卵されて不妊につながったりすることもあります。

生理周期がバラバラの理由

生理周期の長短の原因と同じく、周期がバラバラの場合もいろいろな可能性が隠れています。気になることや妊娠を希望している場合は、早めに受診しましょう。初潮を迎えたばかりの10代だと、生理周期が安定していないことがあります。また、閉経に向けて準備が始まる40代辺りの年代で、生理周期や月経量が不安定になることがあります。このような場合は、生理現象なので心配することはありません。

卵巣に異常がある可能性

生理周期の乱れには、卵巣の機能が深くかかわっています。生理周期が長いときは、多嚢胞性卵巣症候群でなかなか月経が来ない、短いときは、排卵障がいの状態になるなど、卵巣の働きに異常がある可能性が高いです。

どちらも治療により改善が可能な症状ですので、早めに受診するようにしましょう。不妊につながることもありますので、妊娠を希望している場合は医師に、妊娠を考慮した治療法を希望したい旨を、伝えておきましょう。

子宮に異常がある可能性

生理周期のばらつきには、卵巣以外にも子宮の異常も考えられます。生理周期のばらつきのほかに、月経の量が増える、生理痛がひどくなるなどの自覚症状があると、子宮の疾患の可能性も出てきます。

子宮筋腫や子宮内膜症、ポリープや子宮がんなどが原因になっていることもあるため、医療機関で相談し、検査してもらいましょう。

ホルモンバランスが乱れている可能性

生理周期はホルモバランスの乱れで、短くなったり長くなったりすることもよくあります。月経には、エストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)の二つが深くかかわっています。これらの女性ホルモンの分泌量は、周囲の環境の変化、ストレス、急激なダイエットによる体重の減少で減ってしまうので、排卵や月経に影響し、生理周期にもばらつきが見られるようになります。

ホルモンバランスは非常にデリケートで、少しのことでもすぐに乱れてしまいます。肌荒れやメンタル面にも影響を与えてしまうので、日頃から気をつけていきましょう。まずは、食事のバランスや、睡眠時間を見直してみたり、リラックスできる時間を確保してみたりなど、少しの工夫でも改善がみられることもあります。

更年期が近付いているため

50代を目安に、閉経を迎えるといわれています。この閉経に向けた準備期間として、40代後半から50代半ばまでの10年間ほどは、更年期とされています。更年期を迎える前に、30代後半から40代前半に生理周期が乱れたり、月経量が少なくなることがありますが、体の自然現象なので心配する必要はありません。

更年期のほてりや発汗、めまいなどの症状がつらいときは、婦人科など医療機関へ相談してみましょう。

ダイエットによる生理周期への影響

生理周期に関わる女性ホルモンの分泌や、卵巣の働きと体重には密接な関係があります。体重が減少し過ぎても、増加しすぎても影響を及ぼすので、適正な体重を目指しましょう。

食事制限によって起こり得る生理不順

ダイエットというと、食事制限をする方もいらっしゃるのではないでしょうか。一番早く効果が出て、体重減少しやすい方法です。しかし、このダイエット法は体への負担が多く、生理周期にも悪影響を及ばす可能性があります。

とくに特定の食品、栄養成分のみ摂取すればよいというダイエット法では、栄養が偏ってしまいます。すると、卵巣や子宮にまで十分な栄養が回らず、排卵や月経が正常に行われない状態に陥ってしまいます。よって、バランスよく、どの栄養成分も摂取できるように心がけましょう。

体脂肪が減り過ぎて生理が止まる

体脂肪を減らすことは、体に良さそうに思われるかもしれませんが、過度な減量は生理周期にも影響が出ます。卵胞期に活躍するエストロゲンは、実は卵巣だけでなく、皮下脂肪からも作られているからです。

また、脂肪を減らしすぎると、体を動かす事を優先にエネルギーが使われてしまうため、排卵や月経のためのエネルギーが足りなくなり、脳が月経を中止するように指示を出すこともあります。一度に体内脂肪を減らすのではなく、適正値を目指して、数カ月のスパンでゆっくりダイエットしていきましょう。

生理周期を利用したダイエットがある

生理周期の中でも、痩せやすい時期と痩せにくい時期があります。そのサイクルを利用すると、ダイエットが効果的に行えます。一番ダイエットに有効な時期は、生理が終わった直後から排卵するまでの卵胞期、排卵期です。反対に一番痩せにくいのは、エネルギー確保のため脂肪をため込もうとする黄体期から月経期です。

したがって、生理直後から排卵までの14日間を目安に、ダイエットをはじめ集中して取り組み、黄体期や月経期は一度ストップしてゆっくり過ごすことが、体のサイクルに合ったダイエットのリズムといえるでしょう。

