2018.08.09

ホルモンバランスを整えるには。詳しいホルモンの知識と改善の仕方

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普段生活をしていて、何となく体調がすぐれないというときは誰しも経験したことはあるでしょう。そのときは、ホルモンバランスのせいではと、考えたことがある人もいるのではないでしょうか。ホルモンバランスの知識を知り、改善方法も覚えていきましょう。

ホルモンバランスの整え方を知りたい

体調が良くないと感じるとき、もしかしたらホルモンバランスが乱れているのではないかと、考えたことがある方はいるのではないでしょうか。そう思っても、ホルモンバランスを整えるためにはどうしたらよいのか、詳しくは知らない方も多いでしょう。

まずは、ホルモンについての詳細を知るとともに、ホルモンバランスの整え方も覚え、すぐれない体調を改善していきましょう。

ホルモンの詳しい説明

ホルモンというのはよく聞くけど、具体的にまでは知らないという方もいるでしょう。まずは、どういうものなのかを知り、ホルモンバランスを整えていくための知識として覚えておきましょう。

身体の働きを保つためのもの

ホルモンとは、体のさまざまな働きを調節する役割のある化学物質のことです。体の中や体の外から、どのような変化があってもホルモンは影響されず、一定の状態を保つようにできています。

また、ホルモンは体の中の内分泌腺というところでつくられています。そして、血液によって全身に送られていき、内臓の機能を整え、さらに体調面も整えるというはたらきを施します。

確認されているホルモンの数は100ぐらい

知られているホルモンの数は、100ぐらいありますが、現在も新たなホルモンは発見され続けています。そんな数多くあるホルモンですが、女性の体にとって必要な女性ホルモンは、生殖腺の卵巣で作られています。

このホルモンは、少しの量だけでも効果を発揮してくれます。ホルモンが必要になってくると、必要な分だけ作られ、体のホルモンバランスは整えられていきますが、ホルモンの量が多すぎたり、反対に少なすぎたりすると、体調がすぐれなかったり病気にかかったりしてしまいます。

女性ホルモンとバランスについて

ホルモンが100種類以上もある中で、女性の体にとって重要なのは女性ホルモンです。そんな女性ホルモンやホルモンバランスのことなどを知り、女性ホルモンの働きを知識として身に付けておきましょう。

女性ホルモンは女性にだけあるものではない

実は、女性ホルモンは女性にだけに存在しているわけではありません。男性の体内でも、女性ホルモンのエストロゲンが分泌されています。女性ホルモンは、卵巣と副腎から分泌されますが、男性は卵巣がないため、女性ホルモンの量は女生と比較すると、かなり少ないことがわかっています。

反対に、女性も男性ホルモンのテストステロンを分泌しています。しかし、その量はやはり少なく、男性の10分の1程度だといわれています。

エストロゲンとプロゲステロンの2種類がある

女性ホルモンには、エストロゲンという卵胞ホルモンと、プロゲステロンという黄体ホルモンの2種類のホルモンが存在しています。これらのホルモンの分泌量というのは、生理周期によってバランスをとりながら変わっていきます。

二つの女性ホルモンは、それぞれ違う働きをしていますが、両方がきちんと分泌されなければ、心にも体にもなんらかのトラブルが生じてしまいます。

美容ホルモンとよばれるエストロゲンの働き

卵胞ホルモンであるエストロゲンは、美容ホルモンとも呼ばれており、思春期ごろには乳房と乳腺を発達させます。さらに、卵胞と子宮内膜を成長させていくことで、妊娠ができる体に変化していきます。そしてエストロゲンは、女性らしさを感じさせる丸みのある体を作るホルモンであり、ときに肌や髪への状態にも影響を与えます。

それだけでなく、骨をしっかりと丈夫なものにし、自律神経を安定させて、脳の動きを活発にする働きもあるのです。エストロゲンの分泌は、生理終わりから排卵日ごろにかけて増えていきます。この頃は、卵胞期と呼ばれる時期で、基礎体温でいうと低温期のことを指します。

