2018.08.09

基礎体温が高温期のまま生理が来ることはあるの?体のリズムを知ろう

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高温期なのに生理が来てしまったり、基礎体温のリズムが乱れてしまうなど、不安を抱えている女性は多いでしょう。高温期のとき、女性の体の中では何が起こっているのでしょうか。今回は、基礎体温の知識と高温期の体の状態などについて調べてみました。

高温期の体にはどんな変化がみられるのか

女性の体温である高温期と低温期の体の変化の違いや、生理と基礎体温の仕組みを知って、正しい知識をつけましょう。また、病気などの関連もあるのか、チェックしていきましょう。

女性の体温は周期的に変化する

女性の体温は約28日周期のサイクルで、排卵日をさかいに、約2週間が「高温期」で、月経をさかいに、約2週間が「低温期」になる2層に分かれたグラフになります。体温といっても基礎体温のことで、体を起こすと体温が上がってしまうので、朝起きてから体が安静な状態で測ることが大切。

基礎体温についての説明

毎朝、基礎体温を測ると、排卵日や妊娠しやすい時期や、生理予定日など、女性ホルモンによる月経周期が確認できます。妊娠の可能性やホルモンバランスが乱れていないかどうかもわかるのです。

基礎体温には高温期と低温期がある

基礎体温はホルモンの分泌によって周期的に変化します。エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌のバランスが正常であれば、基礎体温のグラフは高温期と低温期の2層の曲線になります。

基礎体温からさまざまなことがわかる

毎朝基礎体温を測定することで「ホルモンのバランス」「生理周期と次の生理予定日」「排卵日および妊娠しやすい時期」「妊娠の可能性」「病気の可能性」などが確認できます。正常な基礎体温グラフでは、低温期と高温期の2層に分かれることで、女性ホルモンが正常に分泌されていて、妊娠しやすい体であることが分かります。

高温期から低温期に入るころに「月経が来る」と予測できますし、低温期から高温期に入るころは「排卵日で妊娠しやすい」ことが基礎体温から得られるのです。逆に、ガタガタな基礎体温グラフだと病気の可能性が疑われます。

高温期の基礎体温36.8℃ぐらい

日本人の成人女性の平均体温は、約36.2~36.3℃だといわれているので、高温期の体温は、36.7℃~37.0℃が平均値。平均値にすると、0.3~0.6℃が一般的なので、グラフに表すと、きれいにくっきりと2層に分かれているのがわかります。

高温期に見られる体の症状について

「生理前(高温期)になるといつも体調がすぐれない」「精神不安定になってイライラする」という症状があらわれて、日常生活に支障が出るという女性も少なくありません。いったい何が起こっているのでしょうか。

体の不調が起こる

高温期になると決まって、眠気、体のだるさ、むくみ、体重増加、便秘、下痢、乳房の痛み、腰痛、腹痛、肌荒れなどの身体症状が起こります。これはいわゆる「月経前症候群(PMS)」というエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が変化する黄体期から月経期までのあいだに起こる症状。

これらの症状は、プロゲステロンの影響により水分が排出されにくくなり、全身もしくは乳房や頭などに水分がたまりやすくなることが影響するようです。PMSは個人差があり、その症状は200種類以上あるともいわれています。

情緒不安定やのぼせの症状が出る

イライラしやすくなる情緒不安定の症状など、精神的な症状が特に悪化して、日常生活に支障をきたすような症状を「月経前不快気分障害(PMDD)」といいます。

うつっぽい気分が続いたり、気力がなくなる、絶望的な気持ちになる、すぐに悲しくなり泣いてしまったりする人も。反対に、イライラしたり、怒りっぽくなったり、攻撃的になったりなど、感情のコントロールが効かなくなる人もいます。

このような状態が続くと、社会生活に支障をきたすことにもなります。高温期は視床下部の働きが過剰になり、セロトニンやドーパミンなどの快感を司る脳内物質が減少。そのため、すぐに悲しくなったり、イライラしたりと感情のコントロールができなくなってしまうのです。

生理が来るのは高温期から基礎体温が下がる頃

生理の前は、体温を上げる働きのあるプロゲステロン(黄体ホルモン)の減少により、基礎体温が下がります。生理になるということは、妊娠していないということなので、受精卵が着床するために子宮内膜を厚くするという役割が不要になり、必要がなくなった子宮内膜を剥がして生理を起こさせて体外に排出します。

体温を上げる作用のあるプロゲステロン(黄体ホルモン)が減少するので、体温がだんだん下がってきて生理が始まるのです。

高温期のまま生理が来てしまう原因

生理が来る頃に基礎体温が下がるのは、黄体ホルモン(プロゲステロン)が急激に減少するため、正常な女性の体のリズムは、高温期のまま生理が来ることはありません。もし、「まだ高温期なのに生理になってしまった」という場合は、どういったことが考えられるのでしょう。

妊娠によるもの

基礎体温を測っていて、高温期がずっと続いているのに出血があった場合、それは生理の出血ではなく、妊娠をしたための着床出血の可能性があります。

生理予定日のころに起きる症状のため、生理と間違いやすいのですが、生理が始まる前に減少するはずの黄体ホルモン(プロゲステロン)は分泌され続けるため、高温期が続くというのは、妊娠の可能性が高いということなのです。

ホルモン治療による副作用

不妊治療や月経異常の治療などで、プロゲスチン製剤の服用、もしくは注射投与している場合、生理が来ても体温が下がらないことがあるよう。プロゲスチン製剤は、基礎体温を上昇させる作用があります。

服用を継続していることで、基礎体温が乱れることがあるので、受診している医師に確認・相談をしてみるとよいでしょう。

病気による不正出血によるもの

生理や着床出血以外で出血した場合、さまざまな病気が原因の恐れも。子宮筋腫、子宮内膜症、腟部びらんなどの疑いや、子宮がんや子宮頸がんが原因の出血の可能性もあります。また、ストレスによる女性ホルモンの異常、白血病、ビタミンC欠乏症などが原因で起こる不正出血などもあるので、体に変化があるときは病院に相談すると安心ですね。

自己判断はせず病院で受診をうける

出血があったときは、少量の出血でも、重大な病気の可能性が出てきます。自己判断は危険なので、すぐに婦人科の診察を受けましょう。その際に、基礎体温表を持参すると、異常の早期発見や治療に役立ちます。

女性は健康状態を知るために基礎体温をつけることは重要

基礎体温を測ることにより、自分の体のリズムを知ることができるので排卵日が予想しやすくなるため、妊活中の女性は利用することをおすすめします。また、基礎体温のグラフに変化があれば、病気の早期発見をすることもできますので、毎日の習慣にするとよいでしょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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