妊娠を希望しているけど、妊娠しやすいタイミングや排卵はいつなのか、どうやって知ればいいのかわからない女性は多いでしょう。ここでは、排卵のしくみや排卵を予測する方法、妊娠しやすいタイミングについて調査してまとめてみました。
妊娠しやすい時期は、排卵の時期と深く関わっています。妊娠が成立する条件が、精子と卵子がタイミングよく出会うことができて、受精することだからです。したがって、妊活において排卵日はいつなのか知ることはとても重要です。
排卵日を知るには、さまざまな方法があり、自分で簡単にできるものもあります。まずは自分の体でなにが起こっているかを理解して、自分の体のリズムを知って、一番自分に合った排卵日を知る方法を探してみましょう。
女性の体は、毎月、排卵と生理を繰り返して、いつでも妊娠ができるように準備しています。子宮の中にある卵巣内では、排卵の約3カ月前から、卵子となる卵胞が約1000個ほど成熟していきます。
生理のころには、約20個ほどの卵胞があり、約2週間で20mmほどに成長して、その中の残ったたった1個だけの卵胞が、卵子を排出します。これを排卵といいます。排出された卵子は卵管采を通して卵管へ運ばれ精子を待ちます。
生理から排卵までは、「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つの期間に分かれています。それぞれの期間に、自分の体で何が起こっているのかを知っておきましょう。
着床の準備をしていた子宮内膜は、受精卵が着床しなかった場合、子宮内膜が剥がれ落ちて、血液とともに体外に排出されます。黄体ホルモンの分泌がなくなった影響で体温が下降し、そのため血行が悪くなり、冷えや頭痛、胃の痛み、下腹痛が起こりやすくなります。
生理になると出血が約3日間~7日間続き、下腹痛などが起こるため、気分が落ち込みやすくなります。しかし、生理が終わりに近づくにつれて、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が始まる影響で、落ち込んだ気分から徐々に元気な気分になっていきます。
肌が敏感になりやすい時期のため、肌のかぶれ・湿疹になったり、冷えの影響で、血行不良になり、くすみ・くまができたりしやすいです。
卵胞期は、新たな卵子が生まれるときのことをいいます。卵巣の中の卵子のもととなる複数の原始卵胞が成長し、そのうちの一つだけが成熟します。そして、成熟卵胞から出る卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が活発になり、その影響を受けて、受精卵を受け入れる子宮内膜が徐々に厚く成長していきます。
この時期は、卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響で、副交感神経の働きも活発になり気分は安定するため、ポジティブになれます。新陳代謝が活発になるため、血行がよくなるので、肌や髪がきれいになります。
卵胞が成熟すると、卵胞から卵子が排出され排卵が起こります。最も妊娠しやすい時期といわれています。黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増加することで、子宮内膜が徐々に厚くなり始めます。下腹部にちくちくとした痛みがあったり、不快感や違和感を感じやすくなります。
黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で交感神経が優位になり、感情的になったり、イライラしたり、情緒不安定になりやすくなってきます。また、黄体ホルモン(プロゲステロン)には皮脂の分泌を盛んにさせる作用があるため、ニキビや吹き出物が出やすく、肌トラブルになりやすくなるのもこの時期の特徴です。
排卵後の卵胞が黄体に変わります。この黄体からは黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増加され、その影響で子宮内膜が厚くなっていき、妊娠に適した状態になります。黄体期は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で、胸のはり・便秘や下痢・肩こりなどの不調が出やすくなります。
夜の眠りが浅くなるため、日中の眠気が増したりなどの症状が出ることもあります。ホルモンバランスが変化することで、自律神経が乱れ、イライラや不安感が強くなりやすくなります。情緒不安定になりやすく、ちょっとしたことで怒りやすくなったり、やる気が全く起きなくなり無気力になるなど起こりやすくなります。