太り過ぎでも生理不順は起こることがある

過度な減量は、生理不順を招く可能性があります。さらに、過度な体重増加も禁物です。皮下脂肪には、エストロゲンを分泌する働きがありますので、過剰な分泌量によりホルモンバランスが崩れてしまいます。また、脂肪細胞の活動が活発になりすぎると、卵巣の皮が厚くなりすぎるなど排卵に影響が出てしまいます。

痩せすぎ、太りすぎのどちらにしても体への負担がかかってしまうので、適正体重を把握して、健康的にダイエットしていきましょう。

生理周期を記録するアプリ

生理周期を自分で数えるのは大変です。そんな時は、自動的に日数を数えるなど生理周期を記録してくれるアプリの力を借りましょう。記録アプリの種類がいろいろある中で今回は、以下の基準で使いやすいものを選びました。

  • 生理日が予測できる
  • 排卵日が予測できる
  • 基本的に無料で使用できる

生理日管理アプリのルナルナ

1200万ダウンロードを突破するほど、人気で有名なアプリです。生理周期の記録のほか、生理日や排卵日の予想や妊娠しやすい時期、ダイエットにおすすめの時期など、体のサイクル情報をいろいろと教えてくれます。

次の予定日も分かりやすいので、スケジュール管理に便利です。生理日や痩せ期などが近づくと、お知らせしてくれる通知機能があるので、カレンダーでいちいち確認する手間もありません。

【参照リンク:https://pc.lnln.jp/pages/service.html

排卵日予測も可能なラルーン

ルナルナに次いで、こちらも人気の生理周期管理アプリで、会員数も600万人突破と利用者も多いです。生理日を簡単入力するだけで、生理周期や次の生理日、排卵日も予測もしてくれるので、記録方法も簡単です。

生理日や排卵日予測の他に痩せ期のお知らせ、体重や体脂肪の記録管理もできます。お悩み相談もあるので、女性同士で体やメンタルなど、ちょっとした相談もできます。

【参照リンク:http://app.a-tm.co.jp/service/lalune.html

生理管理アプリのリズム手帳

このアプリは360万ダウンロード突破と、人気が高いです。記録した生理周期や体重、基礎体温などのデータは、コンビニで簡単印刷することができるので、医療機関などでの検診時に医師にも説明しやすいです。

普段の生理周期や生理日予測の活用だけでなく、妊娠後はマタニティーモードにて、健診の記録や妊娠中の体調記録が管理でき、妊娠週数別のアドバイスを教えてくれます。長期間愛用できるアプリです。

【参照リンク:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.kirei_r.sp.diary_free&hl=ja
【参照リンク:https://itunes.apple.com/jp/app/%E7%94%9F%E7%90%86%E7%AE%A1%E7%90%86%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA-%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0%E6%89%8B%E5%B8%B3-%E6%8E%92%E5%8D%B5/id575109564?mt=8&ign-mpt=uo%3D4

基礎体温で記録をつけるEggy

基礎体温を記録することで、生理日や排卵日を予測するので、妊活に最適です。生理周期の記録や、基礎体温のグラフも見やすく、気になるところはズームして確認できます。妊活中の女性同士で利用できる「Egg広場」という掲示板もあるので、妊活の相談や励ましあいなど、いろいろな場面で使用できます。

入力方法が簡単なので、朝の基礎体温の記録が面倒だったり、アプリ起動などに時間を取られたくなかったりする人にもおすすめです。このアプリも妊娠モードがあるので、引き続き妊娠週数を記録していきたい方も使えます。

【参照リンク:https://itunes.apple.com/jp/app/基礎体温で生理-排卵日を予測-eggy/id796310093?mt=8

生理周期について正しい知識を持っておこう

生理周期は、ホルモンバランスや生活習慣、体の不調、疾患などいろいろな原因で乱れます。重大な体の疾患が隠れていることもありますし、不妊など妊娠にも深く関係するので、生理周期の異常を感じたら早めに受診しましょう。

生理周期に関わるホルモンのバランスは、生活環境や食事に支えられています。適正体重で、バランスよく規則正しい食事をとるようにしてみましょう。良質な睡眠と適度な運動などで、リフレッシュもいいですね。

生理周期について正しい知識を待っていれば、多少変動があっても、早急に対処できます。メンタル面でも無理をせずに、ストレスをなるべくためないように心がけていきましょう。基礎体温も排卵状況を知る有効な情報になりますので、生理周期と基礎体温の記録から始めることをおすすめします。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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