妊娠ホルモンと呼ばれるプロゲステロンの働き

プロゲステロンは妊娠ホルモンとも呼ばれていますが、なぜなら、プロゲステロンには妊娠を守る役割があるためです。具体的にどういうことなのかというと、基礎体温を上げて、受精卵が着床しやすくなる準備をするホルモンであり、子宮内の環境を整える働きがあります。

さらに、プロゲステロンの働きによって食欲が増します。排卵後から次の生理が来るまでに、多く分泌されますが、基礎体温でいうと黄体期という高温期になります。またプロゲステロンは、水分をため込む作用もあるため、生理前にむくみを感じることもあるでしょう。

ホルモンの分泌の周期が崩れることをいう

エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンですが、このホルモンの分泌の周期が崩れてしまうことを、「ホルモンバランスが乱れる」といいます。本来ならば、エストロゲンとプロゲステロンは一定の周期で分泌されるからです。

もしも、どちらか一方だけの分泌量が増えると、なんらかのトラブルが起こりやすくなります。エストロゲンの分泌量が多すぎると、乳がんや子宮内膜症にかかるケースが増え、プロゲステロンが過剰に分泌されると、肌のトラブルが起きやすくなるといわれています。

女性ホルモンの分泌について

エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモン。これらの女性ホルモンの分泌について紹介していきます。分泌量はどのようなものかを知り、女性ホルモンについて学びましょう。

分泌量は30代前半がピーク

女性ホルモンの分泌量は、年齢によって違います。女性ホルモンが分泌され始めるのは、初潮を迎えたころです。そして、20代から30代前半がピークとなり、その後の40代後半から50代にかけて減少していきます。しかも、減少する際には急激に減少していくといわれています。

それによって、35歳頃から卵巣機能が衰えはじめ、シミやシワなどが気になり始めます。そして、45歳頃から急激に老化が進んで、更年期に入っていきます。

減少すると病気の原因になる場合がある

年齢とともに、減少していく女性ホルモンですが、減少していくことでどのような変化があるのかというと、まずは更年期障害を引き起こします。更年期障害は40代半ばごろから50代ごろにかけて起きるといわれており、動悸やイライラなどが主な症状です。

さらには、骨がもろくなる骨粗しょう症、髪が薄くなっていく薄毛、さまざまな病気の要因となる悪玉コレステロールの増加、膣の分泌物が減ることで起きる、萎縮性膣炎などの病気の原因にもなるといわれています。

自分のホルモンバランスを知る方法について

そもそもホルモンバランスの状態がどうなっているのか、それを自分で知るにはどうしたらよいのでしょう。ホルモンバランスの状態を知る方法を覚え、自身の体と向き合っていくようにしましょう。

基礎体温表をつける

ホルモンバランスの状態を知るためには、まずは基礎体温をつけるようにしましょう。基礎体温は、低温期と高温期の2つに分かれており、もし正常な排卵のときには、低温期と高温期の温度差は0.3℃は必要であるといわれています。

もしも、温度差がそれ以下の場合、排卵は正しく行われていないという証明になり、ホルモンバランスが崩れてしまっている可能性があります。

病院で検査を受ける

基礎体温をつけること以外で、ホルモンバランスの状態を知るためには、病院での検査が必要になります。婦人科もしくは産婦人科で検査をうけることで、エストロゲンとプロゲステロン、プロラクチンというホルモンの量を調べてくれます。

ただし、病院で検査を受ける場合は、病気に関わってくることなら保険がききますが、個人的に調べたいということであれば、保険は適用されないので注意しましょう。

ホルモンのバランスが乱れる主な原因について

ホルモンバランスが乱れているかもと、感じる方は多いようです。とはいえ、なぜ乱れてしまうのか、その原因についてはまだ知らない方もいるのではないでしょうか。主な原因を知り、ホルモンバランス改善の糸口として、参考にしてみてください。

