2018.06.27

【40代】体外受精の成功率は?40代になるとなぜ成功率が下がるの?

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40代での体外受精成功率は、前半と後半でも差があります。

さらに出生率はとても低くなっています。

体外受精が成功しない理由、それを見つけるための検査や状況、また成功率を高めるための治療法などをまとめました。

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気になる「40代」の体外受精成功率

40代にはいり体外受精を検討している場合、年齢を考えると成功率が気になりますよね。

年代別、治療法ごとに出されるデータを見ると、40歳に突入すると成功率が下がっていきます。

40代の体外受精成功率はどれくらい?

体外受精での成功率は前半と後半では、大きな違いがあることや、そのあとの出産率についても知っておきましょう。

40代前半で約24%

40代前半での体外受精成功率は、約24%ほどといわれています。

不妊の原因や、症例、治療により数値の変動が大幅にあるため、正確な数値がでないのが現状です。

ただし、40代になると体外受精の成功率が大きくさがってしまうことは事実です。

そのうえ、そのあとの出産率となれば40代前半でもさらにさがってしまいます。

またこの数値は、体外受精初回における妊娠成功率です。

ここでいう体外受精妊娠成功率とは、体外受精後胚が着床した成功率であることを覚えておきましょう。

40代後半で約6%

40代後半になるとさらに体外受精の成功率がさがり、約6%と一桁になってしまいます。

40代の前半と後半での差があるのは、40代での1年はほかの若い年代の数年に値するほど大きなものだからです。

40代では卵巣機能の衰えも著しくなり、後半になるとさらに衰え(老化)が進み、排卵しにくくなるためです。

また体外受精が成功しても、流産や死産などの確率が高くなり、出生率はさらに低くなってしまいます。

40代の体外受精成功率が低い理由

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40代での体外受精成功率が低い理由には、老化による卵子や精子の質の低下だといわれています。

また染色体異常や、黄体ホルモンの分泌の低下なども考えられます。

卵子の質が低下する

卵子の数は、生まれたときにすでに決まっているといわれており、その数は年齢とともに減少します。

卵子はほかの体の機能と同じで年齢を重ねるごとで老化していくのです。

また子宮や卵巣の病気、環境、過剰なストレスや偏った食生活なども、卵子の老化を加速させてしまう原因といわれています。

卵子の老化は加齢によるものが多く、自覚症状があまりないといわれていますが、変化の目安としては、月経の周期の乱れなどの変化で気がつく場合もあります。

老化により卵子の質がおちていくことも事実で、老化で質が落ちてしまった卵子を「若返らせることはできない」と今の段階ではいわれています。

精子の質が悪くなる

男性は女性と違い閉経はありませんが、年齢を重ねていくと劣化や老化はやはり起こります。

ちなみに男性の場合は、35歳を過ぎると精子の劣化が進むといわれています。

劣化とは、精子の運動率がさがり、数も減ることをいい、精子の質が悪くなることをさします。

妊娠に必要な運動率は最低でも40%以上とされています。

また男性の場合は年齢だけではなく、生活習慣やストレスを溜めていることも「精子の質をさげてしまうことになる」といわれています。

黄体ホルモンの分泌が低下する

黄体ホルモン(プロゲステロン)は妊娠の成立、継続に欠かすことができない女性ホルモンです。

受精卵を着床しやすいように子宮内膜を厚く整えたりするはたらきがあります。

この女性ホルモンの分泌量は生涯おなじ量が分泌されるのではなく、年齢を重ねていくことにより、その分泌量は徐々に減っていくことがわかっています。

一般的には20代から30代前半にピークをむかえて、そのあと40代の後半には急激に減少していきます。

染色体異常の確率が高くなる

年齢を重ねてからの妊娠には、いろいろなリスクがあります。

40代の場合、染色体異常の赤ちゃんを妊娠する確率が高くなります。

これは40代の場合、老化した卵子が細胞分裂する際に本来であればきれいに半分に分かれますが、偏りがでることで染色体の数に以上が現れてしまうことことがあるからです。

2本ずつある染色体が、細胞分裂によって卵子ひとつずつに分類されたそのなかに、1本ずつ分配されていきますが、40代の場合、染色体が分配されにくくなり21番目の染色体が1本多い卵子となってしまうのです。

