突然生理になると困りますが、前兆を知ることで準備が可能に。生理の前兆とは生理前に表れる体や心の変化のことで、女性ホルモンと関係がある症状です。前兆にはさまざまな種類があり、人によって症状が異なります。自分の症状を把握して、対策をしましょう。
生理前になると少しのことでもイライラ、たくさん睡眠を取ったのに眠気に襲われることはないですか?さらに生理中より生理前の方が体が大変なときもありますよね。これらの症状が生理の前兆なのかを追求していきましょう。
何かの病気になっているかもと悩んでいる人も、もしかしたら生理の前兆の症状かもしれません。
普段便秘ではない人が生理前になると、便秘になりやすくなってしまうことがあるかもしれません。また普段から便秘で悩んでいる人が生理前になると、さらにひどくなってしまうこともあります。これらのすべては女性ホルモンの影響によるもの。
女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類。黄体期に分泌されるプロゲステロンの働きにより、腸内の便への水分が足りなくなることや、大腸の働きが鈍くなるなどの影響もあり便秘になりがちに。
なぜプロゲステロンが大腸の働きを抑えるかというと受精卵への負担を和らげるため、子宮の収縮を抑える働きがあるから。それが子宮周辺の臓器の動きに影響するためです。
生理開始の1~2週間前に心や体に起こる不調のことを生理前症候群(PMS)と呼びます。その症状は人によってさまざまで200種類以上あるとされています。当てはまる人も多いものなので、対策をして快適に過ごしたいですね。
生理は小学生から中学生の間に始まる人が多いです。前兆は人それぞれですが、肌の乾燥やニキビができたり、体がふっくらする、頭痛や腹痛があるなどの症状を感じることがあります。
また、下着におりものがつくようになります。そのときは、もうすぐ生理が始まるサイン。すぐに生理になるわけではありませんが、パニックにならないように準備をしておきましょう。
産後初めての生理の場合は無排卵のケースもあり、その場合は前兆なく突然再開することも。産後の生理は母乳をあげているかあげていないかなどで、生理が再開する期間も変わってきます。母乳のみで育てている人は、ホルモンの関係で生理再開が遅くなることが多いです。
出産により母体には負担がかかっているため、生理再開の前兆として不正出血や茶色いおりものが出たり、子宮収縮による腹痛を感じることも多いです。いつもと違う体の変化の場合や、心配な人は婦人科の受診がおすすめ。
女性ホルモンのプロゲステロンやエストロゲンのバランスが入れ替わることで、体に不調が起こりやすくなるといわれています。この不調が起きるということはプロゲステロンがきちんと分泌されている証拠。これは排卵があった証拠でもあります。
プロゲステロンは妊娠を継続させるために働くものであるので、妊娠していない場合は生理前の不調が現れやすいのかもしれません。
妊娠超初期症状と生理の前兆に起こる症状はとてもよく似ているため、間違いやすいです。毎月起こる生理の前兆の症状だと気にせず過ごしていたら、妊娠していたということもあります。
排卵後に分泌される黄体ホルモンの影響により、倦怠感や眠気、便秘や下痢、胸の張りなどの同じ症状が起こり妊娠しているのか生理の前兆かの区別がつきにくいです。
倦怠感や眠気はプロゲステロンが分泌されるための症状。便秘や下痢は、プロゲステロンが流産を防ぐために子宮の収縮を抑えています。この影響で便秘になり、逆にプロゲステロンの分泌が少ない場合は下痢になります。胸の張りはプロゲステロンが乳腺の発達を起こす作用があるので、乳腺が刺激されて胸が張って痛くなったりするためです。
おりものは排卵が近づくと量が増えます。これは精子を子宮内に誘導するため。そして、妊娠の有無に関係なく排卵後に一時的に減少します。
妊娠していない場合は生理直前にまた少し量が増え始めますが、妊娠している場合は生理予定日1週間前ほどから排卵前後と同じ程度の量が続きます。また、妊娠している場合は少し粘り気があるおりものに変化することもあります。
しかし体調や環境によってもおりものの量は変化するので個人差があり、判断はなかなか難しいもの。
生理前の下腹部痛は子宮が内側に縮むような痛みがあります。ですが妊娠超初期の場合は、外側に広がるような痛みやチクチクする痛みがあり、いつもの生理前の下腹部痛とは違うと感じることがあります。
妊娠超初期の下腹部痛の原因は、受精卵が着床する「着床痛」。その他は、妊娠に伴うホルモンバランスの変化により子宮が赤ちゃんを育てるために大きくなろうとして靭帯などが引っ張られることで起こります。大きくなる子宮が他の臓器を圧迫し、血行が悪くなり冷えの原因によって下腹部痛になることも。
黄体ホルモンの影響による高温期は妊娠していない場合は、14日前後と個人差が少ないものの、高温期が16日以上続く場合は妊娠している可能性が高いです。
妊娠するとプロゲステロンはしばらく分泌され続けます。多くの人は、妊娠初期まで高温期が続き風邪をひいたかのような微熱が続くもの。しかし妊娠していない場合はプロゲステロンの分泌量が少なくなり、それに伴い基礎体温が下がっていくことが一般的。
普段から基礎体温を計り自分の体温のリズムを把握していれば、妊娠か生理になるのか判断がしやすくなるので基礎体温をつけることはおすすめです。
血糖値が急上昇するとその後急降下し、食欲増進やイライラにつながります。血糖値を急上昇してしまう食べものは、チョコレートやケーキなどの甘いもの。またカフェインやアルコール、塩分の多い食事なども含まれます。生理前はなるべく甘いものを避け、食事も塩分控えめなものにしましょう。
反対にゆっくり血糖値を上げ、ゆっくり消化する穀物類や豆類などを摂取するようにすると生理前症候群は和らぎます。
生理前症候群で神経の緊張・興奮を和らげるため、普段摂取しているカフェインを避けます。なるべくホルモンバランスを整えるイソフラボンや情緒不安定を和らげるビタミンB6、カルシウム、マグネシウムなどを積極的に取りましょう。
生理前に頭痛・腹痛・むくみの原因になりやすいのは、塩分やアルコール。人によって違いますが生理前になると味が濃い食べものが食べたくなったり、お酒をいつも以上に飲みたくなります。生理前はそれらを控え、利尿作用のあるビタミンEを摂取するように心がけましょう。
ビタミンEを多く含む食品はアーモンドやナッツ、アボカド、カボチャ。ビタミンEには利尿作用の他にホルモン分泌をコントロールする作用があります。
生理前症候群の症状を悪化させている原因の1つは運動不足。デスクワークで体を動かすことを普段していない人は生理前症候群が悪化する人が多いかもしれません。
ですが無理して激しい運動をするのではなく、肩こりや腰痛予防になるストレッチやホルモンバランスを整えたり心を落ち着かせるヨガ、気分転換になる散歩など、軽い運動をすることでも生理前症候群(PMS)を和らげることができます。
自分にあった運動を見つけて続けることが大切ですね。
生理中より生理前の方が体調が悪くなる人もいます。眠気やイライラなど人それぞれ症状は違うもの。自分に起こる生理前症候群の症状を把握し、食事を見直したり、軽く体を動かすなど少しずつ対策をすることで生理前のストレスが減ります。
生理前症候群は女性ホルモンの影響により一時的に起こることですが、日常生活をするのも大変な場合は婦人科に相談することも大切。
女性に生まれたなら生理は毎月くるもの。生理前症候群と上手に付き合って、ストレスなく楽しい日々を送りましょう。