年齢によるもの

女性ホルモンの分泌量は、30代後半から減少していくため、ホルモンバランスが崩れていくといわれています。ホルモンの減少は、肌や髪の状態にも影響を及ぼしますが、女性の体調にも影響を及ぼします。

ホルモンが減少していくのは、年を重ねていくほど顕著となり、それは体内が老化し始めているからです。老化すると、女性ホルモンを作る機能が停滞するため、正常なホルモン分泌ができなくなってしまうのです。

ストレスによるもの

ストレスは、体にさまざまな不調をきたしますが、それはホルモンバランスも同じことがいえます。女性ホルモンは脳へ指令が送られることで、卵巣から作り出されます。

しかしストレスによって脳に指令が届かなくなると、女性ホルモンは正常に分泌ができなくなってしまい、ホルモンバランスが崩れていくといわれています。

睡眠不足によるもの

寝ている間に、さまざまなホルモン分泌が行われるため、睡眠不足が続いてしまうと、ホルモン分泌ができなくなってしまいます。また、ただ寝るだけではなく、質のよい睡眠をとることが重要です。

眠りが浅い場合や寝つきが悪いなどは、質が良くない睡眠といえます。そうなると、ホルモンバランスは崩れやすくなってしまいます。

ホルモンを整えるためにおすすめなこと

ホルモンバランスを整えるためには、日頃の生活習慣を見直して、乱れていたところを改善していく必要があります自分で意識して気を付けることで、ホルモンバランスの乱れを改善していくことができるでしょう。おすすめの改善方法を知り、ホルモンバランスを整えていきましょう。

よく寝ること

十分な睡眠は、女性ホルモンのバランスを整えるために、とても重要です。忙しい方は、睡眠時間を確保することは難し方もいるかもしれませんね。

しかし、なるべくしっかりとした睡眠をとることで、ホルモンバランスは整えられます。したがって、質のよい睡眠がとれるように心がけていきましょう。

血行を良くする

血行が悪いのは、ホルモンバランスの乱れの原因となります。血行が良くなれば、ホルモンの流れも良くなっていきます。血行を良くするためには、お風呂にゆっくり浸かったりして、体が冷えないように心がけることが大切です。

また、アロマオイルなどを活用したマッサージも血行を良くしますので、マッサージをするときは、アロマオイルなどを使ってみましょう。

食事に気をつける

日頃、口にする食事でも、ホルモンバランスを整えられます。ホルモンの働きを助ける役割を果たす、大豆イソフラボンやビタミンE、鉄分などを積極的に摂取るようにすると、ホルモンバランスを整えていくことができるでしょう。

大豆イソフラボンは、エストロゲンに似ている構造を持っており、豆腐や納豆などの大豆製品に含まれています。ビタミンEは、プロゲステロンの材料となり、アーモンドやカボチャに含まれています。鉄分は、レバーに多く含まれています。これらの食品を、意識して取り入れていきましょう。

必要な栄養素をサプリメントで補う

食事に、大豆イソフラボンやビタミンEなど、ホルモンバランスを整える栄養素を取り入れようとしても、なかなか毎日は大変という方もいるでしょう。そういった方には、必要な栄養素が詰まったサプリメントを活用することで、不足している分が補えます。サプリメントであれば、食事で摂取するよりも気軽に取り入れることが可能です。

例えば、大豆イソフラボンのサプリメントや鉄分のサプリメントがあります。すべてを摂取しようとしなくてもよいですが、大豆が苦手な人でもサプリメントなら、気軽に取り入れられます。こうしたサプリメントは、ドラッグストアなどで販売されていますので、すべてではなくても少しずつ取り入れてみましょう。

ストレス発散をする

ストレスがたまっていることも、ホルモンバランスに大きく影響します。趣味があれば趣味に没頭したり、趣味がない人は好きなことを見つけるなどして、ストレスのない生活を送ることが重要です。