また、黄体ホルモンの影響で体温が上がり、体内に水分がたまりやすくなります。むくみが起こりやすく、ニキビ・シミ・ソバカスができやすくなるのもこの時期の特徴です。
排卵日を予測する方法は一体どんなものがあるのでしょう。ここでは代表的な5つの方法をみていきましょう。
オギノ式は昔からある手法で、過去6カ月の月経のリズムから平均的な月経周期を計算し、月経予定日から12日前~19日前の8日間が妊娠しやすい期間とする方法です。これは、産婦人科学者の荻野久作氏が発見したため「オギノ式」と呼ばれています。
しかし、オギノ式は予測される期間が8日間と長く、排卵日を特定しにくいデメリットがあるので、あくまでも目安としての補助的に使うといいでしょう。また、生理不順の人は排卵日を特定しにくく、正確性は低いといわれています。
基礎体温とは、婦人用体温計を使用し、毎朝目覚めてすぐに起き上がらない状態で体温測定をすることです。グラフにすると、低温期と高温期の二層にわかれて、低温期の最後にさらに体温が下がる最低体温日があり、この翌日が一番排卵されている可能性が高いとされています。
また、女性の基礎体温は、ストレスや体調によって変化しやすいです。そのため、一定期間計測を継続することが重要になります。最低3カ月程続ければ、自分の基礎体温のリズムが把握できるようになるといわれています。
排卵日を事前に知るために「排卵検査薬」を使う人も増えてきています。排卵検査薬とは、排卵前に尿に多く分泌される「LH(黄体形成ホルモン)」を特殊な薬品で検知して、排卵日を予測するためのものです。ドラッグストアなどで簡単に買うことができます。
日本で販売されている排卵検査薬では、一般的に尿中LH値が20?50mIU/ml以上になると陽性反応が現れるものがほとんどのようです。陽性反応が出ると、その日から2日後までに97%のケースで排卵が起こるとされています。陽性反応が出た日が排卵日ではないので注意しましょう。また、商品による違いもあるので、必ず使用方法は、説明書を読むようにして排卵日検査薬を正しく使用しましょう。
超音波卵胞計測とは、排卵に必要な卵胞の数や卵胞が入っている卵巣の状態、着床に直接影響する子宮内膜の厚さなどを超音波(エコー)を使って検査するものです。
卵巣の中にある卵胞には卵子が含まれていて、排卵が近くなると卵子は卵胞の中で大きくなります。超音波を使って、卵巣内の卵胞の大きさを確認することで排卵日を予測することができるのです。
排卵が近づくと頚管粘液の粘りと分泌量が変化します。それは、精子がスムーズに子宮に入れるように子宮頚管から頸管粘液が分泌されるためで、粘液は卵白のようになり、粘り気が増します。
頸管粘液を指先に取り、親指と人差し指を徐々に離し、粘液を引っ張り伸ばしても切れなくなります。7cm以上伸びるようなら排卵日が近いといわれています。
基礎体温は、正しく測り記録をつけていくことで、いつごろが妊娠する可能性が高いのか、また、自分の体ののリズムの不調など、妊活にとても重要なものとなります。基礎体温の正しいつけ方の基本を知っておきましょう。
基礎体温は、わずかな体温の差を測るものなので、正確に測らなければ誤差が生じてしまい意味がなくなってしまいます。基礎体温の測定を始めるときは、普通の体温計では小数点以下が1桁までの表示のため、0.3℃~0.5℃ほどで差が出る低温期と高温期を見分けられません。よって、専用の婦人体温計を使用しましょう。
測る場所はわきの下ではなく、より正確に測れる口の中になります。朝起きたらすぐに舌の下に体温計を入れて、基礎体温を記録しましょう。測ったら忘れないうちにすぐに基礎体温表に記録をつけるようにするのがポイントです。
基礎体温の計測とは、朝目が覚めたら安静の状態のまますぐに体温を測ることが大切です。起き上がったり飲食をしたりするなど、少しでも体を動かすと、体温が上昇して正しい基礎体温が測れなくなってしまう可能性があるので、寝返りなどはしないように気をつけながら安静を保って測定しましょう。
また、いつでも基礎体温の測定ができるわけではなく、「目が覚めた安静な状態のとき」のだいたい同じ時刻に測るように意識することが大切です。測り忘れのないように、寝る前に基礎体温計を手の届くところに置いておくのもおすすめです。
基礎体温の変化は、折れ線グラフにすると一目で分かりやすくなります。グラフは、一般的に、低温気と高温期の二層に分かれます。そして、低温期と高温期の境目になる最低体温日の翌日が、最も排卵の可能性が高いとされています。
自分の基礎体温のサイクルを把握するためには、最低でも2カ月~3カ月分はしっかり計測をして、体温をグラフに記入することが重要です。