染色体数に異常がある場合、着床しにくかったり、着床しても流産しやすいところがあります。

また染色体異常の確率は、どの妊娠の方法(人工、体外、顕微受精)でも同じとされています。

これは本人の卵子で妊娠している限り同じことだからです。

40代の体外受精成功率を高める治療法

体外受精成功率を高めるための方法4つを知っておきましょう。

子宮のコンディションに合わせられる凍胚移植

女性の体から卵子を取り出して体外で精子と受精をします。

その受精卵(胚)を培養し凍結保存をして、適切なタイミングで解凍して子宮に入れることを「凍結胚移植」といいます。

排卵誘発剤を使用して卵巣を刺激し、卵巣が腫れてしまったり子宮内膜の厚さが足りなかったりと問題が発生したときに、いったん妊娠しやすい体の状態までもどします。

その状態のときに凍結した受精卵を解凍して、卵巣に戻すことになるので妊娠率は高くなるといわれています。

また凍結胚移植で複数できた胚を冷凍しておくことで、何度か胚移植をおこなうことも可能です。

排卵誘発剤や、採卵などの体への負担が軽減されるメリットがあります。

ただし着床できる状態までの確認の通院や、安全性が高くても、ごくまれに受精卵を凍結、融解する過程で胚にダメージを与えてしまうことがあることをおぼえておきましょう。

ピルの服用で子宮の調子を整える

ピルをのむことで生理の周期を整えたり、生理を一時的に遅らせることにより、卵巣の機能の回復もできます。

また排卵を止めることで卵巣内を穏やかにして、未成熟な卵子をある程度まで育てたり、卵子の質を高めるための必要な処置のひとつとして使われています。

ピルは体内のホルモンの量を一定にすることが目的で服用するため、決められた期間に決められた分をしっかりと飲むことが大切です。

また副作用がでることもありますので、症状が出る前に心配な場合は医師に相談してから服用しましょう。

黄体ホルモンの補充をおこなう

胚移植をおこなったあとに着床を助けるために、黄体ホルモンなどを補充していくことが大切です。

黄体ホルモンの補充方法は主に内服薬と注射です。

内服薬では合成黄体ホルモン剤が多く使われています。

合成黄体ホルモンは吸収がよく肝臓で分解されにくいのが特徴です。

ただし男性ホルモンの作用もわずかにあるため、長期に使用すると胎児への先天異常のリスクが高くなりますので注意が必要です。

医師の指示通りに服用しましょう。

注射の黄体ホルモンは、筋肉注射になります。

安定した血中濃度を保つことができるので効果は確実です。

ただし毎日の接種が必要となるため、痛みや赤みや腫れなどの症状が出ることがあります。

男性不妊の場合は顕微授精をおこなう

体外授精では成功できず、男性不妊が考えられる場合、次の方法として「顕微授精」があります。

体外受精のように、精子が卵子に自力で受精するのではなく、体外に取り出した卵子に極細の針を使い人為的に精子を1匹注入する方法です。

胚ができたことを確認して着床し、その1~2週間後に妊娠判定で確認ができます。

精子が少なくても、卵管や、卵巣のトラブルがあっても体外受精よりも妊娠する可能性がより高いといわれています。

受精率は50~70%と高い結果ですが、妊娠率は10%前後といわれている現状です。

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不妊理由に合わせた治療を選択しましょう

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40代での体外受精は、年齢があがるごとに成功率がさがることは事実ですが、一般的な数字で判断しないことです。

年齢を考えたうえで、夫婦でよく話あって決めることが必要です。

不妊の原因が男性にもあった場合で不妊治療を続けたい場合は、年齢を考えてできるだけ止まらず早めに次のステップに進みましょう。

また費用がかかることなので、どこまで進んでいくのかしっかり話あっておくことも必要です。

40代の年齢でのリスク等も考えて信頼のできる医師、病院で相談をすることがとても大切です。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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