妊娠初期の基礎体温は高温期が続くので、いろいろな体調の変化を感じます。妊娠初期はとても大切な時期なので、ママの精神状態もピリピリしやすい状態です。基礎体温を正しく計測できると、自分の体調の変化や妊娠の可能性を把握する目安に役立てられます。
妊娠初期は体が憂鬱になり、赤ちゃんを形成するための体の変化や、すでに出産しやすい体になるために骨盤が開いてくるなど、少しずつ変化が始まります。基礎体温を付けている人も多いかと思いますが、妊娠初期にはどのように変化するのか、気になっている人もいるでしょう。
今回は、妊娠初期の基礎体温はどう変化するのか、そして基礎体温の正しい測り方について、一緒に確認していきましょう。自分の体調を把握するためにも、妊娠初期の基礎体温の変化に着目して、体の変化に対応していきましょう。
妊娠すると、高温期が続きます。卵胞期、排卵期、黄体期の中で、高温期は黄体期の期間になり、プロゲステロンという黄体ホルモンが分泌されます。高温期が17日以上続き、プロゲステロンが分泌されている期間は、受精卵を育てるために子宮内膜が剥がれ落ちることはなく、生理も始まりません。
受精卵をほかの菌から守るために基礎体温が上がり、体の本能で受精卵(赤ちゃん)を守ろうとします。子宮内膜も厚いまま、ふかふかのお布団のように受精卵が着床しやすいように体が準備を整える期間と考えましょう。妊娠成立に至らなかった場合は、子宮内膜が剥がれ落ちます。これが生理で、再び低温期に戻ります。
基礎体温は、目覚めてすぐの体温を基準とします。起きて立ち上がり、日常の生活をしている最中に計測する体温は、基礎体温とはいいません。朝目覚めて、布団でまだ横になっている状態で計測した体温を、基礎体温としてチェックしていきます。
自分の正確な基礎体温がわからないという人、基礎体温表を毎日つけていても排卵日を特定できず、低温期と高温期の境目がわかりにくいという人も、体温を計測するタイミングを誤認している可能性があります。正しく計測することで、自分の基礎体温を把握できるようになります。
妊娠初期は、妊娠5~15週までの期間をいいます。妊娠0?3週までは妊娠が判明するケースが少なく、妊娠を確定する着床が起こっていない期間なので、受精卵は存在しているものの「妊娠」はまだしていない、微妙な期間です。生理予定日を1週間過ぎると妊娠検査薬が使えるので、それで判定をしてみることもよい方法です。
妊娠5~15週は、体にいろいろな症状があらわれ、普段通りに生活できない人もいます。つわり症状、腰痛、便秘、めまい、頭痛などがあらわれて、日々の生活がつらくなり、食欲もなくなります。しかし、赤ちゃんに栄養を届けなければならないので、栄養バランスを考えて体を大切にすべき時期であることを、認識しておきましょう。
基礎体温でわかることは、いろいろあります。自分の体調を把握するためだけではなく、ほかのポイントも把握できます。どのようなことがわかるのか、チェックしておきましょう。
基礎体温は、妊娠をしているかどうかを判断する有力な情報となります。妊娠すると、高温期が長く続くことで分かるため、基礎体温を計測していれば、いち早く妊娠したことに気がつけます。
妊娠をしたことが早くわかることで体を大事にでき、余計な薬やアルコールも控えられ、赤ちゃんのことを考えた生活ができます。自分の体調不良の原因は、妊娠のためということも理解できるので、心の準備もでき、妊娠生活をスタートさせられます。
基礎体温を把握することで、ホルモンの状態が正常であるかどうかを確認できます。ホルモンの分泌が悪いと、低温期が続いたり基礎体温が低くなることがあります。その場合、改善対策を考え、自分の生活を見直し体調を調える工夫ができるようになります。
ホルモンバランスが乱れていると基礎体温も安定しないので、生活習慣や食生活を見直し、ストレス発散法なども考えると、ホルモンバランスも安定へと導くことができます。それでも基礎体温が改善されない場合は、婦人科や産婦人科で受診することをおすすめします。
基礎体温をチェックすることで、生理予定日や排卵日を特定することにつなげられます。基礎体温を付けてグラフにしてみると、低温期、高温期という二層になりますが、これはホルモンバランスが正常である人の場合です。
ホルモンバランスが正常でない場合、基礎体温のグラフが二層にならず、生理があっても排卵していない可能性もでてきます。基礎体温を計測することで、自分のホルモンバランスの状態を確認でき、整えるための対策をすることにもつなげられます。
高温期の状態が10日以内の場合や、低温期と高温期の平均の差が0.3℃以内で体温の差がほとんどない場合、黄体機能不全に気が付くことができます。高温期の期間が短く、高温期と低温期の差がさほどない場合や、高温期の途中で低温へ落ち込む症状です。
この応対機能不全だった場合、妊娠しにくく体調も崩しやすい状態になります。日々の生活サイクルを見直し、早めに婦人科での受診することをおすすめします。
基礎体温の情報をもとに、排卵の有無を把握することができます。基礎体温表のグラフをつけていると、高温期と低温期に分けられた、きれいなグラフができ上がります。
排卵が起きていない場合は、高温期と低温期の区別がつきにくくなり、基礎体温がガタガタになります。また、基本的に体温が低い体質の人が多いです。日常の生活習慣を見直すことで改善できるので、健康的な生活を意識しながら、基礎体温表をつけていきましょう。