また、趣味や好きなことだけでなくても、自分に合ったストレス発散方法を見つけて、ため込まないようすることが一番大切です。

運動をする

適度な運動は、ホルモンバランスを整えていくためにも大切なことです。激しい運動ではなくても、ストレッチやウォーキングといった軽めの運動でもよいです。毎日のちょっとした時間に、軽めの運動を取り入れてみて、ホルモンバランスを整えていきましょう。

タバコと飲酒を控える

日頃からのタバコや飲酒、そして冷えやストレスなどは、血行の流れを悪くしてしまいます。すると、ホルモンバランスの乱れの要因となってしまうので、なるべくタバコや飲酒を控えることが大切です。

また、タバコや飲酒は、ほかの病気の原因にもなることなので、少しずつ吸う本数や飲む量を減らし、健康のためにも控えていくことがベストです。

日頃から健康を心がける

体調が悪くなってから、気を付けるようにしても遅いので、日頃から体調面に気を付けて、自分自身の体のことを理解して生活していかなければなりません。生活習慣を見直し、健康面を意識することで、体調不良になってしまうことを予防することができるでしょう。

生活習慣は、食事や運動などで改善することができます。暴飲暴食を避けてさまざまな栄養素をとるようにし、適度な運動を習慣化するようにしていきましょう。

その他のホルモンバランスの改善によいとされる方法

ストレスをためないことや、日頃の生活習慣を見直していくことが、ホルモンバランスの乱れを改善していくことにつながります。実は、それ以外にもホルモンバランスの改善によいとされる方法があるので、ご紹介します。

ツボマッサージを行う

ツボをマッサージすることで、ホルモンバランスの乱れを整える作用に効果があります。例えば「内分泌」は、耳の穴の下にある切れ込みの内側にあるツボです。このツボは、内分泌系の乱れを正常にする作用があります。さらに、婦人科系疾患の生理不順、生理痛などに効果があるといわれています。

次に「神道」は、背骨の上にある、脇の高さぐらいの場所にあるツボです。ホルモンバランスを整える作用があり、精神的ストレスによる異常を、整える効果があるといわれています。

漢方薬やハーブティーを飲む

漢方薬やハーブティーを飲むことで、ホルモンバランスを整えてくれます。漢方薬は薬と比べると、副作用が少ないうえに、症状に直接作用するというところがあります。例えば、生理痛の場合は、痛みがあるときに服用すると、痛みを取り除くことだけに作用します。また、さまざまな生薬を複合することで、むくみや血行不良などの複数の症状の改善が期待できます。

そしてハーブティーは、漢方薬と同じで副作用が少なく、薬効成分が含まれています。肌をきれいにするという、女性にはうれしい美容への効果も期待できます。

不安な場合は病院で受診をする

ホルモンバランスの乱れは、さまざまな病気の要因となってしまう可能性が高いです。例えば、ホルモンが過剰に分泌されてしまう「甲状腺機能亢進症」や、反対にホルモン不足である「甲状腺機能低下症」、さらにはホルモン分泌は正常でも、内分泌臓器に異常がある場合なども考えられます。

甲状腺の病気には、「バセドウ病」という病気もありますし、あらゆる病気が心配で不安だという方は、病院で受診して医師の指示のもと、薬を処方してもらうなどして、ホルモンバランスの改善をしていきましょう。

ホルモンのバランスを整えるため生活習慣を見直そう

ホルモンバランスの乱れの主な原因は、日頃の生活習慣や睡眠不足、ストレスなどが原因です。ホルモンバランスの乱れを放置すれば、病気を引き起こすことにもなりかねません。そうならないためには、これまでの生活を見直して改善していく必要があります。

なかには、すぐには改善が難しいという方もいるでしょう。すべてを今すぐに改善することは難しいですし、続かないので、できることから少しずつ始めていき、ホルモンバランスを整えていきましょう。

妊活部編集スタッフ
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