妊娠していない場合、2週間程度続く高温期の後に生理が訪れますが、着床が完了し、妊娠が成立すると高温期は2週間以上続き生理は訪れません。妊娠が成立すると、排卵後にできた黄体が妊娠黄体という組織に変化し、プロゲステロンの分泌が継続します。
プロゲステロンが分泌されている間は、受精卵を育てるために子宮内膜が厚いまま保たれるため、剥がれ落ちることがなく、生理が起こりません。だいたいの目安として、高温期が17日以上続いている場合は妊娠の可能性が高いといわれています。
排卵日検査薬は、妊娠の確立が高くなるタイミングを予測することができる検査薬です。妊娠検査薬を使って排卵日を予測することは、妊娠への近道になるでしょう。
形状は、キャップを反対側につけると、テストスティックが長くなる使いやすいロングタイプになっています。独自技術の「トリプルライン検出法」により3本の線で判定値を表示します。(色の濃淡ではなく、ラインの本数で判定できます)スティックに検査日の記入もできる便利な仕様になっています。
検査は朝・昼・夜いつの尿でも検査できますが、検査開始日から1日1回、毎日ほぼ同じ時間帯に行うようになっています。検査の手順は、準備・尿をかける・静置の3ステップになっており、簡単に実施できるようになっています。開始の方法は、次回生理予定日の17日前から検査を実施し、検査開始日から陽性になるまで毎日実施します。
【参照リンク:http://hitester.jp/products/hitesterh/】
形状は、使いやすいスティックになっていて、見やすくわかりやすい判定窓と、正しく検査できたかお知らせしてくれる尿量確認サインもついていて、判定がとてもわかりやすくなっています。検査開始日から1日1回、毎日同じ時間帯に行うようにしましょう。
尿をかけるだけの簡単操作になっていて、たった2秒の採尿で検査することができて、採尿部が広いため尿ハネせずにしっかり尿をキャッチできます。判定時間は約5分です。
【参照リンク:http://www.rohto.co.jp/news/release/2016/1201_01/】
形状は、使いやすいスティックになっていて、判定窓も大きく確認がしやすくなっています。朝・昼・夜いつの尿でも検査可能になっていますが、検査開始日から、1日1回、毎日ほぼ同じ時間帯に検査をするようにしましょう。
尿をかけて3分間待つだけなのでスムーズな判定が可能であることが特徴です。はじめての人でも簡単で使いやすくなっています。
【参照リンク:https://www.arax.co.jp/checkonelh2/】
排卵日になると、お腹が張って痛くなったり、眠気やだるさを感じたり、なんだか体調が不調になってしまうと悩む人も少なくないでしょう。排卵日の前後に起こりやすい症状はどのようなものがあるのでしょう。
排卵日になると、お腹が張ってちくちく痛くなるという人が多くいます。いわゆる「排卵痛」といわれるもので、原因は、卵子が卵胞を突き破って飛び出す際に腹膜を刺激することで起こります。
また、この時期は卵巣が少し炎症を起こしている状態になるため、お腹が張ったような痛みが出たり、子宮周辺に痛みを感じたりするのです。排卵痛は病気ではないので、特に気にすることはないでしょう。しかし、あまりにも痛みが強く日常生活に支障が出る場合は、婦人科を受診することをおすすめします。
排卵日に出血をともなうことを、「排卵出血」といいます。排卵出血は、卵子が卵胞を突き破って飛び出る際に起こる出血で、排卵日の前後2日~3日に少量出血します。毎月排卵出血が起こる人もいれば、全く排卵出血の経験のない人もいて、個人差があります。
ストレスや生活習慣の乱れがあると、ホルモンバランスが乱れて、出血量が増えるといわれています。もし出血が長びくようであれば、ほかの原因がある可能性が高いので、婦人科を受診することをおすすめします。
排卵期は、黄体ホルモンの分泌により体は水分をため込もうとするため、むくみや冷えが起きやすくなります。むくむことによって、体が冷えやすくなり、血液の循環が悪くなるという悪循環になります。この時期はできるだけ体を冷やさないように、腹巻をしたり、あたたかいお茶で体をあたためたりしましょう。
また、排卵期に「体重が増加した」という女性が多いのも、水分が体にたまっている影響です。この時期の体重増加は、脂肪増加ではないので安心してください。
排卵期になると決まって腰が重く感じたり、強い痛みを感じたりする女性も少なくありません。卵巣の表面が剥がれたり、卵胞と呼ばれる卵子を包む袋が破れたりするのが原因で、腰痛や腰が重く感じる症状が起きやすくなるのです。
