女性にとっては身近な病気である子宮内膜症。その治療内容によって必要な費用は大きく変わってきます。今回は手術となった場合を中心に、費用はどの程度かかり保険適用なのか、また給付金などはあるのかなど、必要となる費用に関する情報を詳しく解説します。
女性であれば誰でも患う可能性のある子宮内膜症。簡単にどのような病気かは知っていても、治療方法やそれにかかる費用まではご存知でない方も多いはず。
そこで、今回は手術となった場合にかかる費用や、給付金などの制度についても詳しく解説します。
また実際に治療を受けた方のブログも紹介しているので、是非参考にして安心して治療を受けましょう。
投薬による治療では完治は見込めませんが、病巣部位を縮小させたり症状を抑えることができます。
妊娠するとホルモンの影響により子宮内膜症の症状が緩和することからできた治療法で、プロゲステロンや低用量ピルなどを服用することにより人為的に妊娠した状態を作り出します。
副作用の出ることが少ないので、長期で継続して治療することができ、薬物療法では主流となっています。
子宮内膜症は女性ホルモンにより増殖すると考えられており、閉経すると症状が治まることが多いためにできた治療法で、卵巣の働きを抑制する薬を使うことにより、エストロゲンの分泌が抑えられて月経が止まり、人為的に閉経した状態を作り出すことができます。
副作用として更年期障害(ほてりやめまいなど)や男性ホルモンの増加に伴う体の変化(ひげや肥満など)などがあるようです。
開腹手術とは、腹部を切開し病巣部位を肉眼で直接確認しながら行う手術方法。
病巣が大きかったり、組織の全てを摘出する必要がある場合にこの方法が選ばれることが多いようです。また子宮内膜症は再発しやすいため、今後妊娠を希望していない場合の根治療法として適応されることもあります。
腹腔鏡手術とは腹部に4?5カ所小さな穴を開け、そこから内視鏡や専用の器具を入れて病巣部位を取り除く方法。
開腹手術に比べて傷も小さいので入院期間も短く、いま主流となっている手術方法ですが、癒着が激しい場合などは開腹手術に変更となることもあります。
出来る限り子宮などの部位は残すため、今後妊娠を希望している場合や不妊治療の一環として適応されることが多いですが、術後に確実に妊娠できるとは限らないため、医師としっかり相談することが大切です。
ただし再発する可能性もあるので、術後はホルモン療法や投薬を用いられることも。
薬物療法も手術療法も保険適用になる。
1カ月あたりの低用量ピルの費用は3,000円~5,000円前後となっていますが、先発医薬品がジェネリックかなどによってもかなり金額の差があります。
1カ月あたりの注射薬にかかる費用は8,000円から1万円前後、点鼻薬は5,000円から8,000円前後となっています。
手術費用自体は開腹手術、腹腔鏡手術ともにだいたい10万円前後であることが多いです。
手術費用自体は開腹手術と腹腔鏡手術で大きな差はありませんが、入院が必要な場合はその入院期間によって費用が変わってきます。
腹腔鏡手術は日帰り手術が可能な場合もあるので、その場合は入院費用はかかりません。
開腹手術は傷口も大きい為入院期間は2?3週間と長くなっていることが多いので、入院費用も20万円前後と高額です。
手術費用と合わせ、保険適用でも支払額は30万円は超える場合がほとんど。
腹腔鏡手術の場合は入院期間も1週間以内で短いので、入院費用も10万円前後と抑えられています。
手術費用と合わせて保険適用での支払額はだいたい20万円前後です。
高額療養費制度とは、年齢や所得に応じて医療機関や薬局の窓口で支払う自己負担額の月ごとの上限を決めている制度のこと。
窓口で自己負担額を支払った後に上限額を超えた分を払い戻してもらえますが、支払いには数か月かかることも。世帯で医療費を合算したり、過去1年以内に3回以上限度額を超えることで4回目以降の月からが限度額が下がる制度もあります。
また、あらかじめ窓口での支払いが高額になることが分かっている場合は、「限度額適用認定証」を申請しておいて提示することで、窓口での支払いが自己負担額まで軽減できます。これにより、後から申請した場合のように給付金の支払いまで数か月待つ必要がなくなります。
上記にもあるように、入院などになった場合は窓口での支払いがかなり高額になるので、焦らないためにもこの制度は是非利用したいですね。
厚生労働省のホームページにより詳しい説明が記載されています。
世帯全体でその年の1月1日から12月31日までの1年間で医療費が10万円を超えた場合に、確定申告の医療費控除をすることで還付金が受け取れます。また所得税の控除という部分で、翌年度の住民税が安くなったりするなど、メリットはとても大きいもの。
毎年所得税の確定申告の時期に申請ができ、1~2カ月ほどで受け取ることができます。
医療機関の領収書や健康保険組合から送られてくる「医療費のお知らせ」、また会社員以外の方は源泉徴収票があれば誰でも申請することができ、国税庁のホームページからオンラインで申請書を作成したり送信することも可能となっています。
初めての方でもガイドに沿って簡単に申請ができるので、忘れずに申請して、翌年度の住民税をお得にしましょう。
詳しくは国税庁のホームページをご覧くださいね。
入院などになった場合は、たいていどの保険でも保障されることがほとんどのようです。ただし、女性疾病特約などに加入していると入院日額の保障額が2倍になるなど手厚い保障が受けられることが多いので、一度検討してみても良いかもしれません。
医療保険は病気と診断されてからは加入できないものがほとんどですが、持病があっても加入のハードルが緩和されている「引受基準緩和型医療保険」であれば加入可能となっています。
ただし、通常の医療保険に比べて保険料は割高であったり、付加できる特約が非常に限られたものだけなどの条件があるようです。加入してから1年間は保障が半分だけとなる場合がほとんどですが、最近は加入当初から全額保障してもらえるものも増えてきています。
などの4つの質問がすべて「いいえ」であれば加入することができます。(質問事項は保険会社によりこれより多い場合やもっと少ない場合もあります)
メリットも多いですがデメリットもあるため、加入する際には慎重な検討が必要です。
治療や検査内容が細かく記してあり、また手術で支払われた金額や保険のお話なども詳しくまとめてあります。
【参照リンク:http://chocoai.net/sikyuunaimakushoublog/】
チョコレート嚢胞と診断され腹腔鏡手術を受けられたのち、妊活に取り組んでいらっしゃいます。
【参考リンク:https://ameblo.jp/opiyo0301/】
手術までの検査の様子までもが細かく記されています。
【参考リンク:https://ameblo.jp/departures3/entry-12344384185.html】
子宮腺筋症の診断も受けられているのですが、前向きに治療に取り組まれています。
【参考リンク:https://ameblo.jp/sachu22sachu/】
子宮内膜症の手術費用は決して低額ではありませんが、給付金やさまざまな保険制度が利用できます。それらをうまく利用しながら、自分の体や今後の生活に一番合った治療方法で前向きに治療に取り組んでいきましょう。