高温期が続く妊娠初期ですが、基礎体温が低下する場合があります。原因を把握することで、焦らず冷静に対応できるので、内容をチェックしておきましょう。
高温期に1日もしくは2日程度、基礎体温が下がる現象を「インプランテーションディップ」といいます。これは必ずおこるものではないとされ、医学的に根拠の裏付けがあるものではなく、妊娠超初期に見られる現象の一つなので、深刻に悩むことはありません。
低温になると生理が始まるサインなので、基礎体温をチェックしている人は生理だと予測しがちです。しかし、そこで再び高温状態に戻る場合は、妊娠の可能性が継続して高い状態であるサインです。それに備えた生活の準備をしていきましょう。高温期であるはずの時期に、基礎体温が下がると不安になりますが、妊娠超初期に見られる現象の一つとして捉えておくと、冷静に対応できます。
妊娠超初期の「インプランテーションディップ」ではなく、基礎体温が下がった状態が3日以上続いた場合、妊娠していない可能性が高くなります。低温期が3日以上続くと生理が始まり、妊娠の希望はなくなることを知っておきましょう。
基礎体温をチェックしているからこそ、体の変化に気が付くことができ、妊娠の可能性や生理の予測ができるのです。インプランテーションディップは3日以上続くことはないので、基礎体温の低下が続く場合は、生理のサインとして考えておきましょう。
基礎体温は、胎盤が形成される14~16週頃に低下します。しかし、その期間よりも早い時期に急速に低下した場合は、流産の可能性が高いと考えましょう。胎盤が完成する頃は、基礎体温がやや低くなることがありますが、急激に低下してしまう場合は流産しているかもしれません。
基礎体温の低下は、流産のサインとして考えている人も多いですが、妊娠黄体や胎盤から、すぐにプロゲステロンが分泌されるわけではないので、基礎体温の低下だけで流産を判断することは難しいです。不安に感じる場合や異常を感じた場合は、すぐに産婦人科を受診しましょう。
基礎体温を正しく計測できていないことにより、基礎体温の低下と誤認してしまうケースもあります。日々の基礎体温を正しく計測するからこそ、妊娠の可能性などを予測できるので、計測は正しく行うことを意識しましょう。
基礎体温は、朝目覚めて体を起こす前に計測します。体を起こし、日常の生活をしているときに計測をしても、正しい基礎体温にはならないので注意しましょう。
基礎体温は、正確に測ることで排卵日の特定や高温期、妊娠の可能性などを判断する目安にできます。正確に測定しなければ意味がないので、正しい計測法を確認しておきましょう。
基礎体温は安静時の体温のため、朝目覚めたら体を起こす前の横になった状態で計測します。活動し始めてから計測してしまうと、体温が上がってしまうため、基礎体温は計測できなくなります。
基礎体温は、布団で寝ている状態のときに計測するものとし、体温計と基礎体温表は枕元に置いておけば、忘れずに計測できます。朝目覚めて最初に行うことなので、忘れずに計測する習慣を身につけましょう。
基礎体温は、朝起きてすぐ横になったまま計測します。通常は脇に挟んで計測しますが、基礎体温を正確に計測する場合、舌の裏中央にある筋の部分に挟んで計測します。計測器が鳴ったら口から取り出して、数値を確認します。
通常は体温を測る場合、口の中で測る習慣がないので、最初は抵抗を感じるかもしれません。しかし、基礎体温は口に入れて測定することで、より正確な数値でチェックできるのです。また、口に入れるだけではなく、舌の裏中央の筋の部分に挟むことがポイントです。
基礎体温の計測は、正確性を保つためにも、毎日同じ時間に計測することが大切です。同じ時間帯に起きられるように、目覚ましをセットしておくこともよいでしょう。また、いつも同じ時間帯に起きられるような、健康的な生活習慣を心がけると、目覚ましがなくても起きられるようになります。
少しの動きや寝返りでも、体が動くことで基礎体温は変化してしまいます。朝起きたら、横になったままの状態で極力動かないようにして、体温計を手の届く位置に置いておき、スムーズに計測できるようにしましょう。
基礎体温の計測は、より正確に短時間で計測できる婦人体温計を使用します。基礎体温は、高温期と低温期の差が0.3~0.5℃あります。このわずかな差を計測するためには、普通の体温計ではできず、専用の婦人体温計が向いています。
婦人体温計は、小数点以下2桁まで計測でき、口の中で測るタイプなので、より正確に測ることができます。より正確な基礎体温を計測したい場合は、婦人体温計の利用がおすすめです。
計測をしたら、数値のみを記入するのではなく、グラフにすることで基礎体温の変化が分かりやすくなるため、グラフに起こしてみましょう。体温の移り変わりがわかりやすく、妊娠しやすい時期を予測でき、自分の体のリズムも把握しやすくなります。
月経初日を第1日として測定し、線でつなぎます。1カ月だけではなく、2~3カ月は継続してチェックすることで、自分の生理周期や排卵日、低温期と高温期の差などを把握でき、妊娠しやすい健康的な体なのかも知ることができます。
排卵後から高温期が継続する妊娠初期は、17日以上続きます。その間、体調の変化や基礎体温が低下するなどいろいろな症状が現れますが、人それぞれ異なります。基礎体温を正確に計測できると、妊娠の予測や自分の体調の変化を把握できるので、正しく計測する方法を確認し、日々の体調管理に役立てていきましょう。