排卵期の腰痛は、軽いものが多いようですが、なかには、立てないくらいの腰痛に苦しむ人もいるようです。排卵痛に効くツボもいくつかあるので、試してみるのもよいかもしれません。痛みがあまりにひどいときは我慢をせず、婦人科を受診することをおすすめします。
排卵後には黄体ホルモンの分泌が増加します。黄体ホルモンは、眠気を起こす作用があるため、排卵日付近に強い眠気やだるさを感じることが多いようです。また、夜の眠りの質が悪くなったり、眠りが浅くなるため、日中強い眠気におそわれます。
質のよい眠りを誘うために、リラックスできる入浴剤を使ってゆっくりお湯につかったり、就寝前に安眠・鎮静作用のあるアロマを使用するのがおすすめです。
排卵日が近づくと、吐き気やめまいを感じる人も多くいるようです。これは、排卵によりホルモンバランスが変化することで起きて、吐き気や食欲不振、軽い出血、めまい、頭痛などの症状を感じやすくなります。
もともと胃腸が弱い人は、排卵日付近に胃腸の不快感や吐き気を感じることが多いようなので、この時期は、できるだけ消化のよいものを食べるようにしたり、体を冷やさないものを摂り入れるようにして胃腸に負担をかけないようにしていきましょう。
排卵期は、卵胞ホルモンの分泌が最も多くなる影響で、おりものが多くなり、おりものの状態も変化します。排卵期のおりものは、精子がスムーズに子宮にたどり着けるように手助けをしたりする働きがあります。そのため、個人差はありますが、おりものは排卵日の2日前~3日前に量が多くなり、通常よりも粘り気が増え、指先にとってみるとよく伸びるようになります。
色は透明なゼリー状で、「卵の白身」と似ているのが特徴です。ただし、おりものの量には個人差があったり、そのときの体調によっても変化するため、量が多いからといって必ず排卵期であるとは限りません。あくまでも目安にしましょう。
排卵後に分泌される黄体ホルモンの作用には、腸内の水分を吸収したり、腸の蠕動運動を抑える働きがあり、便秘になりやすくなります。便秘による影響で肌荒れも起こりやすくなるようです。
対処法としては、ストレッチやウォーキングなどの有酸素運動をして血流をよくしたり、ストレスをためない、カフェインを摂らないようにするなど、できるだけリラックスした環境で過ごしましょう。
排卵日にタイミングをとるのが一番妊娠しやすいと思う人も多いようですが、一般的に一番妊娠の確率が高いのは、排卵日の2日前と前日と考えられています。排卵日の性交と比較して妊娠の確率は4倍もアップするといわれているのです。
したがって、排卵日だけ狙ってタイミング法をとっていても、この方法だとなかなか妊娠はしないのです。妊娠を希望しているなら妊娠しやすい排卵日前後に、1回のタイミングよりも集中的に数回のタイミングをとった性交を行うと妊娠の可能性が高まるでしょう。
女性は、月に1回の排卵日に、卵巣からひとつの卵子が卵管に放出されます。そのとき卵管の中に射精された精子と卵子が出会うことができると受精成立となります。精子が子宮の中で生きられるのは約2日~3日といわれていて、排卵された卵子の生存期間は約半日~1日程度といわれています。
精子は射精後5時間~6時間後から1日半前後に受精可能な状態になり、卵子は排卵直後が一番受精に適しています。そのため、精子を排卵前から待機させる時間がある方が妊娠の可能性は高くなるのです。精子と卵子の生存期間は個人差がありますが、排卵日前後3日間は妊娠する可能性が高く、中でも排卵2日前から排卵当日が最も妊娠する可能性が高くなる時期と考えられます。
生理が来ているから、当然排卵もしているだろうと思っている女性は多いです。しかし、排卵は目には見えないため気づかない女性も多いのです。ここでは、不妊の原因にもなる無排卵月経についてみていきましょう。
無排卵月経とは、生理は来ているけど排卵はしていない状態のことをいいます。無排卵月経の症状として、月経周期が24日以内・月に2回月経があるときがある「頻発月経」、月経周期が38日以上ある「稀発月経」、月経が2日以内で終わってしまう「過短月経」があります。
また、月経時の出血が極端に少なく、ナプキンに少しつく程度の出血「過少月経」、月経が8日以上続き、経血の量も少なくダラダラ続く「過長月経」、経血量が多く、ナプキンを1時間おきに変えなければいけなかったり、外出もままならないような状態で、親指の先ぐらいの固まりが混じっていることがある「過多月経」などもあります。
無排卵月経になる原因は、生活習慣の乱れや過剰なストレスなどによるホルモンバランスの乱れによるものといわれています。短期間で何キロも体重を落としたり、厳しい食事制限をするダイエットは、必要な栄養が摂れていないため、体は飢餓モードに陥ってしまいます。
ヒトの体は、生命維持のために必要である呼吸や体温調節などの機能が優先されるようになっています。そのため、生殖機能は二の次となってしまうため、排卵や生理が後回しになってしまい正常に機能しない状態になってしまうのです。
また、疲労や睡眠不足、人間関係による過度なストレスによって、脳の視床下部がストレスの影響を受け、自律神経が乱れて、排卵や生理が止まったりすることもあります。
排卵は目では確認できないため、無排卵月経は自分ではなかなか気づかない病気です。妊娠を望んでいるのに妊娠できないという場合は無排卵月経の可能性があるかもしれません。生理が来ているから大丈夫と思っていても、実際は排卵していなかったということもあるのです。
排卵していなければ妊娠はできません。無排卵月経は放置すると回復するのが難しくなり、不妊の原因にもなるといわれています。また、ホルモンのバランスが乱れた状態が続くと骨粗鬆症や子宮体ガンのリスクを高めることにもなります。
無排卵月経の症状の特徴は、基礎体温の変化が見られないことです。正常な場合は、排卵をしてから月経があるまでの間は高温期になり、基礎体温が0.3℃~0.5℃上昇します。しかし、無排卵の場合は、このような高温期がなく、ずっと低温期が続いたり、基礎体温がバラバラになります。
この状態が続くようなら、無排卵月経が起きている可能性があります。まずは、3カ月分の基礎体温を測ってグラフに記入して排卵の有無を確認しましょう。
病院での血液検査をすることによって、女性ホルモンが正常に分泌されているかを調べることができます。
卵巣機能の検査であるエストラジオール(エストロゲン)検査、黄体機能の検査であるプロゲステロン(黄体ホルモン)検査、脳下垂体や性腺機能の異常の検査であるFSH(卵胞刺激ホルモン)検査、排卵時期予測の検査であるLH(黄体形成ホルモン)検査、卵巣年齢、卵巣予備能の検査であるAMH(アンチミューラリアンホルモン)検査、授乳中のような排卵の抑制や子宮の収縮が促される状態になる高プロラクチン血症の検査であるプロラクチン検査など、血液検査により血中の値を調べます。
病院では、卵巣や卵胞の大きさを調べ、排卵の有無を確認する超音波検査があります。プローブという器具から出る超音波を体にあてることで、子宮や卵巣の状態を画像で確認します。
プローブには腟内に入れるタイプとお腹の上からあてるタイプがありますが、不妊治療では腟用が用いられることが多いようです。直径1.5cm?2cmの細い超音波プローブを腟から挿入し、卵巣や子宮の状態をチェックします。
治療方法はいくつかありますが、妊娠の希望があるかないかによって治療の方法が変わります。妊娠の希望がある場合は、排卵を起こすために排卵誘発剤を使用します。排卵誘発剤には、飲み薬と注射があり、飲み薬で効果が現れない場合は、注射に切り替えます。
すぐに妊娠したいという希望がない場合は、ピルを使って月経不順を改善したり、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「加味逍遥散(かみしょうようさん)」などの漢方薬により体質改善をしていきます。
女性の体は、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)による影響で変化しやすく、生理周期が定まっている人でも、生活習慣の悪化や強いストレスによりホルモンバランスが崩れて月経サイクルが乱れることがあります。そのため、排卵日の予測がずれる可能性があります。
いつも必ず決まって排卵が来るわけではありません。排卵日の予測は確実ではないのです。あくまでも目安として判断することがよいかもしれません。
卵子の数は生まれた時点で決まっていて、年齢が上がるとともに減っていきます。また、体が老化するのと同じく卵子も老化し、質のよい卵子が育つ確率が低くなり、育ったとしても受精する確率が低くなります。また、染色体異常の確率が上がると、受精したとしても着床する確率が低くなり、卵子が妊娠しにくい状態になっていくのです。
さらに、排卵日はホルモンバランスによっても左右されやすいため、体調や年齢によっても妊娠の確率は変化するといえるでしょう。
ここではいくつかの排卵日予測方法を紹介しましたが、妊活はまず排卵日を知ることが大切です。まずは簡単手軽にできる基礎体温の測定から始めてみるのもおすすめです。
自分の体のリズムを知ることは、妊活をするうえでとても重要です。自分の生活と体に合った排卵日の予測方法を始めてみましょう。